side傷原流水
「……家庭訪問ってなんですか?…いいですけど……それよりなんですかこれ…私何も聞かされてないんですけど???」
『ハッハッハ急遽決まったからね!君たちの家にも行くよ。ちゃんと二人で居てくれよ!』
ガチャッ……
「…………寮生活…被身子ちゃんどうすんの?」
「え?全寮制ですか?雄英が?」
「そうらしいんだよね。なんか書類がきた。」
ランニングから帰ってきた被身子ちゃんに相談する。
「無理じゃないですか?私の吸血どうするんですか?」
「そうなのよねぇ…………どうするの?」
そうなのである。被身子ちゃんには吸血衝動がある。割とおさまり気味ではあるが、それでも2、3日吸えないと吸いたくなってしまう。林間合宿とか本当に辛かったと思う。
「……どうするのと言われましても……私は無理ですとしか……。」
「でもそうなっちゃうと雄英高校退学……とかなるのかなぁ?」
「えぇ〜……せっかく頑張って入ったのに……流水さんと同じ高校卒業したいです。」
「……じゃあ寮入る?」
「……それも無理です。」
「「う〜〜〜ん」」
二人で小一時間悩んだが結論が出なかった。
家庭訪問当日。
インターホンとともに相澤先生とオールマイトが来た。
リビングに通す。
「傷原くん……家でかいね。」
「持ち家です。3年くらい住んでます。ローンは一括で。」
「…………本当にすごいな?君は。」
「オールマイト先生。無駄口はその程度で。時間がありません。」
今日全員分回るのか……先生方も大変ですね。
「……で。先生方が知らないはずもないんですけど。寮生活するにしても……吸血衝動どうするんですか?」
「はい……私流水さん居なかったら無理なので……もしかして退学ですか?」
「いや。君も俺の生徒だ。そんな選択肢はない。」
まずは第1関門クリアだね。……でもどうするの?
「……じゃあどうするんですか?私が教師寮にでも入ります?別にいいですけど……」
「ハッハッハすごく嫌そうな顔だね。傷原くん!」
「当然ですよ。雄英の教師寮……仕事のアクセス凄い悪いので。」
「…………言いたいことは分かる。そのうえで……」
「はい。公安なので結構な頻度で顔出さないといけないのが相当に面倒臭いです。」
1階雄英に入って寮がある所まで行って、……面倒臭い。広いんだもん。雄英。
「……なので折衷案だ。根津校長が君に……と。」
「折衷……案?」
相澤先生が紙を見せてくる。
見せてきたのは大きい家。この家より大きい。
「…………なんですかこの家。デカすぎませんか?……雄英の敷地内じゃ……じゃないですね。でもすごい近い。ほぼ目の前じゃないですか……。」
雄英には少し歩くけど全然問題ないレベル。一緒に登校も簡単そうだね。
「…君と渡我さんに住んで欲しい家だそうだ。」
「「え?」」
「全寮制がどうしてもできない生徒というのは個性の都合で考えられる。ここら一帯はそれ用の家……という形だ。」
……さすがに私たち以外にも居るか。そりゃそうだ。
「……それ用?…………ってことはこれくらいの家が滅茶苦茶あるって事ですか?」
「ああ。まぁ……君たちのは2人用だからすごく大きいけどね!」
「……1……2……3階建て……しかも1階滅茶苦茶広いですね……。」
リビングデカ……これル〇バ買った方がいいな……。
「ああ。根津校長が言うには、他の生徒達にも1階は時間が合えば貸し出して欲しい……だそうだ。リフレッシュも大事だからな。……女性だけの家に男性を入れるのかどうかは……そちらで相談して欲しいが。」
いやこれもう……
「…………被身子ちゃん。」
「……なんですか流水さん。多分考えてること一緒ですよね?」
「「ここに住みます。」」
「ありがとう。傷原くん!渡我さん!」
「……ただ……少しだけ条件がある。」
「……条件……ですか?」
「君たちにはなるべく二人一緒に登校して欲しい。」
「……安全も兼ねてってことですよね?」
「ああ。渡我を守るためにも……頼む。」
「…それはいいですけど………家に監視カメラついてます?」
「監視カメラ?」
大事だ。これがないとお話にならない。
「……だって必要でしょ?一応女性だけの家ですし。」
「……確かに。根津校長に連絡をしておこう。」
「頼みます。ちなみにこの家にはついてます。4つほど。」
被身子ちゃんが来るまでは2つでした。
「…………君はこの家に何円払ったんだ。」
「オールマイト先生。あまり気にしてはいけない問題だと思います。」
「そうだな……それで。引っ越してくれるってことでいいのかな?」
「はい。この家から離れるのは名残惜しいですけど……まぁ別に全然大丈夫って感じです。」
「私が卒業したらまた別の家探しましょうね?」
「そうね。色々やること増えたけど……必要だしね。」
「うむ。それではこの書類に……」
話は滞りなく進んだ。みんなが寮生活してる手前申し訳ない気もしたけど……それ以上に被身子ちゃんのこと考えてくれてて安心。持つべきものは校長とのコネだね。
「これでOKだよ。ありがとう。時間を割いてくれて。」
「いえ。オールマイト。相澤先生。お疲れ様です。」
「はい。それではこれで。失礼しました。」
「ありがとうございました。」
「寮生活か〜」
私は今被身子ちゃんとお風呂だ。
「皆さんの寮……見てみたい気もしますけどね。」
私は全身洗い終わった(洗ってもらった)のでもう湯船だ。
被身子ちゃん一緒にお風呂入ると身体洗いたがるんだよね。こんな体触りたいなんて相当変態だよ。
髪の毛は1人じゃ洗いづらいから嬉しいけどね。
……燃やされてちょっとだけ短くなっちゃった……また伸ばす?それともこれを機にバッサリ行く?
