私のヒーロー   作:おいーも

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お詫びデート 上

 

 

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

 

今日はデートの日。

 

被身子ちゃんに髪を弄られて、今日はサイドを編み込んだポニーテール。……指先器用だなぁ……

 

 

「かぁいいです!こっちに目線ください!!」

 

パシャパシャパシャ

 

………デートは?

 

 

「その顔かぁいい!!」

 

パシャパシャ

 

 

「被身子ちゃん?何時でも撮らせてあげるからデート行かない?」

 

「えー!あと10分……いや30分……2時間ください!!」

 

「……デート行くよ。今すぐ。」

 

 

無理矢理連れ出した。この子ったら…最近PCの使い方を覚えて、スマホの写真をPCに送り込んで追加でバックアップとってるらしい。……私の写真を。

 

写真撮影会なんて開いてみろ。この子私の前に5時間は居るぞ。

 

 

 

 

 

 

 

久しぶりの休日でのお出かけ。何も決めずにブラブラ。一応例のカフェには行く予定だけどほかは何も決めてない。

 

そんな休日もいいじゃない。……って思ってたけど…

 

 

「渡我ちゃん!こんな所で会えるなんて嬉しい!運命だね!」

 

「渡我ちゃ〜ん勉強助けて〜……。」

 

「ごめんなさい2人とも……今デート中で……」

 

 

街中で偶然であった被身子ちゃんの中学生時代の友達、黒のショートヘアで元気そうな鳴花 亜煌(なりばな あきら)ちゃんと少しグレーでおかっぱ頭の辛堂 霞味(しんどう つゆみ)ちゃん。

 

今も変わらず仲良しで安心。

 

 

「デート!?ごめんね!邪魔しちゃった?」

 

「いいよ〜。全然予定無かったし。」

 

「そうなんです。予定が無くても一緒に居られて嬉しいですけどね?」

 

「渡我ちゃん乙女だねぇ〜。……傷原さんなんか今日だいぶおめかししてますね?」

 

 

露味ちゃんはよく私の格好を褒めてくれる。

 

助けた日からかな?時々会うと立ち話する。……ただあまり勉強が得意ではないらしく、よく被身子ちゃんから勉強を教えたとか、宿題を手伝ったみたいな話を聞く。

 

……見た目で判断するのもなんだけどそんな子に見えないけどね?

 

 

「被身子ちゃんに髪整えてもらってね?……私1人じゃめんどくさくてしないんだけど。」

 

「綺麗な髪なんですからもったいないです。」

 

「いつも被身子ちゃんに乾かして貰ってるもんね。」

 

「羨まし〜い!渡我ちゃん!私も乾かしてよ〜。」

 

「嫌です。私のヘアケアは流水さん限定です。」

 

「だそうで。ごめんね?独占しちゃって。」

 

「うむむむ〜……じゃあしょうがないや。」

 

 

亜煌ちゃんは露味ちゃんと対照的に割となんでも(センスで)そつなくこなすタイプで、近場の高校のヒーロー科らしい。露味ちゃんと同じ学校だって。仲良しだね。

 

 

「……そういえば鳴花ちゃんはあまり心配してないですけど……辛堂ちゃんは勉強大丈夫なんですか?」

 

「うぐっ」

 

「聞いてよ渡我ちゃん。露味ったら私に勉強聞いておきながら説明が下手くそって言うんだよ?」

 

「だって!……あなた全部ズバーンとかバババッとか言ってよくわかんない説明の仕方するんだもん!」

 

 

そうなのである。亜煌ちゃんはセンスで全部乗り越えるタイプなので勉強も運動も全部こんな感じだ。あまり教えるのに向いてない。出来てしまうのがなんともって感じだ。

 

 

「そういえば!傷原さん雄英高校の教師なんですよね!勉強おしえt……」

 

 

「辛堂ちゃん?」

 

ズモモモ…

 

「アッナンデモナイデス……」

 

 

「教えてあげてもいいよ?被身子ちゃんも一緒なら。」

 

「流水さん!?」

 

「いいんですか!!」

 

 

「ただし。私と被身子ちゃんのイチャイチャ甘々空間に耐えながら勉強できるなら…だけど。何よりも被身子ちゃん優先だからね?」

 

「流水さん……」

 

「……無理です。ごめんなさい。」

 

 

そりゃそうだ。A組の生徒から勉強してる時に一緒に居ないでくださいって土下座されたからな。舐めるなよ?

