アトラスお姉ちゃんの日々   作:メリルメリルメリル

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イタズラをする!

 

 これはまだ私が14歳の時の話だ。

 

「セイラにイタズラをする!」

「イタズラをする……遊星、いったい何をするつもりだ?」

「この前かくれんぼで見つけられなくて泣かされたクロウの仇を取る!」

「泣いてねーよ!」

「泣いたのは恥ずかしいことなんかじゃない!自分に嘘を付かなくて良いんだ!クロウ!」

「お前もな」

 

 事の発端は私がかくれんぼで最強過ぎたのが原因。

 物置の天井に貼り付いて隠れていたら誰も見付けられなくて、かくれんぼを利用して自分達を置いて脱走してしまったんじゃないかって不安になって泣いちゃったんだ。

 2人の泣き声と泣くのを必死に我慢して鼓舞するジャックの声でようやく事態を把握して飛び出してね、それから手加減するようになったら今度は手加減するなって、難しいよね〜。

 

「レゴを撒いてセイラに踏ませる!」

「無理だろ」

「やってみなきゃわからない!!!」

「そこまで言うなら見張りは俺達がやろう」

「は?達って俺もやるの?ジャックと遊星だけでやってろよ」

「遊星が自信満々なんだ、ほら見張りをするぞクロウ」

 

 レゴブロック撒き散らし作戦を実行、そして……

 

「あ……あぁ………助けて…………」

 

 自分で撒き散らしたレゴブロックに囲まれ逃げ道がなくなっちゃったんだよね。

 遊星、レゴブロック撒き散らした事に満足してさ。たぶん後の事何も考えてなかったんだと思う。

 それでレゴブロックを踏んだ時の痛みは良く覚えているからレゴブロックに取り囲まれてパニックになっちゃったんじゃないかな。

 

「遊星、何かあった………」

「ジャック?どうしたんだよ固まって?……って本当にどうした!?」

「助けて!」

「今助けにぐああああああ!!!」

「クロウーッ!!!」

「何事!?く、クロウ!?大丈「「あっ」」………っ……………………」

 

 


 

 

「……って事があってね、あの時痛がるクロウに釣られてレゴブロック踏んづけてちゃってさ、遊星の目的通りにはなったんだけど過程があまりにもマヌケっていうか……」

「うん、可愛いかも。遊星にもそんな頃があったんだ」

 

 龍亜君が戻ってきて私の両親の話しをし、そこからジャックと遊星の子供時代の話しを注文されたからその話しをした。

 

 


 

 

「イエーイ!俺の勝ちーっ!」

「あ〜負けちゃった〜。いや〜強いね〜」

 

 龍亜君ご自慢のジャックグッズを楽しみ、その後本命?だったらしいデュエルをしてアドバイスが欲しいと言われデュエルをしたのだけど負けちゃった。

 遊星から「俺にデュエルを教えたのはセイラだ」って感じに聞かされていたらしくてキラキラした目で頼まれたんだよね。負けちゃったけど。

 

「ねえどうだった俺のデッキ!フォーチュンカップでも戦えるでしょ!?」

「セイラさん。つり天井を使うタイミングとか何か所々変じゃなかった?」

「お?龍可ちゃん鋭いね〜」

 

 単純に相性が悪かったのと、逆転はできても一撃で勝利にまで持って行く事ができず無駄に長引くと悟った時点で問題点を指摘し導く感じのプレイングに変化させたのが敗因になった。

 

「龍亜君の戦いを知るのが目的だったから。それにしてもディフォーマーかぁ……初めて見るデッキだったけど、攻撃力が低いのはちょっと意外だったよ」

「え?そう?」

「サテライトに落ちてくるシティの人って攻撃力とレベル重視って人が大多数だから……って言っても、同じシティでもトップスと落ちてくる人じゃ違うのも当然か」

「そうなんだ。俺の周りにはただ攻撃力の高いモンスターだけを入れてる人ってそんないないけどな」

「ふむ……ねえ、私さ。《地獄の暴走召喚》とか《機械複製術》が余っているんだけど入れてみない?」

 

 本当は遊星にあげるつもりだったのだけど「自分のデッキの強化に使ってくれ」と受け取り拒否されるようになってからずっと持ち歩いてたんだよね。《チューニング・サポーター》2枚と合わせていつでも渡せるようにって。

 

「《地獄の暴走召喚》は《悪シノビ》が並んだ時のだよね!

