side渡我被身子
今日は雄英体育祭当日
個性の増殖によって廃れたオリンピックの代わりと言われてるコンテンツ。テレビで何度もやってた気がする。
自分が出れるなんてね……思いませんでした。
「……注目されすぎな気もしますけど。」
「なんか言った?渡我?」
「いいえ。何も。」
開会式だけでもザワザワしてる。あ、流水さん。椅子に座って…………隣……エンデヴァー……?
『選手宣誓!1-A!渡我被身子!』
「……!はっ……はい!」
忘れてました。そういえば入試の首席が宣誓するんでしたっけ。
「渡我ちゃんだったんだ!頭いいもんね。」
「図書館でも勉強してるの見るわ。偉いのね。」
「チッ……ヒーロー科の入試な?」
「…………」
あ、心操くん。今日は頑張りましょうね。下手な結果残すと相澤先生にドヤされますよ?
「宣誓。」
あ、流水さんと目が合った。
……ちょっと遊んじゃお。
「私は傷原先生と結婚します。」
「「「「EEEEEEEEEEEEEEEEEE!?!?!?」」」」
「絶対です。」
「「「「言い切りやがった!」」」」
ふふふっ。顔真っ赤。かぁいいねぇ。……なんかやる気出ちゃった。乗り気じゃなかったけどちょっとだけ頑張ろうかな?
みんなのところに戻ると……
「えっ渡我!先生とそこまで進んでるの!?ねえねえねえ!」
「はわわわ……ちょ……ちょっと芦戸!あんまこういうのほじくり返すの良くないって……でもちょっとだけ気になる。」
「もう。渡我さんったら。選手宣誓は愛の告白の場所ではないのですよ?」
「ふふふっ。なんか流水さんが腑抜けた顔してたからやりたくなっちゃって。」
「まぁ……これくらい自由なのが雄英なのかもしれませんものね。」
「変な納得の仕方だね。八百万ちゃん。」
side傷原流水
もう!被身子ちゃんったら!!!
『第1種目!障害物競走!』
……個性あり妨害アリのなんでもルール。
見応えあるけど……横の人。熱い。
「エンデヴァー。熱いです。」
「黙って見ていろ。ブラッドロータス。」
少し前にオールマイトと一緒に事件解決しに行ったら居たNo.2。ひょんなことから喋るくらいには仲良くなった……ハズ。
「息子さんそんなに心配ですかぁ?」
ぷぷぷ……いい大人がイライラしちゃって。
「……黙っていろ。」
「立つ瀬がないですね。……まったく。私これでも雄英の先生ですからね?あなたに息子さんの事ちょっとは知ってるんですよ?」
「……。」
「……ハァ。」
空気悪ぅ〜……。
モニターではみんな障害物をスイスイ抜けてる。
……特に轟くんと八百万さん。あの子たち凄いね。いっぱい視線貰ってるじゃん。
「すごいですねぇ息子さん。半分の個性であれですもん。」
「……貴様は俺を怒らせたいのか。」
「べっつに〜?家庭環境複雑だなって。」
「……チッ。」
図星のくせに治そうとしないのホントに良くないですよ。どうなっても知りませんからね?
モニターの生徒たちはどんどん進んでいく。
被身子ちゃん映らないかなぁ〜……あっ映った!可愛い!
「……あいつ……お前に変な宣誓をしてた生徒じゃないか。」
「そうっすね。まぁ事実なんで。いずれします。」
「…………丸くなればいいんだけどな。貴様が。」
「どの口が。尖りすぎて家族の人近寄ってこなくなりますよ〜だ。」
「フン。」
「ふん。」
仲良いと思ってたんだけどねぇ??
観客が盛り上がる。見逃してたけど、轟くんと爆豪くんのデッドヒートを緑谷くんが掻っ攫ったらしい。へぇ。オールマイトの弟子くんやるね。
「……(ムスッ」
「1位になれなかったら不機嫌になるとか……息子君大好きじゃん。」
「黙れ。」
渡我ちゃんは……6位!個性なしでよくここまで……よよよよ。
「貴様の彼女は……個性が無いのか?」
およ?意外な反応。見てたんだ。
「あれ?なんだかんだ見てくれてたんですか?ツンデレじゃん。」
「質問に答えろ。」
「無個性では無いですよ?ただ……多分体育祭では使えない個性です。」
「……なるほど。」
あ、ピースしてきた。可愛いね。
「被身子ちゃーん!おめでとー!」
聞こえてないかもだけど精一杯のアピール。
いい笑顔だ。幸せ。
「…………フン。貴様もそのような顔をするのだな。」
「はぁ?私だって笑いますけど。」
このおっさん嫌い。
第2種目は騎馬戦。
さっきのレースのポイントを奪い合うらしい。
ほかの順位は5ポイント刻みなのに…………1位は100万点とかいうバケモノポイント。ホント可哀想……
被身子ちゃんは……心操くんと組んでるね。仲良いじゃん。やっぱり。
心操くんの個性こういう場面だと最強クラスだろうなぁ……まぁ……お手並み拝見と行きますか。
みんなの注目は爆豪くん。轟くん。緑谷くん。
「妥当だよねぇ。まぁこの3つは上がるとして……他がどうなるかだよね。」
さっき買ってきたポップコーンをもぐもぐ。
美味しそうだったから2つ買ってきたらエンデヴァーにすごい目で見られた。大きいもんね。1個で私の上半身隠れちゃうよ。
ちょっと席取っておいてってエンデヴァーに言ったら律儀に守ってくれてた。なんだよ。結構良い奴じゃん。
もぐもぐもぐ
「うるさい。もう少し静かに食べれんのか。」
前言撤回。うるさいおじさんです。
「ポップコーンが美味しいのがいけない。」
「……ハァ。」
何さ。
もうそろそろ最終局面。今……轟くんチームが1位か〜すごいねぇ。
緑谷くんチームが突撃!おっ……!!炎……!
