私のヒーロー   作:おいーも

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勉強会

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side渡我被身子

 

 

 

 

夏。

 

 

もうそろそろ期末試験。

 

 

私は緊張が少し。八百万ちゃんに勝つ。それで流水さんに褒めてもらう。

 

そんな私の緊張とは裏腹に……別の意味で阿鼻叫喚なこのクラス……。

 

 

「赤点だと林間合宿に行けねぇだとおおおおお!?!?」

 

「聞いてねぇよ!!やべぇやべぇ!!!」

 

「うわーーん!!無理だーーっ!!」

 

「どうしよー!!皆楽しんでるのに私だけなんて嫌だ!!」

 

 

「あはは……大変そうですね。みんな。」

 

「天下の雄英高校ですからね。テストもそれ相応に難しいですから……。」

 

 

「いいよね!2人とも!天上人は!!!!」

 

「そうだそうだ!!」

 

 

「そりゃ……毎日勉強は怠ってないですし……」

 

「学生の本分は勉学ですのよ?」

 

 

「……努力の賜物ってやつですか……はは。」

 

ごめんね?先生が家庭教師で。

 

 

「……あのさ八百万。ちょっと数学教えて欲しくて。」

 

「え?耳郎さん…そこまで苦戦してる様な感じではありませんでしたが……」

 

「ちょっとつまづいてる感じがあって。教えて欲しいなって。」

 

その声を聞いてみんながワラワラと……

 

「え!耳郎ちゃんずるい!私も教えて!!」

 

「私も私もー!!!」

 

 

「人気者ですねぇ八百万ちゃん。」

 

「渡我さん……もう!任せてくださいまし!全力で教えて差し上げますわ!」

 

プリプリ

 

 

「「「かわええなぁ……。」」」

 

 

 

「おー……あれが人格者の人望だぜ爆豪。」

 

「うるせぇ俺も人望出すわ!教え殺したろか!」

 

「おう。悪ぃな。頼むわ。」

 

「爆豪!俺も俺も!」

 

「俺も頼む爆豪!!!!流石に赤点はまずい!!」

 

「だーっ!!うるせぇな今日からやんぞゴラ!!!」

 

「「「やったーーーー!!」」」

 

 

 

 

「爆豪くんもなんだかんだ人気者ですねぇ。」

 

 

 

「渡我。少し話がある。」

 

 

私の目の前に立ったのは障子くん。あまり話したことは無いはずだけど……どうしたんだろう。

 

「ピピーッ!!見守り隊出動!!」

 

耳郎ちゃん?芦戸ちゃん?葉隠ちゃん?……八百万ちゃんまで!?

 

 

「え!?なになに!?!?」

 

 

「遅れた!ごめんね!」

 

「ごめんなさいね。」

 

 

蛙吹ちゃんと麗日ちゃんも!?!?

 

クラス中の視線が痛い!!!本当になにこれ!?

 

 

「障子!用件を先に言いなさい!それ次第じゃ粛正だ!!」

 

芦戸ちゃん!?何仕切ってるの?もしかしてこんな変な隊作ったの芦戸ちゃん!?

 

 

「いや。少し個性の話で……個人的な話なんだ。皆のこと不快にさせるかもしれない。」

 

「いいですよ。芦戸ちゃん。お話してきます。」

 

「渡我……気をつけてね!障子だから多分大丈夫だけど!」

 

「すまない。」

 

こんなこと言いながら人望はある障子くん。滲み出てるんだよね。いい人オーラが。

 

 

 

少し教室から歩いて階段の踊り場。

 

 

「……それで?お話とは?」

 

「Cafe wide variety……って知ってるか?」

 

マスターさんのカフェ……知ってるんだ?

 

「……それがどうかしましたか?」

 

「いや。警戒しないで欲しい。あそこを経営している人を知りたくてな。」

 

「マスターなら……」

 

「違う。あそこのお店を作った人だ。」

 

作った人?

 

「…………理由をお聞きしても?」

 

 

「俺たちみたいな個性……異形個性の差別問題は根深い。俺も……実はそういう村出身でな。だからあそこまで異形個性を救ってる環境を作り出す手腕を知りたい。これはきっと俺の夢に繋がる。」

 

 

 

「…………夢ですか。」

 

流水さん……だけど今日パトロールで雄英に居ないんですよね……。

 

 

「ああ。異形差別をこの世から無くしたい。異形差別する人じゃなくてそのものをだ。そのための足掛かりにしたい。」

 

「なんで私なんですか?」

 

「……すまないが、君と傷原先生が休みの日にそこから出てきたのを見たんだ。決して後ろをついて行ったわけじゃない。」

 

 

「言うのがとても遅いですね?」

 

あの日から1ヶ月は経ってますよ?

