私のヒーロー   作:おいーも

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鼓動。危機。

 

 

 

 

 

 

side渡我被身子

 

 

そこからはドタバタ……慌ただしかった。

 

警察と救急が沢山出入りして、ガスによる重傷者、怪我人、及び行方不明のヒーローの散策。

 

かくいう私も怪我人ということで病院に搬送。命に別状はないとの事だったので、数日検査兼ねて入院。

 

流水さんは病院内でバタバタしていた。時々顔を見たが一瞬笑いかけてくれるくらい。忙しそう。

 

 

そういえば合宿場に流水さんが居たらしい。……やっぱり私の目は間違えてなかったんですね!みんなを守る為に隠れて行動をしていた……と相澤先生から聞きました。

 

ガスの被害も思った以上に少なく……それもガス発生時流水さんが身体的被害を少なくする為、ガスを吸った生徒を木の上に避難さしてたかららしいですけど……あの人本当に凄すぎませんか?

 

 

それはそうと……行方不明のヒーロー……ラグドールさん。敵連合に連れていかれた可能性が高いとの事で今懸命な捜索が行われているらしい。

 

緑谷君の病室にお見舞いに来ていた人達から聞きました。

 

 

私は私でお見舞いに来てくれていたタイミングでお医者さんから退院の許可が出たので、残っていたみんなと帰ることに。

 

爆豪くん、飯田くん、尾白くん、八百万ちゃん、蛙吹ちゃん。

 

八百万ちゃんも頭部を怪我して入院中だったんだけど、リカバリーガールと流水さんのお陰で本日退院。

 

 

……脳無と接敵したらしい。もう頭に一撃。速攻で倒れちゃって、B組の人に助けてもらったって。

 

その時に脳無に発信器をつけて、その受信機を警察の人に渡したって。本当に土壇場でそんな機転の利く発想が……凄いなぁ。

 

でも女の子の顔を傷物にするなんて許せない。傷跡はあまり目立たないらしいけどそれとこれとは違うよね?

 

 

雄英高校が今回の件で今日記者会見を開くんだって。……雄英高校何も悪くなくないですか?世間はそうはいかないんだと。安全圏で見てただけの人が何言ってるんでしょうか。

 

 

 

 

そんなこんなで帰り道。もう夜の帳も落ちつつある夕方……みんなの足取りはあまり良くなくて。敵の被害を……肌で感じた瞬間だった。

 

なんというか……あまりにも色々ありすぎて、話すことが見つからなかった。

 

そういえば今日……流水さん見てないな……何処かに行ってたんでしょうか。怪我人さんもまだ沢山居たと思いましたけど……。

 

 

人通りは少ない。それどころか私たちだけ。駅に向かっている最中。後ろから声をかけられた。

 

「お前たちは行かないのか。」

 

「!?」

 

「誰だ!!」

 

 

少し暗めで全貌を把握しづらいが……あれは……

 

 

「ステイン!?なんで!」

 

「ステイン?ヒーロー殺しの!?」

 

ステイン師匠。普段着だ。……普段着?

 

「オイ!俺たちに何しにきやがった!」

 

爆豪くんと飯田くんが臨戦態勢を取る。

 

「……ハァ…警告だ。」

 

「……警告?」

 

「お前らの大好きな傷原先生。アレは今……脳無の格納庫にいる。」

 

「流水さんが!?」

 

「脳無の……格納庫!?そんなものが……」

 

「発信機で警察が特定したらしくてな。ヒーローが何人も集まって慌ただしいの一言。大規模な作戦が行われようとしている。ブラッドロータスは今……格納庫に潜入中だ。」

 

発信機……八百万ちゃんのか!

 

「……。」

 

「お前がそんな事を知っているのは一旦置いておく。お前が……それを僕たちに言って何になる。」

 

 

「脳無とやら……あの化け物との戦闘だ。怪我人が確実に出る。……お前達は……そこで見ているだけか。」

 

「……なんだと?」

 

「ハァ……それだけだ。場所だけは教えてやる。」

 

何かが書かれたメモ用紙を落とす。

 

そのままステイン師匠はビルに飛び移って姿を消した。

 

 

「待てっ……逃がしたか!」

 

「……見ているだけ……つっても……何も出来ねェだろ。」

 

「流水さん…………」

 

 

私は足が出ていた。メモ用紙を手に取る。

 

「渡我さん?」

 

「ダメよ。被身子ちゃん。ヒーローの皆さんの邪魔をしちゃダメだわ。」

 

わかってる……わかってるけど!

 

「……私……私。流水さんに何かあったら耐えられない。……それに戦わなくたって……何か手助けが出来るかもしれない。」

 

「…………。渡我。行くぞ。」

 

「爆豪君!?」

 

「俺もまだあの先生から教わってねぇことが多すぎる。超えなきゃならねぇ壁を無くす訳にはいかねぇ。ただ……」

 

「はい。手は出しません。絶対に。」

 

「フン。……行くぞ。渡我。」

 

ありがとう。爆豪くん。

 

「はい。行きましょう。」

 

私たちは別方向へ足を踏み出した。

 

 

「爆豪君!!」

 

「爆豪!」

 

「渡我さん!!」

 

 

「皆?」

 

「僕も着いていこう。僕は委員長だ。何かあった時の責任は僕が取る。」

 

「せっかく仲良くなったのにお前らをほっとけねぇよ。俺も行く。」

 

「私も着いていきます。飯田さんの言葉を借りるようで申し訳ないですけど……私も副委員長なので。」

 

「皆……」

 

「フン。遅れんじゃねぇぞ。」

 

ありがとう。ありがとう皆!

