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王都北の港、西におよそ8km
「、、、全車揚陸完了!」
砂浜に上陸したLCACからIFVとAPC改造の自走対空砲が降ろされる。この合計8両の車両は上陸させる中で最も火力がある。IFVは40mm機関砲にATGMを、自走対空砲は20mmガトリング砲を主兵装として積んでおり外交官護衛の為とはいえ過剰な戦力であった。 特にロウリアにとっては、なおさらに。
万が一に備えて艦隊には巡航ミサイルが搭載されており、陸上部隊を支援する用意もある。
「お、あちらさんも来たか。」
歩兵部隊を満載した、水陸両用車がLCACに遅れて揚陸する。
外交官を乗せて、一路ジンハークへ向かう。
一方その頃
王都北の港
「という訳で、配置を変えて頂きたいのです。」
対亜人戦争の中止に伴う影響は、海軍にも影響していた。既に海軍直掩のワイバーンは再編成する為、王都の飛行場に向かってしまっていたのだが、次に来る要求は何かと思えば水夫を陸軍として再教育するという内容だった。ちなみにエメリアの救援艦隊はこの影響で哨戒が一時中止されていた事が原因だった。
「水夫を歩兵として再編成?海軍がどのような戦術かをわかって言っているんですか?」
海将シャークンが苛立ちを隠さずに言う。ロウリア王国含め、一般的に文明圏外国では大砲が使用されていない。もともと技術力は高くなく、周辺の有力国であるパーパルディア皇国は技術輸出を制限していた。その結果、海軍では源平時代の様な白兵戦が未だ続いていた。バリスタや火矢は確かにあるが大量の船舶の前では焼け石に水状態。投石機は唯一1発で相手型を沈められるが命中率と速射性に欠けており、何より場所を広く取る。4400隻の船舶を持つロウリアでも220隻、、、海軍全体の僅か5%にすぎない。隣のクワトイネはそもそも海上での実用化が出来てない。
つまり、水夫を減らすという事はそのまま海軍の戦力を弱体化させる事に等しいのだ。
「もちろん分かった上です。」
「大王様の命令ですか?随分と海軍には疎いようですね、34世は。」
シャークンが国王をあからさまに侮辱する。本来なら牢獄行きだが、シャークンは海軍を戦力として使えるようにした英雄であるので問題にはならない。
「その通りです。大王様からは『今は耐えてほしい』と。」
「、、、分かりました。辞令を出しておきます。」
いつまで耐えればいいのか、耐えて何になるのか、色々込み上がって来る気持ちを抑えてなんとか受け入れる。海軍は変革の煽りの被害を直に受ける事となった。
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「もうそろそろか。」
北の海岸から揚陸して1日。道が道と言えるようなものでは無かったので想定よりかなり遅くなったが、流石に1日も経てばかなり近づく。
「そろそろ国旗を掲げよう。」
自身の所属を明らかにする為、青と白を基調としたエメリアの国旗を掲げる。あくまで目的は外交交渉。戦闘が主目的ではない。
「マリアさん、そろそろ降車の準備をお願いします。」
「えぇ、分かったわ。」
外交官の女性に司令官が話しかける。短波無線で各車両にも共有し、護衛する部隊も降車準備を整える。
「、、、全車停止。すみませんがここからは歩いて貰います。」
装甲車隊は威圧することを避ける為森の中で停止する。外交官と護衛部隊は馬鹿でかい国旗を掲げながらジンハークに近づく。
ロウリア王国 首都ジンハーク 第1城壁第24監視塔
