MISSION LOG
『鏡』の奪還という点で目的が一致したヴェリタスと
数日前 ミレニアム校舎内 某所
アカネ「まさか……ゲーム開発部が、
ユウカ「ええ。そのまさかよ。」
アカネ「あんなに純粋で可愛らしいのに…」
ユウカ「見かけによらず武闘派なところもあるの。まあ、メイド部なら問題ないでしょうけど………」
ユウカ「でも、今回はヴェリタスも絡んでる。後方支援は主な役回りでしょうけど、厄介なことは変わりない。」
アカネ「あのハッカー集団ですか。その手腕については常日頃聞いています。」
ユウカ「まあ、『彼女たちが狙うであろうモノ』は『差差押品保管所』にあるわけで、そこさえ守れば問題はないはずよ。それじゃ、頼むわよ。」
アカネ「……その前に、問題が二つほど。」
ユウカ「内容は?」
アカネ「ひとつは現在、部長であるネル先輩がいないことです。」
ユウカ「えぇっ!?どうしたのよ!?」
アカネ「『自治区外での個人的な用事……としか。』」
アカネ「ですが、『守ること』については私たちの方が適しています。ご安心を。」
アカネ「そして二つ目ですが……」
ユウカ「……」
アカネ「このごろ、シャーレの先生の動向が怪しく思えます。ゲーム開発部やエンジニア部にかなりの頻度で出入りしているようなので……」
ユウカ「それのついては、ある程度知っているわ。」
アカネ「そうなのですか?」
ユウカ「ええ。
ユウカ「的確な戦闘指揮に加え、本人の銃の扱いの上手さ。それも治安維持組織のレベルよ。」
アカネ「それほどですか……」
ユウカ「それとエメリッヒ先生もね。彼も最近エンジニア部に出入りしているの。本人曰く『ロボット工学とプログラムの専門家』ということだから、そこもね。」
アカネ「一つだけ質問が。」
ユウカ「何かしら?」
アカネ「あなたはゲーム開発部たちの襲撃を、どのように知ったのですか?まさかヴェリタス以上の情報強者が?」
ユウカ「ある人から、極めて信ぴょう性の高いタレコミがあったのよ。」
ユウカ「ヴェリタスの、ヒマリ部長から。」
アカネ「……なるほど。」
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現在 ミレニアム 第2オペレーションルーム
制御AI『侵入者、エレベーターの扉を爆破!こちらへ突っ込んで来ます!』
AI『消火システム起動!』
ユウカ「隔離シャッターは!?」
AI『間に合いません!』
ガンッ!ガンッ!
C4の爆発にも耐えうる鉄製の扉が、じわじわと形を歪めていく。
ユウカ「扉を叩いてるの!?」
ズドンッ、ズドンッ、ドカァァン!
殴打の次は、何かしらの爆発物を複数利用した扉の爆破。
変形して脆くなった部分を、重点的に攻撃したのだろうか。
しかしその中心に居た場合、負傷は免れない。
そこにいたのはアリスだった。
アリス「うぐ……うぅ……クエスト失敗……ですっ。」
アカネ「侵入者、確保しました。……あら、この子は。」
ユウカ「よりによってアリスちゃんね。可愛いけど油断しないで。さっきの攻撃全部、この子がやったのよ?」
アカネ「ええ、油断なんてしませんとも。」
アカネ「……この子にメイド服は似合うと思うのですが……どう思いますか?」
ユウカ「却下。仮にも
アカネ「……どうしましょう?」
ユウカ「怪我の具合を確認して、必要なら手当てする。その後は反省部屋に閉じ込めておくわ。」
ユウカ「よりにもよって、強行突破でここまで来るなんて……」
ユウカ「幸い、負傷者も出ず、被害は扉のみだけど……はあ、また扉を取り替えなくちゃ。」
アカネ「それも、扉周りのロック装置も取り替えが必要そうですよ?」
ユウカ「……エンジニア部に発注をおねが……いや待って。」
ユウカ「アリスちゃんのこの武器、エンジニア部で作られた物よ。この前の視察で見たのを覚えてる。」
こんなに大きい、武器と形容するのも難しい物だ。ユウカも鮮明に覚えているのは不思議ではない。
アカネ「……罠がある可能性も、捨てきれないと?」
ユウカ「仮にエンジニア部が関与していなくても、武器を提供した責任があるわ。警戒する必要があるわね。」
ユウカ「話を戻すけど、今回のセキュリティ取替は外部に発注しましょう。強力な物を、早急に。」
AI『発注いたしました。作業開始まで8時間ほどお待ちください。』
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モモイ「アリスが捕まっちゃった……」
ユズ「落ち着いて。ここまでは計画通りだし、『潜入』も上手くいってるよ。」
ミドリ「エメリッヒ先生……お願いします……!」
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オタコン「……そろそろかな。」
オタコンは
オタコン「……まさか、光の剣と合体するなんてね。」
脚を開き、辺りを見渡す。ハレから聞いた『棟の最上階にあるセクション』の一つ、武器保管所のようだ。
部屋はだいたい12畳ほど。壁際や中央に置かれたさまざまな大きさのロッカーには、種類別で銃が置かれているらしい。
オタコン「(こっちがライフル……こっちがその他……いったいどれだけあるんだ?)」
しばらく進むと、分厚そうな扉が見えた。
『WEAPONS 05』
ここは第5保管所らしい。
………そろそろ連絡をしよう、とオタコンがCALLする。
マキ「オタコン先生?無事うまくいったかな?」
オタコン「ああ、大成功さ。」
マキ「そこは第5保管所だよ。扉は空けられそう?」
オタコン「……ロックが掛かってるな。でも大丈夫、君たちが作ってくれた
オタコンがマニピュレーターを使い、器用に壁際の踏み台や箱をよじ登っていく。
マキ「そういえば、さっきミドが『先生を使うみたいで悪い気がする』って言ってて……」
オタコン「ミドリとみんなの考えた作戦なんだ、それに従うのは当然さ。」
オタコンが
マキ「…人たらしだなぁ。」
オタコン「何か言ったかい?」
マキ「いや、何も?」
オタコン「さて、マキ。君らの本領発揮だ。」
扉の操作パネルには、側面に複数のコード挿入口がある。
そこへマニピュレーターを挿し込み、用意していたプログラムを流し込む。
パネルの液晶が不自然に点滅し、エラーを吐く。また点滅し、エラーを吐く。オタコンはうっすらとサニーのことを思い出しながら、次々流れていくコードをチェックしていくのだった。
『ロックを解除します。』
マキ「お、上手くいったかな?」
オタコン「大成功。それじゃ、一旦切るよ。」
・メタルギアmk4 (とオタコン)
オタコンが意識のみで活動するために、エンジニア部が真心を込めて制作したロボット。
性能に関しては第3話を参照。
データベースにはオタコンの意識がOSとして常駐しており、ジェネリックアロナのような状態になっている。
が、『シッテムの箱』でいう教室のような場所は存在しない。
また、オタコンは個人的にロボットフィギュアを購入してシャーレに飾っているが、スネーク(多数の映画を購入)共々ユウカに叱られている。