side傷原流水
私はとある場所に向かっている。部屋……と言っても廃墟だが。
まあ裏社会の住人は基本的にそれ相応の場所に居る。1番厄介なのは日常生活に溶け込んでるやつだが……そういう奴は警察さんに任せる。
「……ふぅ。」
仕事道具を持ち出してるもんだからちょっとだけ大変。量が多いしね。まぁ……どれがいいかは決めてもらわないといけないしね?ジュラルミンケースに入って良かったです。
「おや?」
「来たか。ブラッドロータス。」
「はい。ベストジーニスト。今日はよろしくお願いします。……そちらは?……私は呼んでないはずですけど。」
あの風貌……たしかに記憶が正しければ……
「今日は少し大規模な人員拘束になるとの事で助っ人を呼んでおいた。君の事もある程度は話しているから大丈夫だ。」
「ジーニストから話は聞いている。よろしく頼む。」
「はい。よろしくお願いします。エッジショット。」
手を差し出されたので握手。大切だね。
「君の活躍は知っている。神野でジーニストを助けてくれてありがとう。話も聞いた。是非協力させてくれ。」
ヒーローエッジショット……体を薄く伸ばす個性で戦闘、潜入、拘束全てにおいて超一流ヒーロー。忍法とか言って技出すんだっけ?いいよね。わかりやすくてちゃんと強い。ヒーローの模範だ。
「話した……というのは何処まで……?」
「君が今探っているものも含めてだ。」
「全部じゃないっすか……。」
「エッジショットとは隠し事をしないタチでな。」
「…………まぁいいや。人員が増えればそれだけ早く終わるので嬉しいです。警察の方とも連携が取れてるので、我々が突入次第警察の方も集合する形になってます。……そもそもこいつらは薬物売買で礼状待ちみたいな奴らだったのでちょうど良かったです。ついでに色々話を聞いちゃいましょう。」
「……その荷物は?」
エッジショットが私の荷物を指さす。
「…………聞きたいですか?あまり気分のいいものじゃ無いですけど。」
「……わかった。その時になったら聞こう。」
「使わないのが1番ですよ。」
今回はブローカー団体をいくつか片す。どれかの誰かが知ってればいいんですけどね。個性消失弾。
「……なるほど。君の個性はジーニストに少し似ているな。」
「…………まぁ拘束だけならそうですね。でもジーニストほど広範囲を一気にってのは出来ないです。」
「ここはこれだけか?まずひとつ完了だな。」
ジーニスト、私が速攻で拘束、エッジショットが気絶させる。これで終了。あとは……
「えーっと……団体の人数は多分合ってると思うんですけど……ベストジーニストとエッジショットは残党がいないか探ってきて貰ってもいいですか?」
「ブラッドロータス。君は?」
「私ですか?私は少しこの人とお話があるので。」
荷物を下ろす。ガシャンと金属音が鳴り響く。
「……なるほど。ソレはそういうモノか。」
「見たくないでしょう?」
「……わかった。エッジショット。残党を探しに行くぞ。」
「はい。わかりました。」
「気を付けてくださいね。」
side???