 

 

 

 

「まって!!皆!」

 

「……梅雨ちゃん?」

 

梅雨ちゃんの声が響く。私たち以外にだれも居ないから余計だ。

 

「……やっぱり私……ヒーローの邪魔をしちゃダメだと思うの。何をするにしても。……もし自分達に何かあったらどうするの?個性を使って身を守る?免許も持ってない私たちが?それは……社会のルールを守れてないわ。」

 

「…………。」

 

「梅雨さん……。」

 

「ルールを守らないそれは……敵の行動原理と同じじゃない。」

 

多分心からの忠告なんだと思います。でも……それでも。

 

「梅雨ちゃん。ルールを守るだけが……正しいことなんですか?」

 

「え?」

 

「ルールを守れなかった人は……どんな事情があっても敵。……倒さなくてはならない敵なんですか。」

 

昔の私。流水さんを傷付けた私。……流水さんじゃなかったら……どうなっていたことか。

 

「そ……それは……」

 

「私は違うと思います。ルールを守れたから正義。ルールを守れないから悪。そんな単純な社会じゃないです。……ないと思います。」

 

「…………。」

 

「私は流水さんを失いたくない。ルールを破ってでも誰かを守りたいは……悪……ですか?」

 

「…………。そんなの……。」

 

 

 

「オイ渡我。時間がねぇ。行くぞ。」

 

「……はい。梅雨ちゃん。気をつけて帰ってくださいね?」

 

「…………。」

 

私たちは梅雨ちゃんを背に……

 

 

 

「まって!だったら!!何かあったら私が皆を止める。……私も行く。絶対にヒーローの邪魔はさせないわ。」

 

「……梅雨ちゃん……。」

 

「梅雨さん。……いいんですか?」

 

「大丈夫。……怖いけど。でも……きっと今は止められない。だから……。」

 

「……行くぞ。」

 

「うん。」

 

こうして全員でメモのポイントに向かうことに。

 

流水さん……無事でいて。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

襲撃開始。

 

ベストジーニスト……ギャングオルカ……マウントレディ……全員面識無いですね。

 

ギャングオルカは……1度免許センターで見た事ありますね。……一方的ですけど。

 

一応協力者がいる……みたいな話されてるはずなんですけど……私…捕まったりはしないですよね?

 

 

 

「ふむ。……聞いていた間取り通りだな。協力者というのは余程優秀らしい。」

 

「よくもまぁこんなところに潜入できますね……私だったら無理です。」

 

 

あ……虎さんもいる。ラグドールさんは見つかったのかな?

 

「うええ~~これ本当に生きてんの?」

 

皆がテキパキと拘束、鎮圧する。やっぱり拘束ならベストジーニストさんだね。すごいや。

 

「こんな楽な仕事でいんですかね?ジーニストさん。オールマイトの方、行くべきだったんじゃないですかね。」

 

「難易度と重要性は切り離して考えろ、新人。」

 

 

「ラグドールよ!返事をするのだ!」

 

「チームメイトか!?息はあるのか、よかったな。」

 

「しかし…様子が…何をされたのだ…ラグドール!」

 

……目は開いてるけど……意識が……?

 

「すまない虎、前々から良い個性だと…丁度良いから貰うことにしたんだ。」

 

……誰?……不味い気がする。

 

「こんな身体になってから、ストックも随分減ってしまってね」

 

ベストジーニストさんが糸で拘束する。

 

「ちょ、ジーニストさん!もし民間人だったら……」

 

「状況を考えろ!その一瞬の迷いが現場を左右する。」

 

「敵には何もさせるな!」

 

……多分それじゃ……誰かひとりでも!!幸いここには……水が……

 

 

ドッ

 

 

 

「せっかく弔が自身で考え自身で導き始めたんだ。」

 

「出来れば邪魔はよして欲しかったな……それよりも……。」

 

ビジャビジャ……なんの音……?それよりも……

 

瓦礫の山。何をされたか分からなかった……分からなかった……が。

 

ガラ……

 

「おや?……生き残りが……。ベストジーニストと……誰だい?」

 

ここには脳無がつけられていた正体不明の水がある。

 

私の個性は……充分機能する。

 

「き……君は?」

 

守れた。1人だけ。

 

「協力者です。ベストジーニスト。」

 

「……君が……。」

 

「ここは交戦……ではなくオールマイトを待ちましょう。絶対に逃がしてはダメです。」

 

オールマイトに発信機を送る。……渡しておいて良かった。

 

「…………了解した。」

 

「へぇ!いい個性だね君。水を操るのかい?……弔にも良さそうだ。」

 

「弔……脳無……貴方……オールマイトが言っていた……」

 

「おや?オールマイトの知り合いかい。なら尚更都合がいい。君の個性を貰う。」

 

「……楽に戦える相手じゃなさそうですね。」

 

オールフォーワン……悪の帝王。

 

 

 

 

 

 

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