私のヒーロー   作:おいーも

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インターン1日目

 

 

 

 

 

side渡我被身子

 

 

 

インターン1日目。

 

サー・ナイトアイ事務所にて

 

「本日はパトロール兼監視、私とバブルガール、ミリオと緑谷と渡我の二手にわかれて行う。」

 

「「監視……。」」

 

「ナイトアイ事務所は今、秘密の捜査中なんだよ。」

 

秘密の捜査……?何があったんでしょうか。

 

「死穢八斎會という小さな指定敵団体だ。ここの若頭、いわゆるNo.2である治崎という男が妙な動きを見せ始めた。ペストマスクがトレードマークだ。」

 

サー・ナイトアイが写真を見せてくる。……これが治崎……。

 

「マスク怖っ!」

 

「オシャレなんですかね?ペストマスクって医療用のイメージありますけど。」

 

「それは分からない。」

 

それはそうですよね。

 

「でも指定敵団体って警察の監視下にあるから大人しいイメージがありますけど……。」

 

「過去に大解体されてるからね。でもこの治崎って奴はそんな連中をどういうわけか集め始めてる。最近あの敵連合とも接触を図ったわ。顛末は不明だけど。」

 

「敵連合…………ふぅん。」

 

流水さんを燃やした人たち。

 

「ただ奴が何か悪事を企んでいるという証拠を掴めない。協力者にも頼んだが……薬物を扱っている可能性があると言うことしか分からなかった。その為に八斎會は黒に近いグレー。敵扱いができない。我がナイトアイ事務所が狙うのは奴らの尻尾、くれぐれも向こうに気取られぬように。」

 

「「「「イエッサー!」」」」

 

死穢八斎會……敵連合と関わってるなら話は別です。絶対に許しておけません。

 

 

 

 

 

 

 

「今回、実際にホシを監視するのはサーたちで、俺たちはパトロール。色々教えるよ。ついておいでよ!」

 

「そうなんですね。」

 

だったら安心です。いきなり監視は流石に大仕事すぎますよね。

 

「そういやさ、ヒーロー名聞いてなかったよね、お互い。」

 

「た、確かに、デクです。」

 

「デク?木偶?いいのそれ?」

 

「いいんです。」

 

木偶の坊さんなのでちょうどいいですよね。

 

……麗日ちゃんはこの人の何処がいいんでしょうか?

 

「渡我は?」

 

「私は……」

 

 

 

 

 

 

『流水さん!ヒーローネーム似た名前にしていいですか?』

 

ある日の夕食での1幕。ヒーローネームを決める日の前日。

 

『どうしたの?別にいいけど……。』

 

『私流水さんと一緒に戦いたいです。だから似てる名前がいいです!』

 

『……いいよ。頑張って強くなってね?私の名前使って名前負けしたら許さないから。』

 

『はい!』

 

 

 

 

 

 

 

 

「私の名前はブラッドヘリアンサス。誕生花のひまわりと、血の個性なのでそうつけました!」

 

「いいね!センス◎!」

 

これは私の覚悟の表れ。もっと強くなるんだ。名前になんか負けない程に。

 

「俺はルミリオン。全てとまではいかないが100万、オールではなくミリオンを救う人間になれるようにルミリオンと命名した。」

 

現実的……すごく好感が持てます。

 

「コスチュームをまとって街に出れば俺たちはヒーローだ。油断はするなよ、デク君!ブラッドヘリアンサス君!……長いね?」

 

「はい!ルミリオン!」

 

「ヘリアンサスでいいですよ。私も長いと思うので。」

 

 

 

 

 

 

開始してから10分程……私の足元に誰かぶつかってきた。

 

「おや?……かぁいい!痛くなかった?大丈夫?」

 

白い髪の長い子。流水さんみたい。……ツノ?ちっちゃくてかぁいいですね。……服……包帯…………もしかして虐待ですか?

 

「小さい子?珍しい……なんで包帯まみr……。」

 

「ダメじゃないか。」

 

!!こいつは……

 

「ヒーローに迷惑かけちゃ。」

 

治崎!!!死穢八斎會の!!

 

「ウチの娘がすみませんねヒーロー。遊び盛りで怪我が多いんですよ。困ったものです。」

 

「こっちこそすみません。ぶつかっちゃって。」

 

なるほど。スルーするように決めたんですね。通形先輩。……わかりました。

 

「その素敵なマスクは八斎會の方ですね。ここらじゃ有名ですよね。」

 

「ええ、マスクは気になさらず、汚れに敏感でして…御3方とも初めて見るヒーローだ。」

 

「そうです。まだ2人とも新人なんで緊張しちゃって…さ、立てよ相棒、まだ見ぬ未来に向かおうぜ!」

 

「どこの事務所所属なんです?」

 

「学生ですよ。所属だなんておこがましいくらいのヒヨッ子でして。職場体験で色々回らせてもらってるんです。では我々、昼までにこの区画を回らないといかんので。さぁ行くよ。」

 

「はい。わかりました。」

 

立ち上がろうとすると……

 

「い、いかないで……。」

 

この子が離さない。……震えてる。

 

「あ、あの……娘さん怯えてますけど……。」

 

緑谷君!?

 

「……叱りつけた後なので。」

 

「邪魔になっちゃいけない。行こう。」

 

「いや……でも…… 遊び盛りって感じの包帯じゃないですよね?」

 

「よく転ぶんですよ。」

 

明らかに警戒してる……なんで止めたんですか!?

