【VRフリゲ】ブルーアーカイタフを再現してみた【1】 作:何処にでもある
ふーん、バグが発動する条件って視認なのかあ。じゃあ目隠しさせてキスしてふんわり適当言って気に入られれば絆関係なくクリアできるなあ。
ゴングを鳴らせ! お話開始だ〜〜〜GO──っ!(掲示板を見ていたヒナモブ書き文字)
「はっはっはっはっ…はー…はー…」
突然ですが、恐怖に鮮度があるのはご存知ですね?
生ものであり、足が早く、手際良く調理しなければありつけない珍味とも言えます。
「
「ひいぃ……」
だからこそ、それが食べられるなら多少の労苦や茶番には付き合うべきであり、より深く熟成させるにはこうして弄んであげるのが大事なんです。
例え角が見えて場所が分かってても我慢して、慈悲を込めて希望を見出させる。
そうすればそれら全てが水の泡になった瞬間、彼女は恐怖の食材として最高のものになるんです。
「んー…ここかなー?」
「きゅ──」
「…あれー? 違ったなー?」
「…………うぅ、なんで」
──なぜこうなったのか。
きっとヒナちゃんの脳裏には今頃そんなことが過ぎっているのでしょうが、原因を遡れば小学の頃に出会ったのが始まりでしょう。そうでなければ私もここまで彼女を生き甲斐にすることは…多分なかったでしょうし、感情を引き出して料理するなんて性的趣向に目覚めることだってなかった筈です。
彼女がいけないんですよ? いつもあんなに頼もしいのに、少し痺れるものを食べただけでここまでよわよわになっちゃうし、普段追い立てる側だから逃げるのに全然慣れてなくて、こうしてバレバレになっちゃうし──それなのに給食を何回も食べに来てるって、そういうことですよね?
「──ヒナちゃん、みーつけた♡」
「ぴぃ」
「それじゃあ……今日もあなたで料理をしていきましょうか」
私、それが本当に嬉しいんです。どんなに疲れても、私から酷い目に遭っても食べに来てくれてるヒナちゃんのことが。
親の後ろを着いてくる雛鳥みたいにみえて、それがもうかわいくて仕方がない。
あれだけ頼もしい風紀委員長の弱いところを私だけ知ってるというのも、ギャップがあって唆るのですから、きっと私はヒナちゃんの魔性にやられてしまったのでしょう。
だからこそ──。
「またやっちゃったぁぁーー!!」
「わっフウカ先輩、どうしたんですか!?」
「ごめん…今自己嫌悪で憂鬱だから…放っておいて」
「は…はい…本当に困ったら相談してくださいね?」
「うん…ありがと…」
こうして本人がいない時の正気でいる時間、凄まじい自己嫌悪に襲われる訳です。
……ええ、はい。割とマズいことしてると自分でも分かってます。
ですが初めて会って以来ずっと、私はヒナちゃんを見ると発情してしまうみたいでして……。
その…後ろ姿を見た瞬間…なんと言いますか、子宮が恋に堕ちたみたいな…形容し難い悶々としたものを抱いてしまうんです。
「もうやめたいのに…うう…」
最初こそヒナちゃんが私を返り討ちにしてたので問題は起きませんでした。
そういう体質と言えばいいのか、ヒナちゃんは稀にそういう人に遭うそうで、その為にとっても強くなって、遂に風紀委員長にまでなった頑張り屋さんなんです。
私…? 返り討ちにされてた人の1人ですが?
「なんで…なんで食べちゃうの…来なきゃ襲わなくて済むのに…!」
なのでまあ、高校に上がるまではヒナちゃんが強いおかげで平和でした。
ですが……問題はここ最近になり、ヒナちゃんが私の食堂に食べに来るようになったこと。
ええ、分かりますよ? ここ最近は治安も悪いですし、風紀委員長で時間が無いから利用したいっていうのは。
私も最初こそ「うっわすっげぇエッチ…」とか思いながら我慢してました。
美味しそうに食べてくれるので他の人より大盛りで渡してましたし、オマケにプリンも追加してました。
ですが…ですが!
"ねぇ、今度一緒に料理を作りましょ? あなたと料理の腕比べをしてみたいのよね"
なんて言われて! トントン拍子で我が家に上がり込んだら襲わずにはいられますか!? 否! 絶対に否!!
ヒナちゃんって料理するんだとか、気合い入れて振る舞おうとか、その日予定あるなあとか、色々来る前に考えてましたが来た瞬間全部吹き飛んだ!
私服のヒナちゃんがかわいくて理性が限界だったから!
