side傷原流水
「文化祭?もうそんな季節ですか……。」
「そうさね。今年は内々でやる予定らしいけどね。」
「まぁ敵活動活発化してますしねぇ。」
雄英の保健室。久しぶりにいたリカバリガールとお茶。
雄英高校のお茶ちょっと美味しい気がするんですよね。いいとこの茶葉使ってるんでしょうか?
「来る人も絞るみたいだよ。例年よりも規模は小さめ。ヒーロー科以外の見せ場なのに……申し訳ない気がするねぇ。」
「…………。まぁそうも言ってられませんし……力は入れてるんでしょう?」
「そりゃ当たり前だよ。ここでアピールしないとどうしようもないからね。」
ズズズ……お茶美味しい。……茶請けが欲しいです。せんべい。甘納豆。栗きんとん。最中。八ツ橋……明日のおやつは和菓子にしよう。きーめた。
「……先生方の出し物も無いんですよね。見張りとパトロールで忙しいですからね。」
「そう考えると3年生の子には申し訳ないね。」
「ミスコンはするんでしょう?……低俗……んんっ。男子が好きそうなイベントですね。」
「……そういうこと本当に嫌いなのは相変わらずだねぇ。」
「美貌を見せびらかすのも意味わかんないですし……それに反応する男も意味わかんないです。」
「あんた1年の頃出てなかったかい?いい所まで行ってた記憶が……。」
「…………出ましたけど……無理矢理。本当に肌に合わなかったです。」
学生時代。クラスメイトにイタズラみたいに強制参加させられた。本当に嫌な思い出。二度としたくない。……準優勝したのも本当に気持ちが悪い。
コンコン
ノックが聞こえる。
「ミッドナイトです。ブラッドロータス先生方。居られますか?」
「あえ!?私ですか?はいはい!居ますよ!」
ミッドナイト先生が入ってくる。
これくらいの美貌とプロポーションなら……ミスコンも楽しいんですかね?
「リカバリーガール。少しブラッドロータス先生を借りてもいいですか?」
「いいよいいよ。連れていきな。あたしゃ今日外出る予定ないから何時間でもいいよ。」
ぶっきらぼうが過ぎませんか!?少し嫌な予感するんですけど!
「またまた。リカバリーガールも私がいないと寂しい癖に。」
「はいはい。寂しい寂しい。とっとと行っておいで。」
「そんな!?」
突き放されてしまった……もう終わりだ。
「連れていくも何も……少しお願いがあっただけなんです。」
「お願い?」
珍しい。ミッドナイト先生からのお願い。ロクでもない事だったら……
「文化祭のミスコン!開会式私と一緒にランウェイを歩きません?」
「ぜっっっっっっっっっっっったい嫌です!!!!!」
断ります!全力で!!!!
「いいじゃないですか〜私と歩きましょう!2人だときっと映えるわ!」
「いーやーでーすー!公表しましたけど!私婚約してる身なんです!!そんな婚前の女が肌晒してなんになるんですか!!絶対イヤです!!!」
「客寄せでもあるんだけど……開会式は私が毎年してるの!でもそれだけじゃマンネリしちゃうじゃない?だけど今年は私の他にもう1人!カワイイ系の美人先生が居るじゃない!」
「カワイイ系美人は褒め言葉として受け取りますけど!ミスコンなんてヤダヤダヤダ!絶対無理!!被身子ちゃんも絶対イヤっていいます!あっちょっ!?くっつくかないで下さい!!」
力強っ!?なんでこういう時だけ本気なんですか!!
