side印照才子
「きっ……傷原……歪です。よろしく……お願いします……」
とある日の朝。出勤してきたら急に集められ、紹介したい子が居ると。新しい従業員の方かなと思っていたら……幼女でした。
髪の毛が凄く短くて……かなり痩せてて。服はなんか……愛を感じるくらい可愛いの着せられてます。流水さん達の趣味ですかね??
「傷原……??……もしかして……」
「うん。養子……っていうか娘。仲良くしてあげてね?」
「へぇ!養子!あんだけ悩んでたのにスっと決まったねぇ??」
「そうだね……」
ブラッドロータス様が歪ちゃんを抱き上げる。
「わ……」
「運命感じちゃったかな。この子しかいないって思ったんだ。」
「…………」
歪ちゃんが少し口角を上げる。
「「「可愛い……」」」
「でしょ?」
「……!!」
歪ちゃんの顔が真っ赤に……うん。これは守らないとだめですね。
「歪ちゃん。絵が上手だねぇ?」
「……えへ……えへ……」
あれから数日経ちました。歪ちゃんはどんどん馴染んでいって、事務所で皆さんの仕事を横で見ていることが増えました。今は冬美さんの横に歪ちゃんの席があります。
それと、歪ちゃん係もお仕事のひとつとして増えました。これに関しては無給でもやりたいのですが……
冬美様がとても張り切っておられます。
「何書いてるの?」
「パパと……ママ!……これがつつみおねーちゃんで、いんておねーちゃん。あととろろきおねーちゃん!」
孤児と聞いていたのですが、ブラッドロータス様の事をママ、ブラッドヘリアンサス様の事をパパと呼ぶのにあまり抵抗が無いみたいです。
もしかしたらブラッドロータス様の事なので、ある程度慣れるまで紹介してなかったのもありそうですね。
「……可愛い……はぁ……子供っていいわね。」
「そういえば冬美さんって元々小学校の教師だっけ。」
「そうだよ!……歪ちゃんも小学校に行けたらいいね?」
「しょう……がっこ?」
「うん。お友達いっぱいできるよ!」
「ともだち……???」
「歪ちゃんくらいの年齢の子が集まる場所!楽しいよ!」
「……??」
……闇を感じますね。
ブラッドロータス様からある程度の事情は聞いてましたが……本当に嫌になりますね。どうしてこのような小さい子が迫害されないといけないのでしょうか。……個性問題は今だ根深いです。
「……まぁまずは元気に食べて、遊んで、しっかり寝る!やりたいこと全部やろうね?」
「……うん!」
「えへえへ……」
「冬美ちゃんデレデレだねぇ?」
「本当に可愛い……」
冬美様の顔が……見せられないくらい砕けております。本当に子供が大好きなのですね?
ぐぅぅぅ……
「!」
「お腹空いた?」
「うん。」
「ご飯食べよっか?」
「うん!」
ブラッドロータス様がカバンから小包を取り出す。
「はい♪お弁当だよ♪」
「おべんと!歪ね!ママのおべんと大好き!」
パッと笑う歪ちゃん。最近笑顔が増えた気がします。
「……はぁ……ウチの子可愛すぎない??ホントに産んだ気がしてきた。」
「わかる。……わかるよ流水ちゃん。」
親バカふたりが天を仰いでらっしゃいます。……気持ちは分かります。
今日のお弁当は、おにぎり一個とウインナーと卵焼き。あとはトマトとポテトサラダ。全部少しづつ入ってます。歪ちゃんが嬉しそうに教えてくれました。
傷原様曰く最近固形物が満足いくように食べられるようになったとの事で……ただ量は色々調節してるみたいです。
「……?」
「どうしたの?食べていいんだよ?」
「……みんなと……いっしょがいい!」
「「「「!」」」」
全員がペンを置いたり、パソコンを閉じた。
「みんなで食べよね!お昼ご飯持ってきてるよね!?」
「勿論!」
「当然です。」
「紅茶いれますね。」
「いーちゃん。こっちで皆で食べましょ?」
「はーい!」
最近の事務所は……花が増えてとても心地いいです。
ブラッドヘリアンサス様は最近残業が減ったとの事。定時で帰ってくるらしいです。そのあとは歪ちゃんにべったり。
ちゃんと両親ともに親バカしてて安心しますね。
私ですか?普通ですよ。親バカしておりません。一般的な親と遜色ないです。
歪ちゃんの絵はキチンと額縁に入れて飾りましょうね。私が上等なものを手配します。