side傷原流水
雄英の仮眠室で2人。
私と被身子ちゃんは根津校長に呼ばれた。何も聞かされてないんだけども?
「なんだろう……。何かあったかな?」
「うーん……皆目見当つかないです。」
そうだよねぇ……なんだろう。
ズズ……
「……お茶美味しい。」
「もう……流水さんったら……勝手に飲んで良かったんですか?」
「招集して置いて来ないなら好き勝手しますよ〜。雄英のお茶美味しいんだよね。何処のだろ。」
「ふふっ。」
「なにさ。」
「今日もかぁいいなって。」
「お互い様だね。」
被身子ちゃんの方が宇宙一可愛いからね。
ガラッ
「やぁ!またせたね!」
「すまん。心操の相談に乗ってた。」
「今来たところです……って……ふふっ。言えませんね?」
被身子ちゃんが私の持ってる湯呑みを見て困った顔で笑う。好き勝手してまーす。
「ありゃ?相澤先生もですか?」
集合時間から5分遅れで根津校長と相澤先生が来た。
「一応この件に関係がある者ですから。」
「……?話の全容が見えてきませんが……?」
「いやいや。悪い話じゃないよ!君たちに頼みたいことがあってね!」
根津校長と相澤先生が席に着く。
頼みたいこと……?
「流水さ……流水先生はまだしも……私もですか?」
じゃあ多分仕事じゃないね。良かった。
「そうさ!本人たっての要望だからね!」
「…………本人?」
「壊理ちゃんだ。」
死穢八斎會の……組長のお孫さん。私たちが決死の思いで保護した子。前に相談があったね。……体調崩してたみたいだけど……。そういえば緑谷くんと通形くんはお見舞いに行ったんだっけ?…………あれ?被身子ちゃんは?
「壊理ちゃん?熱落ち着いたんですか?」
「ああ。快調に向かってる。……だから君たちにも頼めたんだ。」
「……???」
まるで意味がわからんぞ!
「はははっ!じゃあ結論から言おう。壊理ちゃんが君たちに会いたいって言ってる。」
「「え!?」」
なんで!?
「これは病院の看護師さんから聞いたんだが……黒いお姉ちゃんと白いお姉ちゃんに会いたい……と本人の口から出たそうだ。緑の兄ちゃんと黄色い兄ちゃんにも会いたがっていたが本人達の予定が少し立て込んでてな。時間をずらす事にした。」
なるほど。私はズレてた方が嬉しいですけど……。少し引っかかる。
「はぁ……多分黒いお姉ちゃんは被身子ちゃんのことですね。コスチューム真っ黒ですし。……でも白いお姉ちゃん?私多分壊理ちゃんとあんまり会ってないですよ?助けた日に通形君から受け取って初めて顔合わせましたし。」
そうなのだ。私死穢八斎會に潜入してたのはいいものの、壊理ちゃんという存在を知ったが、潜入期間中壊理ちゃんに一回も会ってない。
…………白いお姉ちゃん?なんで私の事知ってるんだろう……。別の人のこと言ってる?でも死穢八斎會に女性は居ないし……周りのヒーローに白い人居ないし……私しかいないってことか。
「……だが本人が言っているんです。思い当たる人が貴方しか居ないので……っていうのは建前で、何れ一時的とは言え一緒に住むことになる相手を知らないのもおかしな話なので……。」
「あぁなるほど練習も兼ねて……ですか。」
「はい。お見舞い品を持って行ってあげるのはいいらしいので、小さめのぬいぐるみとか子供が好きそうなものを持って行ってあげてください。」
「いいですよ。被身子ちゃんは?」
「いいです。壊理ちゃんかぁいかったからまた会いたいです!」
「よし!話は決まったね!じゃあ放課後行っておいで!」
「「…………え?」」
放課後?
「……話が飛躍しすぎなのよ……。」
「あはは……そうですね。ちょうど暇で良かったですね?」
「ほんとにね。」
病院内。一応マスクをしている。何かあったら大変だからね!
お見舞い品は……何がいいかわかんなかったのでとりあえずプリユアのぬいぐるみ買ってきた。へぇ……モーレツプリユアねぇ……プリユアまだ続いてたんだ。
「流水さんはプリユア見た事あります?」
「……だいぶ前にね。学校行く前にちらっとだけ。あんまりしっかり見たことないわ。」
「もったいない。面白いですよ?」
「……そういえば被身子ちゃんはプリユア今もちょこちょこ見てるよね。面白い?」
「一緒に見ましょう?」
「録画なら一緒に見よ。リアタイ視聴は仕事もあって難しいかも。」
「分かりました。プリユア布教タイムですね!」
「ははっ。あとでね?」
大きな病室の前。
ノックをしてから声をかける。
「壊理ちゃん。入るよ。」
返事はなかったけど……入りましょうか。
部屋は広め。小さい子には寂しいんじゃないかな?
「あ……黒いお姉さん……と……あれ?」
私を見てあからさまな疑問。
「元気?壊理ちゃん。」
「はい……元気です……?」
ずっと疑問の目を向けてくる。
「うーん……やっぱりそうだよねぇ。ごめんね。知らない人来て。」
「……いえ。……白いお姉さんに似てます……けど……小さいです。」
「小さ……!?これでも私23歳だよ!?」
「えっ!……お姉さん……だったんですか……。」
「壊理ちゃん……私たちが助けた日……背負ってくれてたお姉さん覚えてる?赤い人。」
被身子ちゃん偉い!いいアプローチだ!
「……(コクン)」
「あの人がこのお姉さんだよ。」
「え……そうだったんですか。ありがとう……ございます。」
「ううん。急とはいえ変な背負い方してごめんね?痛くなかった?」
「……大丈夫です。」
「良かった。これお見舞い。良かったら飾って欲しいな。」
「…………これ……なんですか?」
「プリユア。嫌いかな?」
「…………見たことあります。……好きです。」
「良かった。」
「……ありがとう……ございます。」
壊理ちゃんはプレゼントの包装を受け取るとぎゅっと抱きしめた。
「かわいい。」「かぁいい。」
「……。」
壊理ちゃんは私に膝の上。収まりがいいね。
「壊理ちゃんかぁいいねぇ。流水さんみたいな髪の毛も……綺麗だねぇ。」
被身子ちゃんはデレデレだ。
「えへへへ……可愛い。本当に可愛い。」
私もデレデレです。
「……安心する匂い。」
「そうですよね!流水さんなんか太陽みたいな匂いするんですよね。」
「……太陽……さん?」
「はい。太陽です。私の。」
「お姉さんの太陽……?」
「私だけの太陽です。でも……壊理ちゃんはかぁいいから分けてあげます。」
「…………ありがと……?」
被身子ちゃん?あんまり変なこと吹き込むんじゃないですよ?
「流水さん。私たちの娘もこんな感じですかね?」
「…………私たちじゃ産めないわよ?」
「ふふふっ。」
…………何を考えてるんだろ……。出来ないよね?そんな個性持ってる人居ないよね?
いや……産めって言われたら……被身子ちゃんとの子供だったら……産むけど。
「?……パパになるの?」
「私!?」
「ふふふっ。流水さんはママですよ?」
「ママ……?」
「「…………。」」
なんだろう……
「…被身子ちゃん。………私ママになれるかもしれない。」
「あいにくですね。私もです。」
「?」