私のヒーロー   作:おいーも

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平穏。それから。

 

 

 

 

 

 

 

side渡我被身子

 

 

 

「おはようございます。八百万ちゃん。耳郎ちゃん。葉隠ちゃん。」

 

「おはようございます。渡我さん。」

 

「おはよう渡我。そういえばあの日何も聞けなかったけど職場体験どうだったよ?」

 

「あの日?何かあったの?」

 

そういえば葉隠ちゃんはあの場にいなかったもんね。

 

「そうでした。葉隠さんは居られなかったのですわよね。職場体験最終日に爆豪さんと傷原先生の本気組手があったのですよ。」

 

 

「えぇ〜!そうなの!?見たかった〜!どっちが勝ったの!?」

 

腕をブンブンしてる。……透明なのにわかるものですね。

 

「もう傷原先生の圧勝。もう爆豪ボコボコでさ。」

 

「ひぇ〜……爆豪くんがボコボコって……強いねぇ傷原先生。」

 

「すごいでしょ?私の流水さん。」

 

ちなみに爆豪くんは既に登校してる切島くんと瀬呂くんと話してる。あまりこちらの話題を気にしてないみたいだ。

 

「すごいよぉ!ほんとにすごい!あっ梅雨ちゃん来た!ねぇねぇ知ってる〜???」

 

 

葉隠ちゃんここから色んな人に話に行くんだろうなぁ……

 

 

「そういえばさ、聞いた?保須のこと!」

 

「あっその話もしようと思ってたのでした。緑谷さんと轟さんと飯田さんが被害にあったのでしたよね……無事でよかったです。」

 

師匠……ヒーロー殺しステインと戦ったんだっけ。……多勢に無勢とは言え勝てるわけなくない?

 

「……私リカバリーガールと職場体験行ってたから一応怪我の具合は知ってるけど……命に別状は〜って感じじゃなかったですよ?……それよりもリカバリーガールと流水さんが滅茶苦茶怒ってました……。」

 

 

「えっ?怒る?なんで?」

 

「耳郎さん。私達はまだヒーロー免許を持っていないのに、ヒーロー殺しステインと戦ったわけです。……邪推ですが、もし個性を使ってしまったらそれは犯罪になってしまうんです。だから自分勝手な行動は許されないんですよ。」

 

「あっそうか。……どうなんだろ?ヒーロー殺しと戦っちゃったのかなぁ?」

 

 

これは……多分言わない方が良さそうですね。

 

「……。まぁ3人が無事なら良かったんじゃないですか?」

 

「それはそうだね……。同級生に死人がでたなんて嫌すぎるよ。」

 

「そうですわね。私達も今一度気をつけましょう。」

 

「うん。」

 

「そうだね。」

 

 

 

 

あっ緑谷くん……麗日ちゃんと入ってきた。仲良いねあの二人。

 

「……仲良いですねあの二人。」

 

「……もしかして……恋!?」

 

「……邪推すぎ。」

 

 

 

「爆豪!?ちょっと待てって!」

 

なんか急にザワ付きが……

 

 

「おい。デ……ちょっとツラ貸せや。」

 

「かっちゃん?……いいよ。どこ行くの?」

 

「お……おい爆豪……」

 

 

「ココでいい。すぐ終わらせる。」

 

 

 

「どうしたのでしょう爆豪さん。」

 

 

「……ケジメでしょ。」

 

「ケジメ?」

 

 

 

 

爆豪くんが緑谷くんに頭を下げる。

 

「今までごめん。デ……出久。これで償いになるか分からねぇけど。……これからは理不尽に当たらねぇ。怒鳴らねぇ。約束する。」

 

 

「……えっ?えっ?かっちゃん!?急にどうしたの!?!?」

 

「爆豪くん……?どうしちゃったん?」

 

 

「ケジメだ。今までの。それとこれからの。そうしねぇとお互いに前進めねぇ。……出久は勝手に前進むんだろうけどな。」

 

 

「……う……うん。わかった。……これから一緒にがんばろう。かっちゃん。」

 

許すんですか!?

 

「……おう。」

 

謝罪は短かったけど。多分みんなの前で謝ることが……いちばん大切なんだと思っての行動なんだと思う。

 

心の整理がついたのかもしれませんね。

 

爆豪くんはそのまま自分の席に戻る。

 

 

「オイ爆豪!言えたじゃねぇか!」

 

「俺喧嘩ふっかけると思ったぜ!」

 

「あ!?ざけんなお前ら!俺だって変わんだ!ボゲゴラ!!」BOM!

 

 

「…………爆豪。だいぶマシになったのかな?」

 

「……まぁ以前よりはいいんじゃないですか?」

 

「ねえねえ!みんな爆豪くん何があったん?急にデクくんに……」

 

「麗日さん。おはようございます。実はですね?……」

 

 

ちょっとだけ奇妙に始まった1日。

 

こんな日があってもいいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

運動場γ

 

 

今日はオールマイト先生が授業を受け持つヒーロー基礎学。内容は救助訓練レース。

 

指定されたポイントに誰がいちばん早くたどり着けるか……らしい。

 

個性も道具もなんでも使用可能。早ければOK。

 

……私は2走目ですか。1走目は……

 

 

 

瀬呂くん。芦戸ちゃん。飯田くん。尾白くん。緑谷くん。

 

……

 

「瀬呂くんだろうね……1番。」

 

「飯田くんも早いけど……入り組みすぎてるよここ。」

 

