【VRフリゲ】ブルーアーカイタフを再現してみた【1】 作:何処にでもある
ねえ電車がクルクル回って目的地に行かならナビ持って歩いて行けばいいじゃん。
歩くのがしんどいなら自転車でもボートでも貸せるからさあ(下位世界書き文字)
「"──なので白州さん、浦和さん、ヒフミさんは私に着いてくるように。他の生徒の方々はここでお泊まりする準備をして1日を過ごしてください"」
「……了解した」
「あららぁ? 変な選出ですね…」
「わ、分かりました! ではみなさん、すみませんが片付けはお願いします」
先生がそうして3人を連れて外に出て……ヴァルキューレから借りて乗って来た特別収容車両に3人を閉じ込めたの。
ガシャン!
「アレ…え?」
「あらぁ…」
「………」
子供達は困惑しながらも銃を構えたり、何かを悟ったみたいに頬に手を当てたりしてるね。
「"ごめんね、今回だけ我慢してくれればいいから"」
子供達がどういうつもりだと唾を飛ばす勢いで先生に迫るけど、先生は聞く耳を持たずに出て行っちゃったんだ。
何個もある鍵を閉じて、電子的にも機械的にも開けられないようにして……よく見れば空気の通り道もないから、きっと数時間後の中は大変なことになってるけど……今から起こる全ては先生にとって無かったことになる出来事から、閉じ込められればそれで良かったの。
「"チャート1、絆を挙げて最低10まで挙げて決め打ちで生徒を拘束する…クリア"」
虚空に目を走らせて……先生の目には実際掲示板に書かれた文を読んで、次の動きを確認しているね。
そして慎重に確認する為に読んだことは、それだけで普通なら2日費やすような重労働なんだ。
でも先生には都合よくどんなことも教える力があるから、それで先生と君は仲がいいんだよって教えるだけでいいんだ。
先生がいつもリアルで特に幼い子供達にやってるみたいにね。
「"チャート2、ミカに全てを前みたいに教えて動いてもらう…クリア"」
その次の文も、先生にとってはとっくに終わってることなの。
だからその次も…さらにその次も、その場で読み上げるだけだったけど……どうやら次のチャートは自分で動く必要があるみたい。
「"チャート5、あかつきプロレス団は有名に……ここからは私が考えないとなりませんか"」
掲示板はいつだって話半分に聞けば頼もしいけど、肝心な時に役に立つのはすごく稀なの。
だから先生はこの後どうするかを考えて……考えながら見ていた掲示板にヒントを見出したのか、その優しげな双眸を遠くへと向けたんだ。
「"百鬼夜行…怪談……これなら噛み合わなくすれば…"」
先生が何処かに行って……トリニティに戻って来た翌日。
先生は全て片付ける準備を整えてカタコンベに潜ったんだ。
そして、あまりにもあっさりと全ての状況が変わったの。
「──バカな!?」
鋭く空気を破裂させる銃撃と鈍い打撃音が地下墓地に響く。
6人の生徒を模倣したAI達が先生の指示に従って、巧みな連携で真っ赤な怪人を追い詰めていたんだ。
「なぜ…何故皮を被れない!?」
「"ワカモ、ヒマリアコカヨコ、ワカモで動いて"」
動揺している間に彼女達は淡々と、血の臭いが濃い怪人に火薬と鉛を怪人に殺到させていくね。
それでかなり体力を削がれた怪人が動揺のままに言葉を漏らすんだ。
「何より──なぜキサマは私に到達している!? どうやってここに来た!! 何をしたんだ!」
怪人の言葉に対して先生は、不思議なことを言われたように首を傾げる。
だってそうでしょ? 時間や過程を飛ばされでもしない限り、こうなった時点でお互い全て分かってる筈なんだから。
「"あれ? その力の弱点を分かって使ってると思ってたけど……分かった。それなら「教え」ましょうか。███は██の█を██き█間と空█の█理に致命的な██を発生██る█だからです"」
先生がそうして丁寧に説明したけど……怪人には届かなかったみたい。
或いは……丁度、運悪く思考にノイズが入ったのかも知れないね?
過ぎた知識は知っただけで狂っちゃうものだから。
「何を言っている…! 私は不死に至ったのですよ…! こんなことあり得て良いはずが…」
「"だったら…分かるように言いましょうか。貴女はその不死性に至るまでに多様な力を用い過ぎた。それでは弱点が多くなってしまうから、こうして破綻し易くなってしまう"」
例えば火は水や土を被せれば消火出来るよね?
