「その攻略法、デマですよねw」と笑われた俺のブログ。なぜかS級美少女配信者だけが信じて実行している件   作:chickden

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ジングル・ベル

 

「パスワードか……。古いままのブログだし、htmlのソースコードを調べたらすぐにパスも見つかりそうな気もするが」

 

 蓮司はマウスをクリックして、ブログページのソースコードを画面に写す。

 そして眉をひそませた。

 

「プロテクトが掛かってる。一般のウェブ構文ではない、ということか」

「そういうことにならぁね」

 

 笑ったままサエコは肩をすくめた。

 少し屈んで蓮司の背後から肩越しに手を伸ばし、彼の手の上からマウスに手を添える。

 

「ほら、なにをどう操作しても、正体を現さない。ネット全体がまだセキュリティ甘い時代に、よくもまあこんなプロテクトを掛けたもんだ」

「……母さん」

 

 蓮司は上を見上げて、背後から身を乗り出しているサエコの顔を見た。

 彼女のなんとも楽しそうな顔を見て、彼は「なんとわざとらしい」と目を細める。

 

「このページのプロテクトって、母さん謹製のだろ?」

「バレたか」

 

 イヒヒ、という顔で頭を掻くサエコ。

 

「なんでわかった?」

「父さんはダンジョン探索畑でプログラムには疎かったはずだ。なら、プロテクトを施したのは他の者。身内の『熟練プログラマ(ウィザード)』を疑うのは当然の帰結だよ」

「まあ聞いてくれ蓮司。確かに私はコードを提供したが、それを何に使うのかは一切聞いていない。このページの存在も知らなければ、入力するべきパスも知らない」

「ふむ……。裏口からの侵入は?」

「設定してなかった気がするな。だからこの先を見るには、正攻法でパスを探すしかない」

 

 面倒なことになった、と蓮司は腕を組む。

 プロテクトが掛かっていることを知った瞬間、彼はこのページの作者がサエコだと見抜いていた。だから、パスも簡単にわかると思っていたのだが。

 

「……そう来たか」

 

 唸らざるを得ない。

 さて、父――リュウゲツがパスに指定しそうなワードはなんだろう。

 

 家族の生年月日を入れてみたが、ノーアクセス。

 手動によるパス破りは、対話だ。

 仕掛けた者の心理を読み、設定しそうなワードを入れていく。とてもアナログな作業。

 

 蓮司は自作の『自動パスワード検索ツール』に父のパーソナルデータを入力して、一晩ツールを走らせてみた。

 

 結果は、ノーアクセス。

 翌朝、蓮司の様子を見にきたサエコに、目の下にクマを作りながら文句を言う。

 

「母さんはこの時代からAIの出現を予想でもしてたのか?」

「あはは、覚えてないなー」

 

 ケロッとした顔で爽やかに笑うサエコを、我が母ながら憎たらしいと思ってしまった蓮司だった。このプログラムが組まれただろう時代を考えたら、オーパーツすぎるプロテクトだぞこれは。

 

「ほらそんなことより蓮司、さっさと着替えろ」

「む? なんでだ母さん、こんな朝っぱらからどこかに出掛けるとでも?」

「そうだ。言っただろ、私はおまえたちとクリスマスを一緒に過ごしにきたんだ」

 

 そうか。今晩はクリスマスイブだったか。

 イベント日として縁がなさすぎて、完全に蓮司の意識から抜けていた日である。

 

「俺はこのページの解析を急ぎたいと思う。だから申し訳ないが――」

「そんな理屈が通用すると思うか?」

「あっ!」

 

 サエコは、どこからそんな力が出るのか、大の大人である蓮司を椅子から持ち上げると、ベッドの上に転がした。そして彼が身に着けていた部屋着を剥ぎとる。

 

「ちょ! 待ってくれ母さん! パンツは、パンツまでは!」

「あらあら? じゃあ自分でちゃんと着替えられるかな、『蓮司ちゃん』?」

「わかった、着替える! 自ら着替える!」

「良い子だ。愛してんよ」

 

