side傷原流水
「あっぐぁああああっっ!?!?」
「触れるだけで痛いでしょう?全身蝕む劇物。あなたに治しきれるかしら。」
私が攻撃を受け止めるだけで全身に走るであろう激痛。
ただ……長くは持たない。エスコルチアが溶けた瞬間私にももれなく激痛が走る。……実際今毒液に触れている指はだいぶ血を混ぜて毒素を和らげてはいるが、痛みで動かすだけでやっとだ。
武器は使えない。徒手空拳。
「ぐぅううっ……くそっ!!」
時間がかかると判断したのか……私の前に針の壁を作り、治崎が被身子ちゃんの方に向かっていく。
「……戦闘中に背中を見せるなんて……余裕ね?」
私は針の壁を飛び上がり、そのまま治崎に血の糸を引っつけて突撃。
勢いそのままに治崎の背中に手刀を突き刺す。
「ぐあああああああっ!?やめっ……」
「Laurentia-C-section。」
そのまま手刀を下に振り下ろす。
帝王切開。わかりやすい技でしょ?本来なら武器持ってするんだけど……殺す訳には行かないからね。
治崎が前のめりに倒れた。
ズキン!ズキン!!
「ぐっ……ふーっ……ハァ……ハァ……」
激痛。エスコルチアを毒ごと弾いてそのまま膝を付く。
「流水さん!!」
私は駆け寄ろうとする二人……通形くんと被身子ちゃんを手で制する。緑谷くんは……まだ倒れたまま。
「……ハァ……ハァ……治崎。まだ生きてるんでしょう。」
「「!!?」」
「殺せるタイミングでも探してるわけ?私の目が黒い内は許さないわ。絶対に。」
「…………。」
「……今。ここであなたを全力で拘束する。……ハァ……ハァ……動いたら腕を叩き切る。」
私はアジサイを握る。
立ち上がろうとした瞬間……
ボゴォッ!!
天井が!?割れて……
「何!?」
1匹のドラゴンと大きい男の人が降ってくる。
「皆!無事かしら!!」
「あれは…………!リューキュウですか!?!?協力者です!!」
「あっ!あなたが協力者ちゃん!?はじめまして!!」
「なんで傷原先生が!?!?」
麗日さんと蛙吹さんも!もう1人3年生……えっと波動さんだっけ!?
それよりも……天井に穴が空いた!今なら!!
「センチピーダー!!ナイトアイをッ!!!」
「分かりましたっ!!」
私が出てきた穴からセンチピーダーがナイトアイを抱えて出てくる。
「リューキュウ!!ナイトアイが大怪我!意識不明の重体!応急処置はしましたが、上に待機してる救急車に運べますか!!!!」
「ナイトアイが!?わかった!センチピーダー!こっちへ!!」
そのままナイトアイを回収してくれた……が……
「活瓶ェェエエエ!!お前も俺と来い!!このままじゃ終われねぇだろ!!??」
意識外してた!治崎!!!まだ合体する気!?まずい!!
治崎が活瓶に接触する!
「リューキュウ!!センチピーダー!!バブルガール!生徒の安全第一!私が殿を努めます!絶対に死ぬことは許しません!!!!」
「待って!?傷原先生は!!」
蛙吹さんと麗日さんはリューキュウに連れていかれてるセンチピーダーに引っ張りあげられる。
「ここで……引く訳にはいきませんから。絶対に!」
バブルガールが奥の4人に駆け寄る。
「ルミリオン!ブラッドヘリアンサス!デクとエリちゃん回収して行くよ!早く!!」
「くっ……デク。少し辛いかもしれないけど!済まない!!」
「うううっ……エリちゃん!逃げるよ!!」
「えっ……でもっ……!」
「逃がさねぇ……壊理ィイイイイ!!!」
まるで……まるで怪物ね。本当にそれがあなたの望んだ姿なの?
「治崎……あなたもう人じゃないわ。」
「ブラッドロータス!!貴様だけは!!貴様だけはあああああッ!!!」
エスコルチア!!命削れ!傷原流水!!使命を全うしろ!!
「早く逃げなさい!!何分持つか分からないから!!!」
全快状態ならまだしも……もはや使える血がほとんど残ってない状態。酔いと活力吸収……触れられるのもアウト。崩壊と吸収でもっと手がつけられなくなってしまう。
「正念場ね……腹括るわよ。」
side渡我被身子
流水さんが戦ってる。有効打は与えれてない。
このままじゃ……
「いやっ……」
「エリちゃん?」
「ダメエエエエエエッ!!!!」
「「!?」」
エリちゃん!?待って!私から離れちゃ……
何!?エリちゃんの角が光って……
緑谷君の体が……治って!
