ポケモン廻戦   作:かりん2022

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チェンジ!3

2人が消えて、そこには夏油様よりもずっとほっそりとした人がいた。

抱えているのはイーブイである。後抱っこ紐。

 

「キャンキャン!」

「あ、あの。五条傑です。よろしくお願いします……」

「あらぁ、可愛い。よろしくね。えーと、スーちゃん♡ 私はラルゥよ」

「美々子です!」

「菜々子!」

「ミゲル」

「利久だ」

「真奈美とお呼びください」

 

 オロオロとするスーを、夏油一派は気遣う。

 

「ここは安全だから安心してね。さ、寝室に案内するわ」

「ありがとう。ラルゥ、さん」

 

 ふにゃ、と笑う様にラルゥ達はハートを射抜かれる。

 

「ラルゥで良いわよ。名前も、忘れたら何度でも聞いてね」

「ありがとう。ふふ。人と話せるの、久しぶりだから嬉しい。その、こっちでは悟以外とお話ししても良いんだよね?」

「……ええ、もちろん」

 

 いきなりぶっ込まれた闇に怯むラルゥ。

 

「会話も制限されてたのですか?」

「仕方ないんだ。こっちで喋れるなら、いっぱいお喋りしたいな」

 

 ほのかな期待にワクワクと言ったスー。あまりにも願いが細やかすぎる。

 

「ねぇ、スー様! スー様はしたい事ある? なんでも言ってみて!」

「スー様の、我儘聞きたい、です。五条悟からもお願いされたし」

 

 美々子と菜々子の言葉に、スーは戸惑う。

 

「悟が……?」

「ナンデモイッテミロ」

「えと、えと」

 

 そこで利久は助け舟を出した。3しか知らぬ相手から選ばせるより、こちらで100用意してそこから選ばせた方が楽しかろう。

 

「とりあえず、明日はゲームをしませんか? イーブイも出てきますよ! 他にも沢山やりたいこと探しましょう」

「イーブイ?」

「その子の、えと、犬種です。その子、名前はなんて言うんですか?」

「そうなんだ。名前をつける事は許されてなくてね。でもこっちなら良いかな。こっちで孵化させたポケモンはお礼に渡す予定だったし」

 

 そうしてイーブイを撫でるスー。

 

「あら、そうなの?」

「良いの!?」

「嬉しい!! あっでもスー様、寂しくならないですか?」

「どうせ提出させられるからね。可愛がってくれるなら嬉しい。私も一緒に名前考えていい、かなぁ……?」

「つまり、この子はスー様と私の子!」

「ナンデソウナル」

 

 真奈美の暴走にミゲルがツッコミをいれ、そうしてスーの面倒を見る事になる夏油一派なのだった。

 

 

 

 朝。

 抱っこ紐に卵を入れて、スーは部屋を飛ぶように走り回るイーブイを捕獲して外に出る。

 

「夏油……スー様、一緒に訓練しませんか? あれ。その卵は?」

「私は、荒事は許されてないんだ。体を壊さない程度のジョギングと筋トレしかダメで。この卵はアルセウス様が定期的に下さるんだ」

「それって、運動しすぎでじゃなくて、運動不足すぎて体を壊さない程度にって事ですか?」

「そう」

「夏油様は、運動好きですか?」

「10歳までは格闘技とかすごく好きだし、体を動かすの好きだったよ。今も、悟がジョギング許してくれてる時間いっぱい必ず運動してる」

「じゃあ、俺が鍛えてあげます!」

「話聞いてたかな?」

「スー様は運動したいですか?」

「それは、したい、けど。格闘技なんて、見るだけで私、罰を受けちゃうよ」

「ここでは見張ってる人はいないんです。言ったでしょう、安全だって。運動しましょう!」

 

 そんなこんなで、運動をして、真奈美の作る食事を食べて、ゲームである。

 

「凄い、本当にイーブイ達が出てる!」

 

 さて、そんなこんなではしゃぐスーににっこりする夏油一派だが、だんだんムカついてきた。

 確かに、街ひとつ襲わせてしまった事は、夏油にも過失はあるのだろう。

 だが、夏油は少年だったのだ。

 なのに、夏油は文字の読み書き禁止。本禁止。テレビ禁止。映画ももちろん禁止。カラオケ禁止。訓練禁止。訓練風景を眺めるのすら禁止。禁止禁止禁止。

 まともに話す事を許されるのは五条だけだと言うのに、五条は明け方よりも早く、深夜よりも遅い仕事。

 これでは心配になってしまう。

 

 五条家の権力とかどうなっているのかと問いたい。

 もうちょっとどうにか出来ないのか。それとも五条家をスーが壊滅させたのか。

 

「良い、スーちゃん。スーちゃんは、身を守る方法を手に入れるべきよ!」

「呪術界は出ましょう。そうしましょう。その為の力は、私達が用意します」

 

 ということで、夏油一波によるスーのブートキャンプが始まるのだった。




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