 

 

 

 

そんなこんなであまり長話も……という事だったので解散。2人には立派な大人になって欲しい。

 

 

「そういえば……最近2人とも彼氏と別れちゃったらしいです。」

 

「え!?あんなに可愛いのに?なんで?」

 

「流水さん?……まぁいいです。かぁいいのは事実なので。そもそも高校が違うのと、亜煌ちゃんは学校が楽しくて連絡をしなかった。露味ちゃんは勉強について行くのがやっとすぎて連絡できなかったから、そしたらなんか2人とも彼氏の方から切り出されたらしいです。」

 

「えぇ……2人の怠慢な気もするけど……。」

 

「……それは内緒です。」

 

 

被身子ちゃん……私は寂しくさせないからね!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side渡我被身子

 

 

2人と別れて20分くらい。

 

少し歩いたら何やらカフェっぽい建物を発見しました。

 

 

「ここですか?……Cafe wide variety……?」

 

「英語で多種多様って意味。ま、入ろ。」

 

 

カランカラン

 

 

「マスター!彼女連れて来たよ〜。」

 

「あら!流水ちゃん!!また来てくれたのね!!!」

 

 

スキンヘッドの……お兄さん。女口調で無精髭……すごい濃い人がお出迎え。

 

視線を下にやると下半身がタコだ。すごい個性。

 

こんな人もいるんですね。

 

 

「この子が彼女ちゃん?可愛いわね。私ここのカフェのマスター、旗見 陣之伸。ジンちゃんでもはっちゃんでもなんでも好きに呼んでね?」

 

「あっ……はい。私傷原流水さんの彼女の渡我被身子っていいます。よろしくお願いします。マスター。」

 

 

「あらぁ〜ん流水ちゃん!この子いい子じゃない!私見ても嫌な顔何一つしなかったわよん!」

 

両手を合わせて喜んでくれる。認めてくれたのかな?何もしてないけど……。

 

「当然。私の彼女なので。ここのみんなもそうでしょ?」

 

「ふふふっ。本当にありがとうね?流水ちゃん!」

 

「マスターも元気にやってて安心安心。これからも美味しいミルクを頼みます!」

 

「当たり前よぉ。腕によりを掛けて作っちゃうわ!」

 

「わーい!ありがとう〜!」

 

 

「…………。流水さん。この御方とは長いんですか?」

 

「んー……2年くらい?3年目になったっけ?」

 

「あともう少しで3年ね。1年くらい来てくれなかったから、それ考えると2年ね。」

 

1年くらい……多分私を拾った年だ。……私の事を案じてくれてたのかな。ちょっと嬉しい。

 

「仲良しですね。」

 

 

「違うわ。被身子ちゃん。私は……私達は流水ちゃんに助けてもらったんだから恩を返してる最中なの。素直に受け取ってくれないけどね?……あなたもそうじゃない?そんな匂いがするわ。」

 

「!…………流水さん。私この人と仲良くなれる気がします。」

 

 

「お?本当!?良かった〜。」

 

「ええ。こちらからもよろしくね。仲良くして欲しいわ!」

 

手を差し出されたので私も握り返す。

 

 

「ちなみに私以外の従業員全員流水ちゃんが助けてるから、実質このカフェは流水ちゃん大好きクラブってところかしら。」

 

