BlueArchive SOLID   作:Roon

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MISSION LOG

ついにセミナー棟最上階に到着したスネーク、モモイ、ミドリ。ステルスを徹底するものの、C&Cのスナイパー・カリンに位置がバレてしまった。
応戦し突破するものの、運悪くC&Cのナンバー2であるアスナに遭遇してしまう。



潜入任務(スニーキングミッション):『鏡』奪還③

 

ユウカの指示により、廃棄を待つだけだったロボットたちが全機動員された。

新型旧型入り乱れる軍勢が、わらわらと倉庫から動き出す。

 

その間にもスネーク達はアスナに追い詰められていた。

 

「何、あれ……デタラメに強い。」

「なんでスモークが効かないの……?」

 

「ふーん……」

 

アスナが二人の分析を始める。彼女は直感に対しての迅速な対応といい、思考の速さについてはC&Cイチである。

彼女が注目したのはモモイ、ミドリのチームワークだ。どちらかが指示を出すのではなく、自発的に()つ互いが互いに合わせるように動いている。

一方が露払いをすれば、もう一方が本命を重点的に攻撃する。また一方が攻撃されれば、もう一方がその攻撃を防ぐように割り込んで援護する。

二人で一人のような動きは的が絞りにくく、厄介。

 

「これも双子のパワーってやつなのかな?」

 

そんな分析をしていると、アスナには見慣れた物が飛んでくる。閃光弾(フラッシュ)だ。

隙ありとばかりに、モモイとミドリも挟撃する。

 

アスナはそれが視界に入った瞬間に飛び退くと今度はスネークの方へ飛び込んでいった。

 

「ッ!?」

「あはは、先生って結構華奢なんだね。しかも私のこと撃てないんでしょ?」

 

アスナはスネークの上に覆い被さるようになり、銃床をスネークの鎖骨あたりに押し付ける。

こうして「先生に攻撃してはマズい」と、モモイとミドリは行動不能になってしまった。

 

「……レディのことは撃ちたくないな、そのうえ俺の立場だ。」

「へー、でももったいないよ?」

「君を顔をこんな間近に見られるんだ、勿体なくはない。」

「へぇー……」

 

スネークは麻酔銃の引き金を引くと、銃口からアスナの右上腕へ一直線に刺さった。

 

「!?」

「「!?」」

「悪いな……アスナ。」

 

アスナは腕が脱力し、銃を落とした。と同時に、後方へ銃を蹴ってから自分も後退した。

 

直後にスネークが起き上がると、ミドリとモモイはスネークを後退させた。が、

 

(バァン!!)

 

 

「この口径……カリン!?」

 

『その通り。私が撃った。』

「!?」

スマホから声がした。

 

『周波数はとっくに割れている。事前に情報が入ってたからな。何回か、傍受させてもらった。』

 

「この短時間で移動したってこと!?……あっ!?さっきのヘリ!」

 

『この声、確か……才羽モモイ?その通りだ、私は今ヘリコプターから狙撃している。』

『私たちの後ろ(バック)にはセミナーがいる。だから移動手段も提供してもらうことが可能だ。』

 

「ってことはウタハ先輩も……」

『みんな、そっちは無事かい!?』

 

ウタハは捕まってしまったらしい。無事を確かめる声には少しづつノイズが入り、通信が切れた。

 

 

「……クソッ。」

 

「先生、みんな、どうかしたの?まさか作戦失敗?」

「……先生、あなたでしたか。」

 

「シャーレの先生ともあろう方が、ここまでやるとは…」

「ユウカ!」

 

ユウカと多数のロボットが広間にやってきた。軽蔑と困惑が混ざったような表情で、ユウカはスネークを睨む。

 

「……ユウカ、私たちは非殺傷を徹底してるよ!」

「それはいいことね、あなたたちが生徒会(セミナー)を襲撃することが前提だけど!!」

 

「……」

 

痛いところを突かれた。

そろそろ彼女たちが本格的に攻撃を始める頃だろうが、それは避けたい。

 

「……いい、二人とも。プランBでいくよ。」

「本気か?保証は無いんだぞ!」

「うぅ、やっぱり怖いよ!」

 

「やけに冷静ね、何か策でもあるって言うの?」

 

「「「……。」」」

三人は両手を上に、ゆっくりと下がる。しかし銃は置かない、キヴォトス流だ。

 

「……降参、かしら?随分あっさりじゃない。」

「違うよっ!」

 

三人が銃を構えると、背後のガラス窓が割れた。また、13.9mm弾である。

と同時に、スネーク、モモイ、ミドリの順に外へ身を投げた。

 

 

「「「「!?!?」」」」

 

最上階から凄い勢いで落ちていく。5m、10m、20m……

 

再びローター音が聞こえた、ピンチか?