「あれなに?」
「ミッドナイト先生が文化祭のミスコンの開会式に傷原先生呼び込んでる。」
「…………A組の子は知ってんの?」
「さっき柳と小大が知らせに行った。」
「ならいいか。」
ミッドナイト先生の勧誘は昼休憩まで続いている。(現在進行形)
「何度も言います。無理です。」
「何度も誘うわ!」
「無理ったら無理です!そもそも私のドレス姿とか誰が見たいんですか!?被身子ちゃんしか見たい人いませんよ!そもそも私の体型でドレス姿見たいってロリコンですよ!?」
「それはそう。」
「一部の層に需要ありそうだもんね。傷原先生。」
「そんな目で見てたら渡我に怒られちゃうノコ。」
「ひぇ〜怖い怖い。」
「いるわ!絶対にね!それだけあなたの身体は魅力があるの!綺麗なツリ目も!長い白髪も!泣きぼくろも!全部魅力的に映るわ!高身長セクシー系の私と低身長カワイイ系のブラッドロータス先生は絶対に映える!やりましょう!!」
「ミッドナイト先生強引だねぇ……。」
「なんかあれ結構断ってるらしいよ。」
「強引じゃなくて強情だったか……。」
「傷原先生ファイトー!」
「いーーーーやーーーーー!!!」
「やりましょーーーーーよーーーーー!!!」
強情!!本当に私がYESって言わないとやめないタイプだ!!!相澤先生がちょっと苦手にしてるのがわかるかも!!!
「「「あっ…」」」
「流水さん?聞きましたよ?ミスコン……出るんですか?」
後ろから冷たい声。
肝が冷える。
「ひっ……被身子ちゃん!?なんの話!?私出るつもり無い……」
「出てくれるの!?」
「出ないです!!!!」
「柳、小大。なんて言ったの?」
「え?あなたのフィアンセがミッドナイト先生に誘われてますよって。」
「傷原先生ミスコンに出るって。」
「……間違ってないけど……間違ってるなぁ?」
「2人とも……僕知らないよ?」
「傷原先生……ファイトノコ。」
「…………。ハァ。どうせそんなことだろうと思いました。ホラ吹いた人とおちょくった人には後でお仕置するとして。」
「「え!」」
「ご愁傷さま。」
「自業自得だぜ?2人とも。」
「お疲れさん。」
「出てもいいですよ?流水さん次第ですけど。」
「え!?嫌じゃないの?私が知らない人に肌晒すの。」
「…………すごーーーーーく譲歩して見た人死んで欲しいくらい嫌ですけど……。」
「ん〜……これ見に行ったら詰みになるかな?」
「眼球潰されるくらいで済むんじゃない?」
「渡我氏なら出来そうですな!」
「やめてくれ。現実になり兼ねん。」
「最初に見たのは私ですし。……流水先生のドレス姿また見れるの嬉しいので。ただ私以外写真NGです。撮ったやつがいるなら人ごと処理しに行きます。それでいいなら出てもいいですよ。ミッドナイト先生。」
「惚気からの流れるような処理。」
「処理。何するんだろうね。」
「データ消すだけじゃないな。」
「消すのは消すんじゃない?」
「物騒。」
「アンタたちも覚悟しとくんだよ。助けないからね。」
「一佳!?助けてよ!一佳が言ったんじゃん。渡我さん連れてこいって。」
「うんうん!」
「いや。連れてこいとは言ったけど誤解させろとは言ってないよ。」
「「ガーン!」」
「…………わかったわ!それでいいなら。ただひとつ条件を飲んで欲しいわ!私とブラッドロータス先生のツーショットは1枚撮らせて欲しいの!写真部の子に!」
「……理由を聞きましょう。」
すごく嫌そうな顔。久しぶりに見た。
「私が見てみたいってのもあるけど……それ以上に絶対に画になるわ!絶対にセンシティブな感じにしないから!お願い!」
「………………。私監視の元だったらいいです。」
「やった!ありがとう!渡我!これでミスコンは安泰ね!!」
「……。とりあえず私はおしおきに行ってきます。」
「ありがとうね!渡我!いいものにするわ!」
「……。羽目は外さないでくださいね?……柳ちゃん。小大ちゃん。話をしましょう。」
「やめてっ!渡我!痛いのは嫌!」
「ん!」
「……ん?あれ?私の意思は?」
「たすけてーーーーーーっ!!!」
「粛清ッ!!」
「「うわーっ!?」」