2017年4月3日
ロデニウス大陸 ロウリア王国 ジンハーク近郊
「たいちょー!見つかりましたー!」
「そうかでかした!持ってきた台車に載せるぞ!」
1時間後
ハーク城 王前会議
「それでは只今より王前会議を始めます。」
昨日侵入した謎の鉄の鳥。王国最精鋭のワイバーンが要撃に当たるも相手方は非常に早く失敗。王都駐在の防空隊(ボウガンを使用)とヤミレイ麾下王宮魔導隊が対空戦闘を実施するもこれも失敗。その後原因不明によりかの機体は墜落した。この事件はロウリア王国の軍事的に圧力を加えられた形となった。
「まずは大王様からです、、、」
「、、、このたびの出来事、何が原因か?」
怒りを露わにする大王ハーク・ロウリア34世。周辺諸国に軍事的圧力をかけて侵攻間近というこの時期にこのような出来事があるのは彼にとって何よりも許せなかった。
「はっ!まず、昨日王都の防空圏で哨戒中のワイバーンが謎の鉄の鳥を発見。王都の飛行隊で迎撃を試みるも速度差により失敗、地上部隊での迎撃も該当機はワイバーンを追いつけないほどの速さであり失敗。その後原因不明ですが該当機が墜落。今に至ります、、、」
王国軍防衛騎士団将軍のパタジンの顔が青くなっていく。もし責任問題となればそれは彼の責任となるからだ。
「、、、ワイバーンを持ってしても追いつけないとは、、、」
空の兵器であるワイバーンは文明圏外国にとってみれば画期的であったし極めて強力な物であった。それを持ってしても追いつけないというのは彼らにとって衝撃的であった。
「残骸を持ってきましたー!」
「私は神聖ミリシアル帝国に行ったことがあるのですがあのような物を見たことがあります。ムーの航空機にはプロペラという翼があるのですがこれには無いようですし、、、神聖ミリシアル帝国が関わっているのではないでしょうか?」
「だが何故ミリシアルが関わってくるんだ⁉︎」
「ミリシアルは我が国を占領しようとしているのか⁉︎」
こうして王前会議の出席メンバーは言い争いとなる。だがしばし経ち
「うるさぁい!」
ロウリア34世が叫び部屋が静まりかえる。
「ミリシアルだろうがなんだろうがここで考えても仕方ないであろう。確かに状況的にミリシアルだろうがそれならそれで外交ルートで何か言ってくるだろう?冷静にならんとわかることもわからなくなるぞ!」
ド正論を突きつけられ再度沈黙が訪れる
「我が国にはミリシアルの大使館はない、、、だがパーパルディアにはあるだろう?我が国のパーパルディア大使館に連絡し状況を確認するのだ。話はそこからだ。」
「今日はもう良い。皆一度冷静に考えるのだ。外務卿、連絡は頼んだぞ。」
こうしてロウリアは状況把握に動いた。一方エメリアでは、、、
グレースメリア 首相官邸
「、、、状況を説明しろ。」
エメリアでは大混乱となっていた。哨戒機の墜落が起きた事はまだしも、それが他国の領域の可能性が高いという事が問題視されていた。ただでさえ他国領域上での偵察行為が問題視されていたのに墜落となると非難は避けられない。既に未確認情報としてメディアで報道されており報道規制も意味が無い。
「はい。まず一昨日、我が国も属するアネア大陸が転移。その後状況把握の為哨戒機を飛ばしました。そして昨日、陸の発見を受け上空での調査を命令、続いて別の機も発見し両方共調査に入りました。しかし、、、」
一言おき、国防大臣が話す。
「先に突入した機が攻撃回避の連絡後、バードストライクによりエンジンがやられて墜落。もう片方は急ぎで引き返させました。該当機は墜落時救難信号を発信しており、搭乗員が無線機と発信機を持って移動している事が確認されています。」
「首相!だから私は反対したんですよ!こんな事が起きるならもっと考えてから行動すればよかったんだ。」
昨日の閣議で声高に反対していた労務省の大臣がここぞとばかりに責め立てる。国防大臣は民間出身の彼の言う事を素人として内心バカにしていた。だが彼が言っている事は結果として正しいものとなった以上、国防大臣はどうとも言えない。
「まぁ待て、昨日も言ったと思うが我が国には何より資源が必要なんだ。その確保の為に動いたんだ、墜落は確かに最悪な事だが起こった事は仕方ないだろ?」
首相に宥められ引き下がる労務大臣。首相が国防大臣に問う。
「国防大臣、この事態をどう解決するつもりかは決まったかね?」
「国防省では特殊部隊もしくは海兵隊を派遣して搭乗員を保護、また海兵隊による護衛の元、首都と思われるところに外交官を派遣、事態を説明し誠心誠意謝罪を行う事で対応する予定です。」
「わかった。皆はどう思うか?」
殆どの大臣がざわつく中外務大臣が手をあげる。首相の許可を得て話し始める。
「国防大臣に聞きます。哨戒機墜落により相手国の心証を損ねた可能性があります。そこでなのですが、救出作戦に参加する兵器の安全性について問いたいです。」
国防大臣が答える。
「そもそもの話、墜落の原因はバードストライクであり機体不備では無いとわかっています。ですが鳥が多い事が予想されるので作戦には航空機は万が一を除き使用しない方針です。」
「、、、分かりました。私は国防大臣の意見に賛成します。」
外務大臣が国防大臣の支持に回った事で、労務大臣含む他の大臣も認めた。
「、、、全員いいな?それなら国防大臣、早急に計画を練ってくれ。外務省も派遣する人員を選出するように。いいか?現場で困ってる搭乗員の事を最優先に考えろ。」
元陸軍の軍人だった首相は嫌な予感がしつつも救出作戦の実施を指示した。
結果、強襲揚陸艦1隻と駆逐艦4隻にイージス艦1隻、随伴する補給艦1隻の計7隻の艦隊と320名からなる海兵隊の派遣が決まった。
4月7日 ケセド島 海軍基地
墜落した機の搭乗員を救出する為の艦隊が編成された。何があるかはわからんがなんとかなるだろう。万が一の事態に対応できるように既に哨戒任務で出ていた艦隊も付近にいる事になっている。
ちなみに南洋艦隊も別の国の外交交渉に出るらしい、あちらの方が簡単だろうからこっちの方に来た外交官は貧乏クジを引かされたな。
、、、この国の未来はどのようになるのだろうか。
「ちゅうじょうー、早く乗艦してくださーい!」
時間のようだ。行ってくるぜ。
洋上を灰色の塊が突き進む。それはまさに圧巻であった。対潜警戒に当たるUH-9が艦隊付近を飛び回り、艦上の乗組員は緊張感に包まれながら作業した。これから何があるかは分からない。今は、アイツらの無事を願い、そして救う事を考えるしかできなかった。
駆逐艦ホーテンシア 艦橋監視員
一方、エメリアから救出艦隊が出た頃にロウリアでは最悪な方向で事態が進んでいた。