そうして性欲に支配された私は無駄に頭を働かせ、食べ合わせと隠し味をゴニョゴニョしてヒナちゃんを無力化。必死に乙女の純潔を守るヒナちゃんの抵抗と辛うじて存在した理性によりギリギリ散らしたりはせずに済みました。
……お互いの初キスを交換してヒナちゃんのお尻にナ[自主規制]とにん[自主規制]を出し入れた物を料理して目の前で食べたりしましたけど、まだセーフでした。
「初めてですっごく恥ずかしがってるの……良かったなあ…」
パァン!
自分の口から出た戯言を頬と共に叩き落とします。
ああもう…ここ最近ヒナちゃんのことばかり考えてしまっていけない。
ただでさえ本人を前にするとダメなのに、いない時も頭を性欲に支配されたら今度こそ終わりです。
「うぅ…最近給食を作るのと同じくらいヒナちゃんのことを考えてる気がする…ダメなのにぃ…」
思えば最初の時にアラレもない写真を撮って弱みを握ったのがダメでした。
そんなものを持ってヒナちゃんに会えばどうなるかは一目瞭然。完全にタガの外れた私は彼女に平日は食堂に通い、休日は私の家に食べに来るように脅迫しました。
それ以来です。従わなければいいのに毎日来ては毒入りのご飯を食べて、毎日私に襲われてます。
いやぁ、このシチュ最っ高に滾ゴッ!!
「ふんっ!!!」
「わあ、遂にグーで…!」
……本当はわかってるんです。脅してる側がこんなこと言っちゃダメだって。
やめようとするなら写真をスマホとUSBを分けて保管したりせず壊して謝ればいいって。
そうすれば私はDV彼氏みたいな振る舞いは出来なくなりますし、彼女だって私から自由……にはしたくないので友人程度に収まるはずなんです。
私だって自分にこんな一面があるなんて思ってませんでしたし、不本意だからやめてしまいたい。
けれど……仮にそうして、ヒナちゃんとの関係が消えたらと思うと…とてもじゃありませんが耐えられません。だって、もう私はヒナちゃん無しには生きられないくらい好きになっちゃったんですから。
「あー……加害者側のふざけた思考が理解できていくー…」
「…あのう相談、乗りましょうか?」
「ごめん、ジュリが狙ったら私どうするか分かんないから教えない」
「……ええ?」
彼女が来る時間はこっちで決めてあるから上手く合わないようにしてるけど、コレでもし私と同じでヒナちゃんをエッチな目で見れるタイプだったら自分でも自分が何するかわからない。
正直こっちはもう自己嫌悪しつつも、寝る前には如何に卒業後ヒナちゃんを養いながら生活するかを妄想してるくらいには執着しちゃってるのだ。
我ながら図々しくて引く。所詮私もゲヘナだった訳だ。でも譲らない。私の三大欲求は料理欲、ヒナ欲、ヒナ欲なのだから。
睡眠? そんなことよりヒナちゃんが産んだり熟成させたご飯を食べた方が元気出ますよね?
今はガンに効かないかも知れないけど、ヒナ吸いはいずれガンにも効く。
ヒナちゃんは(性的に)食べてよし、(性的に)寝てよし、(性的に)抱いてよしの完全栄養素だ。
ハルナには悪いけど、私はヒナちゃんと一緒に行くね。
はっ! いいこと思いついた! 私が本気で作った料理をヒナちゃんと一緒に食べる動画を送ったら
アイツら問題起こしてヒナちゃんの気を引こうとしてる節があるし、お灸を据えるついでにやっても面白そう! このフウカ、友達でも恋敵には容赦しない!
「……いやいや、流石にそれは…」
やりたいけど…逆効果になりそう…でもヒナちゃんは私のだって分からせたいし…ヒナちゃんいつも疲れてるし…こう、妻としてさ。
"ただいま、フウカ"
"ヒナ! お帰りなさい。今日は早く帰ってきてくれて嬉しいです!"
"いつもより仕事が少ないから早上がりさせて貰ったわ"
"そうなんですね。なら、今日は先にご飯にしますか? それとも…"
"勿論フウカの手料理もフウカも欲しいから──両方よ"
キャー!!
夢シチュ萌える〜!
決めた、今日はヒナちゃんの口噛み甘酒とホカホカ土鍋ご飯にヒナ産み卵に決定!
