side印照才子
「ブラッドロータス様は今までどのくらいの敵を捕まえて来たのですか?」
「ん〜?そうだねぇ……」
ある日。ふたりでパトロールをしている最中。ふと気になったので聞いてみました。
「ん〜……ざっと50は下らないんじゃない?」
「ごじゅ……!?」
「低く見積ってだよ?もしかしたら100行ってるかもしれない。」
「ひゃっ……!?」
想像以上の話が出てきて頭の処理が追いつきません。
「あはは!何びっくりしてんの?オールマイトは私の数倍捕まえてるよ。」
「いや……そうですけど……」
比べる対象が違うというか……
「それに……」
「……??」
「………………それに。あのころはがむしゃらだったから。」
ブラッドロータス様がどこか遠くを見るような……懐かしむような。それでいて寂しがるような目で空を見上げる。
「がむしゃら……ですか?」
「うん。政府に私の価値を認めさせるために必要だったからね。」
「……命を天秤にかけても……ですか?」
「うん。」
即答。彼女はこういう人です。他者のための全てをベット出来る。社会の善のために全部を投げ出せる人。
形容するならば理想の社会に狂信的。ある意味他者にエゴを押し付けてるだけなのかもしれません。
「……ん!あれ?」
「?」
「被身子ちゃーん!」
ブラッドロータス様が大きく手をブンブン降る先……道路を挟んで反対側に、ブラッドヘリアンサス様が居られました。後ろには2人ほど学生らしい方が……職場体験でしょうか?良く見えましたね??
ブラッドヘリアンサス様も手を振ってくださってます。お仕事頑張ってくださいね。
「まぁ……もう命を天秤にかけるような事はしないよ。」
「……愛ですね。」
「そうだね。社会以上に守りたいものが出来ちゃったから。」
「……素敵です。」
「にしし。才子ちゃんは居ないの?」
「そうですね……両親からお見合いの打診はあるのですが……あまりいい人と巡り会えず……」
「お見合い……時代錯誤だね??」
「そうでしょうか?私みたいな出会いのない職場に居ればありがたいですけれどね?」
「まぁ……たしかに。女の子しか入れてないしなぁ……」
「男性を入れる気は?」
ブラッドロータス様は少しだけ考えたあと……
「……ないね。今の人達が働きやすい方がいいし。男性ってだけで遠慮しちゃう場合もあるかもしれない。女性しか居ない空気感で仕事しちゃってるしねぇ……」
「なるほど……」
「それに……もし恋愛なんて発展しちゃったらめんどくさくなりそう。特に被身子ちゃんに手ェだそうもんなら何しちゃうかわかんない。」
「…………それは無いと思いますが……」
確実に無いと言いきれない……というか多分そっちが本音ですよね??
「話を戻すのですが、捕まえた敵で印象に残ってる方って居られます?」
「……どうしたの?」
「いえ。ブラッドロータス様でさえも印象に残してしまうような強烈な方は居られたのかなと。」
「ん〜…………居るね。芸術フェチ。」
「芸術フェチ…………??」
聞きなれない単語が……
「アイツはカスだよ。二度と会いたくない。」
「…………」
ブラッドロータス様にそこまで言わせるなんて……只者じゃないですね?
「さーて。パトロールの続き、やっちゃおうか。」
「……はい!」