 

「こんな小さい子が声も出さず震えて怯えるって…普通じゃないと思うんですけど。」

 

……あー読めましたよ?警戒されてるから尚更ヒーローとしての行動を1番にしようって事ですね?……通形先輩も従ってるっぽいし……何かあった時。どうにか出来るようにだけしますかね。

 

一旦スマホのメッセージ送信だけ準備しておきましょう。

 

「人の家庭に自分の普通を押し付けないでくださいよ。」

 

「この子に何してるんですか?」

 

「まったくヒーローは人の機嫌に敏感ですね。わかりました。恥ずかしい話です。人目に付くし、こちらに来てもらえますか?」

 

諦めたのかついてこいと指示を出す治崎……これ私たち始末されませんか?

 

「抱っこしていいですか?かぁいいですねぇ。」

 

了承を得てから抱き上げる。……軽い。栄養失調も入ってるのかな。触った感じ傷跡はなさそう……だとしたら包帯?なんで?

 

「実は最近エリについて悩んでいまして、何を言っても反抗ばかりで。」

 

…………反抗……ですか。この子がしそうにないですけどね。……嘘の臭いがします。何かを隠したいんでしょうか。

 

「子育て……ですか?大変ですね。」

 

「ええ、難解ですよ子供は、自分が何者かになる・なれると本気で思ってる。」

 

手袋に手をかけた瞬間……殺気!……エリちゃん?私から飛び降りて……

 

「何だ、もう駄々は済んだのか?」

 

そのまま治崎の横に付いて手を握る。

 

まるで何もさせないように……。

 

「えっ……あの……エリ……ちゃん?」

 

なるほど…………厄介ですね。

 

「いつもこうなんです。すみません悩みまで聞いてもらって。ご迷惑おかけしました。ではお仕事頑張って。」

 

「エリちゃん。バイバイ!またね!」

 

笑顔で見送っておきましょう。多分……きっと会うことになる。

 

一瞬振り返ったエリちゃんの顔は……どこか諦めた顔をしていた。

 

 

 

「何で……。」

 

「追わないよ。気付かなかったかい?殺意を見せつけてあの子を釣り寄せた。深追いすれば余計に捉えづらくなる。サーの指示を仰ごう。」

 

流石通形先輩。気付いてたんですね。

 

「…………手袋。触れる個性ですかね?」

 

「どうかした?」

 

「いえ。手袋に手をかけた瞬間……エリちゃんがびっくりして私から飛び降りた気がしたので。」

 

「…………なるほど。いい観察眼だね。それも伝えておこう。」

 

通形先輩が電話をかける。

 

緑谷君は少し俯いている。

 

あなたが思ってる以上に……無力なんですよ。私たちって。

 

 

 

 

 

「すみません。事故りました。まさかあんな転校生と四つ角でばったりみたいな感じになるとは……。」

 

「いや、これは私の失態。事前におまえたちを見ていれば防げた。」

 

「とりあえず無事でよかったよ。下手に動いて怪しまれたら危なかったかも。」

 

「そんな恐ろしい感じには……。」

 

「甘いですね。デク君。本当に。」

 

「え?と……ブラッドヘリアンサスさん?」

 

バブルガールさんが頷いてから答える。

 

「先日強盗団が逃走中、人を巻き込むトラック事故を起こした。巻き込まれたのは治崎ら八斎會。だが死傷者はゼロだった。強盗団の連中は激痛を感じ気を失ったが、なぜか傷一つなくどころか、持病のリウマチや虫歯など一切きれいに治っていたそうだ。」

 

……治す……ねぇ?それだけであんなに恐れますかね?

 

「治崎の個性だと思われるが、結果的に怪我人ゼロの敵逮捕となった為、特に罪には問われなかった。」

 

「でも奪われたお金だけはきれいに燃えてなくなっちゃったんだって。警察は事件性無しって結論を出したけど、どう考えても怪しいってことでナイトアイ事務所は本格マークを始めたの。」

 

「本格マーク……以前から調べてたんですか?」

 

「うん。そうだよ!とりあえず分かってることは何考えてるかわからないけど、やるときはやる奴ってこと。」

 

「そうだ、サー、怪我の功名というか新しい情報を得ましたよね。しかも2件。まずひとつ……治崎には娘がいます。」

 

「エリちゃんと呼ばれてました。手足に包帯を巻かれて何もわからないけど助けを求めてた。どうにか保護してあげられていたら……。」

 

……本当に……あなたって人は。

 

「傲慢な考えをするんじゃあない。」

 

「!」

 

「事を急いては仕損じる。焦って追えば益々逃げられる。助けたい時に助けられるほど貴様は特別じゃない。現在こちらも他事務所とのチームアップを要請中だ。」

 

チームアップ……流石に手は打ってますか……指示を仰いで正解でしたね。

 

「まず相手が何をしたいか予測し、分析を重ねた上で万全の準備を整えなければならない。志だけで助けられるほど世の中甘くはない。真に賢しい敵は闇に潜む。時間を掛けねばならない時もあると心得ろ。……もう1件は?」

 

「これは気付いたブラッドヘリアンサスから言った方がいいよね!」

 

「えっ!?あっはい!多分治崎の個性は触れると発動する個性です。治崎が自分の手袋に触れた時、エリちゃんが目に見えて恐れていたので多分仮説は合ってます。……ただそれだと治す個性っていうのが引っかかって……。」

 

「なるほど。確かにさっきの話とは治すだけでは食い違うな……それも調べておこう。」

 

「調べれるんですか?」

 

「協力者に連絡をしておく。もしかしたら何かしら情報が得れるかもしれない。」

 

「協力者……?わかりました!」

 

チームアップとは別なんですかね?

 

 

「とりあえず今日のところは3人とも事務所へ戻っていろ。バブル行くぞ。」

 

こうしてインターン1日目は終了した。

 

エリちゃん……かぁいかったなぁ……何とかなればいいんですけど。

 

 

 

 

 

 

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