 ヒヒ、と少し意地悪に、でも愛嬌たっぷりに笑うサエコ。「じゃあ下で待ってるからさ」そう言い残して部屋を後にしたのだった。

 

 ◇◆◇◆

 

「二人とも、遅ーい」

 

 そういって、地元のケーキ屋でサエコと蓮司を出迎えたのは、七海だった。

 ここは七海のバイト先。都内では一部で有名な、隠れ家的なケーキの名店だった。クリスマスだけあって、店内は混んでいるし持ち帰り客も並んでいる。

 

「ごめんね七海ぃ、この蓮司ちゃんが親に着替え見られるのを恥ずかしがっちゃってさー」

「母さん。俺も既に三十歳だ、外で子供扱いされる歳じゃないと思うのだが」

「あはは、兄貴はいつまで経っても子供扱いだね」

 

 七海が笑う。

 サエコが急に真面目な顔になったかと思うと、七海に丁寧なお辞儀をしてみせた。

 

「おつかされま七海、今日はお招きに預かりまして」

「お招き? どういうことだ?」

「今日はね蓮司、七海がお店の厨房を借りて、朝から私たちの為にクリスマスケーキを焼いてくれたの。家族思いの良い娘だよまったく。あンた、甘い物好きだろ?」

「大好きだ。ホールサイズならケーキはどの甘味より『強い』だろう」

「あはは、もちろんホールだよ。兄貴もお母さんも、たくさん食べるもんね」

 

 昨晩の鍋も、ほとんどの食材はこの二人の胃袋へと消えていったのだ。

 どれだけ食べても寝てもスリムなままの二人に、七海は密かな嫉妬をしているのだがそれはまた別の話。

 

「さて店長さんにご挨拶しないとね」

「挨拶? なぜだ? 契約関係は七海と店長の間で完結しているはず。ゲームをハックしている俺が言うのもなんだが、我々家族が介入するのはシステムの仕様外アクセスにならないか?」

 

 サエコは深い溜め息をついた。

 

「いいかい蓮司。人間社会というプログラムにはね、『感謝を伝える』っていう最強のプロトコルがあるんだよ。あンたは先に席についてなさい」

「兄貴、席あそこだから」

 

 蓮司はポツン。

 一人その場に残されたのだった。

 

 ――――。

 

 ガヤガヤ。ガヤガヤ。

 不意に店内の楽しそうな囁き声が、蓮司の耳に届き始める。

 カップル。親子。お一人さま。皆、それぞれに笑顔だ。

 そうか、クリスマスとはこういうものだったな。バニラエッセンスの甘い匂いが香る店内で席につく。

 

 蓮司は物思いに耽った。

 彼は幼い頃、クリスマスのケーキが楽しみで親が買い物に出たら必ずついていく子供だった。父が死ぬ何年か前になるクリスマス、この年ケーキを買う役は父だった。

『ケーキ係』となった父、リュウゲツは出かける前に蓮司へと声を掛けた。

 

「やあ蓮司くん。これから僕は、クリスマスケーキを買いにいくんだが」

 

 母が強気な反動というわけではないのだろうが、リュウゲツは穏やかな人だった。

 息子の蓮司にも敬称をつける。まだ幼稚園児の娘に対しても、それは同じだ。

 

「お兄ちゃーん、早くしないとケーキわたしが決めちゃうんだからー」

「ダメだよ七海さん。そこはちゃんと相談しないとね」

 

 三人で手を繋いでケーキ屋に向かったのを蓮司は覚えていた。

 が、和やかだったのはそこまで。

 ショーケースの前で、彼は苺が乗ったショートケーキを指差した。七海はサンタが乗ったチョコケーキを指差した。

 

「俺はこっちがいい、苺がたくさんだ!」

「やだ、七海(わたし)はこっち! サンタさんが欲しいの!」

 