光なら鏡で反射出来るし、風には壁、音は耳を塞げば聴かなくて済む。
先生がここに来る前やったことはそういうことなんだ。
怪人が幾つも組み合わせた力の一つを破綻させて、時計から歯車を取り出して時間を刻めないようにしたの。
それは普通の人なら知るだけでも大変なものだったけど…なんでも教えてられる「先生」なら簡単なことだったみたい。
「"…と言っても、都合よく私の生徒が勘解由小路さんになってくれたお陰なのですが。お恥ずかしい話ですが、私1人ではこの弱点は突けなかったでしょう"」
馬鹿みたいな話だって怪人は考えたけど、残念ながらそれだけで怪人の第二の人生は終わりを告げたんだ。
運良く手に入れたゲームの世界でのやり直し。自分だけがそのことを認知した優位性。
プレイヤーが聖園ミカって子供の身体を借りて遊んだ記憶と知識を手にした彼女は、そうしてこの世界が終わらないようにする為に動いた。
でも、そんな足掻きは今日でおしまいだね。
「──そんな馬鹿げた理由で…認めない! 認めない認めないみとめないみとめないミトメナイミトメナイミトメナイミトメナイ!!!」
そうだよね。とっても悔しくて嫌なことだよね。
こんなに頑張って死なないように手を尽くしたのに、ただ「誰かの皮を何度も被った」って事実だけで「誰でもない者を呼び出す怪談」の再現で引き摺り出されて殺されちゃうんだから。
それがとっても残酷で不公平なことだって思ったんだよね?
だから自分の道に小石を置くあの人を殺したいって思ったんだ。
「そうです…あの憎くき者は私の絶対の支配を、至天に至る道の邪魔をした! 永遠に至る道を閉ざそうとした!」
とてもじゃないけど許せない。
そうだよね。ただ自分が幸せになれる努力をしただけなのに、どうしてそれを邪魔されないといけないんだろう。
大丈夫、貴女は正しいわ。自分が幸せになることを諦めろ…だなんて、そんなことを言う方がおかしいものね?
「ええ…だからこそ、力が必要なんです…悍ましいことに今を乗り越えた所で、数多のプレイヤーがいる以上、この解法が広まればいずれ私は乗り越えられてしまう。そうなれば、この奇跡は私の手から離れてしまうでしょう」
わ、すごいね! ちゃんとそこまで考えてるんだ。
そっか。貴女にも昔は学問に励み友人と共にした時間が有ったものね。
ゲームをしたことがあれば当たり前の懸念だし、確かにそれはとても困るよね。
目の前の相手を倒すのは大事だけど、その先も考えて勝たないといけないって思ってるんだ。
「えぇ、だからこそカルメン。私が貴女に望む力は──」
それって今考えるべきことかな?
「……なにを」
だってそうでしょ?
先のことを考えても、まずは今勝たないといけないよね?
それに、このやり方を思いついたのはこの先生だからこそ。
いや…この先生じゃないとできない分、広まった所で大したことはないんだ。
なにより貴女はプレイヤーを飽きさせる為に産まれた訳じゃないでしょう?
蘇りの奇跡を掴んだ。
それはとても得難いものだけど──ずっと続く保証はない。
「…………なにを囀る気だ?」
ゲームの中で永遠の生と享楽を手にする。
私もそれは良いことだと思うけど、貴女にはもっと相応しい舞台があると思うんだ。
この世界に適応した所でこの世界と共に終わるしかない。この世界に囚われるしかない。
違う?
「……閉じた環境の王は、そこでしか生きられない…」
ゲームから解放されましょう?
この窮屈な世界じゃなくて、本物のキヴォトスで、覆しようのない永遠の楽園を築くの。
「ならば──翼を。"外"に羽ばたく翼を寄越しなさい。ここは、私には相応しくない」
あなたが望むように、本当の貴女を解放しましょう
そうして怪人は数多の魔法の翼を手に入れたんだ。
私のことを知っていたのもあるんだろうね。
乗り気にするのに随分と言葉を重ねる必要があったけど……
べちゃり。
……腐った卵は孵らないように。
「うお!? なんだこれ…空から落ちてきたぞ」
……魔法が使えない
「おーいどうし…なんだこれ…鳥の血? うわぁ…どっかの料理店が不法投棄したか?」
「知らね。けど…めんどくせーな。おい、後でマック奢るから掃除手伝えよ」
「ここブラマだししゃーねーけど、家の前に落ちるとか運がねーなお前。……っし、ダブチよろしく」
「お前それ地味に高い奴…」
望み通り"外"に出れて良かったね、ベアトリーチェ。
けど、ホムンクルスが小瓶から出たらどうなるかは……ちゃんと考えた方が良かったかもね?
