きんモザ原作と原悠衣先生の画集を読み直して創作欲が掻き立てられた結果、約8年ぶりぐらいに小説を書いています。
1オタクが書きたいモノを書いていきますが、温かい目(◉ω◉)で見て楽しんでいただけると幸いです。
新年度が始まって早数ヶ月のとある日、放課後の教室。今日は駅前のカフェに行こう、帰ったらゲームしよう等、それぞれが会話を楽しんでいる。
先日、入学後初めての定期テストが終わったということで、多少なりとも教室には浮ついた空気が流れていた。そんなどこか緩い空気のなか、黒髪ツインテールを揺らす女子高生、小路綾も例に漏れずソワソワしている。
「……………………」ソワソワソワソワソワソワソワソワ
いや、それどころか誰よりも浮かれていた。
努めて無表情になろうとしている様だが、今の綾はどこからどう見てもソワソワが身体から溢れている。普段の彼女はどちらかと言うと真面目なしっかり者であり、このような状態になるのは稀有としか言えなかった。
そんな彼女を、友人の大宮忍と猪熊陽子は教室の外から遠目に心配そうに見つめている。
「なぁシノ~…なんか今日1日、綾の様子おかしくなかった?」
「はい…授業中も心ここにあらず、みたいな感じでした…。あんなに浮かれてる綾ちゃんは初めて見ますね…」
「だよなぁ…」
やはり友人から見ても今の綾は変な状態らしい。
2人が廊下の影から心配そうに綾を観察していると、奥の方から金髪の少女が近づいてくる。
数ヶ月前にイギリスからこの高校に編入してきたアリス・カータレットだ。
「お待たせ~」
「アリス!烏丸先生への用事終わったんですね!」
「日誌を渡しに行ってきただけだよ~。それで、2人は何してるの…?」
「いやぁそれがな…」チラッ
陽子が頬をかきながら教室の中に目を向ける。
不思議そうな顔をしたアリスだったが、いまだ教室でポヤポヤした空気を醸し出している綾を見るとすぐに納得した顔に変化した。
「あ、わかった。アヤ、なんだか今日ずっと嬉しそうだったもんね」
「アリスもそう思いますか?私たちもです…」
「何があったんだろ~な」
3人が続けて綾を観察していると、僅かにではあるが綾の顔に変化が訪れる。
「………………………………………………フヘッ」
「「「
表情がだらけきっている。
普通の笑顔とも違う。例を挙げるのであれば、ドルオタが推しのアイドルと握手した時のような、割と人様にお見せできない表情である。
友人の今まで見たこと無い表情に3人は驚愕。しかしその顔を見た陽子はハッとひらめいた。
「っ…もしかして、」
「何か分かったんですか陽子ちゃん!?」
「流石ヨーコ!」
「……綾のヤツ…」
「……ゴクリ」
陽子は神妙な顔つきで呟いた──
───── 一方その頃
「…………(3人は何をしてるの…?)」
綾は、そわそわモードを引っ込め、怪訝な表情で廊下の様子を伺っていた。
当然である。高校の教室程度の広さであれば、いくら端っこにいても廊下で発せられた声自体は聞こえてくるほどの大きさしかない。また内容は聞こえてこなくとも、友人たちが何かコソコソと相談していることぐらいは目に入る。
陽子は何やら噛み締めている様子だし、忍とアリスは顔を真っ赤にしてオロオロしている。
──明らかに怪しい。
ブーメランが自分に刺さっていることには気づかず、綾は様子を確かめようと意を決して席を立ち、廊下に顔を出した。
「ねぇ、みんな何話してるの?」
「「「うわぁ!?」」」
「そ、そんなに驚かなくても良いじゃない!」
突如現れた綾に3人は驚きの声をあげる。
自分の顔を見て驚かれたことは地味にショックであったが、改めて何を話していたのかと聞こうとすると、3人は顔を見合わせていた。
「「「……………」」」
「…?なに、急に見つめ合って…」
顔を見合わせていた陽子が突然向き直り、綾の肩をがしっと掴み、笑顔で言い放った。
「いやぁやったじゃん綾!」
「な、何が!?」
「そうですよ水臭いです!そんな人がいたなら言ってくださいよ!」
「そんな人?なんのこと…?」
「えっとアヤ…お、おめでとう!」
「え、ありがとう…?」
3人は興奮しつつ、嬉し涙を浮かべながらハンカチを目に当てる。
「お祝いしないといけないですねぇ」ズズッ
「そうだなぁ…盛大にパーティーでも開くか」ウッウッ
「ケーキも用意しなきゃね」グス
割といつも突拍子も無いことを言いがちな忍はともかく、普段はツッコミ役になることも多い陽子,日本好きが過ぎるも間違いなく常識人であるアリスもこの有り様である。
収拾がつかないことを悟った綾は困惑の表情を浮かべつつも、自分なりに友人たちがこのような状態になっている理由を考察してみた。
「(なぜか急に祝われるし、人…?)……えっ」
綾は1つの可能性にたどり着いた。流石に違う?でも多分そう言うこと言ってるのよね…?と自問自答を繰り返す。
そんな彼女に、陽子がとびっきりの笑顔でとどめを刺す。
「ほんとにめでたいなぁ~……綾に彼氏ができるとは!」