 二人は譲らない。

 蓮司は『年長者の言うことを聞くべきだ』と主張し、七海は『お兄ちゃんは大人なんだから妹に譲るべき』と主張する。

 

 どちらも当人なりの理屈があった。

 

「七海も苺は大好きじゃないか。食べられないサンタより、結局こっちを気に入るよ。俺は七海に詳しいんだ」

「大人なお兄ちゃんは、ちゃんとサンタさんにお願いしないとプレゼントをもらえないんだよ? わたしがかわりにおねがいしてあげるから、ね? こっち」

 

 そして二人とも、子供とは思えないほど口が上手い。

 リュウゲツは困ったように笑い、

 

「おやおや、大変だ」

 

 と、二人の頭を撫で、こう宣言した。

 

「相談がうまくいかないみたいだね。じゃあ僕も参戦だ」

「えっ!?」「えっ!?」

 

 突然の宣言に、驚く子供たち。

 リュウゲツはショーケースの一番目立つところにあったケーキを指差して。

 

「すみません、アレをください。そう、その一番大きいのを」

 

 それは数あるケーキの中でも一際大きく、一番豪華で一番値段の高いデラックスケーキだった。たくさんの苺と、サンタ人形が乗っているものだ。

 

「父さん!?」「お父さん!?」

 

 驚く蓮司と七海。

 

「ダメだよそんな大きいの! お母さんにおこられちゃう、ね? お兄ちゃん!?」

「ふふ、相談がまとまらなかったバツだよ。今日は僕と一緒に、サエコさんに怒られよう」

 

 戸惑う子供たちに、リュウゲツは笑いかけた。

 

「怒られて、そのあとに皆で楽しく食べる。蓮司くん、僕も苺は好きなんだ。七海さんはこのサンタさんに、『お母さんがあまり怒らないようにお願いしてください』って頼んでくれると嬉しいな」

 

 結局三人は母――サエコに叱られた。

 だが最後は彼女も、「まあ、クリスマスだしね」と笑って許してくれた。

 

「今度はちゃんと、譲り合いなよ?」

 

 二人の子供のしどろもどろな言い訳だけで、リュウゲツがどういうプロセスでこのケーキを買うことになったのか、サエコはほぼ正確に把握していたのだった。

 

 ケーキの苺を食べながら、蓮司はこっそり父に訊ねた。

 

「父さんは、母さんがあまり怒らないことを予想してたの?」

「違うよ?」

 

 茶目っけのある顔で、肩をすくめてみせるリュウゲツ。

 

「いいかい、蓮司くん。人生で迷った時はね、一番ワクワクすることを選ぶんだ。そうすれば、大抵のことはうまくいく」

 

 父の言葉は、蓮司の中に強く刻まれた。

 そして今も、彼はこの言葉を指針にして行動していた。

 

 窓際の席からぼんやりと店内を眺めていた彼は、懐からスマホを取り出してなにやら操作を始める。

 アプリを立ち上げ、軽く首を振った。

 

「ふむ……、まだパスワードは見つかっていないか」

 

 家で動かし続けている『自動パスワード検察ツール』の進捗は、イマイチだ。

 ――しかし。

 

(父さん、いま俺はワクワクしているよ。『探索者リュウゲツ』のブログ隠しページに、いったいなにが記されているのか。こんなの気にならないわけがない)

 

 蓮司が笑うと、そこにサエコと七海がやってきた。

 大きなホールケーキの上には、たくさんの苺と一体のサンタ人形。蓮司は驚いた。

 

「七海、これって……」

「ん? ああ、兄貴も覚えてた? 昔お父さんが買ってくれた、超ビッグなケーキ」

 

 再現してみたんだ、と笑う七海。

 同じ日のことを思い出していた兄妹なのだった。

 

 ◇◆◇◆

 

「ん-むむむむむ」

 

 初子が事務所のデスクで、書類にまみれて唸っている。

 

