【VRフリゲ】ブルーアーカイタフを再現してみた【1】   作:何処にでもある

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 例えば時間を巻き戻せるとして、前提から違う世界を同じと思えるだろうか(超人書き文字)




【ブルアカ】0に消えた友人【超人日記】

 

 

 4/6 晴れ

 少しだけ暑い日差しの中、7分咲きの桜道を通り、賑やかな都会で暮らす人々の声が遠くから聴こえて来る中、白い制服に一つ星を携えて‭─‬‭─‬本日、私は高校生で、連邦生徒会所属になりました!

 なので今日から日記を書いてみたいと思います!

 ほら、思い出は後から振り返る物があってこそより濃くなると言いますからね。

 私はなんでも完璧に覚えられるタイプなので要らないかなーっと悩みましたけど、やっぱり花の高校生活はしっかり記録したいと思いまして…。

 

 なので、不肖█████、本日からおばあちゃんになっても振り返られるように頑張っちゃいます!

 ……ちょーっとサボって書かなかったりするかもデスケド。

 

 

 4/9 晴れ

 今日は新しい友達が出来ました!

 沢山出来たけど、特に記憶に残ってるのは不知火カヤちゃんです! わーパチパチ

 連邦生徒会になる前…中学からの付き合いのリンちゃんは殿堂入りとして、私からも特に仲良くしてみたい子です。

 妙に視野が広くて、ころころと表情やテンション、口調が変わって、責任感がある面白い子。まだ会ったばかりなので詳しくは分かりませんが、1番興味を惹かれる子です。

 お互いを知るのが楽しみですね!

 

 

 4/16 曇り

 サボってません、戦略的時間リソースの再分配です。

 …はい、白状します。三日すら持たず飽きてました。

 その代わりに今日のカヤちゃんウォッチングの成果を…。

 

 私って統括室所属なんですけど、カヤちゃんって防衛室の部員なんですよね。

 キヴォトスで武力は切っても切れないもの。なので仕事部屋も近く、アクセスも容易なんです。

 なのでリンちゃんと一緒に帰る時に必ずその前を通り過ぎるんですけど…

 

 なんと、カヤちゃんの周りに小さくデフォルメされたカヤちゃんがいっぱい居たんです!

 

 あの時ばかりはリンちゃんも絹を裂くような声で驚いてましたねぇ…私もびっくりです。

 背丈は50㎝くらいでしょうか。カヤちゃん本人と一緒にお仕事に励んでいる姿はなんだかメルヘンチックで、童話のような光景だった印象があります。

 流石にそのままスルーするのは無理だったので聞いてみれば、

 

「最近出来るって感覚があったので、やってみたら出来ちゃいました。便利ですよ? 偶に思考が逆流したりしますけど…」

 

 と、言うではないですか。

 いいなー私も欲しい! 小さな子がわちゃわちゃしながら一生懸命にしてる光景って、どうしてこんなに癒されるのでしょうか。

 1人くらい…丁度100人らしいので取ったらバレちゃいますね、残念です

 

 

 4/18 晴れ

 今日はリンちゃんと一緒にカヤちゃんも一緒に帰りました!寄り道で食べたイチゴミルククレープは美味しかったです。

 リンちゃんはチョコバナナ、カヤちゃんはキャラメルコーヒー味でした。今度食べてみよっと。

 

 で、なんで一緒に帰ったかと言えば、一緒に仕事をしたからです!

 おいおい、管轄が違うだろ?…って声が聴こえてくるようですが、これには訳があります。

 

 連邦生徒会の仕事が規則が多くて、放課後の遊べる時間が少なくなりがちです。

 キヴォトス全体を担う業務なので仕方ないと言えばそうなのですが…やっぱり花の高校生、友達と一緒に遊園地や海に行きたいじゃないですか?

 と、いう訳で友達と約束した日…突然入り込む仕事…約束を破って疎遠になりたくない…!

