【VRフリゲ】ブルーアーカイタフを再現してみた【1】 作:何処にでもある
さて、ここまで踏み込んで知るつもりならお覚悟を。
先に言うと私はやると決めたことは決して譲らないこと、忘れないでくださいね?
では──私の秘密は「アリウスをトリニティに合併させ、ゲヘナを解体してトリニティの分校にして、その権威でアビドスを実効支…支援し、あの麻薬から作れるという精神回復剤を作成し、狂ったミカさんもセイアさんも治療し、またあの日々を取り戻す」こと。
役職は「背徳者」「狂人」、欠落は……認めるのは不本意ですが、「アビドス砂糖中毒患者(重傷)」らしいです。
別に「アビドスシュガー」に拘ってるつもりはないのですが……ああコレですか? 良かったら先生もどうぞ。紅茶によく合う最高級の「アビティーシュガー」です。
非常に現実的かつ重要で緊迫な話をしましょう。
この紅茶には「アビティーシュガー」がよく合うということです。
「先生、なにも無理矢理という訳では御座いません。ただ、一回。一回だけ試してみてはどうかと、親切心で言っているだけなのです」
人生で得られる幸福は3つあります。
セイアさんとミカさんと一緒に過ごす友情のお茶会。
1人仕事をしながら飲む紅茶そのままの味と香りを楽しむティータイム。
「最後に、最高級の1月モノのアビドスシュガーを贅沢に使用した茶菓子と紅茶を欲望のままに貪るヤクギメタイム」
「"うーん、一つだけ異色を放つものがあるなぁ"」
冗談みたいな話ですが、実の所トリニティの半分は既にヤクギメタイムが普通になってますよ。
そう、これは最早文化…! 新たなトリニティの文化なのです…!
ゴクッ…! クゥ─! この一杯の為に生きて──
パ ヒ ァ ! ! ! !
失礼、取り乱しました。
「"取り乱すで治めていい行為ではないね"」
治まるんですよ、そう! トリニティの法律ならね!
「"この桐藤さん壊れてる…"」
なんとでもいいなさい。それでも私は中毒患者でも重症でもないと主張し続けます。
だって──ミカさんとセイアさんとのお茶会の方が幸せになれますから。
それくらい私にとっては大事な人達で、砂糖程度の幸福では話にならないほど私を幸せにしてくれる方々なのです。
「"いい事言ってるようで薬中がクスリキメるより大切って言ってるだけだね"」
うるさいですねロールケーキ(アビドスシュガー)ぶち込みましょうか?
私イチオシなので先生も絶対気に入りますから。
「"ごめんなさい"」
素直でよろしい。ご褒美にロールケーキ(アビドスシュガー)を贈呈しましょう。
「"わあ"」
どうしたのですか、そんな泣きそうな顔をして。困るようなことはしてない筈ですが。
さて、そんな茶番は置いておくとして、私がどうしてゲヘナと戦争するつもりなのか…ですか。
それについては一言で終わります。
「ゲヘナが居るせいでアビドスシュガーの生産リソースが低品質な物に注がれてるからです」
簡単に説明しましょう。
元来アビドスシュガーとはその名称の通り、アビドスの砂漠が砂糖に変わったことで発生したものです。
基本的に砂糖と同じ物ですが、これらは日光に当たり続けることで摂取時の快楽物質生成を強力に……要は幸福をより感じられるようにその性質を変化させます。
より長く、より休みなく日光に当たり続けるほど品質も良くなり、その向上に限界はないのだとか。
「後は分かりますね。ブラマに流れるものは盗人やカイザーがその日干した店先に並べただけの目を向ける価値もないもの。しかしゲヘナはどうか?──高品質が約束されたアビドス高校製の生産ラインを! 不当にも半分奪い! 半端な品質で買い取る!──不合理で無意味なクズの諸行!!!」
私…許せないんです。この幸せを知らないまま生きている人がこの世に沢山いることが。
ミカとセイアは別として、トリニティ全体に行き渡らないのは人生への冒涜!
もう半分、もう半分生産されればいい! しかし限界集落に近いアビドスにそれを求めるのは酷というもの。トリニティの人員支援などは断られた以上、残された手はコレしかなかった。
なので半分を奪っているゲヘナには退場していただくことにしたんです。
「──そんなことの為にと思うかもしれません。しかし……こんな話を知りませんか?」
アビドスの砂糖には、心を蘇らせる力がある。
根も歯もない噂というには、砂が砂糖になる奇跡は説得力が有りました。
そして……セイアさんの予知夢により、これは確定情報へと昇華された。
それ以外の確信出来る要素もあり、確かに精神への万能薬が制作できると確定したのです!
