私のヒーロー   作:おいーも

272 / 272
会合

 

 

 

 

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

 

カツン……カツン……カツン……

 

 

「止まれ。」

 

「……何用ですか。」

 

「言わなくてもわかるだろう。」

 

 

夜。公安からの帰り道。後ろに着かれてたのであえて路地裏へ。誘ってみたらまんまと引っかかったので、あまりこういうのに慣れていない人なんだろうなと。

 

こういうのは喋る前に問答無用で切りかかるもんですよ。殺す目的があるのであれば……ですが。

 

 

「……」

 

ズ……ズ……

 

足音。近寄ってきてますね。……甘い。それに……

 

 

「4人ですか。」

 

「!」

 

「あなたと。建物の上にひとり。そっちの脇道にふたり。」

 

「……」

 

「沈黙は肯定と見なしますよ。」

 

 

腰の剣を半分まで抜く。

 

「……何もしなければ私からも何もしません。それ以上歩を進めるのであれば……全員命の1個くらい覚悟してきてくださいね。」

 

 

こちらの世界で……私ということを知らないのは多分無いでしょうから、明確な殺意があっての事。……誰かからの依頼ですかね?

 

 

「っ……」

 

焦っている様子。背を向けたままでも分かります。

 

 

「ハァ……拍子抜けですね。」

 

剣を鞘に収める。

 

「っ!!」

 

 

飛びかかってきた。4人全員。……馬鹿じゃないですか?

 

1歩前に進んで、くるりと宙返り。相手全員を飛び越す。

 

 

「「「「!!」」」」

 

目からビームが出てる者。腕が伸びてる者。刀を振り下ろした者。突撃してきた異形型。

 

……ふむ。

 

 

「……」

 

着地と同時に剣を抜きエスコルチア発動。そのまま低空で突撃。1番近くにいた異形型を逆袈裟で斬り伏せる。

 

「むぉっ!?」

 

「……まず1個。」

 

 

……?手応えが……軽いですね?人を斬ったものとは思えないような……

 

……おや?血が出ないですね。代わりにピンクの煙がモクモクと……なにかの分身でしょうか。誰かの個性であることは確実ですね。……刀を持ってるやつですかね?

 

 

「一撃……!?」

 

「ちぃっ!!」

 

 

ビーム飛んでくる。連続で放ってくるが、目から出るのであれば視線から逃げればいいだけ。ぴょんぴょん壁を使いながら跳ねて躱す。

 

 

「当たらねぇ!!」

 

「焦んじゃねぇ!相手の思うつぼ……」

 

相手の隙。一気に飛びかかる。

 

「判断が遅い。」

 

 

斬っても死なないのであれば……どこ斬ってもいいですよね。

 

ビームを撃ってきてる者の顔。目の位置から後頭部にかけて一閃。

 

着地と同時に下から切り上げ真っ二つ。

 

……ふむ。やっぱり軽いですね?こんなこともう少し力入れないとできないんですが……あと。

 

 

「……弱すぎますね。」

 

「っ!!」

 

「くっ……くそ……」

 

 

まぁ……あまり雇い主の事、仕事の事を喋らないのはいいですね。そこだけ評価してあげます。

 

 

「このまま殺してもいいんですが……ていうか死んでるんでしょうか。まぁそれはおいおい考えていくとして、捕まえれるなら捕まえたいんですが……なんか意味が無さそうですね?」

 

 

異形型が動いている。逆袈裟で真っ二つになってるのに。……多分……何かしらの個性で活動してる時は死なないのかな?

 

そうなると……

 

 

「ふむ……だるまにしてからでも話が聞けそうですね。」

 

「「!!!」」

 

 

相手の顔が恐怖に歪む。

 

「首だけにしましょうか。あとは細切れです。」

 

「「…………」」

 

 

腰からナイフを抜く。二刀流。

 

「……さて。時間をかけるのも惜しいですし……パパっと片付けますね。」

 

 

 

 

 

〜♪

 

「「「!」」」

 

 

この曲……!!

 

『憎しみに明け暮れた 鳥かごの外で』

 

なんでアイツが……ここに……

 

 

『羽ばたくことも忘れて 正しさを捨てて』

 

急に聞こえだした音。カセットテープから聞こえるような音質の悪い曲。二度と聞きたくない。憎しみに溢れた曲。

 

 

『慈悲なんて とうの昔に飲み込んだ』

 

「郷愁の……サリナ」

 

『あぁ 故郷の鳥籠が恋しい 私は 郷愁のサリナ』

 

 

「や〜ぁ。ブラッドロータス。今日も美しいね。」

 

路地裏の奥から出てきた。絶対見間違えない。あの真っ赤なスーツ!この曲!!

 

「ガス……マスク!!」

 

「覚えてくれて何よりだよ〜ぉ。」

 

「G様!!」

 

……G……?

