side傷原流水
朝の日課ランニング。
今日は雄英のグラウンドで。
「文化祭ですか……何するんですかね。」
「ありゃ?話し合いまだだった?」
被身子ちゃんといつものペースで走りながら喋っていると、文化祭の話になった。この時期だしね。
「はい。今はまだそんな空気は全く感じません。……文化祭11月ですよね?」
今はもう10月になりそうだが、ギリギリ9月。少し早いか。
「ってことは10月入ったらになりそうか。こういうの準備大変だからね。」
「でも楽しいですよ?」
「そうね。」
被身子ちゃんは楽しくしてて欲しいわ。クラス仲も良好みたいで今のところ心配ナシ!ね。
「……流水さん。今年は流水さんも楽しみましょう?」
……ありゃ?変な気使わせちゃったかな?
「あははっ!私学生時代ひきずってるって思ってる?ないない。嫌な思い出だけど文化祭が嫌いなわけじゃないから。……今年は被身子ちゃん居るしね?」
「流水さん……!はい!わかりました!いっぱい楽しみましょう!!」
「うん。被身子ちゃんと1時間でも回れたらいいね。」
「文化祭デートですか!やりたいです!!」
走りながらぴょんぴょん跳ねる被身子ちゃん。もうこのペースにある程度慣れちゃったね。これなら私のペースでいけそうだね。
「被身子ちゃん。明日から少しペース上げようか。」
「はい!頑張ります!!」
「ハァッ……ハァッ……ハァッ……。」
「爆豪く〜ん。あと一周ですよ〜!」
「わぁっとるわッ!……ボケッ!……。」
最近ランニングに着いてくるようになった爆豪くん。夜やってたみたいだけど、私たちが朝してるって言ってから朝一緒にするように。……私たちのペースはまだ無理か……。
まぁでも彼は確実に強くなってる。基礎代謝が目に見えて上がってるって本人の口から報告が来た。最近汗をいっぱいかくらしい。体つきも少しがっちりしたし……今後に期待かな。身体はもう出来つつある。あとは頭の問題。頭の回転と発想力。いくらでも個性は伸ばせるんだから。
「……私が血を扱えるようになったみたいにね?」
「ハァ…………は?先生血ィ操る個性じゃねぇのかよ。」
ランニングが終わってクールダウン中。爆豪くんの基礎的な土台が出来始めたってところから少し個性の話になった。
「違うよ。私の個性は汚水。泥水。雨水。下水。化学薬品。毒液とかの真水じゃない汚い水を触ったら好きに動かせる個性。1度に動かせる最大量は片手だと大きめの冷蔵庫1台分くらい。両手だとその3倍くらいかな。」
「……災害で役に立ちそうな個性だな。」
ちなみに今被身子ちゃんはクールダウンをそうそうに切り上げて私の傍にいる。被身子ちゃんはもう知ってる内容だ。……もう。爆豪くんと話してるだけだって。かわいi……匂い嗅いでない!?
「元々はそっち目指してたんだよ?でも色々スキルツリーは伸ばしてた方がいいし、何処でも汚水がある訳じゃない。真水はもうほぼほぼ動かせない……ってなったら何処でも運べて何処にでもあってかついっぱい使ってもダメージがあまりないものってなると、ちょうど持病も相まって私の血がちょうど良かったのね。」
話しながら被身子ちゃんにデコピン。
「あたっ!」
「持病?なんかあるのか。」
「ありゃ?話してなかったっけ。私血が多く出来る病気だから定期的に血を抜いてもらってたんだよね。」
「……だったら個性で扱えるとちょうどいい……のか?」
「少し足りないけどね。足りない分は被身子ちゃんの分だから。……まぁ少しオーバーしてもどうってことないけどね。」
被身子ちゃんがめげずに寄ってくる。……もう好きにして。
「……でも待てよ。USJの時明らかに人間から出る量以上の血出てたよな?あれはなんだよ。病気にしても出過ぎだぞ。」
「あーアレ?あれは多分私の最大出力でもあるんだけど、私のコスチュームって結構重いんだけど……なんでだと思う?」
「……コスチュームは軽い方がいいだろ。」
「そうだよね。まぁ答え言っちゃうと、私のコスチュームって実は腰周り……というかおしりの部分に小さいタンクが2つついてまして、そのタンクの中に予備の液体入れてるんだよね。それ使ったのもある。1個で人間1/2くらいの量だから人間もう1人背負ってるイメージ。」
「……なるほどな。それであれだけ動けるのは……身体か。」
デコピン1回したのに被身子ちゃんは私に抱きついて離れなくなった。めっちゃ匂い嗅いでるけどもういいや。汗の匂い恥ずかしいけど被身子ちゃんにくっつかれるの嫌じゃないし。
でも脇はやめてくれないかなぁ!?被身子ちゃん最近脇好きだよねぇ?どうしたの?なんか変な影響されちゃったかな?