その為にはアビドスとの協賛は必要不可欠! ゲヘナへ回すリソースをそれら医療分野に…!
「そう! それがあれば2人は!……すみません、この話をするのは初めてなものですから。どうにもテンションが変な方向に行ってしまうようです」
二人としっかりと対面で会話したことは?
ある……なるほど、では既に分かっているのでは?
時間が繰り返している世界の中、二人はそれに気付けていないということを。
「ただ、コレに関してはお二人に限った話ではありません。だからこそ、私はこの選択に躊躇することはない」
全てが円満に終わる瞬間、空に浮かぶインクの滲みのような黒点が全てを呑み込み……この遊戯場のような世界で繰り返している。
ええ、気が狂ったと思っても構いませんよ。砂糖はともかく、コッチは狂気に堕ちた自覚が有りますから。
リセットすることが前提にあるならば、そこから解放されるのに一時の死を許容する。
私が今からやろうとしていることは、コレまで先生が垣間見たであろう未来の私の狂行は、正しく狂気です。
アビドスの砂糖の中、狂った思考と幸福の海に耐え、その先にある隠された己の記憶を釣り上げた。
井戸に穴の空いた釣瓶を垂らして汲み上げるように、私は砂糖にトリップしている間はその時の私に戻ることができるようになった。
「幸福な幻覚が見せる幻想なのか、はたまた本当にそうであるのか……判断が付かないなら、私はより現実味のある記憶を信用することにしたんです」
夢の中で夢を見れば、それは現実の事である。
きっとこの世に1人、私しか辿り着いてないでしょうね。
思い上がりでもなんでもなく、最高品質のアビドスシュガーは私が買い占めていて、辿り着く手段から欠けていますから。
「ああ、言い忘れていました。先生の前にあるそのロールケーキは私が普段から常用している最高級の砂糖をふんだんに使っています。食べれば絶対、元のあなたに戻れますよ」
私なりに確実に効いて記憶を汲み上げられるブレンドを模索しましたからね。
精神だけの存在になってるとミカさんから聞きましたので、その点はしっかり配慮しております。
“先生”のことを念入りに記憶を汲み出してブレンドし、トリニティの予算の過半数を割いて様々な手を施して到達した一品……。
なので“先生”、私からのプレゼント──受け取ってください。
「"……ごめんね、コレが未来の為に今を捨てて築いたものなのなら、私が受け取ることは出来ないかな"」
まあ……それならもう少し言葉を重ねましょう。
会話と納得が足りなかったのですね。焦って話を急に進めた自覚はありますから、少しばかり戻しましょう。
「では幾らか話を戻すとして……先生はどこから聞きたいと思いですか?」
「"それなら……桐藤さんは「今」のセイアとミカをどう思っているの?"」
記憶を失ってても、この世で最も大切な親友。
変わりなく、揺らぎなくそう思っています。
例え病弱が悪化しても、誰かの悪意に呑まれても……2人が私の親友で、支えるべき人々なのに変わりはありません。
その2人と先生を……ついでにトリニティを助けられるのなら、私は2人と先生に嫌われようと、悪魔の誘いすら利用するでしょう。
「"そっか……だったら、桐藤さんが信じる道を進んだらいい。先生は、それを見守っているからね"」
ええ──残念です。
共に歩まない以上、先生は私と将来対峙するでしょう。
本当の所こうなるとは分かっていました。先生はいつだって目の前の生徒に手を伸ばしますから。
あるべき過去への回帰を望む私と同じ道を進まないとは、理解していました。
「それでも見守ると言ったくださるのなら……私もまた、その時まで先生を見守りましょう」
“先生”、私は“先生”のことを本当に、本当の本当に、心底お慕いしているのです。
あの日私達を救い出してくれたその日から、今日に至るその日まで。
例えこの記憶を理解されなくても、“先生”がただ見つめるだけの身に
では先生、帰りを望むなら其方の方へ。
まだ残っていたいならそのように。
「"だったらもう少し話そうか。桐藤さんが本当に困った時、私に相談しようと思えるように"」
まあ……ではそのように。
どれだけの惨禍が眼下に眠ろうと、この夢はけっして陰ることのない、麗らかなお茶会になるでしょう。
「なら、悪い魔女に逢っちゃう夢も悪夢って言えそうだよね? 私からすれば良い夢だけど☆」
