side傷原被身子
「もう!まったく!!トップヒーローともあろうものが人混みに巻き込まれて事件見逃すなんて!!それもあろう事か日巡璃ちゃんに怪我負わせるなんて!!」
「まぁまぁ……轟くんも反省してましたし……」
「だとしても腹の虫が収まらないね!もう!ほんとにもう!」
助手席でぷんぷんしてる流水さんを宥めながら帰路に着く。
今日は轟くんの所にインターンに行った日巡璃ちゃんが大怪我をしたとの連絡が入り、超特急で行ったものの……そこまで大きな怪我じゃ無かったのは幸いなんですけど、流水さんがブチ切れてます。
まぁ……流水さんの言いたいことは分かりますけどね。
ヒーローの近くで大きな事件が起きたら最悪ですし……しかもそれがトップヒーローだと尚更。
「…………」
だとしても……いつもの轟くんなら…………うーん……なんというか……
「……ありえないですよね。」
「……被身子ちゃんもそう思う?」
「流水さん?」
いつの間にかスンとしてた流水さん。同じ疑問を持っていたようで……
「……ちょーっとだけきな臭いよね。あの子があの程度で事件を見逃すなんて思えない。ましてやエンデヴァーの息子だし。……まぁまだ確信は持てないけどさ。」
「……調べてみます?」
「調べても何も出ないよ。……事故りかけたトラックの運転手さんに聞けば何かわかるかもだけど。……警察は多分ただの非接触事故で処理する。…………日巡璃ちゃんとは接触してるから事故になるのかな?」
「……」
多分ふたりの脳内に浮かぶ言葉はひとつ。
プロヒーローの地位の失墜。
…………予想の範疇をまだ出ないんですが。
「……現場検証なんてすることないだろうし、そんなことに時間を割くほど人員がある訳でもない。綿密な捜査は行われないだろうね。」
「……そうですよね。」
「……少しトップヒーローの動向を探ってみようかな。また何かしらが起こるかもしれない。」
「例の集団ですか?」
「ん。……兵庫でも事件があったし……多分彼らはワープ系の個性を持ってる奴がいると認識していい。…………めんどくさ。」
流水さんが明らかに表情を歪ませる。……もう。
「かぁいい顔が台無しですよ?」
「けっ。被身子ちゃんならこんな顔でも可愛いって言うんでしょ?」
「当たり前です。一挙手一投足がかぁいいです。」
流水さんがぷいっと窓の方へ顔を向けてしまう。あぁ……もったいない。
「……幸せもんだね。私は。」
「私もですよ?」
「…………守らないとね。めんどくさいけど。」
「……ふふっ。」
流水さんのそういう所……本当に好きです。
そういえば……お互い明日休みですね……?
「……?……被身子ちゃん?なんでそこ曲がるの?」
「ん〜?」
「……被身子ちゃん?そっち家じゃ……」
「はい。家じゃないですね?」
「…………はぁ……本当に……」
「嫌ですか?」
「……………………えっち。」
こういうこと自然にするんですから困ったもんですよね。
普段以上に燃え上がってしまいます。