ポケモン廻戦   作:かりん2022

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タイム・リミット2

私はおとなしく拘束された。

 

そして尋問を受けるのだが、私が今まで起こした問題を言えといわれても困ってしまう。どうやら、こっちの世界の私は何故か呪詛師になってしまったらしい。こっちの世界の私の事を私に聞かれても困る。

 

「これから一時間、嘘ついちゃだめな。これ縛り」

「わかった」

 

 私は頷いた。こちらの私が呪詛師になってるなら、当然の処置だろう。

 

「傑、秘匿死刑もしくは重大な処分を受けたり、そうなりそうになった問題を起こした事ある?」

 

 ないと答えたい。答えたいけど、実はある。

 

「……ある」

「詳細を教えて」

「でも私、あの時凄い罵倒されて、また罵倒されたくないんだけど」

 

 勝手かもしれないけど、あの時相当傷ついたのだ。

 

「話して。こっちの傑、大量虐殺起こしてるんだよ。傑もそういうことしそうなのか聞きたい」

 

 私は声を出そうとして、声が掠れる。

 

「向こうでやった事で、反省してるんでしょ? 向こうの罪をこちらで改めて裁くこともないし」

「反省、は、してないのかもしれない」

 

 私は渋々話す。

 

「あの、私……。ポケモンを育てるのが趣味で」

「うん」

「ポケモンを育て上げる度に自然に返してた事がバレて、めちゃくちゃ叱責されて。放流したポケモンが問題を起こしてたことも発覚して。以来、ポケモンを捨てるのは禁止で、でもポケモン育成はやめられなくて、総監部の立ち合いの元の譲渡かポケモンを殺す以外、ポケモンを手放しちゃダメだって」

「どうしてそんな事したの?」

 

 ううっ 言ったじゃないか! 真綿で縛ってくるなぁ!

 

「私、ポケモンを育てるのが好きなんだけど、同時に沢山は飼えないから……」

 

 なんとか言葉を搾り出す。散々悟に怒られたんだよなぁ。

 

「ポケモン悲しまない? あと、育てたポケモン野に放って騒ぎにならない?」

 

 それも散々言われたよ。これはもう反論すると酷いことになるので、頭を下げ続けるしかない。

 

「悟のいう通りだよ。向こうの悟すっごいキレてたし、なんか同情しすぎて泣いてたし、夜蛾先生には頭沸いてんのかって言われたし、総監部にも散々説教されて、硝子だってめちゃくちゃ怒ったし」

 

 本当に本当に怒られたのだ。

 

「傑の中では、怒られたから駄目なわけ?」

「ご、ごめんなさい。本当に反省してるよ。本当だよ」

「質問に答えてないけど……まあ今はいいか。ポケモン解き放ったら駄目なのはこっちでも同じね。絶対放流しちゃダメだよ」

「わかった」

「他にはない?」

 

 あまり言いたくないが、私はおとなしく喋った。

 

「えっと、私と結婚の約束してたよねって知らない人に言われる事件が多くて、総監部に注意される事態にまでなって。悟と硝子に言動に注意しろって注意点冊子で貰ってて、面倒だからあまり従ってない……。普通にしてるだけなのに、人に優しくするなとか、触らないようにしろとか、手料理出すなとか、窮屈で」

「相手じゃなくて傑が注意されるって事は、相当なんだね。一応、冊子後で見せてね。……他には?」

 

 悟は他に問題があるような事を確信している。

 でも、私はそんな問題を起こしているつもりはない。こちらの私はよっぽど信用がないらしい。呪詛師だから当然か。でも、実際に報告すべきことがあるのが悲しい。

 

「ほ、他? えっと、総監部が10年前に術師の少子化と晩婚化が顕著になったって言って、私と悟と硝子に、黄金世代としてお手本として、結婚しろって言われて。相手は男だろうが女だろうが術師だろうが非術師だろうが呪霊だろうがポケモンだろうが犬猫だろうがとにかく結婚して家庭を持てって言われて」

「結婚に口出しされるのはうざいけど、相手は自分で見つけていいんだ。ならそれって問題?」

「いや、10年時間を貰ったし、月一日、年一週間も婚活休暇追加で貰えたし私達その、顔も悪くないし術式もあるし、10年も結婚できないとかありえないよねって」

「長っ えっ めちゃくちゃ甘いじゃん」

 

 悟は驚く。私も頷く。

 

「そうだよね。もう楽勝だって思うし、10年後なら結婚できてると思うよね」

「そだね。僕達はまだ結婚してないけど、命令があるんならね。だいぶイージーな任務じゃない? 相手の指定もないし」

「それで私達、5年は羽を伸ばしたんだけど。恋人は出来なくて」

「待って展開見えてきた」

「総監部なんだけど、結婚出来なかった場合のペナルティ用意してて」

「何」

 

 悟は少し警戒する。

 

「売れ残りが1人だったら総監部が結婚相手を決めるっていうのと」

「まあムカつくけど妥当だよね。10年用意して相手の指定もないならね。売れ残りが1人じゃなかったら?」

「残りをくっつける事で片付けるって。で、特級術師もちゃんと総監部の言いつけに従って結婚したので、お前ら結婚しろよって術師に結婚を斡旋していくって」

「待って、それ3人とも結婚できなかったり硝子だけ結婚できたりしたらどうなるの?」

「そもそも総監部、相手はこの際男女問わないって言ってるし、問題児は一箇所に纏めときたいって意図もあったみたいでさ。私達、3人でポケモンの赤ちゃんを世話してる時は大人しいからって。嫌だったら早よ結婚しろって。家庭を持ったら落ち着くだろうからって」