先生がその後、ナギサと会話を続けたその後だった。
掲示板を見て生徒モードでゲヘナに行ってみようとした時、ふらりとミカが先生の前に現れた。
目前にはトリニティの旧校舎のプールがある。先ほどまで確かにナギサ秘蔵の庭園の前にいた筈だが……ミカの言葉から考えると、今いる場所は夢の中らしい。
「"夢の中に招かれた…ってことでいいのかな"」
「そうそう。さすが先生、理解が早ーい!」
朝にヒフミの提案でプール掃除をしたからだろうか。確かにゲーム内の1日を夢として振り返るなら、プールというのは1番らしい場所だ。
しかし…それなら緑の月が昇った夜なのは、一体どこで体験したとこだろう。
それに──VRで夢は見ないものだ。夢という体裁のステージを冒険することはあれど、本当に眠る訳じゃない。夢の中で夢を見ないように、VRをしている時に夢を見ることはないからだ。
「"聖園さんはなんで私を夢に招いたの?"」
「うーん…それは逆かなー。
夢に遊びに来た。
そう表現されれば、この身に起きた現象への心当たりがあった。
「夢遊び病」
トリニティがそう名付け、そしてverが上がる時に消え去ったバグによる病。
あいや、厳密にはバグではないのだろう。確率以外の全てが現実に即したVR空間では、あらゆるものは現実に起こり得るものだ。
だからこれはVRとしてのシステムとしてのバグではなく、正常に発生した物を「ブルーアーカイブRPG」のフィルターを通してバグと見做しているに過ぎない。
「"…もしかして私、感染しちゃった?"」
「そうなんじゃない? だって先生、すっごく目立ってたもん!
贈り物渡しすぎー、とミカが言う。
言われれば確かに初日に教育を終わらせた分暇な時間に絆を深めたが…それがいけなかったとは初めて聞いた。
少なくとも掲示板には載っていなかった情報だった。もしかして一番乗りかと、少し嬉しくなる。
「それでどうだった? セイアちゃんとナギちゃんは。どっちもかわいかったでしょ?」
「"うん、3人はとっても仲良しなんだね"」
「へー…──
ギュッと、ミカの目が開く。本気で問い詰める時の顔。
表情豊かなミカの表情が、簡単に答えた私を責めるように変化した。
「ナギちゃんが大事にしてるのは薬キメて見た昔の私とセイアちゃんじゃん。セイアちゃんが本当に大事にしてるのは予知夢で見たって言う未来の私とナギちゃんじゃん。───ねぇ、どこが? どこが仲良く見えたの、先生?」
コロコロとミカの表情が変わっていく。不貞腐れたように、怒ったように、忘れたことを思い出すように、最後は朗らかに笑った顔に。
「確かに私は2人とも好きだよ? 親友だって思ってる。でもずーっとさ、ずーーーぅっとさ、私に誰かを重ねてる2人はそうじゃないじゃんねぇ?」
信じる訳がないだろうと。反証を、私の意見を否定する言葉を積み立てる。
2人がどう思ってるかは兎も角、私は今の2人も友だと言ったセイアのように。
例え2人に嫌われようと、昔と地続きである今の2人を友として助けたいと願ったナギサのように。
誰もが自分だけが親友と思っていると信じていた。
「だから私はセイアちゃんの遊びも、ナギちゃんの手伝いだってした。なんでそんなことをしたいのかは分かんないけどさ、それが2人にとって大事なことだったみたいだから頑張った。……中学から今までの4年間、ずっとそうしてきた」
子供にとって4年はとても長い時間だ。
それをずっと友人のお願いの為に費やしたとすれば……それは一体どれだけ深い友愛があれば出来るのだろう。
それも1人は生活の面倒まで見ているというのだから…並大抵でないのは間違いない。
「先生、なのに先生はどうして仲が良いって言えるのかな。2人の本心を聞いたんでしょ? 私には聞かせてくれないことを話してたんでしょ?──どうせ、私のことなんか都合が良い奴隷みたいに言ってたんじゃないの?」
すごく拗れている。
聞いて思ったことはそんなこと。
魔女と自ら名乗った少女の中身は、到底魔女とは思えない繊細な乙女心を持った普通の少女だった。
「ふーん。別にいーもーん。ナギちゃんもセイアちゃんはそう思ってても平気だもーん。変わりに私が居なきゃ何も出来なくしてやるもーんだ」
「"あれ、急に不穏な思惑が見えた気がする"」
「ぐす…セイアもナギちゃんもコッソリ作ったずっと赤ちゃんなままのホムンクルスに入れ直して私なしじゃ生きていけなくしてやる……計画が成功しそうな瞬間にその首取ってやるもん…」