「世間はクリスマス……。そう、若い男女は皆浮かれる『ハズ』の、儚くて切ないスゥィートデイ」

 

 書類にハンコをポン。

 書類にハンコをポン。

 

「なのに! なぜ私はこんなところに!」

「まぁまぁ、初子さん。こんな日なのに行くところがないのは、私も同じですから」

「無理して私に付き合わなくてもいいんだよークロエちゃん。今日はオヤスミの日じゃない」

「ここ落ち着くんです。パソコンの性能も良いですし」

 

 あーもう、いい若い女の子がパソコンの処理能力で一喜一憂しちゃって。

 初子は嘆いた。クロエはカワイイんだし、もっと青春を謳歌するべきなのだ。

 

「……といって難しいか。クロエちゃんには浮いた噂があるわけでもなし」

「なんの話ですか?」

「クロエちゃんはこんなにカワイイのに、何故か言い寄ってくるのがハヤテくらいなのが不思議だって話。今日もクリスマスだからって、誘いのメールが来てたんでしょ?」

「あははは」

 

 困り顔で苦笑しながらキーボードを打ち続けるクロエだ。

 そういえば彼女は休みに事務所まで来て、なにをしているのだろう。気になって初子は訊ねてみた。

 

「ところでクロエちゃんは、さっきからパソコンでなにしてるの?」

「魔物の弱点を、系統別に分けて整理しています。ポイズンジャイアントは腹、レッサーデモンはツノ、といった感じに」

「それって、情報源は『R』の日記ブログ?」

「と、リュウゲツさんの翻訳記事ですね。リュウゲツさんのブログは、読めば読むほど凄いです。よくあの時代……15年以上も前に、ここまでの精度の情報を集めていたな、って」

 

 初子がそっと覗いてみると、グラフィック付きで百ページ近い量の魔物をファイリングしているようだった。

 

「わわわ!」

 

 その量と細かい書き込みにビックリした初子は、つい声を漏らしてしまった。画面上に文字がびっしりだ。読むのも大変そう。

 一歩退いてしまった初子を、不思議そうな目でクロエが見た。

 

「どうしました、初子さん?」

「いやー、綺麗なグラフィックだなぁ、と」

 

 頭を掻きながら苦笑い、文字量にドンビキとは言えない。誤魔化す初子だ。

 

「あ、嬉しいです。わかりやすいですよねこれ、ゲームで出てくる魔物のグラフィックを加工して表示してるんです」

「……ゲームって、もしかして『ダンジョン&マジック』?」

「はい」

 

 クロエは間髪入れずに答えた。

 

「ほら、無言さまさんが言ってたじゃないですか。『ダンジョン&マジック』の魔物の動きと、本物の魔物の動きは似てるって。最近、この資料を作るために少しプレイしてたんですが、言われて見れば、っていうシーンが案外多いんですよね」

「またまたー、クロエちゃんまでー」

 

 初子が笑う。

 さすがにそれは妄想の類だろう。たまたま、そういうケースがあって、無言様は信じてしまったのだと彼女は思っていた。

 

「そうですね。さすがに荒唐無稽だとは思うのですけど、でもこれが結構役に立つんですよ」

「ほどほどにね、クロエちゃん」

 

 苦笑しつつ初子は少し心配してしまった。

 この魔物のまとめファイル作成にしてもそうだけど、最近のクロエは根を詰めすぎている気がするのだ。もちろん仕事でもあるのだから、それは良いことではある。だけど、仕事に以上に今のクロエは、『R』なる人物の影を追うことに必死になっている。

 

 もっと、なんというか良い意味で『適当に』なって欲しいんだけど。

 そんなことを考えながら、彼女が自分の仕事に戻ろうとしたとき。

 

「こんにちはー」

 

 と、少し異国なまりが入ったイントネーションで挨拶する女の子が、事務所の部屋に入ってきた。振り向いたクロエが驚きの声を上げる。

 

