MISSION LOG
オタコン用のロボットボディがついに完成し、受け取りにミレニアムを訪れたスネーク。
しかし事故によりスネークは昏倒し、ゲーム開発部が彼を回収したのだった。
「ねぇ...この先生、生きてるんだよね...?」
「脈はあるみたいだけど...うーん...!」
「ねえミドリ、先生が起きそう!
「えぇ...今?」
⋯⋯
私の声が、聞こえますか?───
あなたは、そこにいますか?…世界を救う───
勇者よ。
あなたのことを、ずっと、待っていました。
今こそ、全てを話しましょう。太古、天族と魔族が───
...
「カットカットォ!音止めて!」
耳をつんざくような声。
「あぁ、ダメダメ、ありきたりすぎ!これだと発売と同時にこけそうな感じ!」
「私がユーザーだったら、プロローグでこのテキストが出た瞬間に、『あ、やめよ』ってなってるよ!」
「じゃあお姉ちゃんがやってよ!」
「こうだよこう!お手本聞いてて!」
「……あ、続きから?」
「そうだけど?」
勇者よ、あなたを待っていました。
私は女神『モモリア』。
私たちの世界『ミレニアムランド』は今、過去に類を見ない危機に瀕しています。
この危機を乗り越え、生徒会の廃部命令からゲーム開発部を…………いえ、ミレニアムランドを救えるのは、貴方だけです。
「おい。」
───え?いや、えっ?
「いい加減にしてくれ。」
「俺に何かしたのはお前たちだな?」
スネークは、薄汚れたマットレスの上で聞かされる文言に腹が立っていた。
「う......ごめん、先生。」
「お姉ちゃんがごめんなさい......」
「なんで私だけが悪いみたいになってるのさ!?」
「私は止めたもん!だいたい、お姉ちゃんがプラステを投げようと───」
「プラステの心配ばっかして!先生はなんとか生きてたけど───」
「そろそろ説明が欲しい。」
「?シャーレの先生なら、私たちが送った手紙は読んでないの?送ったでしょ?」
「...手紙か。」
スネークは先日ことを思い出した。
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『スネーク、ミレニアムサイエンススクールから要請だよ。送り主は……』
『私が読みますね!!』
アロナが割り込む。
『送り主はミレニアムのゲーム開発部?みたいです。読んでみますね』
『ゲーム開発部は今、存続の危機に陥ってます。生徒会からの廃部命令により破滅が目前に迫っている今、助けを求められる相手はあなただけです。勇者よ、どうか私たちを助けてください!』
『なるほどぉ...?先生?』
『切羽詰まってるのはよくわかるよ。』
「『勇者』か……そんな器じゃないが」
勇者だの英雄だのという呼びは好みじゃないが、要請は要請だ。
『そうだ、ミレニアムについては知ってるかい?僕も調べてみたんだ。』
『それ言うの私の仕事ですよ......』
『ごめんね、アロナ。で、ミレニアムサイエンススクールのことなんだけど……』
『通称ミレニアム。トリニティやゲヘナと合わせてギヴォトス三大学園って呼ばれる大きな学校らしい。
科学技術が発達していて、技術と合理を重要視しているみたいだよ。是非、一度行ってみたいなぁ……』
『...っと。脱線したね。えっ、まだ話して...アロナ...』
画面の端に追いやられるオタコン。
『ミレニアムで何があったのでしょうか…』
「この報告書が出来次第向かう。ゲームなんかはオタコンの方が詳しいだろうが、俺もできるだけ協力する。」
『だから!それじゃ私の出番がないじゃないですか...』
『まあまあ...いちごミルク買ってあげるから......スネークが。』
「......」
オタコンの図太さに、顔から笑顔が消える。
「今日はバナナミルクの気分です!二本買ってください!プリンも!」
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「……あれか。困ってることは伝わったが。」
「なら話は早いや!あ、自己紹介まだだっけ。」
モモイは自分の隣にミドリを引っ張り、自己紹介を始める。
「私は
「さ、ミドリ?自・己・紹・介・!」
ミドリはモモイを睨んでから自己紹介をした。
「私は才羽ミドリっていいます。ここのイラストやデザイン、ビジュアル全般を担当してます。」
「先生に来ていただけて、嬉しいです。」
「少しいいか。」
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『スネーク!気がついたかい!?』
「ああ。俺は無事に『ゲーム開発部』に着いたらしい。それもダンボールでのお出迎えときた。」
『大変だったみたいだね。…………アロナ、スキャンは終わった?』
無線の相手がアロナに切り替わる。
『ここからは私の出番です!さっき後頭部に強い衝撃がいきましたが、軽い脳震盪で済んだみたいですね。怪我も無いです。まあ無事でしょう!』
『......頑丈ですね!』
「…………」
彼の出生やそれによる特徴について、アロナは知らない。特段、地雷というわけではないが、スネークは久々に己の頑丈さを感じた。
「……切るぞ。」
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「ねー、なんか先生、ずっと無言で立ってない?」
「確かに…忙しいとは聞いてるけど。」
「姿勢、綺麗だね?次のゲームでモーション担当してもらうとかどう?」
「あー……いいかもね。先生くらいの身長って中々いないし。」
「なら次は3Dのゲームがいいな。あそこに置いてあるミニブロックでミニチュアの地形を作っていったりさぁ?」コソコソ
「いいかもそれ。一人称の見え方が分かるもんね。ジャンルはガンアクションとか?」
通話を終えたスネークが見えると、二人は慌てて部室に戻る。
「待たせたな、二人とも。」
「いや??全然?」
『……スネーク、自己紹介がまだじゃない?』
「俺はデイビット。シャーレの顧問だ。デイブとでも呼んでくれ。」
「おっけー、デイブ先生ね。よろしく!」
「よろしく...お願いします。」
「じゃ、さっそく『廃墟』に行こうか!」
「『廃墟』?空き家に何の用だ。」
「『廃墟』っていうのはね、ミレニアムの郊外あたりの場所のことだよ。危ないけど、インスピレーションが湧くんだよね〜。『探し物』もあるし」
「...先生を連れてくの?」
「うん、先生にも見てもらおうよ。あと私たちの引率ってことで。」
「了解。……。」
スネークが部屋の時計を見ると、エンジニア部と約束の時間を三十分も過ぎている。これでは生徒たちに悪い。
「...その前に用事がある。すぐ、戻るからな。」
スネークが部屋を出ようとすると、丁度誰かが部室に入ってくる。
スネークは彼女の太ももに目がいった。
「全員いるかし......えっ!?」
ユウカだ。本日二度目。
最初より更に赤い顔をしている。
「ここに用が?」
「...それについて説明しますね。」
ユウカの声は、いつもより半音高かった。
地形のミニチュアのくだりはMGS1の開発裏の話が元ネタです。