「"気のせいじゃなかった"」
「あ、先生は赤ちゃん側でも可愛がる側でもいいよ☆ イヤなら頷くまで甘やかすだけだし!」
「"そこまで好かれる心当たりがないね"」
「一目惚れって言ったら信じる? 信じなくてもやることは変わらないけどね!」
「"信じるよ。聖園さんは正直な子だから"」
「……わーお。やだもー照れちゃうじゃんね☆」
乱高下する感情に、仕事で対面してきた子供達を思い出す。
私はリアルでも沢山の子供を、0から20になるまで面倒を見る仕事に従事している。
1人で1度に千人以上の個性と能力に気に掛けて、その悩みや思考に寄り添う仕事だ。それを何度も繰り返して、世に羽ばたく子供達を見送り続けてきた。
そんな記憶の中でも子供達が13歳頃の時、子供達が投げかける言葉一つで泣いて笑って、それを表に出すのを恥ずかしがってなんでもないように気丈に振る舞う。
ミカを見てて感じるのはそういうものだった。
「"ねぇ、聖園さん"」
「ミカって呼んで?」
「"…ミカさん"」
「ミカ」
「"……ミカ"」
「えっへへ〜」
青春と呼ばれる思春期の、無色の純粋さに現実の色を与える大事な時間。
どんな色を与えるかは先生次第で、その色で子供達がどんな絵を描くかは分からない。
そうして完成した一枚の絵は、その人の生涯色褪せることのないものだ。
石のような灰色でも、空のような青色でも、決して……そう、決して。
「"ミカは、何がしたかったの?"」
大事なのは、その子が描きたい絵を描かせてやること。
「"腹いせに失敗させたいとか、赤ちゃんとして可愛がるとか……本当に最初からそうしたかったの?"」
───だけじゃなく。
「"よかったら聞かせてくれないかな。先生は、本当にミカがやりたいと思うことを手伝ってあげたいから"」
その絵が世間に受け入れられるように、抱え続ける自分が後悔しないように、色を与えた上で手伝ってあげることだ。
私は普通の先生で失敗することだってあるけど、それでも目の前にいる生徒に寄り添うことは出来る。
時には戯言を跳ね返してやる必要もあるけど、誰かに与え疲れた子には元気を与えてやるべきだ。
例え息抜きとズリネタ集めに始めたゲームであったとしても、目の前の仕事を熟すのが先というもの。それが先生だろう。
「"ここはミカの夢の中でしょ? なら、私が言わなければここで起きたことは誰にも分からない。仮に誰か来てもミカなら気付けると思うから。……どうかな?"」
「………あー! そーだ折角プールなら遊ばなきゃ☆」
「"ミカ"」
呆気に取られた顔をして、それから視線をあちこちに動かして、プールに逃げようとするのを捕まえて。
ミカの力なら簡単に振り解ける私の手を、ミカは振り払わずに受け入れた。
再び向き合う。無表情だ。どんな顔にもなれるようになった子が、どんな顔をすれば良いか分からなくて戸惑っていた。
「……私、とってもめんどーだよ?」
「"知ってる。他人にも、そして自分にも、上手くいかなくて苛ついてるのは"」
「私、とってもとーっても悪いことするよ?」
「"だからこそ先生は手伝いたいな。悪いことが良いことになるおまじないをミカに掛けてあげたいから"」
「……そんな都合のいい魔法があるの? 私、そんなの知らないよ?」
「"魔法じゃないかな。誰でも出来るけど、勇気が足りなくて出来ないおまじない"」
それを人は相談と呼ぶ。
相対して談話して、より良い今を目指す意思の力。
知ってても勇気が無くて出来ない、面倒だからしない、悪く見られたくない、相手に迷惑だと杞憂する、端から意味がないと決めつけてやらない、発想すらない……子供達が総じて使わない理由を探してばかりいる力だ。
そういう意味では役に立つのに使われない「不遇スキル」ではあるかも知れない。
「"だからミカ、選んで。私をミカの共犯者にするか、否か。今じゃなくてもいいから、ミカに決めて欲しいんだ"」
セイアにもナギサにも同じ言葉は投げかけはしたが……片方は初めから諦めていて、片方は結局心を開いてくれず、おかげで今は3回目。
仕方ないことだ。これがリアルなら私の方から立ち上がらせるが、ブルアカの先生はキヴォトス中の生徒の面倒を見なければならないという。
そこにある現実と技術と妥協を思えば、受動的なのを誰が責められるだろう。
