私のヒーロー   作:おいーも

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仮免試験

 

 

 

 

 

side傷原流水

 

 

サー・ナイトアイ事務所。

 

 

「ふむ……なるほど。これは……違法薬物のルートか……ふむ……それに……違法薬物以外の医薬品……相当にきな臭いな。」

 

「はい。……でも確証を得た訳では無いです。」

 

「だが……これで違法薬物の売買があった証拠が手に入った。これが事実ならば……これで死穢八斎會を叩くことが出来る。」

 

「その流れで個性消失弾についてもどうにかしたいですね。」

 

「ああ。……本来であればそちらに着手をしたいところだが……実際はそうもいかん。時間を取らせれば取らせるだけブローカーの逮捕からの動きを観測しづらくなる。」

 

「力技で手に入れた情報は……鮮度とその後の行動が命ですからね。準備……しっかりお願いしますね。」

 

「ああ。君の助けはこれまでだ。あとはこちらで何とかする。」

 

 

「頼みますね?私が声掛けても他のヒーロー参加してくれないので。ふぅ……本当に疲れました。ベストジーニストとエッジショットには感謝ですね。」

 

「……よくあの二人に協力を取り付けたな。オールマイトの腰巾着のお前が。」

 

「腰巾着なんて酷いなぁ……まぁそういうふうにしてたのは私なんですけど。おかげで最初の頃のエンデヴァーとか最悪でしたよ。」

 

「……どうやってオールマイトに取り入ったかはわからんが……独自のルートがあるのだろう。」

 

「そういう事にしといてください。厄介オタクさん。………でも礼状は時間かかりそうですね。」

 

「ああ。そればかりは仕方ない。……歯がゆい思いだ。」

 

「はい。では私はこれで。」

 

私が立ち上がるとサー・ナイトアイが一声かけてくる。

 

「む?センチピーダーとバブルガールがそろそろ帰ってくる。会ってやってもいいんじゃないか?」

 

へぇ珍しい。そんなこと言うなんて。

 

「よく嫌いな人を部下に会わせることが出来ますね?」

 

「私の感情だけで他人の自由は止めん。センチピーダーもバブルガールもお前のことは好いている。」

 

「……はぁ。立派なヒーローですね。本当に。」

 

「言葉通り受け取っておこう。」

 

たしかに仲はいいので会っておきたいですけど……

 

「私は今日予定があるんですよ。仮免試験見に行かなきゃ。」

 

「……仮免試験?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あっ!目良さーん!」

 

「おや……傷原さん。来られたんですか。」

 

目良善見(めら よくみる)さん。今年も……仮免試験の試験監督ですか……大変ですね。

 

 

「はい。うちの子も来てるので。」

 

「……あなたの子……1次試験は突破されましたよ。最速で。」

 

「本当!?……1次試験見たかったなぁ。」

 

「ええ。他とは一線を画してましたね。視界の外に入ってぽぽぽいって感じでした。」

 

「……さすが被身子ちゃん!……喉乾きません?飲み物買ってきますよ。」

 

「じゃあ……エナジードリンクで。」

 

「身体壊しますよ……?まぁいいですけど。」

 

るんるん。被身子ちゃんが褒められると気分がいい。……そういえば今年の敵役は誰なんだろう。

 

 

 

 

 

自販機で飲み物を買ったあと戻る道すがら、見たことある人を見つける。

 

「あっ……ギャングオルカ!神野では無事でしたか?」

 

「む……貴様は……ブラッドロータス。神野では何も出来ずに申し訳ない。」

 

ギャングオルカ。シャチの見た目のヒーロー。かっこいい。2年くらい前に一緒に仕事してから結構仲がいい。

 

「いえいえ。あそこでオールフォーワンが出てくるなんて思いませんでしたし……それを探知できなかった私の責任です。怪我が重くなくて良かったです。」

 

「あの時はベストジーニストが逃がしてくれたからな。軽傷で済んだ。……おっとそろそろ時間だ。」

 

「敵役ギャングオルカなんですか?手加減してあげてくださいね?」

 

「気がのったらな。」

 

「あ!ちょうどいいので水あげますよ。いっぱい買ったんで。」

 

ペットボトルの水を2本差し出す。目良さん用に買ってたんだけどエナジードリンクあるしまぁいいか。

 

「いいのか?済まない。後で飲むことにする。」

 

ギャングオルカがズボンの後ろのポケットに2本ペットボトルを差し込んだ。

 

「はい。それでは!」

 

「うむ。」

 

そのままギャングオルカが立ち去る。

 

元気そうでなにより。神野では挨拶も何も出来ませんでしたからね。

 

さーて……私は被身子ちゃんの動きでもみますかね!

