ポケモン廻戦   作:かりん2022

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pixiv版におまけあります。

ポケモン五条の過去を五条が夢という形で見るというものです。
お題リクエストありがとうございます!


チェンジ!8

翌日、五条(ポケモン)はご機嫌だった。

ご機嫌な五条(ポケモン)に、そーっとスーが寄り添い、おずおずしながらこてんと頭を預けて、さらに上機嫌でイチャイチャしだす五条(ポケモン)。

 

「あーもう、また行かなきゃだけど行きたくねー」

「私、こっちですごく楽しいけど、悟がいないとやっぱり寂しいんだ。お仕事頑張ってね」

「頑張る♡」

 

 ということで、色々事情を聞けたり裏も取れたので、スーは保護確定である。

 今度はフシギダネが生まれたよ。

 

 スーは、10歳で教育が止まっていたので、その勉強や戦闘訓練やポケモンのテレビ、ゲーム、もちろんポケモンの世話など、やる事は沢山である。

 

 お喋りするだけで幸せそうにする、健気で家事が得意なイケメン。超絶可愛いペット付き。あっという間に術師達の人気を得るのはあまりにも当然だった。

 乙骨はポケモンが好きだったらしく、乙骨も結構懐いて楽しそうである。

 

 それは五条悟も変わりない。

 甲斐甲斐しくお土産のお菓子など買ってくるようになった。

 五条が細々と気遣うのは夏油傑に対してのみである。

 

 また、夏油はそのお菓子を喜んでくれて、一口分嬉しそうにかつ大切そうに食べて、後は太ってしまうからと我慢して、代わりに五条に食べさせてくれるのである。可愛すぎか。

 

「据え膳食べたい!!!」

 

 机に突っ伏しての一言に七海は頭を押さえた。気持ちはわかってしまう。

 

「戦争起こるぞー」

 

 家入は一応忠告する。

 

「わかってるよ。でも据え膳でしょ。あれは据え膳。あんな食べてくださいって感じのある?」

「五条に据え膳させるべく育てられたんだから当然だろ」

 

 そう。そうなのである。

 五条がいたら、常に寄り添ってされるがまま。

 そして、おずおずと伺いながら懐いてくるのである。可愛すぎか。

 尚、時たま五条(ポケモン)が逢瀬にやってくる。

 しかし時間がなさすぎて性欲処理しか出来てない。

 

 夏油にセクハラばっかりしていたのもわかってしまう。

 側にいる時間が極端に取れない為、焦ってベタベタしてしまうのだ。

 

 五条も忙しいには忙しいが、五条(ポケモン)よりは時間が取れるだろう。

 確かにもうちょっと時間とってやれよという気はする。

 寂しくて同じ顔の五条の所に来ているところは絶対にある。

 

 だが。

 

「これもう、食べちゃっても仕方なくない……?」

「夏油とギクシャクしてもいいならしろよ。いいならな」

 

 そう言われると弱い五条である。

 

「もうギクシャクしてるじゃん……」

 

しかしそれでも蚊の泣くような声で抗弁する。

 

「後で絶対罪悪感とかも感じるぞ。あいつは夏油じゃない。夏油みたいに抵抗できないし、抵抗しようとも考えられない。ずっと五条に従って五条のものになるよう強要されてきたんだから」

「それはわかる……。僕にとっては触れるだけでもあいつには暴力だよね。逆らうことを考えることすら許されてない。側にいるのが義務なのに、寄りかかってくるのにすら顔色を伺ってくる。よっぽど酷い目にあってきたんだなってわかるよ」

 

 なにせ、呪術界を一度壊滅させかけてて、その反動で徹底的に総監部に心を折られ、普段の生活を制限されている。

 

「だから優しくしたいんだけどさー! スーが安心して寄りかかれるように動かないでじっとしてるのが最適解だってのもわかるんだけどさー! こう、手折っちゃいたい気持ちもあるんだよなー! あいつに石投げられなくなるのムカつくから我慢するけど!」

「偉いぞ五条。いや、マジで」

 

 家入も見ていた。何事もないふりをしている五条に、スーがそっと寄りかかっているのを。五条はなんでもないふりをしているが、それは無視をしているのではないのだ。動いたり意思表明するとスーが怯えちゃうから、気遣った結果なのだ。

 尚、五条(ポケモン)は普通に抱き寄せて触りまくるし、スーは一歳それに逆らわず、プルプルしている。

 

「あの人、色香すごいですしね。この前、ナンパされてましたよ。乙骨くんが庇ってましたが」

「は?」

「……なんでもありません」

 

 そんな所に、乙骨が駆け込んできた。

 

「先生! 先生、聞いてください、大変です!!」

「どうかした?」

「ピチューが、ピチューが……!」

「ん、怪我しちゃった? それとも食あたり?」

 

 五条が問うと、乙骨は興奮に顔を赤くして答えた。

 

「ピカチュウに進化しました!!!!!」

「おお、おめでと〜!」

「めでたいじゃん」

「おめでとうございます」

「盛大に祝いましょう! 学長が衣装を作ってくれるそうです!! 出席希望者も結構集まってて……!」

 

 何せハイパーエクセレントプリチーウルトラアイドルピカチュウの爆誕である。 

 乙骨は大興奮。

 盛大にパーティーを行いたいとのこと。

 すでに出席者の数がえぐい。人数の少ない呪術界で異常なまでの出席希望者数。

 

 五条の誕生日が近いという事で、ついでに一緒に祝うことになったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

当日。多くのものが集まり、パーティを開催していた。

 

「ピカチュウー!」

「きゃー! 電気ねずみー!」

「ぴっかー⭐︎」

「「「「「「きゃあああああああああああああ!!!!!」」」」」

 

 ピカチュウフィーバーで大変な事になっている時、スーは卵を抱いて人気のない場所に来ていた。

 

「……利久を返してくれないか」

 

 そう、利久を誘拐したとの手紙がスーの所に来たのである。

 ここが向こうの世界なら五条(ポケモン)に報告したが、こちらでは違う。五条に、自分にとても優しくしてくれる、こちらでは無関係で、友達と行ってくれる人に迷惑は掛けられない。そして、自分に優しくしてくれて、協力者夏油の愛子でもある利久を放っておけるはずなどなかった。

 護衛メタモンの鏡也は、人間の細かい機微などわからない。襲われてさえなければOKだ。

 そんな感じで、スーは今、ピンチだった。

 

「もちろんです。夏油様には、ぜひ迎えにいらっしゃっていただきたいと思います」

「僕も行きたーい⭐︎」

 

 スーの肩に腕が回される。

 

「っ 五条悟!? なぜっ」

「お前バカかよ。僕はもう傑に対する違和感は無視しない事にしてんの」

「悟っ……!」

「じゃ、誘拐犯さん? 大人しく子供の居場所を吐いてもらおうか」

「っ 利久は……既にアメリカにいる!」

「は?」

「ポケモンを秘匿している怪しい宗教団体め! 利権を独占しようともそうはいかない。 利久を返してほしくば、アメリカにピカチュウのオスとメスを差し出してもらおうか……!」

 

 掲げられた携帯には、ピカチュウフィーバーの動画が映されていて、バズり散らしていた。

 スーに、外圧が襲い掛かろうとしていた……!




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