side印照才子
「……ん〜♪美味しいー!!」
「……どれだけやってもインテリジェンスさんほどの腕にはなりませんね……何が足りないのでしょう?」
「ふふふ……秘密ですよ♪」
「ぢゅー…………うまま。」
皆さんに1度紅茶を淹れ、お菓子をちょっと出してからまた話し始める。
「皆さんは雄英高校で学ばれてますから、こういう書類作成もお手の物でしょうが……他の学校はなかなかそうはいきません。ヒーロー科と行っても雄英高校程充実してませんし、何をするにしても雄英高校、士傑高校の劣化になってしまいます。」
「そんなことは……」
「うふふ。最近はあまり格差が無くなってきましたが、昔はそうだったんですよ?そもそも雄英高校以外の学校は、仮免許も2年生から取るのが当たり前でした。」
「……そういえば……誰かが言ってたような……?」
私も紅茶を1口。……今日も完璧ですね。
「昔は今と違って、明らかに雄英高校と士傑高校以外の学校は、ヒーロー科として遅れてました。実践的な授業が受けれなかったという訳ではないんですけれどね?」
「へぇー……そんな時代があったんだね。今の聖愛学院じゃ考えられないや。」
「たしかに。聖愛学院にすごい生徒がいるって話……良く聞きます。」
「私の中学の同級生だよ〜。」
「「は!?」」
槍田様はブラッドロータス様に負けず劣らずのよく分からない友人関係がありますからね。似たもの同士というものでしょうか。
「それでですね?まぁなんというか……先程も言ったように勉強……というか言い方が悪いですけれど、踏み台のような形で利用させてもらおうと思っておりました。」
「……おねーさん多分怒らないと思うけどな??」
「ブラッドロータス先生が怒ってるの見たことないよ。」
「私もです。」
「……ッス-……」
あ。槍田様が目を逸らしましたね。ふふっ……随分とこっぴどく怒られてますからね。怖いでしょう?ブラッドロータス様。
「ふふふ。私は当時もう鬼かと思いましたよ。絶対忘れられません。」
「「え!?」」
「……。」
おやおや?槍田様の顔がどんどん白く……
「懐かしいですね。知らないことばかりで何もかも手が付かない上に、踏み台にしようとしていた事務所で全く上手くいかない焦り。どちらも見破られてしっかり現実を叩きつけられました。」
「「「……」」」
「怖かったですよ?本当に。目線と圧だけで死んじゃうかと思いました。喋り方も怖いんですよね。淡々と事実確認するだけというか。心が読まれてるんじゃないかとさえ思う程でした。」
「えぇ……?想像できない……」
「ね。」
「…………。」
さて。槍田様を虐めるのはこの辺にしておきましょうか。
「まぁその後言われたことは例え死んでも忘れませんね。『出来ないのはいい。失敗するのもいい。だけどあなたは心のどこかで私たちを舐めてる。何も出来ない子供の分際で。リスペクトが感じられない。私達がチャートが低いから楽な仕事しかないとでも思った?そんな調子じゃどんな事務所も取ってくれないよ。おのぼりさん。』……と。」
「……キッツ。」
「ブラッドロータス先生口悪くないですか??」
お口は大変悪いですね。もう慣れましたけど。
「慢心していたつもりはないんですけれどね?私でも自覚してない溝の深いところを掘り上げられた気持ちです。なので……私はここにサイドキックとして雇われたいと思いました。」
「「なんで!?」」
「うふふふ。普通はそうですよね?嫌われてると思いますもの。……でも初めてだったんです。私のプライドを全部折ってくれた大人。叱られる事はありましたよ?負けることもありました。でもそれって誰でも出来ますよね?要らないもの全部折って、スッキリさせてくれた人って初めてだったんですよ。」
「「……!」」
「〜♪」
「だからですかね?……師事してみたいって思ったんです。私はまだまだ未熟者ですけれど、このままブラッドロータス事務所で一生サイドキックでもいいかなと考えております。……とてもお世話になってますから。」
次のインターンでも私から打診があった時、びっくりしたって言われました。……ふふっ。懐かしいですね。後にも先にもあんなにびっくりした顔見たのはあの時だけですね。
「えへへ!私もおねーさんのサイドキックになりたいな!」
「槍田様は多分取るつもりじゃないでしょうか?ブラッドロータス様の気持ちは分かりませんが……槍田様程優秀ならブラッドロータス様は手放さないと思いますよ?」
「んふふふ〜♪そうかなそうかな?」
「……いいなぁ槍田。就職先もう決まってるのかよ。」
「いいじゃない福。私たちはおなじ大学に行きましょ?」
「……うん!」
「皆さんには皆さんの未来があります。妥協ではなく、後悔しないような選択をしてくださいね?」
「「「はい!」」」
……さて。そろそろブラッドロータス様が帰ってくる頃でしょうか。紅茶の準備をしておきましょう。