「シンシア!? なんでこんなところに?」

「クロエがここに居るって聞いたんだ」

「ダメだって、ここ仕事場なんだから!」

「クロエの友達って言ったら簡単に入れてくれたよ? なんだか私、有名になっちゃったみたい」

「もー」

 

 クロエが頬を膨らませている。

 そんな彼女を見て、初子は微笑ましく思った。普段は素直な感情を、あまり表に出したがらない子だ。責任感の強さが、彼女をそうさせていたのだろうけど、初子はそれを悲しいことだと思っていた。

 

「初子さんもこんにちはー。あの……、クロエをちょっと借りてもいいですか?」

「ん、どういうこと? シンシアちゃん」

「実は……デズニランドのチケットが二枚、ここにあって」

 

 シンシアは、二枚のチケットを顔の前に持ち上げて自分の口を隠すようにしてピラピラさせた。初子は頷き。

 

「それでクロエちゃんを誘いに来たんだ。いいわよ、せっかくのクリスマスだもん、女の子同士だけどデートしてらっしゃいな」

「デ、デートだなんて……!」

 

 クロエが顔を赤くした。

 

「それに、それじゃ初子さんだけ仕事をすることになっちゃいます!」

「ばかねー、私は出勤日なんだから当然じゃない。でもクロエちゃんは、今日本当はオフでしょ」

 

 初子は腰に両手を当てて、胸を張りながらいった。

 それに良い感じに気を抜けるかもしれないしね、とは言わない。代わりに二人の肩を軽くポンと叩いた。

 

「たまには年頃の女の子っぽく遊んできなさい? あ、でも二人とも変装はしてね、バレたら面倒だろうから」

「はい! その辺は準備万端!」

 

 シンシアが眼鏡を装着し、ウィッグを付けた。そういえば、髪の色も今日は茶髪だ。染めてきたのだろう。

 

「いいわねシンシアちゃん。これはわからないわよー? じゃあ、クロエちゃんも加工しないとね」

「はい! クロエの分も持ってきてるわ!」

「ナイスね、さすが!」

 

 二人がクロエを見て、ニヤと笑った。

 

「え?」

 

 クロエに飛び掛かる二人。

 

「いやあぁぁあ! ちょちょちょ、ちょっと二人ともー!」

 

 こうしてクロエも変装させられて、シンシアと共にデズニランドに遊びに行くことになったのだった。

 

 ◇◆◇◆

 

「デズニランド?」

 

 ケーキを食べ終えた蓮司が、腹をさすりながら聞き返した。

 

「そう。今日のメインはテーマパーク」

「やった、お母さん、最高!」

「……俺はいいよ母さん。七海と一緒に楽しんできてくれないか?」

 

 スマホを気にしながら蓮司が返事をする。

『自動パスワード解析プログラム』は動き続けているが、効果のほどを見せていない。やはり自分の手で調べるしかないか、と家に帰りたい蓮司だったのだが。

 

「なに言ってるんだい。クリスマスチケット、高かったんだぞ? 強制一家団欒だ、腕ずくでも連れていくからな?」

「そうそう。兄貴、デズニ行ったことないんじゃない? これも経験だよ!」

 

 蓮司は溜め息をついた。

 二人がこうなったら、無理やりにでも連れていかれることを知っている彼なのだ。

 

「……はぁ、仕方ない」

 

 不承不承付き合おうと諦めながら、ふとポケットの中にフェイズシフトウォッチに気がついた。

 

(まてよ。このウォッチの位相シフトの挙動について、まだテストしたいことがあるな。シブヤのような過疎地でなく、高密度の人混みやジェットコースター中などの強制移動の際に使うとどうなるか……)

 

 そう考えると、デズニランドは打ってつけのテストフィールドにも思えてきた。

 

「わかった二人とも。行こうデズニランドへ、俺も興味が出てきた」

 

 期せずして、蓮司たちもデズニランドへと行くことになった。

 そこでどういう出会いがあるのか。

 まだ、誰もがそれを予感すらしていなかったのである。

 

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