MISSION LOG
誘拐同然にゲーム開発部へ連れてこられたスネーク。
この部は廃部の危機にあると協力を仰がれ、それを乗り越えるための条件を伝えられる。
しかし、彼はエンジニア部へ急がなくてはならない。
スネークはユウカの説教に巻き込まれ、エンジニア部との約束にさらに遅れる事態となった。
モモイ・ミドリと夕方に集合する約束をし、スネークはエンジニア部の部室に向かった。
ここでスネークは無線を掛ける。
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エンジニア部 部室
「すまない、遅れた。」
スネークは息を切らしつつも、エンジニア部へ滑り込んだ。
「随分遅れたね、先生。何かあったのかい?」
「ユウカに捕まってな。」
「ああ…なるほどね、それならしょうがない。」
一息置いてから、ウタハが喋り出した。
「肝心のロボットの方だけど、最高の仕上がりだ。」
赤子のように抱えられて、机上に座ったMk-IV。
「先生の送ってきた設計図に則るなら、この子の名前は『メタルギアMk-IV』かな?」
『ああ、何だか懐かしいよ……』
Mk-IIの紺、IIIの橙に続いて、薄灰のMk-IV。
「じゃあ、早速機能の紹介に移ろうか。先生の言っていた通り、多機能すぎない実用的なものにしたよ。」
『その前に、僕のデータを移してもいいかな?』
「……あなたが、もう一人の先生?確かデータ体だったね。」
「ああ、そうだ。
スネークがシッテムの箱を取り出し、オタコンのデータを送る準備を始める。
USBケーブルを介して、空っぽのMk-IVにデータが流れていく。
「ソフトウェアの類はヴェリタスのハレに組んでもらったんだ。彼女は凄腕だよ。」
「ヴェリタス……ハッカーの部活だったか。」
「ホワイトハッカーだね。そこの所、ちょっとうるさいから気をつけて。」
「……そうしよう。」
DOWNLOADING……
COMPLETE
送信が終わった途端、Mk-IVの首が据わる。
そして、畳まれたモニターが開きながら、映像が映る。
オタコンの顔が映る。
彼の服装は『箱』の時と変わらず、また14年の時とほとんど同じようなセーターを着て、デスクに向かっている。
その机上にカメラがある構図だ。
『...起動成功!やったね。』
「あなたがエメリッヒ先生だね。よろしく。」
『よろしく。それで、機能だけど...』
「うん。基本的な物は、まず今動かしてるマニピュレーター。6kg程度までなら持ち歩けるだろう。」
オタコンは
『おぉ。』
「大体の機能は設計図の通りだけど、部品の小型化で余裕が生まれてね、ハードポイントを増設したよ。」
「小銃やジェットエンジン、大型アームなんかも付けられる。」
「エンジニア部で採用してるロボットアームだ。」
ウタハに促され、右側のハードポイントにアームを取り付けた。新たに増設された後部の支えを頼りに動かす。
まるで彼の肉体であるように、滑らかに、機械とは思えない動きをした。
手渡されたスパナを握り、ボルトを掴み、野球ボールを投げた。
「凄いアームだ。これもここの?」
「使いこなせてるね。問題ないだろう。」
オタコンはアームのマニピュレーターで、サムズアップをした。
スネーク「これで『金が要らない』?本気か?」
彼らは、この完成度でウタハが開発費用を請求しないことを疑問だった。
ウタハが雷ちゃんに寄りかかり、オタコン目線を合わせて話しかける。
「エメリッヒ先生だったね。提案、というかお願いがあるんだけど…」
『?』
「あなたにはエンジニア部の顧問になってほしいんだ。」
『え?』
「そんなに急にか?」
「いや、この間依頼を受けた時から目をつけてたんだ。あの設計。機構。あなたはロボット工学に相当精通しているんじゃ?」
「私たちが思いつかなかった、そして私たちの設計では行けない領域まで、あなたの技術があれば行けると思ったんだ。」
「是非、お願いしたい。」
オタコンが戸惑う。無理もない、急に大きな責任の伴う事をお願いされたらこうもなる。
『…………スネークが良ければ、僕はここの顧問になりたい。』
言い返すように、スネークがものすごく真剣な声色で話し出す。
「オタコン。お前の事はお前が決めろ。俺が口を出すことじゃない。」
『......そうだったね。こんな事、前にも聞いたっけ......』
『...ウタハ。君のそのお願い、引き受けるよ。』
「本当かい!?」
「ありがとう...エメリッヒ先生。いや、教授?博士か。」
『そんなにかしこまらなくていいのに。オタコンでいいよ。』
「オタコン?」
『もっとも僕らしい呼び方だ。先生、よりも。』
「……今回は本当に助かった。ありがとう、ウタハ。」
「いいんだ。これからも私たちを頼ってくれ。」
『僕はね───あっ、ごめん。このあたりは今度にしよう。この後用事があるんだった。』
スネークが時間を見てから早歩きで出ていくので、オタコンは慌てて追いかけた。
「.........。」
「...何だか素敵だな。あの二人。」
どうしてもウタハを出したかったんです。どうしても。