「……ここは……」
「ヒーローデク!大丈夫か!」
「大丈夫です!何が……!!ルミリオン!避けて!!」
大きい岩!落ちてくる!通形先輩に庇われた私たちと、エリちゃんを庇った緑谷君。
私達は無事!でも大きな岩で緑谷君の安否が見えない!
「無事か!デク!!」
返事がない!何かあったのでは……
ただこの場で回収は……限りなく不可能に近い!
「SMASH!!!」
大きな岩が急に割れる。
砂埃から全身が光った緑谷君が出てくる。
「緑谷君!怪我は!?」
「エリちゃんのおかげで何とか!」
さっき角から出ていた光が……全身から……。
「エリちゃんの個性で……僕の体を壊れる前に巻き戻してくれる。……これなら……行けます。エリちゃん。力を貸してくれるかい?」
「デク!?保護対象だぞ!!」
「だけどこのままだとブラッドロータスが死んでしまう!僕が行きます。絶対にエリちゃんも、ブラッドロータスも守り抜いてみせます!!」
緑谷君は向かっていってしまった。
「待って!緑谷君!!…………どうして…。」
side傷原流水
「なっ!?緑谷くん!?」
私の前に壊理ちゃんを背負った緑谷君が現れる。
「逃げなさいと!!なんで壊理ちゃんを!!!」
「僕が守ります!みんなを!僕が倒します!治崎を!!!」
「なんで……」
「壊理ィイイイイ!!!」
「行くよ。エリちゃん。」
壊理ちゃんが頷く。これ……個性をフルで使ってる。最大出力で放出し続けてる。いつまで持つか……
……もしかして緑谷くんも!?
「SMASH!!!」
「おぅごぁああっ!!!??」
一撃で治崎が吹っ飛ぶ。
ワンフォーオールを100%で!!体が壊れる前に壊理ちゃんが巻き戻してるってこと!?
「……治崎!!お前を倒す!!」
「うぐぐぐ……やってみろ!!ヒーロー!!!!」
治崎の大型の下半身から伸びる触手。
緑谷君はそれを難なく躱す。そして……
「DETROIT SMASH!!!」
「ぐぉあああああああっ!?!?」
あの治崎が……壁に叩きつけられて……
「……うぐぐぐ……まだだ……まだ……壊理ィ!!!」
「くそ……殺したくないのに!!」
力を100%しか制御できない状態……治崎はこれでも回復し続ける。このままだと此処が崩壊する!
「バニシング・フィストォ!!!」
「徹甲弾(A・P・ショット)ォ!!!!」
「あがっ!?誰だッ!!」
「何だその無様な姿は。ブラッドロータス。」
「出久!!お前だけ強くならせる訳にはいかねぇからな!!!」
「エンデヴァー……やっとですか……。」
「かっちゃん!?なんで!!」
上の穴からエンデヴァーと爆豪くんが降りてくる。
「エンデヴァー!個性消失弾は実物も資料も私が確保してます!」
「ふむ。だったら後はあれを叩くだけだな。」
「かっちゃん!エンデヴァー!すみません。僕の今の力じゃあいつを倒す前に此処が崩壊して周りに被害が出ちゃいます。」
「あぁ!?だったらあいつをお前の力なしでボコしゃ良いわけだな!?」
「大・爆・殺・神・ダイナマイト。ベストジーニストはどうした。」
「ジーンズ先輩は俺に任せるってよ!」
「ふん。足は引っ張るなよ。」
「わかってる!!」
「サポートします!」
私一人よりも断然勝率が高い!託すしかない!
「エンデヴァー。大・爆・殺・神・ダイナマイト。あいつの個性は現在わかる範囲で3つ。触れたら発動する破壊、そして再生。近くにいるだけで発動する酔い。触れられたら発動する活力吸収です。注意してください。」
「なるほど。厄介だが……触れなければいいということだ。」
「さっきの攻撃はもう回復してんな?だったら最大火力ぶち込みまくれるってことだ!出久!てめぇは自分の身1番で動きやがれ。」
「……うん!わかった!」
「2人とも……後は頼みます。」
「「おう!」」
「英雄症候群の病人共め!何度も増えやがってェエエエ!!!」