「芦戸も結構動き良かったぞ?」

 

「尾白は普通にすごいからな。結構いい線行くんじゃないか?」

 

 

 

みんなモニターの前で各々の予想を話す。

 

私は1人。なにか思うことがありそうな人に声をかける。

 

 

 

「緑谷くんですか?」

 

「あ?……渡我か。」

 

爆豪くん。みんなの輪に入らずになにか考えてるみたい。

 

 

「気になりますか?彼。」

 

「……気にならねぇっつったら嘘になる。……あいつは元々……いやなんでもねぇ。あいつの個性はここじゃ使えねぇだろうなって。」

 

嘘。

 

別のこと考えてた。……最近私も流水さんみたいなマジカルアイが使えるようになったのかもしれません。

 

単純に爆豪くんがわかりやすい可能性もありますけど。

 

 

「……ふーん。まぁいいです。あんなバリバリリスキーパワーで1回で飛び移れたとして救助できるのかって話ですからね。」

 

「……。」

 

 

『よーい!START!!』

 

 

始まった。順調に滑り出す瀬呂くんと飯田くん。やっぱふたり早い……あれ?

 

「おおお!?緑谷なんだその動きィ!?」

 

「すごい……ぴょんぴょん……何かまるで…爆豪くんの……」

 

 

 

「……制御できるようになったんですね?」

 

「……ふん。……出久は観察と分析は得意だったんだ。個性さえ使いこなせれば……」

 

 

ズルン!

 

 

「あっ足滑らせた。」

 

「デクくーーーん!?!?!?」

 

「緑谷ーーーーーー!?!?!?」

 

 

 

 

「使いこなせば……なんですか?」

 

「チッ……。なんでもねぇ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

2走目

 

 

私と麗日さんと峰田くんと口田くんと……爆豪くん。

 

 

そして私は持ち込み可だったので特別アイテム持参だ。

 

「あれ?渡我ちゃんそれって……。」

 

「はい。イレイザーヘッドの捕縛布……をちょっと軽くした操縛布ってやつです。」

 

くるんと1周回ってみせる。首周りに巻き付けたイレイザーヘッドスタイルだ。

 

 

「……てめぇ。使えるのかよ。」

 

「私……付け焼き刃は持ってきませんよ?」

 

爆豪くんの笑顔。いいじゃないですか。この緊張感。ヒリつきますね。

 

「……俺は今日お前に勝つ。勝負しろ。麗日。お前にもだ。」

 

「いいですよ。今回は忖度しません。」

 

「私だって!絶対に負けないよ!」

 

 

麗日ちゃんも早いから頑張らないと。

 

 

 

 

「おーい……俺達もいるんだぞ!?」

 

「…………。」

 

「口田くんも峰田くんも頑張りましょうね?」

 

 

「…………可憐だ。」

 

チョロ。

 

 

 

 

 

 

『よーい!START!!!』

 

 

一斉に飛び出す。

 

私はパイプに飛び移りながら操縛布で移動を補助する。

 

麗日ちゃんも全身をこまめに無重力にしてぴょんぴょん飛び移ってる。早いね。でも……

 

爆豪くん。やっぱり早い。私よりも少しだけ前にいる。

 

何度か追いついて追いつかれてを繰り返してる。

 

「2人とも!早い!!」

 

「ゼッテェ負けねぇ!」

 

「ふふふっ。私も負けてあげません!」

 

 

 

そういえば……

 

流水さんの動きって……今私に真似できるんでしょうか。

 

 

付け焼き刃はとか言ってましたけど……試したくなりました。

 

操縛布で移動する時、体をなるべく丸めて……小さく。空気抵抗を少なくして……飛ぶッ!

 

……できた!これならもっと早い!!

 

 

「あぁ!?なんだその動き!……あの先生のか!!」

 

「うぎぎぎ……私も負けないっ!!」

 

グンと距離が離れる。これなら……

 

「だいぶ体力使いますけど!これなら勝てます!!」

 

「誰に勝てるってェ!?」

 

 

ボボボボボッ!!

 

自分の掌のことを全く考えない連続爆破。

 

 

爆豪くんが追いすがる。距離が縮まる。ゴールまであと少し。

 

「まてや渡我ァ!!!」

 

「絶対っ!負けません!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1位爆豪くん。2位私。3位麗日ちゃん。4位峰田くん。5位口田くん。

 

 

最後のタッチの差。本当に悔しい。

 

 

「すごいな爆豪少年!渡我少女!そしてもう少しだったな麗日少女!ナイスファイトだ峰田少年口田少年!」

 

 

 

「……あーあ……後ちょっとゴールが近かったら……。」

 

「ふん。今日は俺の勝ちだ。……こっちは個性ありだけどな。」

 

「そうだよ渡我ちゃん!個性なしでここまでできるのすごい!」

 

「ありがとうございます。……個性は自身の能力なので、ハンデも何もありませんよ?」

 

「……ふん。」

 

「そうだけど……私も負けないように頑張らないと!」

 

ふんす

 

次は負けませんよ?爆豪くん。……もっと身体作りが必要ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休み。みんなで食堂に行こうとしてた時。

 

「オイ渡我。」

 

「……なんですか爆豪くん。」

 

「傷原先生ちょっと貸せや。」

 

 

とんでもないこと言われた。

 

 

 

「は?」

 

 

 

とんでもない顔してたかもしれません。

 

 

 

 

 

 

 

 

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