MISSION LOG
アリス武器を求めてエンジニア部へやって来た一行。
彼女は巨大レールガン「光の剣」を選ぶが、エンジニア部は彼女が「光の剣」にふさわしい人物かを試す。
『全機出動。戦闘シーケンスに突入。各自、対象を排除せよ。』
モモイ「何かすごい物騒なこと言ってる!?」
スネーク「指揮を始める。全員、前進!」
オタコン「どうしてこうなったんだ…?」
そこに現れたドローンの群れが、前進を阻む。
ミドリ「ぐぅぅ、すっごい邪魔!」
スネーク「相手は質より量に偏った重装甲ドローン…モモイ、
モモイ「りょうかーい!」
スネーク「処分する予定らしいからな。遠慮せず壊せ。」
第二波、スイーパー達がトコトコと歩いてくる。
ミドリ「っ!先生!」
ミドリはスネーク目掛けて走ってくるスイーパーを、先駆けて倒した。
スネーク「また助けられたな!」
ミドリ「……」
満更でもなさそうな顔で、ミドリがにやける。
ミドリ「……えへへ…」ニマニマ
スネーク「ミドリ!前!」
ミドリ「あっ───!?」
ズヒュゥゥゥン!!!
アリス「ミドリ、無事ですか!?」
ミドリ「あ、アリスちゃん…ありがとう。」
スネーク「褒められて嬉しいかもしれないが、今はあまり浮かれるな。」
ミドリ「…」カァァァァァァァァァ…
モモイ「何してんのミドリ?進むよ!」
スネーク「全員前進してくれ。」
モモミドアリス「「「了解!!」」」
ウタハ「…中々やるね。待たせたけれど、『アレ』を出してくれないかい?ヒビキ。」
オタコン「…『アレ』って?」
ヒビキ「了解、部長。えーっと、ハル先生?こっちに着いてきて。」
ヒビキ「もうあとは出すだけなんだけどね…」
オタコン「……これって!?」
ヒビキ「行ってらっしゃい、
アリス「目標を確認……3体です!」
ミドリ「あ、あれって!?」
モモイ「まさか…まさか!?」
スネーク「
エンジニア部が改修した月光、その名も雷光。それが3機、4人に向かって来ている。
モモイ「あいつって銃弾が効かないんだっけ!?」
ミドリ「…でも待って。今回はアリスちゃんがいるよ。」
アリス「…状況は把握しました。つまり、負けイベントの高耐久モンスターですね!」
アリス「しかし、このようなモンスターは中盤や終盤で倒せるようになる場合がほとんどです。」
アリス「つまり、アリスがパーティに加入した今なら…」
アリス「倒せますっ!」
スネーク「アリス!」
『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎!!!!』
月光は止まることを知らず、アリスに狙いを定め突撃してくる。
スネーク「モモイ、ミドリ、下がれ!」
モモイ「でも!」
スネーク「残りの2体の相手をする。俺の指示に従って攻撃しろ。」
モモイ「オッケー!指示出して!」
アリス「ふっ!」
『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎!!』
アリスは光の剣で月光の脚を殴りつけ、体制を崩す。そこに蹴りを入れ、完全に横転させた。
小型のレドームをグルグルと回しながら、機銃でアリスを追尾する。
しかしそれらを『光の剣』の頑丈な銃身で弾き、アリスは横たわる月光の上に乗る。
『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎!』
『⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎!⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎⬛︎!』
アリス「!?」
予想外の増援にアリスが驚きながら、即座に銃口の向きを変える。
アリス「3対1…!」
スネーク「モモイ!今だ!」
モモイ「よしっ!」
モモイがライフルを掃射し、月光のセンサー類を必死に撹乱する。
本来ならばこれぐらいのことで月光のセンサーは妨害されないが、モモイはEXスキルで攻撃しているのである。
神秘を含んだ攻撃ともなれば、勝手は変わる。
プスン。
音がしてから少しの時間を置いて、月光が崩れ落ちる。
崩れ落ちた月光の先に見えるのは、モモイと、麻酔銃を手に持ったスネーク。
月光の脚が生体部品であるために麻酔が有効、という性質を利用し、一時的に月光を無力化した。
アリス「援護ありがとうございました!では行きます!」
一方……