 

「やぁやぁ……君ィたちの処分は後でするよぉ〜……アイツが悪ぅい可能性もあるしね〜……」

 

ガスマスクがこちらに視線をやる。

 

 

「忘れるはずが無いでしょう。……ここに来たってことは……」

 

「ん〜♪そうだよぉ。そいつら回収しに来たの。さすがだねぇブラッドロータス……個性下とはいえ……そいつらが手も足も出ないなんてぇ……」

 

4回指をさした。多分こいつらのこと。

 

気になることが多い。……一旦無視。

 

 

「……させないと言ったら。」

 

「……殺し合いになるねぇ……」

 

ガスマスクが腰の鞭を手に取る。……来る。

 

と思ったら、横の振り回しなにかに鞭を巻き付けた。

 

 

「……それ……は……!」

 

「取引しよう。ブラッドロータス。」

 

「取引……!!?」

 

プロパンガスのボンベ。…………なるほど。応じないと……って言うわけね。

 

 

「僕ぅは……君とこの状態で戦いたくない。君とやる時は生身だ。」

 

「生身…………?」

 

「だかぁら……お互いに手を引こうじゃないか。僕ぅは……彼らを回収して去る。……君も僕が去るまで余計な詮索はしなぁい……それでどうだい?」

 

「……」

 

 

従う他……無さそうですね。横は飲食店。やつの個性で引火しようものなら……

 

「……わかりました。」

 

「ンフフフフッ……bravobravo!……ヒーローってのは厄介な頚枷だねぇ?……じゃっ……」

 

ガスマスクが靴の踵をカツンと鳴らす。

 

急に奴らの足元にピンクの魔法陣が。

 

 

「adieu♪ブラッドロータス……次は殺ぉし合いだ♪」

 

ポンッ!という軽快な音とともに奴らがが消えた。

 

 

 

 

「…………」

 

はぁ……今日は一旦帰りますか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

【私のヒーロー外伝】私の大事なスターチス(作者:おいーも)(原作:僕のヒーローアカデミア)

▼オールフォーワンとの戦争が終わり早一年。▼戦争の爪痕が未だ消えぬ日本、雄英高校で3年生としてヒーロー科に所属する渡我被身子。そして戦争で戦い抜いた傷原流水(きずはらるみ)▼彼女の緩い日常を書いた小説です。肩の力を抜いて楽しんでいただけると幸いです。▼※これは私が以前書いた小説【私のヒーロー】の後日談になります。読んでいただいた方が辻褄が合う部分が多いのは確…


総合評価:35/評価:-.--/連載:12話/更新日時:2026年05月19日(火) 09:57 小説情報

わたしのヒーローアカデミア(作者:Plot Must Die)(原作:僕のヒーローアカデミア)

▼個性『大活性』を持ち、ほぼ全ての記憶を失った少女が、我等がNo.1ヒーローによって謎の研究施設から救け出された。▼そんな彼女が憶えていることが二つある。ひとつは、自らの個性について。もうひとつは……。▼まぁそれはそれとして、なんやかんやでトガヒミコと仲良くするそうです。▼「ちうちう……する?」▼※トガちゃんヒロイン。あと改変▼※アンチ・ヘイトは念のため▼


総合評価:1607/評価:7.95/連載:87話/更新日時:2026年06月13日(土) 07:30 小説情報

待て! 止さぬか! 儂じゃなかったら死んでおるぞ!!(作者:一人称苦手ぞ。)(原作:僕のヒーローアカデミア)

こら! 血を吸うのを止さぬか! あ……っ、ちょっ……待ってぇ……。▼


総合評価:8650/評価:7.88/連載:553話/更新日時:2026年02月16日(月) 22:00 小説情報

え?OFA?何それ……(作者:南亭骨帯)(原作:僕のヒーローアカデミア)

──この世に全く同じ【個性】は存在しない。▼──類似品ならあるけども。▼OFAもAFOも無関係。かつて誰かが未来に託した希望でも無ければ、諸悪の根源たる魔王様もノータッチ。そこら辺から急に生えてきた一般人です。▼これはぽっと出の少年『間飛 移』が敵味方含めてしっちゃかめっちゃかにする話だ。▼※映画ストーリーは触れません。▼↓R-18のIFルート集です。よかっ…


総合評価:26632/評価:8.54/完結:243話/更新日時:2025年03月13日(木) 18:00 小説情報

魂を満たす物語(作者:よヨ余)(原作:僕のヒーローアカデミア)

中国の軽慶市での「発光する赤子」の報道以来世界各地で超常現象が報告され、世界総人口の約8割が超常能力“個性”を持つに至った超人社会。“個性”を悪用する敵(ヴィラン)を“個性”を発揮して取り締まるヒーローは人々に讃えられる存在であり、憧れであり、目標だった。▼ある少女、「夜月 静江」もヒーローを志す人間の一人である。▼幼少期の数多の経験を活かし、ヒーローを目指…


総合評価:315/評価:6.62/連載:65話/更新日時:2026年08月19日(水) 22:53 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>