……後者はダメだ。ドライヤーと櫛持った被身子ちゃんの悲しい顔が目に浮かぶ。
「見せてもらえば?出来るんじゃない?」
「どうなんでしょう……私たちの家ちょっとだけ遠いので……」
……被身子ちゃん……何度見てもいい体してるよな。筋肉量もさることながら……プロポーションも良い。出るとこは出てるしお腹なんて割れてるからね。太もも大きいのも大変私好みです。
被身子ちゃんは髪洗う時目を閉じるタイプだからこういう時は好きなだけ見れる。眼福眼福。
それにしたってなんで私の体は中学一年から成長をやめたのかしら。意味がわからない。
「送り迎えくらいするわよ。根津校長にいえばお披露目くらいならさせて貰えそうだし。」
ザバー
「そうですか?……うーん…相澤先生に相談してみます。」
「そうね。何事も確認取ってからの方がいいわ。ホウレンソー大事よ。」
「……報連相ですよね?」
「ホウレンソー。」
呆れないで。
「…………もう。いいですけど?……湯船入ってもいいですか?」
「どうぞ〜。」
被身子ちゃんは湯船に入ると私を後ろから抱きしめる。
私が被身子ちゃんの股の間に座ってる形だ。
「…………本当に好きだね?これ。」
「はい。流水さんには四六時中触れてたいです。」
「そりゃ私もだけど………。」
「流水さんから触れてきてもいいんですよ?」
「…………今はお風呂です。」
「えー……何度もやっt」
「今はお風呂ーー!!」
「はーい♡」
私が触れたら倍返しとか言って泣かすくせに。騙されないんだからね!
「……いつになったら勝てるんでしょうか……。」
「無理じゃないですか?流水さん猫ちゃんですから。」
「猫ちゃん?……なんの事?」
猫ちゃん?にゃーん?
「知らなかったら知らなくていいですよ〜。そういう世界もあるって事です。」
「ふーん。……まぁいいや。……楽しみだね。新しい家。」
「……流水さん部屋の値段聞いて家賃2年半分一括とかビックリしましたよ……。」
「だって……卒業するでしょ?」
「しますけど……。私が死んじゃった時とか考えないんですか?」
「うーん不慮の事故は私が死ぬ気で守るし……インターンは……多分そこまで無理しないと思う。困るのは病気かな?」
「…………私のこと信頼しすぎじゃないですか?」
「彼女のこと信用しない人が何処にいるんですか。……お嫁さんになってくれるんでしょ?」
被身子ちゃんの抱きしめる力が少し強くなる。
「……当然です。絶対誰にも渡しません。」
「楽しみ。こんなに幸せでいいのかしら。」
「いいんです。いっぱい頑張ったご褒美だと思ってもらえれば。」
「ご褒美ねぇ……大きすぎる気がするわ。もっと頑張れってことかな?」
「無茶したら怒りますよ?」
被身子ちゃんがほっぺ膨らませてぶーってしてる。可愛い。
「冗談冗談。口尖らせないで?」
「……だといいですけど。」
「…………被身子ちゃん?」
「なんです……んっ……」
この体勢だとしづらいね。
「……へへっ。機嫌直った?」
「…………私のことキスすれば機嫌よくなるって思ってませんか?」
「思ってる。私のこと好きでしょ?」
「…………もう!今はお風呂ですよ!?」
「ふふっ……はーい。」
こういうプンプンしてる被身子ちゃんの日は……
私寝かせて貰えない日だ。