side傷原流水
「イグナイデッドアロー!!」
「うぐおおおおおっ!?」
「ォラァッ!!そろそろブッ倒れやがれぇ!!榴弾砲着弾(ハウザーインパクト)ォ!!!」
「っ!!!!……っづああああっ!!!終われルか!!オヤジの為ニもッ!!死穢八斎會の為にもォォオオオオ!!!」
「随分とタフだな……このままだとこちらがもたんぞ。」
「ぢぃ……人間じゃねぇなホントによぉ!」
接敵から5分。戦況が動かない。
「ハァ……ハァ……せめてこの場じゃなければ……。」
倒壊が見えるこの地。これ以上の攻撃はダメージが大きすぎる。
「最悪ブラッドロータスが万全であれば……どうにかなったものを。」
「エンデヴァー……あなた結構私の事認めてますよね。」
「今は軽口吐いてるタイミングではないわ。」
そうなんだけど……そうなんだけどさぁ!?
「……とりあえず……どうするかですよね。」
「ダメージは入ってる。あいつも弱りつつある。」
「クッソ……だがこれ以上どうすんだよエンデヴァー。先生!もう外壁がもたねぇぞ!」
そうだ。既に少しづつ倒壊が始まってる。私達も脱出しないと潰される。ただこいつを生き埋めにしたところで倒せるとは限らない。……むしろ他のところに甚大な被害が出そうだ。
「外壁……が無かったらどうですか?」
「あぁ!?何言ってんだ出久ゥ!外壁がねぇ場所なんてあるわけねぇだろ!」
「あるよ!かっちゃん!思う存分戦える場所が!!多分……今の僕ならそこでも戦える!」
「あぁ?何処だよ。」
緑谷くんが指さす。
え?本気?
side渡我被身子
私は地上に出てこれていた。……エリちゃんを置いて。
「切島くん!無事ですか!!」
「大丈夫や!……渡我ちゃんやっけ?烈怒頼雄斗はこんなところじゃ挫けん男や!」
「…………誰ですか?」
「ワイや!ファットガムさんや!!」
ファットガム!?こんなスリムさんでしたっけ??
「脂肪使いすぎてしまったんや……いてて……。」
「あなたも救急車に乗ってください。」
「はい。渡我ちゃんは怪我無さそうやな!怪我するとブラッドロータスが悲しむでな!」
「流水さんの事知ってるんですか?」
「おう!薬物しょっぴいてた時に知り合ってな!仲良くやらせて貰ってますわ!」
「早く!あなた怪我人でしょ!」
「おおきに!それじゃ後は頼むで!」
そのまま救急車は行ってしまった。
残ってるのは……リューキュウ、バブルガール、ロックロック、波動先輩。麗日ちゃん。梅雨ちゃん。通形先輩。
「やっぱり私……ブラッドロータスを……」
「ダメよ。絶対に。エンデヴァーともう一人の子に任せましょう。行くとしても……プロヒーローに任せなさい。」
私たちが避難してる時にエンデヴァーとベストジーニストと爆豪くんが来たらしい。ベストジーニストはサー・ナイトアイの手当も兼ねてそのまま救急車に。2人は穴に突撃していったらしく、姿は見えない。
「そうだぞ。……っつってもあれ見た上でどうにかしろは無理な話だよな。俺じゃ相性が悪すぎる。」
「……エリちゃん…。」
「俺にもっと力があれば……すみません。」
ドガン!!
揺れ!?何!?
「もしかして倒壊!?避難を……」
「……ぉぉぉおおおおおおおっ!?!?!?!?」
リーキュウが開けた穴からなにか大きいものが飛び出してきた。
上!!……空!?……治崎!!