 

 と、いう訳で仕事を頼まれたので承諾しました!あのくらいなら30分もあれば終わりますからね。

 そしたら小さなカヤちゃん……ミニカヤちゃんが部屋を訪れまして、撫でたいなーだっこしたーいと思いながら見てるのに気付かれまして…逃げ出したのを残念に思っていると、ガヤガヤとミニカヤちゃん達に手を引かれて手伝いに来てくれたんです!

 

「別に手伝うつもりは無かったのですが…この子達がどうしてもと言うので仕方なく…仕方なくですよ? 別部署なのであんまり手伝えませんからね?」

 

 またまたー、そんな照れちゃってー。

 ミニカヤちゃんの私への懐きっぷりからして私のこと好きな癖にー?

 仕事も思ったより早く終わりましたし、今日は楽しかったです!

 

 

 6/7 雨

 サボってません、毎日書くにはこのノートの余白が少ないんです。

 2ヶ月空きましたが、ここ最近の連邦生徒会の業務は殆ど私がやることになっています。

 

 なぜ?なぜ?なぜ?理解出来ません。みんなお馬鹿さんになっちゃったんですか?

 

 失礼、取り乱しました。

 流石にこんなにあると一日中仕事と向き合わないと終わりません。

 幸いリンちゃんやカヤちゃんが居るので16時には帰られるのですが…前は14時に帰られてたのを思うと、とっても虚しい気分になります…うごご、4時間が長い…。

 

 どうしてこうなったかと言えば、あれ以来私は仕事を代わりにやってくれる便利な人と看做されまして……理由がもし本当だったらと思うと断るにも断れず、気付けば全ての業務が私の手元にやってくる構造が完成してました。

 知ってるか?シッテムの箱まで今私の手元にあるんだぜ?怖いだろー、私は怖いぞー。

 時間すら巻き戻せるって本当なのかなー?音声パスワードは教えて貰ったけど…。

 

 リンちゃんとカヤちゃんは友達だからと手伝ってくれるのがありがたい…。

 ミニカヤちゃん達も電話やメール処理とかもやってくれてますし、書類整理にお茶やお菓子を買って来てくれたりととても助かってます。花丸あげましょう。

 

 …はーぁ、遊園地行きたいなー。

 

 

 6/14 台風のばかやろー

 今日もお仕事に励んでいたら台風で泊まり込みになりました。なんですか風速40mって。ミニカヤちゃん達が全員空の彼方に消えるじゃないですか。

 

 そう思ってたら台風に負けて割れた窓から1人書類に巻き込まれて吸い込まれて行きました。ミ…ミニカヤちゃーーん!!

 

 慌てて追いかけようとしましたがリンちゃんに止められ、カヤちゃんに至ってはまたかーと言わんばかりの顔で平然と窓を塞いでいます。アレってマズいですよね!?…と、慌てて聞けば

 

「まあ実際復活とか出来ませんけど…既に30は消えましたし、今更だと思いますよ?」

 

 それ思いっきりダメなやつ!

 そういえば最初より少ない気がするなーと思ってましたが、まさか本当に減っていたなんて。

 抜かりました…コンビニを手伝ったり廊下をうろついたりしてるのでそんな物かと思ってました。

 

 と、いう訳で今日のお泊まり会はカヤちゃんへの質問コーナーに決定。

 普段から居て慣れたこの子達の正体を暴きに行きました。

 その結果

 

 ミニちゃんズの動作は半自動であり、常にカヤちゃんに情報が行っていること。

 食べも飲みもするが、別に無くても生きていける。あげると喜ぶ。

 一度消えたら戻らず、最初に呼んだ100体の使い切り式。

 ミニちゃんズが成長した部分はカヤちゃんにも共有されるが、その逆はない。

 コンビニバイトで稼いだお金はミニ同士で共有してお菓子を買ってる。かわいい。

 抱いたり撫でたりすると困惑しつつも喜ぶ。かわいい。

 3体ほど野良犬に噛まれて消えて以来、全員が犬を怖がるようになった。かわいそう。

 というか外に出たミニは全員帰ってこなくなったので、ミニは基本ここから出たがらない。かわいそう。

 

 結論、思ったより儚い子達だった。

 

 

 8/1 暑いよぉ〜

 また2ヶ月空いたと思っちゃいました?へへんっ1年以上過ぎてますよーだ!

