「凄い凄い! グッズにアニメにゲームに……わあ、全部欲しい!」
夏油は目を輝かせる。微笑ましく思った乙骨は歯ブラシやタオル、シャンプーなどの生活必需品をポケモン柄でアマゾンポチー。ささやかなプレゼントである。
「頑張って稼ごうね。どんどん仕事斡旋するから」
そして社畜の誘いを掛ける五条先生。
「それなら強い呪霊中心にしちゃおっかなぁ。ピチュー達は手持ちの呪霊狩らせればいいんだし。あ、ごめん悟。初期資金は貸してもらえるかな? 食費と餌代欲しいんだ」
それに夏油もワクワクと答える。
「いいよ! っていうか、訓練に呪霊使わせてくれるなら、その分すぐにでも経費として払うよ。餌は何食べるの?」
「ゲームだとポケモンフードですけど」
違う世界とはいえ、親友が楽しそうに話すのが嬉しい五条先生。
乙骨も、ポケモンが好きなので興味深く聞く。
「それぞれ違うよー。ピチューにはすりリンゴとか、イーブイにはミルク粥とかかなー。グルくん(ミミッキュ)はもう大きいから、オムライスで、グッピーくんには甘さ控えめのクッキーを焼いてあって、サトルンは帰っちゃったし……手が掛かるのはオムライスくらいかな」
「結構いいもの食べるね……? じゃあ僕にもオムライス作って」
「いいよ。乙骨くんも食べる? ポケモンの知識のお礼だよ」
「僕は、棘くん達と食べるから、先生達はゆっくりしててください」
夏油が料理しているのを、ポケモンを構い倒しながら待つ。
しばらくして、とても美味しそうな料理がテーブルに並んだ。
「いただきま」「まだだよ、悟。ピチューもまだだよ」
そうして、夏油は微笑んだ。
「おいしくなーれ♡」
「!??」
「はい、召し上がれ♡」
そうして、ポケモン達の口にスプーンを使って食べさせる。
「いっぱい食べてね♡」
「ピ!」
「シャシャシャ」
「(ピチピチ)」
「キューン」
「い、いただきます」
五条は思わず夏油を観察した。
まるでメイドきっ(ryお母さんのようである。
萌え萌えキュンとか言いそう。言え。
食事をした後は、体育館で軽く運動である。
「ピチュー!」
ビリビリビリ!
「おかかー! 〜〜!??」
棘が麻痺をしたフリをして……フリをして……本当に麻痺している!
「棘鍛え直し」
「こんなちっこくても技使えるんだな」
「静電気っていう割には結構強いじゃん」
「夏油さん、だからコイキングは育てちゃダメですって」
「そんな、私はどうすればいいんだ……」
「あ、あの。ちびちゃんの訓練だったら私達補助監督でも出来ると思うっす!」
「助かるよ、ありがとう」
そんな感じで、あっという間にポケモンふれあい広場と化した。
愛らしいピチューとイーブイとグルくん(ミミッキュ)はもちろん、コイキングも大人気である。
運動した後はお風呂。
取り合いが起こった後、女性陣にピチューとイーブイが攫われていった。
グルくん(ミミッキュ)は洗うのが難しいから夏油、コイキングは男子担当である。
そしてお風呂に入った後は、フワッフワのポケモンを撫でて室内で軽く遊んでやり、それぞれのポケモンの歯を磨いてあげて就寝の時間である。
「おやすみ、ピチュー。おやすみ、イーブイ。おやすみ、グルくん。おやすみ、グッピー。おやすみ、悟」
「ピ」
「がうっ」
「シャ」
「(ピチピチ)」
「えっ」
チュッ チュッ チュッ チュッ チュッ
おやすみのキスをして、ぎゅっとして、それぞれのベッドに寝かせてやって就寝。
尚、監視任務があるので夏油は五錠と同じ部屋で、ベッドの隣に布団を敷いている。
五条が無量空所に苦しむ中、すやーっと眠る夏油。
正気に戻った五条は悶えて、報告書を書き殴った。
翌朝。
夏油の監視任務があるので朝はゆっくりできる。
寝顔を眺めていると、夏油が卵を抱いて起きる。
「おはよう、悟(チュッ)」
「……その卵、何。えっ まじで何? 産んだの?」
「卵くんもおはよ。産んではいないと思うけど……。手持ちのポケモンが少なくなると私の元に卵が現れるんだ」
「???」
話を逸らそうとして、卵に気づく。昨日はなかったはずである。五条は混乱した。
顔を洗い、歯を磨くと朝ごはんの調理。
夏油は抱っこ紐に卵をセット。えっ まじで?
その間、五条はポケモン達と遊んでやったり朝の準備をしたり。
朝食をポケモン達と食べて、任務をサクッと片付け、車内でコンビニご飯を済ませ(お店にピカチュウは連れていけない為)、また任務。途中で生活必需品の買い物。
学校に帰ったら、夏油と一緒に生徒とポケモンの訓練。
夕食を食べたら会議。
「こちらからも観察はしていた。あやつは特級呪詛師とは別人と認めるので、明日から通常任務に戻れ。部屋も別にしていい。ポケモンのレンタル・買取も可能なら進める」
「いや、しばらくは私が面倒を見ます」
「六眼には任務があろう。ピチュー達の訓練なら4級任務が妥当だし、特級術師とは任務が合わん」
「しかし、コイキングもいますし、なぜか増えてた卵の件もありますし、不測の事態には備えておいた方がいいかと」
「コイキングがいたか……。卵は術式で作ったものではないのか?」
「朝起きたら卵を抱いてたので……油断でした。次からもう少し注意をして観察します。一応傑にも聞いたんですが、そういうものだと。術式や呪ではないです」
「不可解な……」
そして一週間後。
「傑……。向こうの僕ともこんな感じなの?」
「え? こんな感じって?」
「おやすみのキスしたり、一緒にポケモンに料理作ってあげたり」
「いや?」
「えっ 僕だけ?」
「逆。普段は硝子もいるよ。今はちびちゃんが多いけど、大きくなったらヤンチャになって面倒見るの大変になるしさ。お揃いのパジャマ着てるし、もっと手伝ってくれてる。ベッドはでかいベットに雑魚寝かな」
「夫婦通り越して子供がいるご家庭なんだよ、それ!!! 結婚に躊躇する必要ないじゃん!? エッチも義務でもないんだし、安心しろよ、何も変わらねーよ結婚しても。これ以上の親密さとか物理的に無理だから!!! 距離が0どころか、マイナスなんだよぎゅうぎゅうにくっついてるから! 硝子が振られたのも納得だよ、こんだけ俺らと親密にしてててあなたが好きですとか欠片も信じられねーよ! むしろ傑が責任とってやれよ」
「そ、そう、かな?」
「そうだよ。傑さぁ、何が怖いわけ? お前らしくねーじゃん。大丈夫だって!」
「でも」
「なあ」
夏油は不安そうにしている。
五条は覚悟を決めた。
全面的に夏油が悪い。
ピチューが進化したピカチュウが二級呪霊を祓い、買取要請と夏油そのものを取り込めとの命令だって出てるのだから。
「傑、特訓しようぜ」
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夏油は進化恐怖症
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傾世のポケモンマスター
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