BlueArchive SOLID   作:haaru

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MISSION LOG

アリウスでは、新型メタルギア兵器「アポストロス」の建造が完了。稼働試験の段階に移行した。
トリニティへ送られたスパイであるアズサにも知らされていないこの計画は、ベアトリーチェによって今後の計画の中核に据えられることとなる。





稼働試験

 

 

 

 

アリウス、第一工廠。

 

 

例の兵器の建造はついに終わり、武装の最終調整も間もなく終わる。

 

こ(・)の(・)機(・)体(・)に、難解な駆動系の調整やプログラムは要らない。

最終的には同じように動くのだから。

 

 

大きな関節や接合部ごとに分解されて横たわるその姿は、まるで古代生物の化石だ。

復元に失敗でもしたような印象を受ける、珍妙な継ぎ接ぎだった。

 

それでも、これはあくまで使者(アポストロス)であり嚮導(きょうどう)者ではないのだから、と考えれば納得はできるかもしれない。

 

 

技術者たちは控えめな指示を飛ばしながら、懐中電灯を片手に自分たちも作業に加わる。

 

大小関わらず異常があれば、何人か呼んで手伝わせる。

 

 

 

 

 

「……いよいよ運用試験か。」

 

 

シアーズことソリダスはユイを引き連れ、工廠を後にする。

振り返るユイの銀髪が、風に揺れた。

大きく分割されたアポストロスを様々に運ぶ後輩を背に、ソリダスと彼女は地下へ降りていった。

 

 

ベアトリーチェは彼の計画を信用しているが、彼を信用しているわけではない。

そのため、彼女から見張り役の生徒を数人つけられている。

そんな存在は目の上のタンコブそのものだが、ソリダスは何も言わないことにした。

 

前を行く2人にとって、この地下通路は余裕がある方だった。校舎内は天井が一部歪んでいて、背の高い生徒は少し歩きにくさを感じている。

特にユイは、高い位置で髪を結わえたポニーテールだからというのもあるが。

 

 

彼女は身長だけでなく、整った装備も目を引く。

首から下は黒づくめであるから、白い肌と髪がまるで浮いているように見える。

 

身長を除く体つきでいえば、ミサキが最も近いだろうか。

 

 

地下には打つ雨のような足音と、ソリダスの咳払いが通路に響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

────────────────────

 

 

 

ここはかつて、リナリアという学園があった場所。

 

連邦生徒会によって閉鎖され、廃校こそされたが。

僻地であることも相まって、予算が嵩むことから取り壊しはされなかった。

今では外来種の植物とネズミの楽園である。

 

 

そのテニスコート。ネットやポールなどあるわけないし、芝は剥げ、ひび割れ、苔の深緑で上書きされている。

 

そんな惨状のコートに放たれた技術者。それを銃口で囲む白いジャケットの生徒たち。

 

 

 

 

そうして、湿った土にアポストロスのシルエットが刻まれた。

仰向けの胴に次々戻っていく、鈍く輝く剥き出しの関節がかろうじて繋ぎ止めた手脚。

 

それは人の手で使者となっていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

たった今、十二メートル級が立ち上がって、影が落ちた。

ぼんやりと青白い光を漏らしながら。

 

機体上部には曖昧な半透明の光体が浮かぶ。

 

 

 

 

 

ベアトリーチェの力で古代の聖遺物を取り込ませ、一定時間の命を手に入れた使者(アポストロス)。

 

それはソリダスの意思、思考に対しておおよそ一拍遅れで従い、ゆっくりと確実に踏みしめる。三歩ほど。

 

 

 

「ムッシュ。アポストロス、順調に進んでいます。」

 

 

 

踏みとどまった地点で機体は腰を低く、銃身を突き出す。

 

 

 

 

「ポイント到着、弾頭発射準備!」

 

「レールガン、電力供給を開始します。」

 

 

この兵器の右肩にはレールガンが装備されている。

……とは言っても、えらく簡易的で低出力のものだが。

 

 

「電力は70%から60%に、指向性を高めろ。」

 

「……発射準備完了!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「撃て!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

咆哮のような轟音と共に、眩《まばゆ》い光と衝撃が辺りに伝わっていった。

 

原理こそ投擲に近いレールガンだが、プラズマ化と断熱圧縮による光と爆音は防げない。

 

 

「こちら着弾ポイント、目標の破損を確認。」

 

標的となったのは、アビドス砂漠の廃ビル郡。

 

 

 

 

 

 

 

 

「フフッ…………」

 

 

 

「ッ…ハッハッハハハハハ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

愉悦の滲み出た笑い。

 

彼の笑い声に、周りの生徒は戸惑うか怯えるかの二択だった。

 

 

 

弾頭は迷いのない放物線を描いて着弾し、ビルを上下に割るように貫通して砂地へと下った。

勿論、核などでない通常弾頭だ。それでも充分な威力。

 

 

 

 

アビドス砂漠に配置された生徒は周囲への警戒を強めた。スコープを覗いて、自分を軸に三六〇度グルっと回る。

突撃銃を構える生徒も5人ほど、円形に並ぶ。

 

「異状なし、これより帰還します。」

 

 

 

 

アビドス高校やカイザーPMCに見つかることはなく、攻撃と撤退に成功した。

 

 

 

 

リナリアではレールガンの冷却を進めながら、アポストロスの本体と武装の損傷のフィードバックを進めていた。

 

どこが損傷しているだとか、それがどう影響するかということを逐一叫んでいる生徒たち。

 

「股関節部に異常あり、大腿側部装甲の固定が甘いです。」

「ミサイルポッドの開閉ハッチに歪みあり。うまく開閉できない可能性が。」

 

 

全部位のチェックが終わり、レールガンの冷却も済んだため、アポストロスの解体が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

ソリダスはその様子を眺め、ソリダスが呟く。

 

「…総力を挙げて、シャーレ(イレギュラー)を潰す。」

 

 

「チームI、II。アポストロスの脚部解体にかかれ。」

 

「IIIとIVはパーツの輸送、それ以外はその護衛だ。」

 

 

 

 

 

 

 

アポストロスは後退と共に、かりそめの命を落とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 






・リナリア学園跡地
任務14-3及びhard14-2より。閉鎖済みの学園。
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