入り浸っていいですかね?私もそのクラブ入りたいです。

 

 

「その言い方恥ずかしいからやめてね?」

 

 

「いいんじゃないですか?流水さん大好きクラブ。」

 

「彼女さんからのお墨付き入りました〜!」

 

「「「やったー!!!」」」

 

蝙蝠……鰐……蛇……あとなにかの虫みたいな人達が、店の奥から顔を出して喜んでる。強面な人もいるけどみんな笑顔だ。

 

本当に流水さんがみんなのこと助けたんだ。なんかすごく誇らしい。

 

「ちょぉおおい!恥ずかしいから却下却下!!」

 

 

本当に私にはもったいないくらいのいい人。

 

 

 

誰にも渡しませんけどね?

 

 

 

 

 

 

 

 

「おいひー!マスターのミルクサイコー!」

 

「……本当に美味しいですマスター。これ私が作って流水さんに飲んでもらいたいです。」

 

 

「あらあら。ダメよ?私が流水ちゃんに合わせて特別にチューニングしたんだから。作られちゃうと流水ちゃん来なくなっちゃうじゃない。」

 

それもそうだ。みなさんも流水さんに会いたいに決まってる。

 

 

「そうでした……すみません。」

 

「いいのよ。……愛されてるのね。流水ちゃん。」

 

「?当たり前でしょ。」

 

さも当然のように……そうなんですけど。

 

流水さんはモグモグとチーズケーキを頬張ってる。……ハムスターみたい。

 

マスターさんが作ったチーズケーキも、ミルクも。流水さんが好きな味。本当に愛されてるんだ……色んな人に。

 

来てよかったな。流水さんのいい所もっといっぱい知っちゃった。

 

 

 

「き」

 

「そういえば最近流水ちゃんのこと探してる人が来てね?」

 

「ず」

 

「え?私のこと?」

 

「は」

 

「……何かあったんでしょうか?」

 

「ら」

 

「なにかしたっけ?何もしてないはずだけど……?」

 

「る」

 

「……なにか聞こえません?」

 

「み」

 

「ゲッ……この声…」

 

途端に嫌な顔する流水さん。なにが……

 

「ちゃーーーーん!!!!」

 

急に流水さんの後ろからおっきいお胸が突撃してきた。流水さんの顔が後頭部から完全に埋もれる形だ。

 

「!!」

 

「会いたかったわ〜流水ちゃ〜ん!!お姉さん何ヶ月も入り浸ったのよ〜!!!」

 

そのまま青い肌の人は流水さんを抱きしめて撫で回す。

 

流水さんもされるがままだ。

 

「気月 置歳(きづき ちとせ)ちゃん!流水ちゃんが潰れて死んじゃうわ!」

 

「……大丈夫ですマスター。いつものことなので。」

 

「そうですよぉ。旗見さん。私たちこれでも結構長い仲なんです。」

 

「もう。ならいいけど。……初め流水ちゃんのこと事細かに聞いてくるからすっごく警戒したけど……ただ流水ちゃん大好き人間ってわかってからだいぶ楽になったわ。」

 

「あっその節は申し訳ありません。ですが、旗見さんの話もいい記事になりそうですよ。」

 

「はぁ?記事ィ?…オイ。気月てめぇマスターに無礼働いたんじゃねぇだろうな?」

 

「大丈夫大丈夫。この子のインタビューすごく勢い強かったけど私も喋りたいこと喋れたからOKよ。」

 

「怒らないでよ〜流水ちゃん。反省も改善もしないけど謝罪はしたわよ?それに……我々が貴方の気分を害するような事するわけないじゃない。」

 

「チッ……それなら別にいけど。……あなたのインタビュー本当に長いので。」

 

「舌打ちした?可愛いわねぇ。……それよりもこの子平気そう?」

 

「あっ!被身子ちゃん!?帰ってきて!!!!」

 

「まずいわ!魂抜けてる!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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