 日記を習慣にするのは…私には無理難題だったみたいです。

 とはいえやるからにはしっかりと!

 

 2年に上がると後輩が出来るということのなんと素晴らしきことか。

 大半の仕事を渡されるのは変わりませんが、リンちゃんとカヤちゃんの努力のおかげでこの度私の仕事量が大幅に削減されました!

 真面目にやる子が増えたのもそうですが…みんなで頑張ったおかげです。

 後輩達の教育に専念し先輩達との交流も調整したリンちゃん。

 業務と共に権限が私に集中していることを逆手に色々をスッキリさせたカヤちゃん。

 その他フォロー担当のミニカヤちゃん達。

 全員が私の為に頑張ってくれたおかげで、今は海や遊園地に遊びにいける余裕だってあります。

 いつの間にか私の名が轟いている上に犯罪率も激減してますし、七囚人の逮捕にSRTなんて学校も出来て…カヤちゃんはいつこんなことをしたのでしょう?

 ずっと私の仕事手伝ってましたよね?……ま、いっか!多分ミニ達でしょう!

 

 あ、この度めでたく?連邦生徒会会長になりました。

 会長として11の役職の振り分けが必要なんですけど、適当に欲しがってる友達や今までの継続でいいですよね?

 あ、リンちゃんは私の補佐役です。リンちゃん立場があるからって敬語使いそうですし。

 カヤちゃんは防衛室にしました。似合いますし。

 

 

 12/27 雪

 私気付きました。私楽しいことがある日は日記を忘れるタイプだと。

 嫌なことや疑問に思ったこと、気付いたことは書きますけど、それ以外特に書いてない…!

 だからこんなにカヤちゃんまみれの日記になってるんですね。

 嫌なことがあったら現れて、隣に立って手伝ってくれるんですから。

 

 ふふっ1番の友達…なんて、言ってもいいですよね?

 疲れて寝落ちした横顔を見てると、そう思っちゃいます。

 

 …あ、リンちゃんは殿堂入りですよ?

 

 

 5/11 ビームと灰

 ……だからって、これは、無い。

 

 今日、私は初めて全力と殺気を込めて銃を放ちました。

 

 ……恐ろしい魔王が出たんです。

 それ以外は何も分かりません。ただ、ある日突然、全てを壊していった。

 自然に起きる災害のように、全てが硝子となって溶けて、灰になって消えた。

 ミニカヤちゃんの犠牲が無ければどうなっていたか…儚い彼女達が理不尽を撃ち破れる力を発揮するのも、今日知りました。

 無限に放てるようになった銃と、私の力で。

 物量の押し付け合いで打ち勝って、物質を支配する魔王を、私は倒しました。

 

 ……シッテムの箱なら巻き戻せる。今はそんなまやかしでさえ頼りたくなる。

 

 

 カヤちゃんに止められました。それはまだ早いって。

 友達の言葉………もう少しだけ、頑張ってみよう。

 

 

 5/27 災害

 世界が終わる日ってこんな感じだと思います。

 私が出来たことといえば、がむしゃらに走って、倒して、倒して、犠牲に目を背けるだけ。

 とっても痛かったし、とっても辛かった。

 でも、終わりを迎えた人を思うと、そんなのは気にならなくなって…気付いたら、全員倒せてました。

 正直どうして勝てたのか、今でも定かじゃありません。

 着いてきたミニカヤちゃん達が1人、また1人と消えて、その代わりに攻撃が通じるようになって…いつの間にか7人まで減っていたミニカヤちゃん達も、1人だけになっちゃって。

 