「いやできてないわよ!!!!」
「「えぇ!?」」
「違うんだ…」シュン
流石の聡明たるツインテールを持つ綾もこればっかりは即座に否定。
何故に急に彼氏だなんだと言い出したのだろうか。
綾の否定に忍と陽子の2人は驚きの声をあげ、アリスはどこか残念そうに呟く。入学したてとは言え自分たちも華の女子高生、その数こそ決して多くは無いが、クラスの男子たちと交流することもある。自分たちが預かり知らぬ所で恋人が出来てもおかしくはないと2人は推測し、アリスは日本語勉強中に幼馴染の家で見た少女漫画的なストーリーがあったのかと期待していたのだ。
元々はこの高校よりも上の高校を目指していたこともあり綾は非常に優秀な成績であるし、少々幼さが残る顔つきと肉付きであるが、十分に美少女に分類される容姿である。加えて彼女は自他共に認める大の恋愛作品好きであり、そんなデフォルトでお花畑思考な彼女にもし恋人が出来たのであれば、件の表情になることは想像に難くないと3人は考えている。
忍は遠慮がちながらも理由を述べる。
「さっきから綾ちゃん、とっても浮かれてたので…」
「えっ」
「そうだよ~あんな綾は初めて見たからなぁ…だから彼氏でも出来てウキウキなのかと」
「えっ」
綾と陽子からそう言われ先ほどまでの自分を思い返してみる。
なるほど、確かにいつもより少しはテンションが高かったかもしれない。だがそれを素直に認めることは、このツンデレガールには様々な理由から難しかった。
「そ、そんなことはないわよ…いつも通りの私だったわ!」
「いやぁ…」
「うーん…」
「そこまで酷かったの私…!?」
「し、幸せそうだったよ!」
「ごめんアリス気を使わせて…」
なお現実は非情である。
友人2人から言外に中々に様子がおかしかったと言われれば流石に思う所もあるようである。なお前述の通り、先ほどまでの彼女はニチャつき浮かれポンチであったため、忍と陽子の評価は何も間違っていない。
自分がそんな顔をしていたことに打ちひしがれた綾は膝から崩れ落ちる。3人は(自覚無かったのか…)と静かに思った。
~数分後~
心に受けた傷(自業自得)からどうにか復活した綾に対して、3人は質問を投げかける。
「…で、なーんで綾はあんなに浮かれてたのさ」
「それは、その…」
「もしかしてもうすぐ夏休みだからですか!?綾ちゃんもそういうとこあるんですね~」
忍の言葉にそれだ!となった綾は早口で捲し立てる。
「そ、そう!高校生になって初めての夏休みだから、何しようかな~って「いやぁ綾がそういう感じで浮かれるのは無さそ~」なんでこういう時はするどいのよ!」
「そもそも夏休みは1ヶ月も先だよシノ…」
普段綾からの好意には鈍感な癖に、きちんとパーソナルな部分は理解している天然イケメン少女と冷静に夏休みはまだだと主張するイギリス少女。
いよいよ3人からの追及を逃れないことを悟った綾は観念し溜息を吐きつつも、しかし間違いなく嬉しそうにはにかみながら真実を白状する。
「………帰ってくるのよ」
「「「帰ってくる?」」」
「今日、兄さんが日本に帰ってくるの」
***
外国語 ちゃんと勉強 来世では
人生最後、心の俳句。
“前世”が終わる瞬間に考えていた様々な後悔のうちの1つである。
恥ずかしながら、僕は言語が苦手であった。別にまったく出来ないという程でも無いが、ただ意欲的に学ぶことは絶対に無かった学生時代。単語?文法?イントネーション?なんとなくです。どうにも日本語以外の言語を聞くとモザイクがかかったかの様に脳が理解を拒否してしまうのだ。
この先日本語以外を積極的に使うことは無いんだろうな…と半ば確信めいた予感すら持っていた。
だからこそ、転生してテレビから聞こえてきた外国語が勝手に日本語に頭の中で翻訳され理解できると自覚した時は歓喜した。神様ありがと〜!と毎日踊っていたぐらいだ。会ったこと無いけど。
しかしタダより高いものはない、という言葉もある。その言葉の通り、神様の尺度的には人間もその他動物も大差無いのか、生まれ変わってしばらくしてから“発声器官を持つ生き物全ての言葉”が理解できると自覚したあの時、僕の神様への感謝は少なくなった。
想像してみてほしい。道で猫が「ニャー」とか「ゴロゴロ」とか鳴いてると思ったら、頭の中で「ニャー〈ねえねえ〉」「ゴロゴロ〈エサちょーだい〉」と勝手に翻訳される。カラスが「カァッカァッ」と鳴いているなら「カァッカァッ〈侵入者!侵入者!〉」なんて聞こえてくる。当時の混乱を今でも鮮明に思いだす。
生まれ変わって1年程度でそのような動物とコミュニケーションを行う方法を身につけ、混乱することが無くなったから良かったものの、両親から見ればまだ1歳の息子がしきりに一語文で動物に話しかけている不思議くんだっただろう。あの頃はご迷惑をおかけしました。またお礼をしなければ。
—Ladies and gentlemen, we'll shortly be landing at Tokyo Haneda Airport.