プス
「……ぁっ……」
「おや?目が覚めましたね。おはようございます。」
「……ここは…っ…お前は!!……!?俺を拘束しやがって!何のつもりだ!」
「警察さんが来るまで少しだけ時間があるのでお話を聞いておこうかと。」
「話ィ?……俺は何も話す気は無いぜ。」
「そもそも薬物売買だけでも充分違法なんですけど……顧客リスト……見せてくれませんか?」
「……見せるわけねぇだろ。」
「そうなんですよね。あなた達の生命線ですから。横流しされたら大変ですものね。……特に薬物とかは。ね?」
「……わかってんなら……」
「もうひとつです。個性消失弾って知ってますか?」
「…………。」
「黙秘ですか〜……まぁいいや。身体に聞きましょう。」
「……あ?」
ガチャガチャ……
「てめぇ……なんだそれは……」
「え?知らないですか?爪……引っこ抜くやつです。」
「ちげぇよ!なんでヒーローのてめぇがそんなの持ってんだよ!!」
「?……私はヒーローでありヒーローじゃないので。あなたに言っても全くわかんないでしょうけど。」
「…………。」
「嫌でした?じゃあ……指切るやつもありますよ?私ならすぐ直せるので何度でも使えちゃいます。切るの嫌ですか?じゃあハンマーで……でも潰しちゃったら直すのめんどくさいんですよね。ノコギリもありますよ?ワクワクしますよね。私こういうの大好きなんですよ。とりあえず声がうるさくなるのでなにか噛ませましょうか。……えーっと」
「話す……話す。全部話す。」
「え?どうしました?聞こえませんね?」
「話す!!全部話す!!俺の知ってる情報!!全部話す!!!!」
「え?いいんですか?ご協力ありがとうございます。それでは……」
「袴田先輩。あれが……公安の……」
「ああ。公安が抱える闇であり光だ。彼女が少しづつ社会を浄化してくれてるから今がある。」
「…………心苦しいですね。」
「居ない方がいい。……が居ないと今の社会が瓦解する。……難しい問題だ。実際彼女の情報で助かっている部分もある。」
「…………。彼女は善人なのですか。」
「まだ測り兼ねる。実際……彼女が我々ヒーローにもたらしてくれた恩恵は大きい。知らず知らずのうちに我々は助けて貰っている可能性すらある。……が今の彼女のような情報の集め方をしているのであれば……あまり善人とは言い難いな。」
「……。」
「だが……彼女を慕う者が多くいるのも事実。もう少し仕事を共にしてから判断しても遅くない。あいにく……彼女はヒーローだ。善人ではないが、悪では無い。」
「なるほど。理解しました。」
side傷原流水
昼過ぎ
「ふーっ……今日はこれで終わりです。御二方ありがとうございました!」
「こちらこそだ。ブラッドロータス。何かいい情報は集まったか。」
「いくつか共通している商売相手と、例のブツに関する情報が少し。少しだけ例のブツの件が進みそうです。」
「なるほど。それは良かった。」
「これもジーニストの拘束とエッジショットの忍術があってこそですね。もっと長くかかると思いました。……これで今日中に公安に行って書類制作までできそうです。」
「……今からか!?……もう昼過ぎだぞ?」
「?はい。そうですけど……今日は雄英もお休みなのであまり予定もないですし……。」
「…………君はもう少し休んだ方がいい。」
パパ程じゃないですよ。私もまだまだ頑張れます。
「忠告痛み入ります。それではあとは警察の方に任せているのでお二方も解散していただいて構いませんよ。」
「……わかった。今日はありがとう。また情報が固まり次第また会おう。」
「はい。よろしくお願いします。」
……そういえば
「エッジショットにも情報お渡しするので、その時は顔を出させていただきます。」
「……いいのか?」
「もう全容をほぼ聞いてるんですよね?であればいいです。知ってくれている人が多い方が行動を起こすのも楽です。」
「……わかった。ではそのように。」
「はい。お疲れ様でした。」
2人は私に一瞥だけして去っていった。
うーん。
……まず違法薬物の卸先……全部に死穢八斎會の名前があった。……若頭オーバーホール。治崎じゃないんですね。オーバーホールを名乗ってるのにはなにか理由があるんでしょうか。
しかも違法薬物以外に別の薬品を売買している形跡もありました。何に使ってるんでしょう。……まぁ答えはほぼひとつですね。
……個性消失弾の事はあまり聞けませんでしたが、噂話程度に聞いただけ。
ただ……存在していると思ってもいいと思いますね。
存在してはいけないものが存在している。それが本当に良くない。
……違法薬物以外の薬物は……人体に使うものも多々あります。……素材人体とかじゃないですよね。この世には身元不明の人物なんて山ほどいます。
それを使われているならこの件の証拠なんて外部からとれませんよ。
……オーバーホールの個性…は知らないですけど戦うことを頭に入れておいた方が良さそうですね。何かしら集めれるかもしれません。
…………それにサー・ナイトアイが言っていた時間。死穢八斎會と接触しているブローカーはありませんでした。他のブローカーの可能性もありますけど……別の団体の可能性もあるって事ですよね。
……何処でしょうか。……あまり死穢八斎會が他の団体とつるむの想像できないんですよね……。
敵連合なら……ワンチャン?……無いか。死穢八斎會側にメリットがない。
とりあえずとっとと書類まとめないと。