違う、今度は援護だ。

 

「スネェェェク!!!」

「みんなぁーー!!!」

「助けに来ましたー!!!」

 

オタコン、ハレ、アリスの声。

2機のヘリを跨ぐように、ネットが張られている。

 

「うわっ……っと、」

「……成功です!」

 

三人はネットの上に着地できた。ヘリが衝撃を殺すよう、瞬時に急降下したこと、キヴォトス人である二人とスネークの身体が頑丈であったおかげだ。

 

「……お前たち、後で説教だ。」

「オタコン、お前も。」

 

「はは……ごめんよ。」

「ところで、ヘリの操縦は誰が?」

「僕とコタマが。ハレは別の機体をハックしてる。」

 

ハレはカリンの乗るヘリを足止めしていた。丁度タワーが遮蔽物となり、こちらに弾が当たらない位置に留めているのだ。

 

「急ですが、報酬としてシャーレの執務室に盗聴器を仕掛けても?」

「断る。見つけ次第処理するからな。」

 

スネークは「窓からヘリで回収する」としか聞いていなかったため、キレていた。

 

 

「そういえば、オタコン先生、デイブ先生をスネークって……」

「……あ、つい。まあデイブのあだ名みたいなものだよ。」

 

「お前たちはその名前で呼ぶなよ。」

「どうして……?」

 

「…あだ名にも色々あるんだよ。それじゃ、このまま最上階まで上がるよ。コタマ、そっちの機体は任せた。」

 

「了解です。とりあえず近くのヘリポートにでも…」

 

「アリス、最上階まで上がったら窓を壊してもらえる?」

「分かりました!」

 

────────────────────

 

 

 

「───着いた、ここだよ!」

 

最上階から侵入した一同。ヘリは自動操縦で適当な場所に下ろし、同時に支援側だったアリスとオタコンも合流した。

扉を開け、保管所に入る。

「急いで見つけて、急いで戻ろう!誰か来る前に!」

「落ち着いてミドリ。棚が崩れそうだから。」

「どこだ……USBは。」

 

「……あったぁ!!」

「でかした、モモイ。よし、後はここから…」

 

アリスの動きが止まった。

そして、目を閉じて屈んだ。

 

「どうかした?アリス。」

「誰か……来ます。」

アリスが目を見開き、空きっぱなしの扉の向こうを凝視する。

 

「1人……小柄な体格のようです。」

「……それなら強行突破した方が早いかもね。」

 

「ちょっと不安だな……よく見てからにしよう。」

 

オタコンがカメラを限界までズームすると、確かに小柄なシルエットが確認できた。

 

 

[CALL]

PUSH SELECT

 

ほぼ同じタイミングでオタコンの元へ着信があった。ハレからだ。オタコンはそれに応答する。

 

「ハレ?一体どうしたの…」

 

「説明してる暇は無い!早くそこから逃げっ、に………て……早k……!」

 

通信は切れてしまった。

 

 

「……みんな、何か来る。備えておいた方がいいよ。」

「え?」

「どういうことですか?それに何かって…」

 

「接近対象の身体情報を基に、生徒名簿を参照……対象を把握。」

 

アリスが言うには、146cmの身長、サブマシンガンを二丁持ち、スカジャンを羽織っているそう。

 

その特徴に適するのはただ一人、メイド部(C&C)部長及びコールサイン00。美甘(みかも)ネルだ。

 

「すぐに隠れてっ!!」

ミドリが叫ぶと同時に、各々が身を隠す場所を探し始める。

 

 

 

スネークは無意識下に考えた。

 

「場の波長に同調し、息を殺す。自分がその場と同化することで、その波長を乱すものが分かる。」

 

これはビッグボスとザ・ボスがつくり上げたスニーキングの基礎だ。

スネークはその言葉通りに()調()する。

 

他の全員も、それとなくこの事を意識しているようだった。

 

 

 

