私のヒーロー   作:おいーも

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保須事件 残

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side爆豪勝己

 

「え?雄英生の怪我人?……命に別状はないが、一応来てくれ?」

 

「!?」

 

 

俺がコイツ……ブラッドロータスと救助活動をしている時に、ブラッドロータスの電話がなった。

 

 

ブラッドロータスはため息を吐きながら

 

「爆豪くん。一応顔出しに行こうか。」

 

と面倒くさそうに言ったので着いて行った。

 

 

 

 

 

 

こいつのところに職場体験に行ったが、基本的には仕事っぽいことは全部パトロールで、後はもう実践訓練の山。

 

 

こいつが強い事はUSJの一件でわかっていたので職場体験で逆指名が来た時はチャンスだと思った。

 

こいつから何か吸収できることを探そうと。

 

渡我被身子があそこまで動けることの秘密を……と

 

 

 

 

 

甘かった。

 

 

 

初めての実践訓練では何があったか分からないまま転がされた。

 

速度。判断能力。反射神経。全部が段違い。文字通りレベルが違った。

 

これでも何度かやれば目が慣れると信じていた。

 

 

センスだけはあったから。俺の自信だったから。

 

 

 

 

 

甘かった。

 

 

 

目は慣れた。1日で慣れさせた。だが身体が追いつかない。

 

自分がセンスだけで戦っていたことを痛感させられた。

 

 

 

3日目。保須市が火災に見舞われてた。

 

少しだけ焦っていたブラッドロータスと火災の元を探す。

 

 

脳無を見つけた。あの凄い技を使っても殺しきれなかった化け物。

 

俺はオールマイトが戦ってるのを見て正直…ビビってた。

 

 

こいつはビビってなかった。それどころか戦うから避難誘導をとまで言ってきた。

 

 

それはそうだ。俺じゃ勝てねぇ。足手まといになる。他のヒーローだってきっとそうする。

 

俺は渋々避難誘導を始めた。

 

とっとと終わらせて合流しようとまで考えてた。

 

 

 

 

 

 

甘かった。

 

 

やって始めてわかった。実践訓練の倍大変だ。

 

周りのヒーローと一緒になってやる避難誘導は、市民第1優先で命が尽きそうな人も何人もいた。それでも救命活動と足を止めずに避難誘導、さらに救急車も呼ぶとなったら本当のやることが多い。

 

授業でも少しやったが、座学だけでは学べないことを沢山学んだ。

 

「…………チッ」

 

実践訓練では負け続け。避難誘導の大切さ、大変さ。自分は弱いのだと。井の中の蛙だったのだと。嫌でも痛感させられる。

 

 

 

 

 

 

ブラッドロータスと合流した時、そこにはエンデヴァーが居た。

 

周りを見渡すと2体の脳無。

 

片方は顔面が潰れて、片方は上半身が燃えきっている。

 

二人でどっちも片付けたのだというのを理解する。

 

 

No.2ヒーロー、エンデヴァーはまだしもブラッドロータスが……二人で片付けた……?

 

ブラッドロータスはエンデヴァーをサポートできる以上に実力がある。会話内容からお互いを信用してるのがわかる。

 

 

理解していた事以上の事実を突きつけられた気がした。

 

 

 

 

 

 

近くにステインが居る。今半分野郎と対峙しているらしい。

 

 

 

遅れた……

 

焦り。置いていかれる事への恐怖。俺は焦った。

 

だが……

 

『私だけならともかく。初心者を連れて行って何かあったら対処が遅れます。できることをしましょう。』

 

言われた。

 

 

 

面と向かって。初心者だと。

 

雄英のヒーロー科に受かって鼻が高かったのかもしれない。

 

俺は他のヒーロー科とは違うんだと。絶対プロヒーローになってやると。ランキング入りしてやると……。

 

 

 

 

 

 

 

 

首席じゃなかった。

 

対人戦闘訓練ではデクに負けた。

 

脳無にビビった。

 

体育祭では渡我に良いようにされた。

 

優勝も……あってないようなものだ。譲られた。

 

……こいつの背中は……予想の何倍もでかかった。壁だ。

 

 

 

成功しているようで何度も小さい挫折を繰り返していた俺の心は、少ない自尊心とあってないようなプライドで何とか保っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

 

 

病院に付いたら、病室に通された。

 

一応リカバリーガールが何とか対処してくれたみたい。

 

被身子ちゃんは……もう少しだけ仕事が残ってるから今頑張ってるって。頑張れ。

 

病室には……

 

 

轟くん。緑谷くん。

 

そして……

 

 

 

 

「飯田くん。なぜあなたがステインと交戦をしているのですか?」

 

「っ……。」

 

 

飯田くん。インゲニウムの弟。この子は……無策に突っ込む子じゃないと思ってんだけど。

 

 

爆豪くんは後ろで待機してる。なにか思うことがあったらしい。

 

 

「……。まぁいいです。リカバリーガールに声をかけてきます。……あなたたちは処分があるでしょう。覚悟しておきなさい。」

 

私は病室を後にした。

 

 

 

 

歩いている最中、爆豪くんが話しかけてくる。

 

 

「処分ってなんだ。許可なく個性使ったからか?」

 

「それが主。ヒーローライセンスを持ってない一般人扱いだからね。あなたたちは。公安と警察に許可取らないと個性使えない。」

 

「……俺も個性使ってたぞ。オイ」

 

「あなたは予め公安と警察に許可とってるから大丈夫。私公安所属だから顔が利くの。」

 

「…公安!?…つくづくお前は……。」

 

「何?」

 

「……なんでもねぇ。」

 

なんなんだ。……まぁいいか。

 

 

 

 

 

 

 

 

「リカバリーガール。ブラッドロータス現着しました。」

 

 

「傷原!無理言って申し訳ないね。」

 

「いえ。こちらも救助活動の最中……といってもほぼ爆豪くんのおかげで終わっていたので、私たちが抜けても問題はなかったと思います。」

 

「!」

 

何その顔。私は事実を述べたまでですよ?