 それでコッチのはえっと、自分フィールドの攻撃力500以下の機械族モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターの同名モンスターを2体までデッキから特殊召喚する……ってことは?」

「《D・モバホン》とかを3体並べてシンクロ召喚に繋げやすくなるかもね」

「スッゲえや!?」

「うん、それは凄いけど………」

「ん?どうしたの?」

「あ、話の腰を折ってごめんなさい。デッキの強化には関係無い話だから」

 

 あ、良い子だ。消極的とも取れるけど空気の読める良い子だと思う。

 

「ううん、気にしないで。思った事があるなら遠慮無く言ってくれた方がお姉ちゃん嬉しいな」

「そう?……えっと、それなら。その、私の変装してフォーチュンカップに出るって言ってるけど、私はあんな風にデュエルしないから、あの姿が私って思われるのは……」

「ん~?ごめん、それお姉ちゃん初耳だなぁ~」

「え?」

「あれ?てっきり遊星から教わってるんだと思った」

 

 またあ!?またあの子なの!?

 ほんとよくも今朝方「待て、話せばわかる」なんて言えたモノじゃんさあ!?!?

 

 


 

 

「これでトドメだ!《D・ラジカッセン》の2回目の攻撃!デススパイラル!!!」

「それ絶対技名違うーッ!?!?」

 

 《ダブルツールD&C》を装備し《リミッター解除》で攻撃力が4400になった《D・ラジカッセン》の攻撃によりライフが0になる。

 

「遅ぇーよ!俺にはお前が止まって見えるぜ!」

「負けたー!このデッキ忍者は格好いいけど攻撃力低すぎるし難しすぎるよ!……あ、難しすぎるわ!」

 

 今度のデュエルはお互いのデッキを交換してのデュエル。

 それも龍亜君は龍可ちゃんの演技を、私はクロウの演技をしながらのデュエルだよ。

 

「……って感じ。見ての通り私は女だけど、どうだった?」

「なんか迫力有って違和感が無かった、動きもビシッとしててカッコ良かった」

「ふふ~ん♪そうでしょそうでしょ。弟達のロールプレイさせたら自信あるよ」

 

 TRPGで弟達を楽しませるためにロールプレイを全力でしていた結果、幼女っぽい声から魔王っぽいロールまで上手すぎて逆にドン引きされたレベルだからね。

 

「コレで分かったでしょ?デュエルは当然、演技も練習しないと上手くなれない。

 2人とも私のこの服見て綺麗だって褒めてくれてたでしょ?

 見ての通りデュエル中服装が変わっているわけでも無いけど、私の事どう思った?」

「スッゲーカッコ良かった!」

「うん。格好良いのはそうだけど、綺麗だけど荒々しさもあって、のほほんとしてる今のセイラさんとはまるで別人のようだった」

「そういう事。私は全力で自分を漢として演技した。だから恥ずかしくなんてない。全力を出し切った。

 良い?女の子の真似をするのが恥ずかしいんじゃ無くて、人に見せられない半端な演技を見せるのが恥ずかしいことなの。

 ましてや今回は練習だよ?練習であの演技じゃ本番で龍可ちゃんの真似なんてできっこない。

 龍可ちゃんじゃないってバレてつまみ出されちゃうかもよ?」

「ガーン!!!」

 

 おぉ、それクロウも小さい頃口に出して言ってた。

 やっぱり龍亜君とクロウって似てるところ多いなあ。

 そしてガックシと肩を落とすところまで同じだぁ~。

 

「そっかぁ、でももうあんまり時間が無いし………」

「……学校の放課後とか時間ある?お姉ちゃんで良ければ練習付き合うよ?」

「良いの!?」

「もちろん良いけど……演技の前に形から入るのも大事だと思うんだ」

「へ?」

「あ。ふふ、私もそう思う」

「えっと………えぇ?」

 

 時間も時間だし今日はここまでということにした。

 そして明日の放課後、化粧品等を買うために2人とショッピングに行くことになった。

 ついでに私もフォーチュンカップの観戦に行くのに恥ずかしくない服を買っちゃおう。

 

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