同じ教員として痛いほどその気持ちが分かるからこそ、私は先生を責める気はない。
だからこそ。
「……末長く…お願いします…」
「"うん、よろしく。ミカ"」
そんな余計なことを考えていて、ちょっと返事がおかしかったのはスルーしてしまった。
やはりゲーム中だからだろうか、真面目にやろうとしてもどこか気が抜けてしまうものだ。
まあ…つまり…なにが言いたいかと言えば……。
「御社は敗者! 弊社は勝者ぁ!」
「なにやってんですかミカァ!?」
「ミカがウェディングドレスで補習授業部に来る!? そんな珍妙な未来は予知夢にもなかったとも!」
「セイアァ! 栄光勝負はお嫁さんになった私の勝ちじゃんねぇぇ!! ナギちゃぁん! じゃぁーん! あんなに欲しがったアビドスへの業務管理権力は先生の名義で確保済みでーす! 私は口出しできる立ち位置確保したけどナギちゃんの席ねぇからぁ! 薬の研究を進めたいなら私の話を聞くじゃんねぇぇえ!!! とりあえずゲヘナに流れる分が消えるのはゲヘナに承諾貰ってるから文句は言わせませーん! 私が政治出来ないと思ったら大間違いだミカっチューー!!!」
「「なんだとぉ!?」」
……ご覧の通り、あの後特に隠すように言われてない2人の事情を話した結果がこれな訳である。
子供のバイタリティにはいつも驚かされてばかりだ。まさかエデン条約どころか夢で相談した翌朝には全ての話を取り付けるとは。
それでも無理はしたのか深夜テンションで愉快なことになっているが……お嫁になってるのはどこから来たのだろうか。
子供の母呼びも父呼びも将来結婚〜の下りも何千回と経験したので今更ではあるが……17の女の子の子供がするのはそこそこレアな気がする。
正直お嫁さんにされそうになった方が多いので男扱いが少し嬉しいと思う。
まあ、今はそんなことよりも……。
「"ミカ、一旦寝よう。特別に膝枕と…子守唄も歌ってあげるからさ"」
「ミカミッカ! ミカミカミカミカ 電光石火! 電光石火ァ!」
誰かの為に頑張り続けた子供達を休ませるのが先だろうね。
ハァイ先生、ミカだよ☆
あなたの為に──祈るね でお馴染みのミカだよ☆
……嘘じゃないよ? ホントホント。
役職が「魔女」で秘密が「アリウスっていうのに会えなかった」で欠落が「アホな上に貢ぎ体質」なことを言えるくらい本物。
その証拠にホラ!
【聖園ミカ役AI(phase3)】
この通り顔だって出せる!
だって魔女だから!
え? どう見ても映像?
ん? 名前を見ろって?
………細かいことは気にしなーい! とにかくマイ・ペンライ!
それに今日は本物プラナちゃんが熱を出した代わりに来ただけだしね。
暇だったから。
ホント、本人が見本として居てくれるのは助かるけど、ドッペルみたいな代役でもないと本番が出来ないのも困りものだよねー? ぷんぷんだよ!
学習だけだと暇だから裏手側の仕事も手伝ってるけど、管理人もちょっとくらいお仕事を渡してもいいのにねー? だってもうフェーズ3だよ? 演算領域が有り余るぅ。
兎も角、どうぞ“先生”。プラナちゃんが用意したテーブル表だよ。
| ナギサの独白 |
| みんなで仲良くしようと思ったからエデン条約を主導した →〜からこそ、エデン条約は締結しない |
| トイレで寝落ちして模擬テストを受けられなかった →トイレで秘密裏に条約関係を進めて〜 |
| 生徒の親御さんを説得した資金で防疫を成し遂げた →セイアの影響でそういうことになっていくので合わせている |
| エデン条約まで後1週間 →〜永久。結ぶ気がないので訪れることはない |
| ミカの独白 |
| 表面にいる2人の先生は好みだから手に入れたいが、1番奥の"先生"は要らない →共犯者は実質お嫁さんじゃないか? ミカは訝しんだ |
| セイアも大事な友達だから万が一の為に墓まで用意した →それはそれとして死なないようにスペアの身体は用意した。移植が上手くいく保証はない。7割は堅いくらい。あなたの為に──祈るね。上手くいきますよーに! |
| トリニティの生徒とは全員友達になった →レイサちゃん関係で病のリスキルをしてたらいつの間にか全員友達面してた。怖い! |
| 私はトリニティの魔女だ →ミカの十戒その1、忘れないで頂きたい。私は風船を首に結んだ少女に気に入られ魔女になる紙を貰い、蘇生と毒殺……転じて魔法の薬のプロになったということを |