私のヒーロー   作:おいーも

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辻褄合わせのため少し変更しました。(2025/10/24)




私の/私達の

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

 

 

 

 

そこから先はちょっとだけ手間取った。

 

 

 

パパに血の海を説明して。

 

とりあえず傷を塞ぐために病院に行って。

 

捕まえた人を警察に受け渡して。

 

 

 

 

その間女の子……渡我被身子ちゃんをずーっと座布団にしてた。

 

私が座布団になりたかったけど……身長……ハァ

 

なんか懐いてくれてるみたいだから良かった。

 

今回私の首を刺したのは不問だって。不問にしてくれないとパパ嫌いって言ったら渋々認めてくれた。

 

 

 

 

 

 

 

そして今。

 

私の家のリビングで被身子ちゃんと向かい合ってる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side渡我被身子

 

 

 

「お姉さん…あの……。」

 

「流水。」

 

「え?」

 

 

お姉さんが食い気味に答える。

 

「流水って呼んで?私も被身子ちゃんって呼ぶから。」

 

 

 

「…………流水さん。」

 

「はい」

 

大きなリビング。一人で暮らすには少し広すぎるくらい。

掃除も行き届いてて……これが大人の人だと理解した。

 

そういえば傷原流水さん……私よりも一回り小さいけど22歳らしい。人は見かけによらないね。

 

 

 

「ありがとうございます。許してくれて。認めてくれて。」

 

「…………辛かったわよね。あなたの心、傷は実際に感じた訳じゃないからわかんないし、無責任にわかるっていいたくない。」

 

普通はあまり言わないことを前置きにする人は居ないけど、それでも私のことを気にかけてくれているんだと理解する。

 

 

「でもこれだけは言わせて。あなたは普通。居て当たり前よ。こんな社会だもの。普通じゃない子なんて存在してる訳が無い。」

 

そう言うと流水さんは私の両手を握ってくれる。

 

「……っ……ありがとう……ございます……。」

 

欲しい言葉を。欲しかった言葉を。どうしてこの人はかけてくれるのだろう。心が読めるのだろうか。

 

 

ダメだ。願ってしまう。

 

人間というのは欲が止まらない生き物。

 

 

両の手のひらの温もりだけじゃ足りない。

 

 

もっと

 

 

もっと

 

 

もっともっともっともっと

 

 

血だけじゃない

 

 

 

匂いも

 

 

 

身体も

 

 

 

 

心も……全部!

 

脳裏にこびりついた血に塗れた姿が私の心を焦げ付かせる。

 

 

 

 

「ふふっ。泣かないで。あの可愛い笑顔見せて?あなたの笑顔。私好きよ?」

 

 

「ふへ……はい!」

 

 

『ヒミコちゃんの顔コワーイ』

 

 

なにか思い出した気がするけど

 

それ以上に手放したくなくて。

 

 

 

嫌いだった満面の笑みを見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

「ふふっ…よろしい!……飲み物用意してなかったわね。何が好き?血もあるわよ?」

 

私は席を立って冷蔵庫に向かう。

 

パパが就職祝いで買ってくれたけど大きすぎるんだよね。

張り切っちゃって。

 

 

「え?血?なんでですか?」

 

牛乳をコップに2つ注いでテーブルに戻る。

 

「私の個性と体質的な都合でね〜持ち歩いてないといけないの。牛乳で良かったかしら?」

 

 

「はい!それで…お姉……流水さんの個性?」

 

まだ慣れてないかな?早く心を開いてくれるといいんだけど。

 

「うん。私の個性は触れている水を操れるんだけど、混ざり物の方が操りやすくて……例えば泥水とか、血とかの方が形を保ちやすいの。」

 

 

 

私の個性『汚水操作』

 

触れている水分を操れる個性。固くしたり、広げたりなんでも出来る。混ざり物の方が操作しやすくて、綺麗な水ほど操作しにくい。

混ざりものであればその水の特性もある程度使用可能。私の知識次第だけど。水……水道水は扱いづらい。形にしにくいというか……水で戦えない訳じゃないけど。

 