そのまま緑の光と赤い炎が飛び上がる。
「オイ!お前ら!!中の先生回収しろォ!!」
次いで爆豪くんが飛び上がりながらこちらに喋る。
「!!……分かりました!!!!」
「行くわよ!!ウラビティ!浮遊お願い!!!」
「はい!」
「私も連れて行ってください!」
「……いいわよ!迅速にお願いね!」
「はい!!」
「他の奴らは地上待機だ!何かあった時すぐ動けるようにすんぞ!」
「「「はい!!」」」
私達は地面に降りる。
「流水さん!!!」
「ハァ……ハァ……被身子……ちゃん。……無事に逃げきれたのね……よかっ……た。」
「もう大丈夫です。喋らないでください!」
私は流水さんを抱きとめる。
「だめ……4日間お風呂入ってないから……匂いが……」
「んな事気にしないです!黙っててください。」
疲労困憊。怪我多数。血も足りてない状態の人にそんなこと気にしてられません。
そのままリューキュウの助けもあって地上に戻る。
「どんな状況ですか!?」
「傷原先生!」
「通形君……良かった。みんな……無事なの……ね。」
「ありゃ……デクか?すげぇことになってんな?」
ロックロックの発言とともに上を見あげると……
緑の光が赤い光と共闘しながら治崎の体を削り取ってる。
時々爆発も見えるから爆豪くんも頑張ってるんだろう。
「緑谷君は……エリちゃんを背負いながら……自分のリスク100%パワーを存分に使いながら戦闘してます。」
「緑谷ちゃんのリスク100%パワー……?それって……。」
「ハァ!?体育祭でやってた指真っ赤になるあれかよ!?保護対象背負って何やってんだアイツ!!」
「エリちゃんの個性で怪我する前に巻き戻ってるので本人はほぼ無傷なんです。」
「自分に跳ね返ってくるダメージ0ってことか……理にかなってるがよォ……。」
「保護対象にさせる行動じゃないわよね……。」
……多分同じ感想なんですよね……。
「でも……一応擁護するとあれだけの攻撃力が無いと倒せないってのもあります。なので……」
「!!上っ!」
通形先輩の声と共に皆が上を向く。
緑の光が治崎を貫き……その衝撃波がここまで届く。
「!なんつうパワーだよ……まるで……。」
「……オールマイトみたい。」
「!!治崎の体だった物が落ちてきます!」
このままだと周りの家に被害が!
「ねじれちゃん!極限まで壊せる!?」
「任せてください!!」
波動先輩が空を飛んで壊しに行く。
緑谷君と爆豪くんが降りてくる。
「クッソがぁ!……手が痛てぇ……。先生。無事かよ。」
爆豪くんがこちらに寄ってくる。
「えぇ……なんとか……ね。もう指一本……も動かせないわ。気ィ抜……いたらダ……メね。」
「鍛え方が足りんのだ。お前は。」
エンデヴァーと波動先輩も降りてくる。空飛べる組はいいなぁ……。
エンデヴァーが脇に治崎を抱えてる。気絶してるみたい。
「リューキュウ。多分これで被害は最小限です。」
「よくやったわ!ねじれちゃん!」
エンデヴァーが警察に治崎を預けた瞬間……
「ダメ!!止まって!!!!」
「デク!?」
緑谷君!?光に包まれて……何!?
「エリちゃんの個性が暴走してる!!」
個性が暴走!?止まらないってこと!?
「じゃあ!このままだとデクくんは!!」
「くっ……でもここであれを止めれる人なんて!!!」
「あああああああああっ!!!!!!」
「いや!!いやああああああああっっ!!!!」
エリちゃん!!…………どうすれば……
「あ。」
「……渡我?」
私は流水さんをその場に寝かせる。
「被身子ちゃん?」
「…………なんとかなるかもしれません。」
「なんだと!?」
私は腰のベルトからひとつの血のパックを取り出す。
「……それは?血?」
「エリちゃん!今すぐ助ける!!待ってて!!!」
私はそのパックの血を口に含む。
ぢゅっ
『……よし。……渡我。傷原先生に頼まれたものがある。お前に渡しておく。』
『……え……これって……。』
『俺の血だ。何かあれば躊躇いなく使え。悪さに使うなよ?』
『相澤……先生の……。』
ドロ……
「え!?渡我ちゃんが相澤先生に!?」
ぶっつけ本番!使い方なんてわかんない!でも!!使えなきゃエリちゃんを救えない!!ついでに緑谷君も!!
「静まれっ!!!」
ギン!
「あっ…………。」
エリちゃんの光が消える。
緑谷君と一緒にふたりが倒れる。
ズキン!ズキン!!
頭に激痛が走る。
「っつぅ……!?」
ドロ……
1回で私の変身が解けた……相澤先生の血なのに……もったいない……
私は気絶したエリちゃんを抱き上げる。
「これで……目標達成です。」
私の初めてのインターンは……紆余曲折ありながら何とか成功に治まった。
腕の中で眠るエリちゃん。動かない身体に鞭打って私を抱きしめてくれる流水さん。プロヒーローの皆さん。先輩方。
誰1人欠けても達成できなかった目標。
本当に
「よかったぁ……。」