私のヒーロー   作:おいーも

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死穢八斎會 中

 

 

 

 

 

 

side渡我被身子

 

 

天喰先輩と離れて数分。私たちは長い廊下を走っていた。

 

 

「妙だ。地下を動かす奴が何の動きも見せてこないのは変だ。」

 

「そういえばグネグネしませんね。どこかに行っちゃったんでしょうか。」

 

相澤先生が答える。

 

「何の障害もなく走ってるこのタイミングで邪魔をしてこないとなると、相手は地下全体を正確に把握し動かせるわけではないのかもな。上に残った警官隊もいる。もしかするとそちらに意識を向けているのかもしれん。」

 

「把握できる範囲は限定されているっつーことかよ?」

 

「あくまで予測です。奴は地下に入り込んで操っている。同化したわけじゃなく壁の中を動き回って見たり聞いたりしてるとしたら、地下を操作する時、本体が近くにある可能性がある。」

 

「我々の邪魔をしようとそこで目なり耳なり本体が覗くようなら見ることができます。」

 

 

相手から邪魔……となると……

 

相手の次の行動は……

 

 

 

相澤先生!!

 

壁が相澤先生を飲み込もうとする。

 

「先生!!!」

 

 

「イレイザー!」

 

ファットガムさんが相澤先生を助けた!けど……

 

「すまない!」

 

代わりにファットガムさんが!

 

 

「……あれ?切島くんは!?」

 

切島くんが居ない!!

 

「何だと!?」

 

切島くん……何処に!?

 

 

 

「あ!こ、これは…!」

 

「天井が!壁が!地面が!迫ってくる!」

 

次から次へと!!この個性をどうにかしないと進めないですね!!!

 

「圧殺する気か!」

 

「粗挽きハンバーグにされちまう!」

 

「ロックロック!」

 

「リーダーぶるな!わかってる!!」

 

 

ロックロックさんが壁に触れるとそこら一帯が固まる。

 

「こっちへ!この辺はもう動かねぇ!狭さは言うなよ!セキュリティマックスのデッドボルトだとそう何箇所も締めれねぇ!これが俺の限界範囲!」

 

 

壁を……固めれる。だったら私で……二馬力にすれば!

 

「ロックロックさん!すみません。少しだけ血貰います!」

 

「あ?なんの事だ……っ!?」

 

ロックロックさんの腕を薙刀で少しだけ切りつけて刃を舐める。

 

舐め方……かぁいくなかったですね。まるで師匠みたい。

 

「!」

 

瞬時にロックロックさんに変身。

 

「「「!?」」」

 

「こうですか!?デッドボルト!」

 

やった!止まった!

 

 

「てめぇ!そういうのは予め言っとけ!!」

 

「ロックロックさんだって個性のこと言ってなかったじゃないですか!」

 

「喧嘩はあとだ。前に進もう。」

 

「はい。私も個性使うので、ロックロックさんと交互に止めていきましょう。」

 

「指示すんじゃねぇや。アマチュアが。」

 

お互いに固めつつ前に進む。

 

 

 

「だが……入中はどうする。あいつが生きている限り迷宮は終わらない。」

 

「……それはそうなんですよねぇ。……あっどこかで見てるなら……。」

 

「?」

 

「固めちゃったら動けなくなるんじゃないですか?」

 

「……俺の個性で生物は固められねぇよ。」

 

「……だとしてもですよ。生物は固められなくても同化してるなら生物じゃないんじゃないですかね?」

 

「どうだか。それが分からねぇから策が取れねぇんだよ。」

 

「本当に口悪いですね?それで妻子持ちなのがびっくりです。」

 

「あぁ!?俺の家庭環境はどうでもいいだろ!」

 

 

「渡我。雑談はよせ。一旦進むぞ。」

 

「……渡我さんって口の悪い人とよく仲良くなれるよね。」

 

「「仲良くなってねぇわ」です!!」

 

心外です。乙女心が何一つわかってないですね。緑谷君。こんなんじゃ麗日ちゃんをあげることはできないですね。

 

 

 

 

 

振動が……消えた?

 

「ロックロックさん。」

 

「あぁ……消えたな。何だ?」

 

「…………もしや薬の効果が切れたか?」

 

「それはあるかもしれません。」

 

「生き迷宮が終わった……のか?」

 

……でも……捕まえないのは少し不安……ですよね。

 

……だったら。

 

「この程度で個性が使えなくなるなんて……少々個性が弱いですね?」

 

「何言ってんだお前。」

 

「渡我さん?」

 

「これは……組長さんが悪いんでしょうか?入中さんみたいな弱い人を見抜けなかった組長さん。……そういえば寝混んでるんでしたっけ?呑気ですよね。」

 

「何言ってる。渡我。相手を煽るような行動は……。」

 

デッドボルト……解除。

 

「まぁこんな事態で寝混んでる組長さんが作った団体ですもん。この程度の人間しか集まらないんでしょうねぇ?」

 

「キェェアアアアア!!!!」

 

 

壁から棘!きたきた食いついてきた!

