(オタコンの台詞を『』→「」に変えました)
MISSION LOG
迫る月光を撃退し、G.Bibleの反応がある廃工場に到着したスネーク達。しかし謎の音声によって最奥へと連れ去られてしまう。
そしてそこには、「少女」が眠っていた。
「お、女の子......?」
「眠ってる...のかな?」
モモイがその少女の肩を叩くが、応答はない。
「...返事がない。ただの死体のようだ。」
「ちょっとお姉ちゃん、不謹慎こと言わないで。」
「言ってる場合じゃないよ。モモイ。」
ミドリとオタコンがほぼ同時に咎める。
「というかこの子、人間かな...?なんというか、眠ってるというか、電源が入ってないみたいな感じ。」
「う……よく見たいんだけど、抵抗あるな…」
オタコンは時々目を逸らしながら、観察を続けた。
「なんか…どことなくマネキンっぽい。」
スネークは少女の手に触れる。
「肌の質感は人間そのものだ。」
「みんな、台座に何か書いてある。掠れてるけど…AL-1S…?」
「......えーっと?アル、イズ...エー...んん?分かんないけど、この子の名前かな?」
「...アリス?」
「それはないだろ。」
「お姉ちゃん、本当にミレニアムの入試パスしたっけ…?」
「え?」
モモイが聞き返す。
「「……」」
「スキャンはできるか?」
「やってみたけど...赤外線が表面で遮断されるみたいだ。いったい何でできてるのやら...」
「いったいこの子は……ここはいったい何なんだろう?」
「この子に聞いたら早いんじゃない?」
「この子が起きて会話ができればいいんだけど……このままじゃ可哀想だし、服でも着せてあげよっか?」
ミドリの提案に、オタコンが付け加える。
「...そうしてほしいな。僕とスネークが目を向けにくいから。」
「予備の制服なら...確か...」
ミドリが鞄をゴソゴソと漁り始める。制服の上着、シャツ、ネクタイ、スカートが出てきた。
「予備なんてよく持ってたね?」
「お姉ちゃんがすぐ汚すんだもん、私も気を付けないとなーって思って。」
「あー…」
サイズが合うか確認しながら、予備の制服の前を開いていく。
「あ、それ私のパンツ!?」
「猫ちゃんの表情が違うでしょ。こっちは私の。お姉ちゃんそっち持って。せーのっ…」
「はいはーい。よっ…」
「……。」
スネークは、眠る少女とモモイたちから目を背けた。
「…よしっ。これでいいかな。」
モモイとミドリは、その少女に制服を着せた。
ややオーバーサイズ気味だが、青みがかった黒髪に合った違和感のない姿になっている。
「似合うじゃないか。」
⬛︎…⬛︎⬛︎…⬛︎⬛︎………
小刻みな電子音がした。
「ん?」
「な、何!?この音!?」
「なんかアラームみたいだけど…ロボットがいるのかな?」
「いや、さっきみたいなオートマタの反応はないよ。…ってことは…」
「『この子』から聞こえた気がしたけど?」
「もしかして…」
「…本機、異常なし。状態の変化、および接触許可対象を感知。休眠状態を解除、本機を起動します。」
少女が目を開いた。手指を動かし各部を確認し、辺りを見回した。
「め、目を覚ました?」
「……状況把握、難航。」
「会話を試みます……説明をお願いできますか。」
「…説明?えっ、この場を?」
「はい。お願いします。」
「どういうこと?」
「説明がほしいのはこっちだよ!あなたは何者?ここは一体なんなの?教えて!」
今まさに『読み込み中です』とでも言わんばかりに、彼女はフリーズしてしまった。
「本機の自我、記憶、目的は消失状態であることを確認。復元不可能。データがありません。」
スネークはSOCOMを握り込む。
「本機に敵意を向ける存在を確認。会話を試みます。」
「あっ!?先生!?」
スネークが少女に要求する。
「なら、俺の質問にも応えろ。」
「……。」
「俺たちに危害を加えるつもりは?」
「回答。そのような意思はありません。接触許可対象への遭遇時、本機への敵対意思は発動しません。」
「分かった。」
スネークは素直に、銃をしまった。
「ヒヤヒヤした…!」
「……彼女をお前たちに任せていいか?脱出経路を確保したい。」
「分かったよ!……あ、私たちからも質問するね?」
「その、さっき言ってた『接触許可対象』?で合ってるかな、それって何?」
少女が難解なことばかり述べるので、モモイはどうにか理解しようと歩み寄っていた。
「回答不可。本機の深層意識における第一反応が発生したものと推定されます。」
「えぇ……?」
「ロボットに深層意識が…?相当高度なAIが搭載されてるのか……」
「深層意識って…?エメリッヒ先生、何か分かりますか?」