「キャー!!」
「フウカさん…熱でもあるのでしょうか…?」
なんてことを考えつつ、今日は平日ですけど家の気分だったのでモモトークでヒナちゃんに連絡した訳ですが…。
コンコン
「…? 誰だろう」
いつもなら呼び鈴を鳴らすのに、扉を叩く音が聞こえて。
「…フウカ、少しいい?」
「ヒナちゃん! はいはーい、今開け──」
「ごめん、このまま話しても良い?」
そう言われて、思わず扉を開ける手が止まりました。
覗き穴を覗いても髪の毛一本も見えなくて、辛うじて蛍光灯が床に三角座りをした彼女の影を知らせてばかりです。
良かった、ちゃんと本人で、ゲヘナ生徒のイタズラじゃない。
……なら、どうしてこんなことを?
「事情が変わったから、今は……まともな貴女と話したいの。顔を合わさずに話させて頂戴」
「あ──」
ああ、と。
納得したと言えば良いのか、確かにこれならまともに話せるな、とか。
半分くらい性欲に満ちた脳を頑張って切り替えて、ヒナちゃんの話に耳を傾けました。
こういう変化があった日は決まって何某かの
「…はい。幾らでもいいですよ」
「あら…意外ね。私を脅して散々楽しんだ癖に、私の話を聞く耳があるだなんて」
ぞくりと。
背筋に氷を入れられたかと錯覚するくらい、本当の本当に耳が痛い話だった。
「………すみません」
「別に怒ってなんかないわ。貴女なりの親愛表現がそれなら、別に悪く言うものでもないのだから」
「そうじゃなくて…!」
親愛表現と評されて、反射的に否定した自分に驚いた。
自分でもそうだと思っていたから、否定しようとする自分の心の動きに動揺した。
そうなると……例え扉越しでも、数々の問題児を見てきた風紀委員長にバレない筈もなく。
「……怒って欲しい?」
「………そうかも知れません」
「そ、ならしてあげない。……このくらいはやり返させて頂戴?」
「…キツい罰ですね」
「ゲヘナで性的に風紀を乱した罰よ、甘んじて受けなさい。……それに、貴女が道を誤ったのは私の呪いが引き連れたから。一目惚れさせたからよ」
酷く重い言葉でした。さっきまで有頂天だったから、落差で足場が無くなったみたいにグラグラする。
けれど、残酷な程優しい言葉でもありました。小学5年からずっと続いた歪な関係に、優しい終わりを与えるものだと思ったんです。
「……思えばこうしてちゃんと話したのは初めてでしょうか。ちゃんと謝れたのも……これからはヒナちゃんには会わないようにしますから…転校、それで償いにさせてください」
「──それは、認めてあげない」
重い決断をして顔を下に向けていたからでしょうか。
ガチャリと扉が開いて、俯いた私の目に眼帯が巻かれることに抵抗できなかったのは。
「今日出向いたのは、ずっと逃げてばかりじゃダメな事になったから。だからあなたと向き合うことに決めたの」
何も見えません。代わりに、あの昂る熱も有りません。
外から吹く木枯らしの冷たい風と、冷たい彼女の手が頬を撫でて。
冷たいあなたの手を、初めて知りました。
「正直、恐れてたのよ。フウカ、貴女は決して、私が本当に嫌な事はしなかった。最悪ではなかった。だからこそ私も判断に迷い、貴女に随分と待たせてしまった」
熱のない暗闇で、あなたの姿を確かに見ました。
残酷なことをした私を許すあなたの優しさと、ずっと私の真意を考え続け悩んだあなたを。
浅ましく、卑劣で、間違え続けた私を許してくれたあなたを。
「呪いの中でなお私を思い遣っていたのは分かってたわ。だから──これが私なりの返答よ」
きっと──私はこの味を決して忘れることはないでしょう。
あなたの姿ではなく、その心に惚れた日の、レモンの味を。
「どう? 私、結構熱いでしょ」
「──はい、とっても」
銀糸が互いの口元に橋をかけ、落ちきる暇もなく新たな橋が作られる。
都合のいい夢の中にいるみたいにふわふわするような、今までと違う穏やかで、じっくりと続く熱が湧き上がった。
もう戻れないなって思考がよぎって、とうの昔に乗り越えてるのにと自分の思考におかしく思えて笑う。
だから──私はこの日、光をあなたに捧げました。
仕様No.20
責任について話したことがありましたね? 先生。
R18をオンにしてAIじゃない生徒に会うと一目惚れ(絆20分獲得相当)という処理になる。
これは会うたびに一目惚れ判定が発生し、累計が加算されているが、数値処理がされるのはオフにしてから会って改めて行われる。
勿論心に優しくない絆の量なので一周回って穏やかな熱と錯覚することになる。
バグじゃないのはコユキがオマケだからと適当に処理を決めたものである為。
要するにお手軽デレデレ生成装置。ヤンじゃないのはどこまでも深いだけの普通の愛だから。
問題は気に入られるの段階を簡単に超えてクリア数値に加算されないことだけ。