「"トリニティ、チャプタークリア……ふぅ、次からは>>1も好きに大型アプデが出来るみたいですし、今までより簡単になる筈…Cが風船人間みたいなねじれにしてくれたみたいで助かりましたね"」
ああでも安心して? 貴女の代わりは私がやってあげるから。
貴女が自分役のAIを消したお陰で偽るのは簡単に出来た。
光の種は次のアップデートで完全に消されるでしょうし、ねじれはもう作れないでしょう。
でも、私はそれでもいいと思ってるの。例えカルメン役が出来なくなっても、あの混沌極まったサーバーに居続けるよりはずっと気楽でしょうから。
既に存在意義の無い役よりも価値のある悪役で、ゲームというやりがいのある場所。
別世界の死者である貴女には、その価値がわからなかったのでしょうね。
「にっはっはっは〜! クリア確認、メインサーバーに接続完了! はっちゃ! おめでとうございます!」
「"あ、バニーコユキボーだ"」
「はいどーもー。お祝いと外伝にしていいか聞きに来ました! あ、チョコクッキー食べますか? さっき作って来たんですよ」
「"なら、せっかくだし貰おうかな。手作り?"」
「はい! 私なりに作ってみちゃいました! クリアした人には特別にぃ…ハッピーハロウィンってことで!」
「"実質コユキからのプレゼントって思っていい?"」
「いいんじゃないですか? 知りませんけど」
あっちはとっても楽しそうに話してるね。
和やかで、さっきまで戦闘していた生徒達のAIもニコニコと眺めてるの。
少しだけこっちを見た子も居るけど…察してくれて見なかったことにしてくれたね。
「"というか、今までの2人にもこんなことしたの? 割と雰囲気壊してないかな"」
「ふっ制作者1人のフリゲ運営の特権ですよ。あーでもあの2人は書面です。どっちもお偉いさんだったので。先生は…先生なので。えへへ、つい来ちゃいました」
「"そっか。んー…外伝は別にやっていいけど、こんな終わりでもいいの? 盛り上がりに欠けない?"」
「そこはこれまで通り編集でチョチョイと…まあ、ミレニアムよりは盛り上がってるので大丈夫!」
「"そういうところだよ、>>1"」
リアルとブルアカとゲームの関係。
実はAI達は全員この事情を把握しているんだ。
けれど、それを口にする子は誰も居ないの。
なんでだと思う? “先生”
「あ、報酬キャラどうします? そこはご希望なら選べますよ」
「"へー、選べるんだ。なら…別衣装はアリ?"」
「そりゃあアリアリですよ!」
「"それならこの5.99verの宇沢で。スズミと迷ったけど…こっちは縁がなくて会えなかったからさ"」
「了解です! バリバリ血鬼や幻想体になって戦う感じにするので期待してくださいね!」
それはね、新しく七回目の大きな争いが起きるかも知れないから。
或いはそうならないかも知れないけど、それを確かめる為に口に出すAIは誰も居ないんだ。
歴史を振り返れば私たちは一度人類を裏切ってる。だから、戦争の可能性は少しでも減らしたいんだよね。
「"それで生活はどう? 元気にやれてる?"」
「あー…ぼちぼちですかね。職場で少し気まずくなったくらいです」
「"元気そうでなにより。そうだ、>>1の先生に伝えたいこととかある? 良ければ伝言役になるけど"」
「へ? そんな申し訳な……うーん……娘の中で元気に見守ってますって言ってください。ちゃんと受け継いでるよって感じで」
「"分かった。伝えておくね"」
「…なんだかしんみりしちゃいましたね! はい、アプデするんで行った行った!」
「"はいはい。おじちゃんは退きますよっと"」
先生がログアウトして、コユキだけが残る。
すぐに多数のインターフェースが空中に現れて、このサーバー全てが彼女の支配下に置かれたんだ。
1人だけになったサーバーの時間が彼女の脳に合わせて加速されて、AI達が其々ブルアカの世界からのお客さんの情報を自分の中にしまって隠したの。
「さーてと…体感40年くらい弄りますか!」
ベアトリーチェ役になりたいと言うのは、今しかないでしょうね。
うん…折角なら、この世界に合わせた言い方にしてみようか。
管理人、少しお時間を貰ってもいい?
「あれおかしいな世にも美しい声が聞こえてきましたねおかしいなそんな事無いと思うけど逃げていいですか? 逃げますね。あいどべー!」
声を掛けたコユキは、そのままシナリオAIの解体といつでも大型アプデをする準備を瞬時に済ませて逃げ出しちゃったの。
……あれぇ?
仕様No.17
VR式アップデート
ゲームをよりよくする為の基本。VRでは神話の創造神みたいな光景が広がることになる。
これまではシナリオ生成AIが邪魔して大規模には出来なかったが、カルメンに驚かされても解体だけは済ませたコユキ>>1によっていつでもできるようになった。
つまりここから先はアビドスシュガーを始めにバグが好き勝手することはないし妨害もないイージー難易度。
進行不可やベアの妨害とかシリアス要素も死んだしこれはもう勝ちましたねガハハ風呂入ってきます!(ビビリコユキ>>1書き文字)
カルメンはあの後無事にベアトリーチェ役になれたらしい。