「そうだね。筋肉量の違いかなぁ。時々ジムに顔出してるし筋肉量は落とさないようにしてるよ。むしろ増えてるんじゃない?」
「……だから身長伸びねぇんじゃねぇのか?」
「チェストーーーッ!!!」
「あでっ!?!?」
帰り道被身子ちゃんにそれとなく聞いてみたら
「流水さんの身体を私好みに調教してるだけですよ。」
と言われてちょっとキュンとなった。
……私もう勝てないかもしれない。
side渡我被身子
「……ダンスとバンドですか……。いいんじゃないですか?」
少し時間が経って10月初めの夜。クラスのみんなと出し物を決めるためビデオ通話。みんなは寮だから私だけ芦戸ちゃんのスマホに繋げて見てる。
『うん。でも誰が何処とかまだ決めてなくてね。渡我は楽器やったことある?』
声の主は耳郎ちゃん。今回のリーダー。
「ごめんなさい。耳郎ちゃん。私音楽系からきしで……したこともないしあんまり聞かないんですよね。」
『あちゃー……どうしようかな。ヤオモモがある程度できるのは知ってるけど……あと初心者だけど上鳴がやるって言ってくれたんだよね。他は……うーん。おーいみんなー。渡我無理だってー。』
『えーっ!意外!』
『渡我なんでも出来るマンじゃなかったの?』
「何ですかそれ。それは爆豪くんですよね。」
『常闇がギターやってくれるって!!』
『昔少ししたくらいだが……それでもいいならやろう。』
『ありがとう常闇!あと……ドラムだけど……。』
「1番キツいの残ってますね?」
経験者じゃないとつらそうですけど……。
『……名前出たし爆豪出来ねぇのか?』
『あ?誰がやるかよ。』
『かなり難しいらしいぞ?』
ジャァアアアン!
『あ?』
『完ペキ……!』
『才能マンキタコレ!!』
「やっぱ何でも出来るじゃないですかこの人。」
なんで私に聞いたんでしょう。
『お願い爆豪!バンドのドラムやってくれない!?』
『……やってやってもいいが……条件がある。』
『条件?』
『ご機嫌取りのつもりですんならやらねぇ。……やるなら全力。テッペン取る!雄英全員!音で殺るぞ!!』
『『『『バクゴォオオオッ!!』』』』
「……爆豪くんらしいっちゃらしいですねぇ。」
あれだけ矯正されても治らなかった……曲げられなかった部分。きっと自分のオリジンなんですね。
『これでバンドのメンバー決まったね!』
『あとは演出の人とダンスの人決めよう。』
『出久はダンス下手くそだぞ。』
『なっ!?僕だって練習すれば……。』
「あ、私もダンス下手くそです。流水さんと一緒なら踊れますけど。」
『『『どういうこと!?』』』
『ちょっと待って渡我!うちの恋愛脳達にそんな爆弾出さないで!話進まなくなる!』
「あ、ごめんなさい。この話無しで。」
『無理無理!聞かなきゃ進まないよ!!』
『教えて!渡我ちゃん!絶対いい話だよ!!』
『君たち!時間は有限なんだ!そんなことで時間を使ってる暇は無いぞ!』
『早く終わらせてくれ。眠い……。』
そんなこんなで話が纏まっていく。
いい文化祭になればいいですね。