「エンデヴァー。」
「もちろん見たぞ。焦凍!とっととくだらんプライドなど捨てろ!」
「……プライドねぇ……。もっと家族のこと見てやらないと。」
ダメンズだね。完全に。
「何か言ったか?」
「なーんにも?」
最終的に……心操くんチームは4位。被身子ちゃんも最終トーナメントに入ることが決まった。さすがだねぇ〜。
なんかミッドナイト先生が色々決めてたけどなんか誰か辞退した?よくわかんないけど抽選は終わった。
もぐもぐ
「このポップコーン美味しいな。もっと欲しい!」
被身子ちゃんの初戦は……切島くんか。どうなる事やら。
とりあえずポップコーン買ってこよ。
「エンデヴァー。席見ててください。」
「またか!?貴様いくつ食う気だ!」
「とりあえず3つ持ってきます。」
「みっ……貴様の胃袋の底が知れん。」
デブでは無いですけど!!!!!
言ってないか。
帰ってきたら心操くんと緑谷くんの試合ほぼ終わってた。緑谷くんが何とか辛勝だって。……ワンフォーオールに善戦できてたならいいんじゃない?
彼はあのバキバキパワーを何とかしないとねぇ〜。まだ無理かな〜?
まぁ……まだお互い体が出来てないから……これからだね。
もぐもぐもぐもぐ
エンデヴァーはどっか行っちゃった。やっぱ息子君大好きじゃん。
轟くんの試合は一瞬で終わった。大氷塊。どんまいコール可愛そすぎて笑っちゃった。
エンデヴァーがムスッとした顔で帰ってくる。
「……何も聞きませんよ。」
「では言うな。」
それもそうだ。
私は今ポップコーンで忙しいのだ。
そうしてどんどん試合が進み……次の試合が被身子ちゃんの試合だ。
「エンデヴァー。」
「わかっている。行ってくるがいい。」
「ありがとうございます。」
声掛けてあげなきゃね?
side渡我被身子
選手控え室にて。
「……フーッ……」
緊張……してる。
胸がドキドキして止まらない。……でも。
「勝って流水さんにいい所見せなきゃ。」
「見せてくれるの?」
「……え!!流水さん!?」
「やっほー。来ちゃった。」
「……ありがとうございます。」
少し心配そうな顔を見抜かれたのか、流水さんは笑顔で私の両手を握ってくる。
「大丈夫だよ?あなたの頑張りを、あなたが認めてあげて?誰もインターン指名無くても私が貰ってあげるから。」
「!!はい!」
貰って!くれる!言質取りました!!!
「だからと言って手を抜いたら許さないよ?」
「わかってます。手は抜かず、流水さんと一緒に仕事をします。行ってきます!!」
……やる気が……すごくわいてくる。負ける気がしない!
「それでいいのか?……いいんだろうな。」
『漢気一つでど根性!!硬化!!ヒーロー科!切島鋭児郎!!』
『今のところいい所なし!被ってごめんね!ヒーロー科!渡我被身子!!』
……まぁそうですけど。障害物競走はみんなが走ったところするする抜けただけですし、騎馬戦も心操くんの個性が強すぎて正直何もしてないです。
「よう!渡我!お互い頑張ろうな!!」
「はい。頑張りましょう。……常に硬化していてくださいね。」
「?わかった!」
そうじゃないと……
『Lady……fight!!!!』
殺してしまうかもしれません。
side傷原流水
「……本当に身体能力だけなら学生内で1級品だね。」
試合開始と同時に突っ込んでくる切島くんを、受け流し背後を取る。
そのまま肩に飛び乗り足で相手の首を固め、そのまま宙返り。頭をコンクリートに叩きつけた。
まだ意識があり立ち上がったみたいだが、そこからは被身子ちゃんのペース。一撃も当たらず何度も何度も投げて、叩きつけて……相手の硬化が切れるまでの体力勝負で勝っちゃった。
身体スペックの高さが如実に現れた試合だった。
どんまいコールもう1回聞けるなんて……。
まぁ……血を吸う道具なんて持ち込めないからね?力技で勝負するのはしょうがないんだけど……
それはそうなんだけど……そうなんだけどさ?
勝ち方がパワータイプすぎるって言うか……
もう……笑顔で走ってくる被身子ちゃんが可愛いからいいか。
1回戦突破おめでとう。被身子ちゃん!!