side気月千歳
「気月さん……ホント飽きませんねぇ?」
「ええ!ヒーロー同士の熱愛報道ほど今アツいコンテンツは無いからね!」
今日も今日とて取材……というかおしゃべりといいますか。
「それよりも今日も流水ちゃんとのイチャイチャを聞かせてちょうだい!それとほかのヒーローの熱愛疑惑も!」
「もう……いいですよ。お話しましょう?」
今日は流水ちゃんから被身子ちゃんをちょっとお借りして、カフェで待ち合わせ。
席に着き、注文したものが来たタイミングでペンとメモ帳を取り出す。
「それじゃあいっぱい聞こうかしら!」
「お手柔らかにお願いしますね?」
「善処するわ!!」
「なるほどなるほど……デクとウラビティ……チャージズマとイヤホンジャック……よく見る必要がありそうね!特にヒーローデクは今みんなの注目の的!大きな見出しに出来そうね!!」
「うふふ。お力になれたようで何よりです。」
被身子ちゃんのお皿を見るともう無い。流水ちゃんは大食いだけど、被身子ちゃんも結構食べるのよね。ふたりともそのお肉は何処に行くの??
「おかわりいる?」
「いいんですか?」
「今日は私の奢りだから好きに食べて?」
「それじゃああとふたつだけ。」
被身子ちゃんがケーキとパフェを注文した。デザートにしては多いわよね?
「私ね?最近いっぱい食べてる子を見るのが好きなのかもって思ってきたの!」
「そうなんですか?」
「だからあなた達婦婦の食べっぷりが結構お気に入りなのよねぇ。」
「そうでしょうか?私は流水さんほど食べませんが……」
「いいのいいの!ふたりが仲良しって知れるだけで私は嬉しいから♪」
本心。あの流水ちゃんが彼女を作っただけでも当時はびっくりしたが……それ以上に嬉しかった。人を心から信用してない子が人を愛せているのだと感動した。
本人には言ってないけど。
「そうですか。……ふふ。」
「どうしたの?」
「いえ?気月さん変わりましたねって。」
変わった……。私が?
「…………そう……かしら?」
「はい。以前より明るくなりました。見てわかるくらいに。」
「……なんだか恥ずかしいわね?」
「いえいえ。悪い意味ではありませんよ。……色々大変だったんでしょう?」
「……。」
被身子ちゃんの元にケーキとパフェが届く。
「いただきます♪……私色々知ってたので。気月さんのこと私なりに心配してたんですよ?」
「そうなの?」
「はい。まぁ知ってたと言っても偶然なんですけど。」
「……聞いても?」
「いいですよ……と言っても簡単で流水さんのスマホの画面見ちゃっただけです。」
「……あぁ……」
あの時は流水ちゃんに助けて貰ってたから頻繁に連絡を取っていた。バレててもしょうがないだろう。
「初めはビックリしました。流水さんが浮気してるかも〜って。まぁ見てみるとそんなこと無かったんですけど。」
「ごめんなさいね?勘違いさせちゃって……」
「ふふふ。大丈夫ですよ。……何とか立ち直ってくれて良かったです。」
「…………被身子ちゃん……ありがとう。」
「いえいえ。これからも仲良くしてくださいね?」
「ええ!」
いやぁ……この婦婦には勝てないわね。全部先を見られてる。全部見透かされてる。だから私も信じれたってのはあると思うけれどね?
「そういえば今日は流水さんが事務所に居るはずですよ。会いに行きます?」
「いいの?」
「ええ。どうせ暇してるでしょうし。」
「ふふ。じゃあお邪魔しちゃおうかしら?」
「どうぞどうぞ。サプライズしましょう?」
「いいわねそれ!じゃあ食べ終わったら……」
「もう食べ終わりました。」
「早。」
ちょっぴり規格外で、とっても優しいふたり。このふたりの周りの人だから当たり前に優しくて。
きっと私が仲良くしてあげてることが彼女達の幸せなんだと気がつけた。
本当なら出来ることなら何だってしてあげたい。
でもきっとそれは彼女たちは望まないから。
私がやりたいことをしよう。
今日も。これからも。