〈皆さま、まもなく東京の羽田空港に着陸いたします。〉
:
:
—The local time in Tokyo is 7:55PM, and the temperature is approximately 27 degrees Celsius.
〈東京の現地時刻は午後7時55分、気温は約26度です。〉
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—We hope you've had a pleasant journey, and we wish you a wonderful stay in Japan.
—Thank you, and welcome to Tokyo.
〈日本での滞在が素晴らしいものとなりますよう、乗務員一同心よりお祈り申し上げます。ようこそ、東京へ。〉
***
改めまして、多少の誤差はあるものの前世と大体同じ世界,時代に産まれ変わった男、名前を小路英司と申します。
特典の自動翻訳以外で前世と今世の最大の違いと言えば、勉強に関してが挙げられるだろう。自動翻訳やら前世貯金,あと社会人になってから気づいた勉強をすることへの理解のおかげで明らかに前世よりも成績が良くなった。いくら勉強と言えども、最初からサクサク解くことが出来ればちょっと頭を使う遊びとさほど変わらない。そうやって日々楽しみながら過ごしていた結果、色々とあって海外の高校に当たるボーディングスクールに留学することになったが、先日卒業して現在は日本に帰る飛行機に乗っていた。
『Are your folks picking you up at the airport?』
〈家族は空港に迎えに来てるのかい?〉
『Yeah, my little sister's coming too - she's popping by after school.』
〈はい、妹も学校帰りに合流して来てくれるそうです〉
『Nice one. You've been banging on about her the whole flight - you really adore her, don't you?』
〈それは良いね。君はこのフライト中ずっと妹のことばっかり話してたもんな。ほんとに好きなんだね?〉
『Totally! I love her to bits - she means the world to me.』
〈もちろんです!大好きですよ、僕にとって世界一大事な人です〉
この通り今となっては外国語を使っての会話は日常的なモノとなっている。まぁ動物に話しかけるよりも余程気が楽だからね。
ちなみにこちらのイギリス紳士は自分が仲良くさせて貰っている人の友人さん。イギリスから日本までの長いフライトの間交流して欲しいと頼まれ引き受けた結果、その代わりにと飛行機代を全て出して貰えた。…のだが、チケット座席が1番上のクラスだったため非常に戦々恐々とした気分で飛行機の時間を過ごしていた。あれに慣れたらエコノミークラス乗れなくなっちゃいそう…。
割と仲良くなれた(気がする)友人さんと共に飛行機を降り、長い列に待つことも無く入国審査やら税関検査やらを潜り抜けた。
『Well, I guess this is where we say goodbye. I'd love to say hello to your family, but… they don't speak English, do they?』
〈ここでお別れかな。君のご家族にご挨拶したいところだけど…英語は話せないんだっけ?〉
『That's right. Though to be fair, I'm probably the one who talks too much - in far too many languages. Want me to interpret?』
〈そうですね、まあ、僕が
『…Tempting offer, but I'd better not. I might end up pitching you to join our company on the spot.』
〈…魅力的な提案だが、やめておくよ。多分君をうちの会社にスカウトしたくなってしまいそうだからね〉
『Haha, well, if there's ever a chance - I'll be waiting for the offer.』
〈ハハッ、それならぜひ、機会があればよろしくお願いします〉
『You've got it. And once again - congratulations on graduating from boarding school.』
〈もちろんだ。そして改めて、ボーディングスクール卒業、おめでとう〉
『Thank you very much. And you, sir - enjoy Japan!』
〈ありがとうございます。ミスターも、日本を楽しんで!〉
友人さんと固い握手を交わしてからお互い違う出口に向かって歩いて行く。
僕が出口に向かって歩いて行くと、家族3人も全員僕に気づいたようだ。母親は私服だが、会社帰りの父親はスーツである。学校終わりの妹は着替えたのか私服である。
少し駆け足になりながら家族の元へ。そして満面の笑みを受かべて────
「あやちゃんただいま~~~~~~!!!!!!!」
「なんでいつも抱き着いてくるのよ!!!!!!!」
───妹の綾ちゃんに抱き着きながら帰国の挨拶をした。
本日小路綾ちゃん生誕祭2025ですね、めでたい
もしかしなくても2025年になって新しいきんモザ二次小説書いてるのってすごい変な人なのでは?と思ったが冷静にはならずに書きたいものを書こうの精神
あと次回から日本語以外の言語も必要なとき以外は原則日本語のみの描写とします。確認の時間そこそこかかっちゃうので…。