side渡我被身子
いてて……ちょっとだけ怪我しちゃいました。
でも何とかエリちゃんは守れましたよ
流水さんは……どこに……
「お……お姉さん……。」
「大丈夫ですよ?エリちゃん。私がついてますから。」
エリちゃんが抱きしめてくる。かぁいいねぇ。
「…………何が……。」
「イレイザーヘッドを何処にやった!!!」
「VIPルームにご招待した……今から死ぬお前らには関係ないことだ。」
「……行くぞ。ヒーローデク。僕たちでこの場を乗り越える。」
「分かりました。ルミリオン!」
この声……治崎と通形先輩と緑谷君……この場に居て……戦うつもり!?
『渡我。お前は頭が回る。悔しいかもしれないが……お前が緑谷と通形のストッパーになってくれ。』
…………わかりましたよ先生。私は……エリちゃんを守りながら……二人も守る!!
「2人とも!!!」
「え!?ブラッド……ヘリアンサス!?」
「なんでエリちゃんを!?」
私は2人に駆け寄る。2人だけにさせない。
「絶対に無茶しちゃいけません。私たちのすることは時間稼ぎ!プロヒーローが来るまで耐えるんです。」
「……わかった。デク。俺たちは全力でエリちゃんの守るぞ!!」
「はい!!」
「絶対に死なないこと!そしてエリちゃんを守ること!私たちの勝利条件はこれしかありません!!!絶対遂行します!!」
「「おう!!!」」
「壊理を返せ!!ヒーロー共がぁあああ!!!!」
命をかけた鬼ごっこ。……絶対に生き残ってみせます。みんなで。
side???
「ブラッドロータスから連絡はあったか。」
『はい。そちらもですか。』
「今向かっている。当然だ。個性消失弾なぞ流通させる訳にはいかん。」
『こちらはそろそろ現場に着きます。』
「貴様1人か?」
『インターンの生徒が1人。どうしても着いてきたいと聞かなかったもので。』
「……わかった。貴様の責任だ。命だけは全力で守れ。」
『当然です。私の繊維にかけて。』
side渡我被身子
「ハァ……ハァ……。」
「くそ……終わりが見えない……。」
接敵からもう10分が過ぎようとしている。
緑谷君の攻撃しか有効打が無く、それもすぐに回復されてしまう上、酔いと不安定な足元で相当に不利な時間を強いられている。
「諦めろ!ヒーロー!!!お前らじゃ俺には勝てん!!」
「諦めろ……?できない冗談ですね!?」
私はエリちゃんを少し強く抱きしめる。
「女の子1人の笑顔守れなくて何がヒーローですか!!!」
「!」
エリちゃん!守りきってみせます!!
「もう絶対に離しはしない!今度こそ守りきってみせる!!!」
緑谷君が走り出す。
「無駄だ!意思だけではどうにもできない力の差を見せてやる!!!」
「差があっても!!」
バキィ!
「ぐぅっ!?貴様っ!!」
通形先輩がいつの間にか相手の懐に入って顔に一撃。
「それを言い訳にしない!勝ってみせる!治崎!!!」
「SMAーーーーSHッ!!!」
「ぐほぁっ!?」
生じた隙に緑谷君の蹴り。だいぶ様になってますけど……誰を参考にしたんでしょうか。
「僕たちはまだ絶望してないぞ!!治崎!!!」
「がああああっ!!!!」
治崎の個性で地面から槍が生える。
私は全力で距離をとって躱す。
「……やっと少しだけ目が慣れてきました。大丈夫ですよ。エリちゃん。」
エリちゃんの頭を撫でてやる。
2人に戦闘を任せてるけど私だってヒーローだ。この子に安心を与えることが今私のヒーロー活動。
「貴様!!早く壊理をぉおおおおおっ!!!!」
治崎が突進してくる……が!!
「パワーッ!!!」
「SMASH!!!」
両サイドから2人の一撃。
「「行かせない!!!」」
「がっ……うぐぐぐっ……ちょこざいなぁああ!!!」
治崎が暴れ出す。通形先輩は躱すが……
「うわっっ!?!?」
ボグォ!!