「いや、なんにも。AIだとしても、自我や意識を持つものなんて聞いた事ないよ。」
「ましてや、SFみたいなシンギュラリティでも起こさない限り。」
「うーん...」
「工場の地下、ほぼ全裸の女の子、おまけに記憶喪失……」
モモイはここに至るまでの出来事を全て振り返った。
出来事を点として、全てを線で結ぶ。
「ふふっ、いいこと思いついちゃった。」
「いや……今の言葉の羅列からは嫌なことしか思い当たらないんだけど……?」
「まあ騙されたと思って。」
「階段があった。その子を連れてこっちに。」
「…先生、色々手伝って!!」
「…?」
──────────────────────────
ゲーム開発部 部室
「───ねえ、ちょっと!?」
「この子を部室にまで連れてきてどうするの!」
ミドリがモモイの首根っこを掴み、揺さぶる。
「うわぁぁ!み、ミドリ!首、絞めないで…ごっ……はっ………!?」
「ああ……やめてくれ!」
「勘弁してくれないか?ここまで俺の扱いが悪いと腹が立ってくる。」
「…さすがに僕もそう思うよ。」
「んん゛…し、仕方ないじゃん。そもそもあんな恐ろしいロボットたちがいる場所に置いてくわけにも……いかないじゃん?」
「…………」
飴のように電池を舐める少女、AL-1S。
「あぁ、電池を食べるな。」
「しかも、掴む力が強い…二人とも手伝って!」
「ああっ、私のWeeリモコンを食べないで!ペッてして!ぺッ!」
「…食事が出来るのか?」
「回答。可能です。」
せめて安全なものを与えようと、スネークはテーブルの上の菓子盆に手を伸ばした。
「モモイ。これ、やってもいいか?」
「私のだけど…いいよ!」
スネークは少女にチョコバーを差し出した。。
「………」
少女はチョコバーを包装ごとかじり始めた。
「……」
「……あー……。」
「台詞の割に、ほとんど赤ん坊じゃないか。」
彼は包装を剥いてチョコバーを手渡した。さっきと同じペースで、今度は確かに食べている。
「……ね?放っておくわけには行かないでしょ?」
オタコンのそばに来たモモイが呟く。
「…そうだね。」
「それはそうだけど……お姉ちゃんさぁ……」
「やっぱり、今からでも連邦生徒会かヴァルキューレ辺りに連絡した方が良くない?」
「え、それじゃちょっと……」
「うーん………あの子はいったい……モモイはどうするんだい?」
「ミドリとエメリッヒ先生の言うこともそうだけど、それは
「え?」
「…やるべきこと?」
「じゃ、まずは名前を決めよう。無いと困るでしょ?」
「ああ、それなら。」
自分たちを止めていたのに納得がいったらしく、オタコンは引き下がり、アリス方へ様子を見に行った。
「どうしよっか、そうだな……アリスって呼ぼうかな。」
「本機の名称『アリス』…確認をお願いします。」
「それでいいの!?正式な名前があるんじゃ…」
「あだ名くらいあってもいいじゃん!」
「…いい
「あだ名や愛称はあった方がいいさ。たとえロボットだって、名前が着くのはお約束だ。」
「型番のRXをもじって『アレックス』なんて呼ばれるスーパーロボットもいるくらいだし。」
「それはアニメの話じゃ!?」
「アリスはどう?気に入った?」
「……肯定。」
「本機、アリス。」
「あっはは!ほら、見たか私のネーミングセンス!」
「本人が気に入ってるからいいけど……先生たちも乗り気で…?」
ミドリの脳内は【何故この流れが続いているんだ?】という疑問でいっぱいになりそうだった。
そして【そんな簡単に?】というややズレた疑問も。
「…さ、じゃあ次のステップに行ってみよっか。」
「お姉ちゃん、いったい何をしようと…?」
「ミドリの方こそ、考えてみて?そもそも私たちが、どうしてあんな目に遭いながらもG.Bibleを探してたのか。」
「それは…良いゲームを作って、廃部を防ぐため。」
「そう、今一番大事なのはそこだね?」
「良いゲームを作るのもそうだけど、まず部活の維持。でもそのためには、二つの条件のうちどっちかをクリアする必要がある。」
「ミレニアムプライスの受賞は、あくまでそのうちの一つに過ぎない。」
「いや、結局一つしか方法はないでしょ?だってこれ以上『部員を増やす』のは…」
「!?まさか…」
「この子を生徒に偽装して、うちの部員に!?」
「正気か?」
「アリス!私たちの仲間になって!」
ガリッ…………
「…………」
アリスはチョコまみれの口で、モモイのゲーム機をかじっている。
樹脂製の外装に薄い歯型がついた。
「あーーっ!私の『
この場でモモイとアリス以外は、揃って頭を抱えることとなった。
投稿頻度が…