ネルが、部屋へ侵入したのを感じ取る。

彼女は保管所を一(べつ)すると、吐き捨てる。

 

「ふーん、もうめっちゃくちゃだな。」

(カタッ)

 

「ん?」

 

位置からしてモモイだ。動いてしまったらしい。

 

モモイもミドリもアリスもスネークも、ロボットの身体のオタコンまで、彼女の持つ強者のオーラを感じている。

やり過ごしたと思ったのも束の間、ネルはモモイの隠れる机へ近寄る。

バレたら終わる。モモイ、ミドリ、アリスは、死を覚悟した。

 

 

 

「あ、あの……っ!」

 

聞き覚えのある声がした。部屋の入口側からだ。

 

「せ、先輩!大変です!」

ユズだ。引きこもり癖が偶然にも、顔が割れていないというアドバンテージを生み出したのだ。

 

「あんたは?」

「せ……生徒会(セミナー)所属の、ユズキです。」

 

「戦闘ロボットが暴走したせいで今、あちこちがめちゃくちゃなんです!あそこの窓が割れてたりとか……」

「アカネ先輩とカリン先輩が、制圧を試みていますが……アスナ先輩が動けず……」

 

堂々を嘘をつく故の緊張は、よくある「後輩が先輩相手に萎縮する」様子に見える。

 

「なんだよ、暴走か?あれを差し押さえたのなんか随分前だろうに、まだ整備が終わってねぇのか。」

「そうみたいで……じょ、状況的に、助けが必要かと思い……」

「それで、ここにいらっしゃると聞いたので……」

 

「……はぁ、仕方ねぇな。」

「わ、わたしはここの整理をしますっ。そ、その……戦闘は怖くて……経験も、あまり無いですし。」

 

「んなこと、どうでもいいけどさ……」

 

ネルがユズの肩をトン、と軽く叩く。

「覚えときな。戦闘で一番大事なのは、武器でも経験でもねぇ。」

 

「度胸、だ 。」

「その点、あんたに素質が無いとは思わねぇ。」

 

ネルが人差し指をユズの額に当て、改めて『覚えておけ』とサインした。

 

「自分がどう思われてるかくらい、あたしにも分かってる。それに、あんたが結構ビビりなこともまあ分かる。」

 

「それなのに、初対面でこのあたしに声をかけるなんてのは、それなりに度胸がいることだろうからな。」

完全に励ましの言葉だ。ユズは少し、申し訳なくなった。

 

 

「は、はっ、はいっ!ありがとうございますっ!!」

 

「じゃあな、またどっかで会おうぜ。」

ネルは部屋を出ると、廊下の突き当たりへ走り出していった。

 

 

 

 

「ふぇぇ……っ」

膝から崩れ落ちるユズを、スネークはすぐさま受け止めた。

 

「見事だった。」

スネークは素直に褒める。

「ユ〜ズぅ〜〜!!!!」

「すごかったよ、ユズちゃん!おかげで命拾いしたよ!」

 

「いやぁ、まさかネルが来るなんて……ありがとう、ユズ。」

 

「し、死ぬかと……でも、力になれて、良かった……あっ。」

 

 

ユズはスネークに抱えられていたのを思い出したのか、慌てて立ち上がる。

 

「えっと、アリスちゃんが持ってるソレが、例の?」

「はいっ。」

 

「これが人類と世界を救う、私たちの新たな武器。『鏡』です!」

「確かに、ゲームで人類や世界を救うかもな。」

 

「……今は急ごう、先輩たちが戻ってきたらマズい!」

「オタコン、このプランでの退路は?」

 

「確保してある。安全なのをね。」

 

「安全とは言っても、戦闘ロボットがまだまだいる。注意して行こう。」

ユズが弾を再装填(リロード)した。

 

「そうだね、まだ任務は終わってない!」

終わってない、と言われ、ある人物がスネークの脳裏にチラついたが無視した。

 

「目的はあくまで『G.Bible』!早くヴェリタスの部室に行かなきゃ……!」

 

「後方はアリスが担当します!先生、指揮を!」

「了解。ここからも非殺傷、完全ステルスだ。」

 

「「「「はい!!」」」」

 

 

スネーク達は保管所を出た。

 

 

 





こだわってたら文字数が普段の倍になりました。

そしてmgs1のノベライズを読んでたら1週間空きました。
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