 

「緑谷君!相澤先生!」

 

「!なるほど!!SMASH!!!!」

 

「ぐはぁ!?」

 

「なるほど……捕まえる用の煽動か……。入中の個性は止めた。これでいい。」

 

「そういうのは予め言っておけよ……。」

 

「あなたも同罪では?ロックロックさん。」

 

「ちっ。」

 

 

 

入中は警察の方に縛られた。

 

「うがあああっ!!敵連合!!どこにいやがる!手ぇ貸せぇ!!ぜってぇ許さねぇ!この女ぶっ殺せぇ!!!」

 

「敵連合!?居るのですか!?」

 

「入中!何処に誰がいる!言え!!」

 

「グゥウウウウッ……!」

 

答えない……理性が嫌なところで働いてますね……。

 

「……クソ……どうする。」

 

「全国指名手配の敵連合、我々警察としては無視できん。」

 

二手にわかれる?このタイミングで?入中の見張りは?どうすれば……。

 

「……ハァ…何を立ち話してんだ!無視して進め!連合の方は警察に任せりゃいい!俺たちの最優先事項は何だよ!?」

 

「ロックロックさん!?」

 

「どの道、入中の拘束で誰かしら残らなきゃなんねぇし、そうなると入中の個性使わせねぇ奴がいる。ブラッドヘリアンサスだったか?お前はその個性ならまだやれることがあるだろ。俺が残る。わかったらとっとと足動かせ!」

 

「…………。」

 

「リューキュウたち、上にいる連中、地下で分断された警官たち、サンイーター、レッドライオット、ファットガム、ルミリオン……ここまで来たらあと一息だろ!みんなが稼いだ時間を無駄にするな!行け!」

 

……そういう判断も出来るんですね。プロヒーロー……壁が高いですね。

 

「わかりました!ロックロック!」

 

「おう。早く行け。必ず成功させろよ。」

 

私、相澤先生、緑谷君の3人は救助に、警察の方が敵連合捜索に向かった。

 

ロックロック。ほんの少しだけ見直しました。

 

 

 

 

「緑谷!」

 

「分かりました!!SMASH!!!」

 

 

壁の突破!……通形先輩!サー!無事で……

 

 

目の前に広がったのは……なんで……ここに……

 

見慣れた後ろ姿。

 

 

「……イレイザーヘッド。デク。ブラッドヘリアンサス。やっと来ましたか。」

 

「流水さん!?」

 

「傷原先生!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side通形ミリオ

 

 

「寄越せ!壊理ィイイイ!!!!」

 

自分と部下2人を壊してくっつけた治崎……腕が6つ……崩壊と酔いの個性……相当厄介だ……

 

エリちゃんを守りながらだと……相当苦しい!

 

クソッ……このままだと!

 

俺の攻撃じゃ致命傷にならない!!

 

エリちゃんを狙われた瞬間逃げるのが苦しくなる!

 

守れ!防げ!手を離すな!二度と!!!

 

 

「クロノォ!!」

 

「ぐっ!?」

 

サーがさっきまで倒れていた部下の頭の針に貫かれる。

 

なんで!?気絶させたはずじゃ……治したのか!治崎が!

 

「まずは1人ィ!!!」

 

「がっ…………はっ…………!」

 

サーの脇腹と足が貫かれる。

 

 

「サー!!!!」

 

「次はお前だ!!」

 

「クソッ!!!」

 

酔いの個性によるデバフと破壊の個性の波状攻撃。

 

苦しい!……どうすれば!!

 

「そこだ!」

 

「!?」

 

飛びかかってくる治崎。

 

このままじゃ……エリちゃんが!!!

 

 

 

ガギィイイイン!!

 

治崎の動きが止まる。

 

目の前の赤いヒーローに目を奪われる。

 

鎧のような見た目で……全身から腕を生やして治崎の腕を全部止めている。

 

「てめぇ!!」

 

「……よく頑張りました。ルミリオン。」

 

見たことがある。何度も。サーの事務所で。サーと悪態をつきながら口喧嘩してた女の人。

 

今年に入って雄英高校でも見るようになった。有名な人じゃない。俺の同級生皆誰か知らなかった。

 

曰くUSJで生徒を守ったらしい。

 

曰く林間合宿でも場を収めたらしい。

 

曰く神野でオールマイトが来るまで時間を稼いだらしい。

 

どれもこれもあの身長と普段の行動を見てるとありえない噂。

 

でも目の前の小さくて大きな背中。

 

俺は確信した。

 

この人は……

 

 

「ブラッドロータス先生!!!」

 

「私が来た。」

 

この窮地を救ってくれると!!

 

 

 

 

 

 

 

 

side渡我被身子

 

 

 

「私が着いた時にはもうこれでした。」

 

流水さんはエスコルチアの格好で、サー・ナイトアイを抱き抱えながら血の糸で治療をしている。背中にはエリちゃん。

 

「イレイザーヘッド。デク。今も前で戦っているルミリオンの手助けに行ってあげてください。あの子じゃ千日手です。ブラッドヘリアンサスはエリちゃんの保護を。」

 

「わかった。行くぞ緑谷。」

 

「はい!」

 

「エリちゃん。私のところにおいで?」

 

私はエリちゃんを抱きしめる。かぁいいねぇ。

 

お願いします。2人とも。

 

 

 

 

 

「ルミリオンがここまで消耗させた!このままたたみ掛けるぞ!」

 

「はい!」

 

「グゥッ!!もう一度だ!クロノ!」

 

「「!!」」

 

 

倒れていた人から矢印が伸びる。相澤先生が何とか緑谷君を空中で押して躱したが、相澤先生はそのまま地面に倒れ、動けなくなってしまった。

 

「長針が刺したモノは動きが遅くなる。二人まとめて串刺しにしたつもりでしたがさすがヒーローだ。」

 

「こんな奴らに俺の計画を台無しにされてたまるか!」

 

そのまま治崎の周りに針、棘。

 

「!!!」

 

私達は分断されてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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