呪術高専に客人が来ていた。
灰原と七海である。
「並行世界の傑を捕まえたい?」
「そうなんですよ。夏油さん、また詐欺をしまして……今度という今度はもう許されないでしょうね。並行世界に逃げたくらいで逃げられないってどうしてわからないんでしょうか」
「あの人、学習しませんからね……」
やれやれと並行世界の七海。
「傑が詐欺ねぇ……胡散臭い所はあるけど。何やったの? あと、傑を捕まえるには戦力不足じゃない?」
「相棒詐欺です」
「相棒詐欺」
「君は僕のパートナーだよ、愛してるよ、家族だよって言いながら鍛えて、成長限界が来たら強くなった君は1人で生きていけるねって捨てて次のパートナーを拾ってくるんです。それを人でもペットでもやりまくるんです。恋人になりたい男通り越して、恋人だと思ってた男No.1!」
「そんな事ないって言いたいけど心当たりある!!」
「騙された人は皆騙されてないって言うんですよ。被害者の会が出来るほど騙されてますけど」
「被害者の会!? ウケるw w w」
「僕もやられました!」
「灰原も!?」
「あの人の挨拶は他の人にとってのプロポーズなので」
「そこまで?」
五条達は、困惑する。だが、否定もしきれない気がする。夏油はモテた。そりゃもうモテた。
「それで問題を起こしすぎて、次やったら人生の墓場に行けと言われてたんですが……」
「やったんだね。もう許されないって結婚かー。御三家の娘さんにでも手を出した?」
「はい。というか夏油さんの前では老若男女とかないので。私達が潜伏先を調査して、五条さんが捕まえて、浮気しないって縛りを結ばせて結婚式場に連行する事になってます。これは総監部の決定でもあります」
「はいって……ええ? ええっと、それってそこまで問題起こしたの? それともそれに託けて傑を取り込もうとしたの?」
「そこまで問題起こしたんですよ。ちなみに重婚です」
「重婚て。御三家コンプとかなんないよね?」
「それは阻止して御三家は1人です!」
「阻止されなきゃできたわけ?」
五条が呆然とした声を出す。それは流石にありえない。
夜蛾は五条の心配を始めた。御三家ってまさかまさか。
「にわかには信じがたいが……。話はわかった。こっちの傑は、呪詛師。虐殺事件を起こしてるから、気をつけて欲しい」
「虐殺事件ですか……いつか起きると思ってました」
「夏油さん、ペットを術師より強く育てて飼えなくなって捨てるとか平気でやるしね。僕達もこっちの夏油さんが迷惑かけないうちに早く捕獲しないと」
「は? そんな事してるの? そっちのが問題じゃん。術師より強くって調教のプロかよ。こっちでの虐殺事件は傑自身が起こしてるよ。性格は別物と思ったほうがいい」
「えっ」
「夏油さんが殺人を? そんなまさか……」
ということで、夏油が捜索される事になり、注意喚起と調査が行われる事になったのだった。
「ということで! 向こうの傑の武勇伝聞いてみたーい!」
「被害者のプライバシーもあるので」
「被害者」
「灰原も被害にあったとのことですが」
こちらの七海は心配そうに灰原に問う。
「あっでも僕は全然! 夏油さんにはいつも、知らない人に結婚いつにする? って聞かれて怖いって相談されてたし、勘違いしないように自分を律してたしね!」
「そこまで勘違いさせて知らない人呼ばわりとか本当に神経を疑います」
「勝手に勘違いしてるとかじゃなくて?」
「頭撫でられたり、キスされたりして勘違いって言うのは酷じゃないかな!」
「まじでか」
「マジなんですよ……」
その言葉にドン引きする。キスされて勘違いはない。
「僕は君だけだよって言われたよ!」
「私は七海になら裏切られてもいいよ、それくらい大事に思ってるって言われました」
「子供何人いんの? 100人くらい?」
「養子が法的には3人ですが、夏油さんが子供みたいに思ってるって公言した人は、えーと」
家入の質問に、七海が指を数えていく。
20を突破した時点で、家入はキリがないと話を進めた。
「実子は?」
「本人は彼女いない歴=年齢だよって言ってましたから、ええ。ちなみに大騒動になりました。自分と付き合ってたよねって人が多数出て」
「夏油さんって当人は全然そんな気ないからね!」
「魔性じゃん」
「魔性ですよ。矯正しようと頑張ったし、本人も努力しようとしてくれたんですけど、全然ダメで先日駄目押しで御三家間でキャットファイトが起こってもうお前責任取って結婚しろと」
「何それ。魅了の術式でも持ってるわけ?」
「百回くらい確認しました。あの人素でああいう人で術式体格容姿と特級なのでモテないはずがないんですよ」
「よく刺されなかったな」
「むしろ刺せよというのが呪術界の総意ではないでしょうか。まあ命がけで周囲が守るでしょうけど」
そこで学長は当然の決断を下した。
「悟。念の為、向こうの夏油には会わないでおけ」
「そのほうがいいですね」
「だね!」
「えー! 僕も魔性の傑見たーい! そこまでしても処刑になんないくらい呪詛師ではないんでしょ?」
「見ず知らずの人を命懸けで庇える人ですよ、あの人は。誰にでも優しいを地で行くクズなだけで」
「こっちの夏油も嫌えないのに、向こうの夏油に抗えるはずがないだろ。私も避けとく」
「……そんなに?」
「これは言いたくなかったのですが……キャットファイトの中身は直哉さん、憲紀くん、五条さんで結婚相手は家入さんと五条さんです。ちなみに男同士の結婚を総監部が推奨したのはこれが最初で最後です」
「やめとく……」
「魅了の術式持ちの可能性ありと周知しておこう」
そして、しばらく後。
「夏油様を止めて! 傑様が殺されちゃう!」
東京の山中で呪霊操術同士の争いが起こっていると夏油一派からのタレコミがあり、乙骨とパンダが急行するのだった。
何でも呪詛師夏油の養女を呪術師夏油が誑かしたらしい。
設定
夏油がモテる。モテまくる。
知ってて警戒してても引っかかるほどモテる。
なお本人にそのつもりはない。
ポケモンに毎日餌を手作りして自分の手で餌やりしておはようのキスおやすみのキスして抱きしめて可愛がって成長限界がきたら、「君は強いから私がいなくても生きていけるだろ?」する鬼畜である。
五条も普通にポケモン扱いする。
つまりポケモンにやってあげてること全部するし、やる予定(育てたら放流)のこと全部するって五条も察してる。かわいそう。
アルセウスの申し出はこちらではない。
ギャラドスの大暴れもない。
代わりに夏油がやたら進化させている。
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夏油は進化恐怖症
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傾世のポケモンマスター
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タイム・リミット