 

被身子ちゃんに刺された時も、流れ出た血を無理やり血管に流して失血死しないようにしてた。

 

これをして身体に異常が起こったことがないから私の身体は特別製なのかな?わかんないけど

 

 

 

 

「だから……あの時……普通に生きてたんですね。」

 

「それだけじゃないけど。主にはそうね。ふふっ……いい子いい子」

 

何となく可愛くて頭を撫でてしまう。身長が足りないからだいぶ身を乗り出してるけど。

 

 

 

 

「も……もう!…………それで体質って?」

 

照れてる。可愛いね。

 

 

「私生まれつき血がいっぱい出来ちゃう体質らしくて。時々抜いてあげないと心臓に負荷がかかっちゃうのよね。」

 

これがもう一個の理由。血がよくできる身体らしくて、学生時代鍛えた結果もっといっぱい出来るようになっちゃったから、5年?6年くらい2日に1回くらい病院に行って大々的な献血をしている。大変なんだよね……拘束時間が長くてさ。

 

 

 

「……なるほどだから血液が……」

 

「そうそう。で!ここで被身子ちゃんの出番!」

 

「へ?私ですか?」

 

 

 

そうよ!お互いWinWinよ!

 

 

「被身子ちゃんには吸血衝動があるのよね?」

 

「……そうです。」

 

 

 

 

シュンとしちゃった……

……配慮が足りなかった!!!まずい!

 

「えーっと!あのその!違うの。あなたを傷つけようとした訳じゃ……私の血を定期的に吸って欲しくて……!」

 

 

 

「……いいんですか?」

 

少しだけ笑みが戻る。よかったぁ……JCから嫌われちゃったら生きてけないよ……。

 

「大丈夫よ。人間1人分くらいの血液なら全然吸われて大丈夫だし、そろそろ献血も沢山してるからいいかなって思ってたところなの。おかげでいっぱいお金もらってるしね。」

 

「…………。」

 

 

 

 

席を立った被身子ちゃんが抱きついてくる。

 

「わわっ……大丈夫よ。あなたの苦しみも。悲しみも。全部受け止めてあげるから。」

 

 

抱きとめてあげるのが大人のレディでしょ?(ふふん)

 

「そんなこと言われたら離れれなくなっちゃいますよ?……流水さん……。」

 

 

 

私の首筋に顔を埋めて喋りかけてくる。少しこそばゆいけど年相応って感じ。可愛いね。

 

「ふふっ。かわいい女の子から依存されるのも悪くないけど……ちゃーんと自分で生活できるようになること。それが条件よ。」

 

 

「はい!……あっ……でも……両親……。」

 

 

こっちに可愛い笑顔を向けてくる被身子ちゃん。気にしなくていいのに……。

 

 

「……大丈夫。あいつらのことはパパに任せてるからなにか来るまで待っていましょう。あなたを見捨てたりはしないわ。」

 

こういうのはパパに任せるに限る。すこーし痛い目見てもらいたいけどそれ以上に関わって欲しくない。もう時間もお昼が近い。今更心配しても返してあげない。あなた達は被身子ちゃんにとって毒でしかない。

 

 

「……はい!はい!」

 

 

 

そんな思惑はいざ知らず、全力で体重を預けて痛いくらい抱きしめてくる被身子ちゃんに幸せを感じながら。

 

 

「ちょっと苦しいけど悪くないわ。よしよし。」

 

 

 

その後馴染めない学校には1度休学という形を取った。自分の個性と私との共同生活に慣れてもらわないといけないから。

 

 

そこから少しだけ大変だった。

 

学校に事情を説明。公安の力を最大限使って原級留置?ってものを取らせてもらった。とりあえず1年不登校みたいな形になるけど、しっかり休んでもらう。もう1回3年生をしよう。

 

被身子ちゃんは私の言うことを了承。

 

イエスマンはダメよ?

 

そこから少し……私と勉強しながら色々コミュニケーションをとることにした。

 

もっと親密になるためにね?

 

 

 

 

 

 

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