「あり得るのそれ? そもそも特級術師にそんな無茶……でも休暇の追加と長い期間と相手は問わないって言ってるしね……」

「5年前からそろそろヤバいかなって頑張り始めたんだけど、3人とも上手くいかなくて」

「あー。はいはいはい」

 

 悟は展開が見えたようで、納得したような声を出す。

 

「硝子は振られちゃって、総監部の斡旋した知らない人とくっつくよりはまだマシかもって感じだし。そもそも結婚を命じられただけで子作りまでは命じられてないし。そもそも振られたショックでちょっと自暴自棄だし」

「硝子振られちゃったんだ。っていうか好きな人いたんだ。意外……上手く行くよう手伝いとかしなかったの?」

「ちょっとね。相手がね。ガチ目に断ってきて、私達は介入できる雰囲気じゃなくて……。それに硝子一抜しちゃったら、男2人で結婚になっちゃうし」

 

 納得したように何度も頷く悟。

 

「ガチかぁ……。そーね。僕の方は? 全く見つからないとかありえないと思うんだけど」

「悟はお付き合いとか何度かしたんだけど、大体破局しちゃうんだよね。なんか、結婚相手として、私はもちろん硝子もないんだけど、じゃあ結婚相手と私や硝子以上に親密にするってなった時に、物理的にどうすればいいかわからないって」

「物理的w w w 何、エッチでもしてるわけ?」

「してない。してないよ!? なんなら結婚してもするつもりないからね! でも、結婚相手と子作り以外したくないっいうのは健全じゃないと思うって。悟結構人見知りするしね」

「別にいいと思うけどね、義務の結婚なら尚更。でもまあ言わんとする事はわかる」

「で、もう悟、面倒くさくなっちゃったらしくて、知らない人でもないし、まあ良いかなって諦めの境地入ってて」

「傑は? 傑だって結婚したい人はわんさかいるんだろ?」

「私、スキンシップ多い方なんだけど。悟達以外の人間にスキンシップ取られるの嫌みたいなんだよね。なんか付き合ってるよねって言われて迫られるのトラウマになってたみたいで、あとえっちに忌避感あるみたいで先に進めなくて。悟と硝子、私1人が売れ残って総監部に相手決められるのも心配してるとこがあって」

「全滅かよw w w もういっそ、硝子とくっつけば? 結果は同じなんだし」

「それもなんだかね……。私、結婚向いてないよ。仕方ないから総監部に無理ですって謝りに行こうってことになったんだけど。総監部の方も割とガチで」

「まあ、そこまで条件甘くして嫌だは通んないよね。休暇も受け取ってるんだし」

「婚活休暇、私と悟と硝子で遊びに使ったりしてたんだけど、全部調べられてて。婚活休暇使うぐらいだから問題はないなって。粛々と手続き進められてて、五条硝子と五条傑でいいよねって。あっ これ総監部相当キレてるなって。総監部の方も掛かって1年くらいだろうと思ってたみたいで。最初に断って謝れば許してもらえたんだろうけど、受けて休暇満喫しておいて今更やめますは通らないって」

「何やってるんだよ、黄金世代!」

 

 悟は爆笑しだす。

 

「いや、ごめんね? 笑っちゃ駄目なのはわかるんだけど、ない、ないってそれ!」

「本当だよ、私、いやだよ男に嫁入りなんて」

「w w w 術師とか非術師は関係ないわけ?」

「話が合う人ってなると、やっぱり術師の方がいいよね? 術師で女の子でポケモンに理解があって……ってこれだけならいっぱいいるんだけど、その先がどうしても進めないんだよね。それは悟や硝子相手でも同じでさ。焦れば焦るほど体が固まっちゃって……。相手が誰でも結婚は嫌なのかもって鬱になっちゃって呪専に帰りたくなくなっちゃってさ。そんな時にサトルンがここへ連れてきてくれたんだ」

「うーん平和時空! いいよ、結婚の決心つくまで此処いなよ。でもこっちの傑と区別つけるために監視は受け入れてね。そうだね。一緒に仕事する?」

「ポケモンのイーブイとピチューに実戦を覚えさせたいから、4級がいいんだけど、だめかな?」

「あいつら呪霊倒せるんだ? すごいじゃん。あ、もしかしてそれで人手足りてんのか? んー諸々了解! 後は言っておくことないね? 僕に任せて!」

「助かるよ、悟。ありがとう」

 

 私はほっとしてお礼を言った。

 

「他になんかある?」

「乙骨くん、ポケモンに詳しいみたいだから話を聞きたいな」

「いいよ! 僕も勉強しとく。それと、傑」

「何かな?」

「僕でよければ、トラウマ払拭手伝うよ。いつかは帰って結婚しないとでしょ?」

「いいのかい?」

「いいよー。まっかせなさい!」

 

 こっちの悟って一人称僕だし、穏やかだし、頼りになりそう。良かった。

 




設定
甚爾はポケモンがボコった。
産土神もポケモンがなんとかした。
なので術師とか非術師って言われてもむしろピンとこない。
こっちではポケモンは積極的に取り入れる事になってる。

五条は30歳になったら当然家入も夏油も食うつもりでいる。当然。
あいつらが他の人と結婚? 無理無理。
まさか並行世界の自分が現れるとか思ってもいない。

読みたいのはどれですか?

  • 夏油は進化恐怖症
  • 傾世のポケモンマスター
  • タイム・リミット
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