緑谷君が吹き飛ばされた。
「「デク!?」」
緑谷君が動かない……まずい。流血が見える。
「……はは……はははははははっ!!先ずは!1人!!!」
調子に乗って笑い始める治崎。
「壊理!お前のせいで!!お前が勝手なことをしているから!!みなが傷付くんだ!!お前のせいだっ!!!!」
「っ!!!!」
「そんなことありませんっ!!!!!」
私は手を離そうとしたエリちゃんをまた強く抱きしめる。
「自分の責任をッ!!子供に押し付けるなッ!!!!」
「そうだっ!!大人は!子供の未来を切り開くものだろッ!!!」
「ルミリオン先輩。まだ諦めちゃダメです。私たちが……生きてますから。」
「ありがとうブラッドヘリアンサス!俺は折れない!!」
「笑った方がいいですか?」
「ははっ!いいユーモアだ!」
「ふふっ……サーみたいです。」
「……いい度胸だなァ……今から同じ目に合うってのに!!」
「やれるものなら……」
「やってみろ!!!」
ドゴォ!!
後ろ!?
地面が壊れて……
「……やぁっと見つけた。オーバーホール。……遅れたわね。2人とも。」
side傷原流水
「「ブラッドロータス!!」」
「ブラッド……ローーータスゥ!!!!」
治崎が突撃してくる。……ここは……
「2人は回避専念。緑谷くんは!?」
「吹き飛ばされて怪我してます!」
「回収行ける!?」
「分かりました!ルミリオン先輩!先導お願します!!」
「任せろ!!!」
「オーバーホール!あんたの相手は私だ!!!」
また腕を全部受け止める。手のひらには振れない。個性が発動して終わる。
「ブラッドロータス!!やはり貴様か!ココに居たネズミは!!!!」
だいぶ激昂してるわね……もしかしたら取れるかも。
もっと怒らせましょうか。
「気が付かなかったのかしら?相当おマヌケさんね?」
力は拮抗。互角。
「3人くっついてこの程度?笑っちゃうわね。」
「クソがっ!!お前が邪魔しなければ!!今頃俺たちはっ!!!」
「裏社会の主導権を握っていた……とでも言うつもり?あなたたちじゃ戦力が足りないわね。絶対に無理。」
異能解放軍と戦うってなったら絶対に負けるわ。100%確信できる。
「自分の力すら理解できないのかしら。あなたが頭じゃ死穢八斎會はすぐ壊れるわね。」
「ほざけぇえええええ!!!!」
少しだけ押されつつある…………ふふっ。まだ気が付かないなんて。
「個性消失弾。……残念。今私が持ってるの。」
血を伸ばして黒いケースを見せる。
「!!!なんでお前がそれをっ!!返せぇっ!!!!」
腕の拘束を解いて距離を取る。
「ふぅっ……あなた3人もくっついてるから思考回路が滅茶苦茶よ?今理性的じゃないでしょ。それだから盗られてるのに気が付かないの。」
弾……5つ?ひとつスペースの空きがある。
「……ふーん。1発無いけどどうしたの?」
「クソがっ!!クソがっ!!クソがああああっ!!!」
治崎が個性をめちゃくちゃに使いはじめる。地面が流動、振動した上で地面からの攻撃。すごく厄介だが躱せない程じゃない。被身子ちゃん達は……うん。躱せてる。
個性消失弾のケースをポケットにしまって。
「……私ね。ここに4日間居たの。」
「……なんだと?」
「だからね。そろそろ血が足りなさそうなのよね。」
「…………それがどうした。なぜ塩を送る。」
私はエスコルチアのしたから2本小型ボンベを取り出す。
「だからこれは奥の手その1。使えるうちに手札は切る。」
ひとつ腰に設置。もうひとつは蓋を開ける。
「これはね……色々混ざり物が多い水。私が今まで1番操作がしやすかった水。自分で調達したもの。……簡単に言うと毒液。」
無臭。無臭だからこそ……毒液は命に這い寄る。
「毒……液!?」
「もちろん操作してる私もダメージ受けるわ。エスコルチアで守ってるとはいえね?……私人体に害があるものであればあるほど操作しやすいみたいなの。……あなたに使ってあげる。感謝しなさい?」
毒液を体に纏う。エスコルチアの上から。
ジュッ……
エスコルチアが悲鳴をあげる。知らない。持ちなさい。私の為に。皆の為に。
「さて……あなた……触れただけで相当な激痛よ?受けていただけるかしら。」
「……狂ってる…。」
「どちらが?」
あなただけには言われたくないわね。