オタコン「……本当に、あれで良かったのかい?今更言っても遅いけど。」
ウタハ「ああ。ここまで想定済みだよ。」
ウタハ「……先生、先生は生徒が怪我することを懸念してるのかな?」
オタコン「……うん。」
ウタハ「キヴォトスにはキヴォトスのやり方があるんだ。しかもアリスの強さを考慮して、この方法を取ったんだよ?」
ウタハ「アリスの怪力は、先生も見たよね。あれなら、雷光ちゃんたちに踏みつけられても押し返すくらいはできる。」
オタコン「……」
オタコンは何も言い返せなかった。自分の価値観を押し付けて一方的に相手を推し量るのは間違っていると考えているが、それにしてもむず痒い気持ちになってしまう。
暴力的なことを嫌い、相手を尊重する優しさを持つ彼は、生徒たちを怒ったり、自分の価値観通りに是正するようなことはしない。
それはスネークも同じだった。
そして、アリスたちは……
アリス「モモイ、避けてください!」
モモイ「避けるって───うわぁ!?」
アリスが月光を壁に打ちつけ、光の剣のチャージを始めた。
アリス「光よ──────!!」
……轟音と共に、月光は装甲部が消し飛んで倒れた。
倒れたというより、ボディが「崩壊した」と言う方が正しいかもしれない。
同時に、光の剣が音を立てながら勢いよく排熱する。
まさしく必殺技といったように、攻撃した後の姿まで勇ましい。
しかしまだもう一体いる。
だが冷静に、アリスは走ってくるもう一体の月光を待ち構えた。
待つ。
……まだ待つ。
タイミングを見切り、光の剣で殴りつけて思い切りカウンターを決めた。
月光が宙を舞い、アリスがそれを追うように飛び乗る。
泥臭いが、荒々しい訳ではない。
アリスも光の剣もビクともせず、アリスは月光に飛び乗った途端に銃口を突き付けて発砲した。
アリス「光よ─────!!!」
この月光も為す術なく、股関節が消し飛んで断裂した。
アリス「パンパカパーン!!戦闘終了です!」
スネーク「…………」
圧倒的な蹂躙を目にして、絶句するスネーク。
ウタハ「素晴らしい。」
コトリ「く、悔しい……ロボットも総動員したのに……ですが、結果は結果です!」
コトリ「アリス、その『光の剣』は改めて、あなたの物です!」
アリス「わ……わぁ……っ!!」
コトリ「……とその前に…」
アリス「?」
コトリ「点検だけさせてください。多分、大丈夫だとは思いますが……打撃武器として使われると思っていなかったので。」
ヒビキ「こっち点検と取っ手の補強をしよう。アリス、使い方ももう少し教えてあげる。まずあれは射撃のスタイルも変えられて───」
スネーク「おいウタハ。あの兵器はどこで手に入れた?」
ウタハ「え?あれは廃墟近くで拾ったんだ。比較的状態も良かったし、相当汎用性の高い子だったからね。」
スネーク「……」
スネーク「……あれを制御できていたのか?」
ウタハ「うん。あれのOSはヴェリタスに頼んで書き換えてもらったんだ。だからあれはもう『ミレニアムの拠点防御用二足歩行機動兵器』だったんだけど……」
ウタハ「セミナーから廃棄命令が出ちゃったからね。『そんな得体の知れないものを改造するな』って。安全なのに…」
スネーク「……ならいいんだ、悪かった。」
ウタハ「……?」
オタコン「ああ、後で説明するよ、ウタハ。」
ウタハは、話終えるなり考え込んだ。
最低でも1トン以上とされる握力、
発射時にもブレないうえに『光の剣』を振り回しても、雷光ちゃんに振り回されてもブレない安定した体幹バランス、
雷光ちゃんの突進のタイミングを見切ってカウンターを仕掛けられるほどの動体視力、
強度や出力はもちろん、肌全体に傷すら見当たらない綺麗な肉体………正しくは機体?
敵や味方の行動パターンを予測し、ノールックで味方に回避を指示したり戦闘スタイルを変更できる学習能力……
つまり、最初から過酷な環境下での活動を想定し、ナノマシンによって「自己修復」することを前提として作られた身体……
その目的は、きっと…………
『戦闘』。
スネークにも感じていたことがあった。
あのファイトスタイルは、まるで
そしてそれは、明らかに相手を『殺しにかかっている』ということ。
つまり、戦闘用に作られたということ?
ウタハ「アリス、君は……?」
スネーク「アリス、お前はいったい……!?」
アリスの強さは盛りすぎました。
アリスの月光退治をカッコよく書きたくて……!
次回はユウカの資格審査を省略し、廃墟へ向かいます。