 今回をなんとか出来ても、もし次があったらと思うと……。

 

 

 6/1 終わった日

 2度あることは3度ある。けど、今度は人の争いでした。

 今更何を争うんだって思いますけど…その気持ちもなんとなく分かる気がします。

 

 前と変わらずに目覚めて、前と変わらない食事を摂って、前と変わらない授業の映像と宿題をして……そうして普段の生活の中でふと外を眺めた時に‭─‬‭─‬硝子の大地と赤くなってから戻らない空のままな現実に引き戻される。

 

 ああ、世界は終わったんだなって感じて、この生活があとどれだけ続けられるのか不安になって……。

 

 未来が薄ぼんやりと暗くて冷たいものになったのを、ゆっくりと実感していく。

 

 カヤちゃんは頑張り屋です。こんな状況でも、数百年後には全てを取り戻せるようにしつつ、今の生活を維持できるようにしている。

 なんでそんなに頑張れるのかって、一度聞いた事がありますけど…。

 

「そんな事ですか? 私は今も昔も私が思う理想を実現し、維持しようとしているに過ぎません。貴女の名前で犯罪率を一時的に大幅に減らせた時は大体叶ってましたが……所詮は恐怖の支配ですし、私達が卒業すればそのうち戻るでしょう? ならばその対策が必要で、どれだけ時間が有っても足りないものです。………話が逸れましたね。要は私にとって、今も昔もやる事は変わってない…ということです」

 

 なんだかすごいなって。私はその時初めて、カヤちゃんがとても遠い存在に感じました。

 その後も初めからそう考えている訳じゃ無かったとか、小さな私達に影響されたとか言ってましたけど、そうやって学んで、経験して、成長したのはカヤちゃんです。

 だから私は…………。

 

 

 6/2 快晴

 決めました。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 なにも私が戻る必要はないんです。私よりも託すべき相手が居るなら、その人に任せるべきで…

 

 あ、

 

 任せたら、もう会えないんでしょうか。時間を戻るなら、私は取り残されて…。

 本当に戻る保証はありませんけど…いざ渡そうとすると、そんなことを思い付きました。

 

 …明日にするべきですね。

 

 

 7/10 大雨

 私が巻き戻る事にしました。

 なので、この日記(記録)も今日で終わりです。

 絶対上手くやってみせます。

 だから……今度はみんなが死なないような、そんな結末に辿り着いてみせます。

 

 今度は、間違えないように。

 

 

 

‭─‬‭─‬‭─‬‭─‬そう、決心したのに。

 

 

「……では…さようなら。無間地獄で……安らかに」

 

 読み終えた途端にボロボロと消えていく日記を前に、私はただ震えながら立ち尽くす事しか出来ませんでした。

 きっと間違えたんだと思います。

 今までの全てを放り投げて、責任を放棄してやり直すことを選んだ私の、失敗。

 

「…………ッ」

 

 ただ、黙ってそこから立ち去るしか出来ませんでした。

 それ以外の全てが、あの場では禁じられていたことのような気がして。

 間違えてはいけないという重責が私の肩にのしかかって、止まったらどうにかなってしまいそうな焦りが足を突き動かしてたんです。

 なんと言えば良いのか……どこか冷静な私が、今のままだと失敗しかしないという客観だけが、頭の中で残り続けました。

 

 きっと合ってると思います。

 カヤちゃんが居なくなったなら、この世界はきっと前とは別物の世界で。

 失敗の選択から続いた、終わりのない無間地獄で、数多の結末を犠牲に一つの世界を救う、これはそんな記録になるでしょうから。

 

 






 バグNo.5
 エンドレス超人
 本来「沢山の周回の末に先生に席を譲った」という名のフラグが機能せず、いくら経っても自分で解決しようとやり直しし始めるバグ。
 周回なんてサーバーに負担しか掛からないので演算せず、やったという体でスキップするフラグが機能していない。
 >>1がこのフラグに気付くのは相当先であり、今後暫く放置される事となる。

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