 

 

 

 

 

 

 

 

「目良さん。これしか無かったんですけどいいですか?」

 

「あー……いいですよ。ありがとうございます。遅かったですね?」

 

「ギャングオルカと会ったので少し話を。」

 

私は目良さんの横に座る。

 

「あなたの交友関係は分かりませんね。本当に。」

 

「まぁ謎のままの方がいいじゃないですか。私らしくて。」

 

「はぁ……そうですか。」

 

場ではギャングオルカが暴れ回っている。轟くんともう1人……知らない子が戦っているが……

 

「あちゃー……良くないですね。」

 

「……このまんまだと最悪大減点ですね。」

 

他のみんなは基本的に撤退優先。そりゃそうだ。立ち向かうのは……無謀だよね。

 

手加減してはくれてるけど……それだけじゃ足りない。

 

「で…………次は!」

 

あ……ペットボトルの水使ってくれてる。本来の用途じゃないけど。……手助けしちゃったかな?

 

 

あ……3人突っ込んだ。爆豪くんと被身子ちゃん……それと

 

 

 

「……緑谷出久。」

 

 

爆豪くんと被身子ちゃんは轟くんともう一人の子を連れて逃げてる。正解。偉いね。

 

緑谷くん……

 

「時間ですね。」

 

ピッ

 

 

「時間ギリギリで良かったですね。」

 

『えー、只今をもちまして配置された全てのフックが危険区域より救助されました。誠に勝手ではございますが、これにて仮免試験全工程終了となります。集計の後、この場で合否の発表を行います。怪我をされた方は医務室へ、他の方は着替えてしばし待機でお願いします。』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギャングオルカ。お疲れ様です。」

 

「ブラッドロータス!いや。少しだけ油断した。俺もまだまだだな。」

 

「あれはしょうがない気がしなくもないですけどね。みなさんも無事で何よりです。」

 

「ペットボトルの水は持ってきてはいたが……1本じゃ足りなかった。ブラッドロータス。君に貰っておいてちょうど良かった。」

 

「なら良かったです。手助けしちゃったかなとも思ったんですが。」

 

「……思った以上に今年は救助が早かった。それに戦闘力も高かった。それだけヒーローの卵は優秀だということだな。」

 

「そうですね。未来に期待です。」

 

「その未来を作り出すのは俺たちだ。一層気を引き締めねばな。」

 

ギャングオルカはほんとに向上心の塊ですね。清々しいです。

 

言葉は少し強いですし顔も怖いですけど……私は結構仲良しだと思ってますよ。

 

「ええ。私達の活動が今の子の未来を作ると信じてます。」

 

異形差別を無くす。個性差別を無くす。未来の子のため。今の人のため。ただ…………今は拠り所を作ることが私のできること。

 

最善を尽くそう。これからも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『流水さーん!受かりました!!!』

 

「良かったね!!被身子ちゃん!今日はお祝いだ!」

 

 

スマホの向こうの被身子ちゃんはすごく嬉しそうだ。

 

今日私が見てたことは内緒。すごく立派だったよ。被身子ちゃん。

 

轟くん以外全員受かったと。……轟くん……まぁあれじゃ……良くないよね。

 

インターン……どこいくのかな?色んなところで学んでみてね。

 

 

それよりも!まずは被身子ちゃんが帰ってくるまでにケーキと、美味しいものを山ほど作っておかなきゃ!今から忙しいぞ〜!

 

しっかりお祝い。しっかり褒める。

 

頑張ったんだもん。まずは美味しいものだよね!

 

 

 

 

頑張ったね。おめでとう被身子ちゃん!

 

 

 

 

 

 

 

 

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