第1城壁はジンハークにある城壁の内の一つである。ジンハークはなだらかな丘の頂上に計画的に整備された町である。町を取り囲む様な3重の壁があり、それぞれの壁の内側に町が発達している。その中でも第1城壁は武装が整っている。最前列にはバリスタが大量に置かれており、監視塔や城壁の裏には投石機が装填済みの状態で置かれている。壁は分厚くなっており弓兵隊を効率的に運用する事が可能となっている。
「あー昼の監視は暇だな、何も変わりやしねぇ。」
監視員のマルパネウスが呟く。ロウリア王国は絶賛軍拡中、まともな資源も無いので列強国が支配するメリットは薄く、ジンハークへ軍隊が来る事は基本的にあり得ない事だった。
「そろそろ交代k、、、うん?なんだあれ?」
何かを見つけた彼は備え付けの望遠鏡を覗く
「うん、、、?人、、、?国旗の様なものも掲げてる、、、?何だあの集団?」
謎の集団を不審に思う彼は魔信で上層部に報告する。
『国旗のようなものを掲げた謎の集団がいる。至急指示を乞う。』
エメリア視点
「はぁ、、、」
ため息を吐く女性。彼女は(不運にも)哨戒機が落ちた国に外交交渉に向かう事となり、貧乏クジを引く事となった。帰還後に出世は約束されているが、、、正直何があるかわからない以上釣り合う事は絶対にない。
「なんで私がこんな目に、、、」
護衛が居るとはいえ、自分自身は無防備なので死ぬリスクは十分ある。ずっと絶望感に苛まれていたが、どうしようもないと踏ん切りをつけて城門まで行く。
ジンハーク第1城壁 第7城門
ロウリア王国王都防衛隊ははっきりいって仕事などないに等しい。敵が来る事などないからだ。
しかし例外が2つだけある。1つはワイバーン部隊、もう1つは城門兵だ。ジンハークはロデニウス大陸で最も栄えている都市。中途半端な第3文明圏の都市より栄えているし広大な敷地がある。当然、連日商人やら荷物運びやらが行き交うので、城門にて荷物を確認しなければ危険物が王都に入り込み、行方を探すのが極めて難しくなる。なので、監視塔などが暇を持て余してるのに対し、城門兵は基本的にいつも仕事に追われている。
「、、、はい。いいですよ。次の方ー」
基本的に危険物を持ち込む人間はいないが念には念を押してくまなく荷物を見る。
ピピピッ!「はい第7城門、、、はい、、、はい、、、了解しました。」
何が来たかと思えばデカい旗を掲げている謎の集団がいるとのこと。この間の爆発(哨戒機墜落の事)といい、何が起きてるんだか。
「、、、はい、、、すみません、字が読めないのですが、、、」
「え?」
エメリア側は救出された搭乗員の証言より、言語が通じるのは分かったので予め用意した資料を見せたのだが、、、言葉は通じても字が通じないのは想定してなかった。
「わかりました、、、では口頭で。我々はエメリア共和国から来たものです。国交を樹立したくこちらに来たのですが、、、」
城門兵は女性の外交官?と疑問を持ちつつ王城へ連絡。許可が出た為、入都を許可した(ちなみに護衛は武器持ちが2人のみ許された。)
ハーク城
「マオスよ、相談事とは何かね?」
「国王陛下、、、実は今エメリアという国から国交樹立の使者が来たのですが、、、」
「外交使節か?エメリアという国は聞いた事が無いが、、、まぁ外交は其方に任せておるだろう?何故ワシに相談するのだ?」
「、、、そのエメリアという国は非常に発展してるそうで、、、身なりが非常に整っておるらしく、、、何よりワイバーンを見て『神話みたいだ』だの『我が国の鉄竜(本当は航空機といったがそのように自動翻訳された)』だの言ったらしく、、、」
「、、、つまりワシの弟を殺したのは奴等だと?」
「その可能性が高いです、、、」
ロウリア王は少し考えこう言う。
「例の鉄竜の存在について探りを入れよ、もし奴等の鉄竜ならば、、、」
一言おいて続ける
「奴等に宣戦を布告し、攻撃せよ。」
架空の兵器名、どこから取るかクソ悩む どの神話から取ろうか、、、