 

「爆豪の……ふーん。多少見違えるようになったんだね。」

 

 

「……いえ。」

 

 

「病室を見てきましたが……あれは」

 

「言いたいことはわかる。飯田の事だろう。」

 

「はい。てっきり避難誘導をしているものだと。」

 

 

ため息を吐いたリカバリーガール。思うことがあったらしい。

 

「………仇討ち……ではないが、やはり兄を傷付けられたのが相当心にきてたみたいでね。足が動いたらしい。」

 

「…………馬鹿ですね。……命が不意に無くなるのがヒーロー活動。そんなことも分からない人ではないと思ったんですけど。」

 

心底呆れた。インゲニウムは生きてました。それでいいじゃん。

 

 

「……しかもステインは取り逃がした。負傷者4名。……死者が出なかっただけ温情だね。」

 

「……」

 

 

死者0?血染くん手加減したな?殺さなくてもいいやつが何人かいたか?

 

逃げた理由もわかんない。……血染くんのことだ。殺すと決めたら徹底的に甚振るから……。

 

 

「逃げた理由は?」

 

「表向きにはエンデヴァーが逃がした事になっている。だが……本人たちはエンデヴァーが来る前から逃げたとの事らしい。なんでかは分からない。」

 

 

「………よく分かりませんね。…怪我の具合は?」

 

 

「緑谷と轟は少しの切り傷。飯田は左手が少し重めの傷があるが許容範囲、両足にも刺し傷があったがこれは傷跡が残る程度。もう1人のヒーローは……結構重症だったけど何とかなったね。」

 

 

「さすがですリカバリーガール。」

 

「褒めても何も出ないよ。飴ちゃんいる?」

 

出てるやんけ。

 

「貰います。」

 

 

「ほれ。あんたも。疲れたろう?」

 

「えっ……あっ貰い……ます。」

 

「……ふん。だいぶこっぴどくやられたみたいだね。」

 

 

「……そんなこと…」

 

 

「傷原。ちゃんとフォローしとくんだよ。」

 

疑われてるな?

 

「面倒臭いです。」

 

「はぁ……本当にあんたって子は……。」

 

すみません管轄外です。

 

 

 

「流水さん来てるんですか!?!?!?」

 

バァーン!

 

被身子ちゃんが扉を大きく開け放ち登場。普通にびっくりした。

 

「こらぁ!渡我!病院では大きい音を出さない!」

 

「ごっごめんなさい!」

 

仕事で疲れていても笑顔を絶やさない被身子ちゃんはやっぱ可愛いね。

 

「被身子ちゃん。お仕事終わり?」

 

「はい!一緒に帰りましょう流水さん!」

 

 

「もう少しだけ待ってね。リカバリーガール、彼らの処分は……」

 

「公安と警察しだいさね。私にはわからん。手出しもせん。」

 

「……ですよね。ありがとうございます。お先失礼します。」

 

 

「気をつけて帰るんだよ。渡我も。爆豪も。」

 

「はい!お疲れ様です。リカバリーガール。」

 

「……」

 

 

爆豪くんはお辞儀だけ。被身子ちゃんの爆豪くん見る顔凄っ。めっちゃ嫌いじゃん。

 

 

 

 

 

 

帰り道。

 

 

「流水さん。今日の晩御飯なんでしたっけ。」

 

被身子ちゃんと腕を組んで歩く。久しぶりだね。

 

「今日は……朝作っておいた棒棒鶏とカレーが残ってるからそれにしようか。」

 

「はーい!私流水さんのカレーも大好きです!」

 

「…………」

 

 

 

「……爆豪くん。」

 

「チッ」

 

「……なんだよ。」

 

 

「今日はどうでしたか。」

 

気分が乗ったので感想でも聞いてやる。

 

「…………俺の事見直せるいい機会だった。」

 

「……ふーん。それで?」

 

「……この感情にどう整理つけりゃいいのか分からねぇ。もう少し時間がいる。」

 

 

「……そうですか。頑張ってください。」

 

「流水さん!あんなやつだけじゃなくて私も見てください!!」

 

ぷくーと頬を膨らませる被身子ちゃん。

 

もうすぐ駅だ。

 

「それでは爆豪くん。またあした。」

 

「…………。」

 

また頭を下げるだけ。……何もしなかったよりかはいい傾向なのかな?

 

「ムッカーッ!なんなんですかあいつ!流水さんとワンツーマンなんて羨ましいことしておきながら!!!」

 

「被身子ちゃんったら……今日は何したの?」

 

「今日ですか?今日はですね……」

 

 

すぐ機嫌が治るのも可愛い。

 

この笑顔を守るために私はヒーロー活動をしているのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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