 

「1度あのカフェに顔を出してみたいと思ってな。都合のいい日に行ってみたんだ。」

 

「どうでした?」

 

 

「すごく心地の良かった。……あまり言いたくはないが俺の見た目はあまり綺麗なものでは無くてな。少し好奇の目線というのは受けなれてるんだ。……それが無かった。あんな空間…初めてだった。そこから何度も通ってしまって……今では顔を覚えられてしまった。」

 

本心なんだな。あそこの人達だもん。速攻で仲良くなれるね。障子くんだったら。

 

でもそれとこれとは……

 

 

「……うーん……私はお金出した人知ってますけど……その人の許可次第ですね……。」

 

「……そうか。すまない。他をあた……」

 

 

 

「いいよ。」

 

 

「えっ……流水さん!?今日はパトロールじゃ……」

 

 

いつの間にか階段の下にいた流水さん。

 

「傷原先生?」

 

 

「いやぁ……被身子ちゃん…今日お弁当忘れちゃっててね?お家から急いできたんだ。」

 

「あっ……そうでした。ごめんなさい。」

 

いつもは流水さんがお弁当を詰めてくれるから……今日は少し寝坊したのもあって焦ってたんだった……反省。

 

「ううん。大丈夫。最近一緒に朝出れないもんね。ごめんね?」

 

「大丈夫です。流水さんも仕事ですもんね。」

 

 

「それで……障子くん。今日は忙しいから後日でいいかな?」

 

「……えっと…?…なんの事が……」

 

「あれ?……あっまだ話してないもんね。あそこのカフェ作ったの私。お金出したの私。」

 

「……えっ!本当ですか!?……てっきり何かの異形個性の方かと……。」

 

そりゃびっくりするよね。私もびっくりしたもん。

 

……それはそれとして…流水さんって一体どれくらいお金もってるんだろう……?

 

「流水さんは個性差別大嫌いですもんね。」

 

「うん。大嫌い。だからって訳じゃないけど、あのカフェにはお金出したよ。でもお金速攻で返ってきたよね。」

 

 

「……はい。マスターさんがお金はすぐ返したと……ですが何も教えてくれなくて……。」

 

「まぁ……本気なら自分で探せってことじゃないかな?マスターそういう所あるし。」

 

「藁にもすがる思いだったので助かりました。マスターさんの話が全部あなたのおかげとしか聞けなくて……。」

 

「……もう。金出したのは私だけど…運営はマスターなんだから答えてあげればいいのに。」

 

「マスターさんらしいですね。皆さん流水さん大好きですから……守ろうとしたのかもしれませんね?」

 

「……ありがたいけどねぇ。」

 

 

少し思う事がありそうだ。流水さんの事だからあんまり気にしなくていいとか思ってそう。

 

この人何思ってるんですかね?救っておきながらちょっと無責任じゃありませんか?好かれて当然ですよ。自覚しなさい。

 

 

「それで……先生。いつ頃がいいでしょうか?」

 

「……あー……今ちょっと立て込んでて、被身子ちゃんに一報入れるからその時でいい?」

 

「はい。わかりました。ありがとうございます。」

 

今忙しそうですもんね。警察の人とも連携してるみたいです。

 

「流水さんはまたお仕事ですか?」

 

「もうちょっとだけね?午後からは雄英にいる予定だよ。ヒーロー基礎学でしょ?」

 

「はい。じゃあ今日は一緒に帰れそうですね!」

 

「うん。一緒に帰ろ。」

 

「はい!」

 

 

そのまま流水さんと別れた。

 

 

 

 

「すまない。渡我。わがままを言って。」

 

「別にいいですよ。流水さんとの時間が減ってちょっと嫌ですけど……私は人の夢を……心を蔑ろに出来ないです。」

 

「……大人なんだな。」

 

「あなたに言われたくはないですね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

別の日。

 

「え?勉強会手伝って欲しい?」

 

『はい。申し訳ありません。思った以上に参加者が居られまして……。』

 

明日は期末試験までの最後の連休。流水さんは相変わらず仕事なので、帰ってくるまで家でダラダラしてたら、八百万ちゃんから電話があった。

 

「えーっと?芦戸ちゃんと耳郎ちゃんと葉隠ちゃんは知ってるけど……ほかは?」

 

『尾白さんと常闇さんと麗日さんです。』

 

「おぉ……6人をひとりでは……すごいね?」

 

『いえ。蛙吹さんが来てくれる予定なのですが……それでも多すぎるので、もうひとりと……ダメでしょうか?』

 

「時間次第ですね。どうですか?」

 

『明日と明後日を予定してます。皆さんは泊まりという形なのですが……渡我さんはどうなさいます?』

 

「……泊まりは……無理かな…」

 

『……そうですわよね。血の話もありますし……』

 

「泊まりじゃなかったら全然OKです。2日顔出せばいいんですよね?」

 

『良いのですか!?』

 

「良いのです。良いのです。……それよりも敵に情報渡しちゃっていいの?」

 

『敵って……ふふっ。大丈夫ですわ。それで負けるようならそれまで。私も今燃えてますの。』

 

「へぇ〜!余裕だね!……私も負けないから。……それで?時間帯はいつ?」

 

 

 

 

 

 

当日。

 

 

時間帯通りに指定された場所まで行くと既にみんなが着いていた。

 

「おはようございます。皆さん。」

 

「あれぇ!渡我ちゃんも来るの!?」

 

「蛙吹ちゃんと一緒ですよ。先生として来ました。」

 

「梅雨ちゃんと言って?そうなのね。百ちゃんからは何も聞いてなかったからびっくりしたわ。」

 

「急遽だと思うからね?……それよりもみんなどうしたの?」

 

「どうしたもこうしたも……ここ。」

 

「ここ?」

 

 

一面の白い壁。こんな真っ白な家あるんだなぁ……。

 

よく見たら大きな門もある。これ家の塀か……大きい……。

 

 

「これ八百万の家だって。」

 

 

「え?……えええええええええ!?!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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