アトラスお姉ちゃんの日々   作:メリルメリルメリル

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☆過ぎ去る星に願いを

 

 遊星LP2400、手札0、モンスター3、伏せ2

 セイラLP800、手札4、モンスター4、伏せ1、表魔法罠1

 

「魔法カード《調律》を発動。私はデッキから《ジャンク・シンクロン》を手札に加え、デッキの上のカードを1枚墓地へ送る。

 《ジャンク・シンクロン》を攻撃表示で召喚。その効果により《ソニック・ウォリアー》を墓地から呼ぶ。

 レベル2《ソニック・ウォリアー》にレベル3《ジャンク・シンクロン》をチューニング!

 集いし星が新たな力を呼び起こす!光さす道となれ!

 シンクロ召喚!

 来て!《ジャンク・ウォリアー》!

 墓地へ行った《ソニック・ウォリアー》の効果。私のフィールドの全てのレベル2以下のモンスターの攻撃力が500ポイントアップする」

 

 《悪シノビ》

 ATK400→900

 《悪シノビ》

 ATK400→900

 《悪シノビ》

 ATK2800→3300

 

「《ジャンク・ウォリアー》の効果!パワー・オブ・フェローズ!」

 

 3体の《悪シノビ》から紫色の光が飛び、その力を全身に受けた《ジャンク・ウォリアー》は禍々しいオーラを纏いその目を赤く光らせる。

 

 《ジャンク・ウォリアー》

 ATK2300→7400

 

「こ、攻撃力7400!?」

「この攻撃が通ったら!」

「遊星!?」

 

「《ジャンク・ウォリアー》で《ニトロ・ウォリアー》に攻撃!スクラップ・フィスト!!!」

「永続罠《強制終了》!このカード以外のカードを1枚墓地へ送ることで強制的にバトルフェイズを終了させる!

 俺は《スピード・ウォリアー》を墓地へ送る!」

「ヒュ~♪流石遊星。カードを2枚伏せてターンエンド」

「俺のターン!」

 

 遊星LP2400、手札1、モンスター2、伏せ1、表魔法罠1

 セイラLP800、手札1、モンスター4、伏せ3、表魔法罠1

 

「《パラレル・ツイスター》を発動!

 《強制終了》を墓地へ送り、《ジャンク・シンクロン》を破壊させてもらう!」

「あらら、また引いちゃうか。これは仕方ない」

「墓地の《ADチェンジャー》を除外して《パワー・フレーム》で強化された《悪シノビ》を守備表示へ変更する!

 バトル!《ニトロ・ウォリアー》で攻撃!」

「永続罠《デモンズチェーン》。これでそっちの攻撃は届かないわよ」

「くっ、ターンエンド」

「私のターン、ドロー」

 

 遊星LP2400、手札0、モンスター2、伏せ1

 セイラLP800、手札2、モンスター3、伏せ2、表魔法罠2

 

「魔法カード《貪欲な壺》を発動。墓地のモンスターを5枚デッキに戻し2枚ドローする。

 ……お?良いカードだね。

 ふふ、遊星。Present For You〜♪

 相手フィールド上のモンスターを2体リリースし《溶岩魔人ラヴァ・ゴーレム》を特殊召喚する」

 

 《溶岩魔人ラヴァ・ゴーレム》☆8

 ATK3000/DEF2500

 

「ヤベえ!あのカードは毎ターン1000ポイントのダメージを受ける効果がある!」

 

「カードを1枚セットしターンエンド」

「俺のターン!」

 

 遊星LP2400、手札1、モンスター1、伏せ1

 セイラLP800、手札1、モンスター3、伏せ3、表魔法罠1

 

「この瞬間《溶岩魔人ラヴァ・ゴーレム》の効果が発動!」

「ぐあああああ!!!」

 

 遊星LP2400→1400

 

「くぅ……《溶岩魔人ラヴァ・ゴーレム》の攻撃!ゴーレム・ボルケーノ!!!」

「罠発動《ガード・ブロック》!《悪シノビ》の効果と合わせて2枚ドロー」

「カードを1枚セットし、ターンエンド」

「私のターン」

 

 遊星LP1400、手札0、モンスター1、伏せ2

 セイラLP800、手札4、モンスター2、伏せ2、表魔法罠1

 

「《クリッター》を守備表示で召喚。カードを2枚伏せてターンエンド」

 

 《クリッター》☆3

 ATK1000/DEF600

 

「俺のターン!」

 

 遊星LP1400、手札1、モンスター1、伏せ2

 セイラLP800、手札1、モンスター3、伏せ4、表魔法罠1

 

「……《溶岩魔人ラヴァ・ゴーレム》の効果」

「ぐうううううううう!!!」

 

 遊星LP1400→400

 

「俺は手札から《アドバンスドロー》を発動!」

「!?ここで引くんだ。流石のお姉ちゃんも驚きを通り越して呆れちゃうよ」

「《溶岩魔人ラヴァ・ゴーレム》をリリースし2枚ドローする!

 このドローに全てを賭ける!……ドローッ!!!

 

「……どうだ」

「引いたのか?」

 

「…………………カードを2枚セットしターンエンド」

 

「そんな……」

「こりゃセットカード次第だな」

 

「………(本当。良く引いてきたよ。そして、十中八九逆転の一手を引いた。

 昔からカードを引く運が良いとは思っていたけれど、引いたカードを十全に使いこなせる技量が伴えばこうも強くなるなんて………私とは、全然違う。

 私は試行回数を増やし腕力で無理矢理カードを掴み取る。

 対して遊星はその手をデッキへと伸ばせば必要なカードが、まるで自らの意思で遊星の手へと舞い込んで来る。

 シグナーに選ばれるのも納得よね)」

 

 セイラは目を瞑り、空を見上げる。

 

「(遊星は気付いてる?もう遊星はお姉ちゃんなんか敵じゃないくらい強くなった事を。

 私はこのデュエルの途中から《地縛神CcapacApu》から力を借りて欲しいカードを引き続けていた。

 初めから神の力を使う事を了承し合った喧嘩ではあるのだけれど、遊星はそんな事していない。

 手札を0枚にしてあれだけ追い込んだのに、奇跡を掴み取る才能でズルをしている私をこうまで追い込んむなんて……)」

 

 ゆっくりと目蓋を開いた。

 

「流れ星……」

 

 幼かった頃の自分が誓いを立てた時とは少し異なり、陽の光で薄くなった満月の側を1筋の流れ星が過った。

 

 


 

 

 あの頃マーサハウスには今よりも多くの孤児がいた。

 

 当然ゼロ・リバース事件の影響であり、またゼロ・リバースの影響により治安も今よりも遥かに荒れ果てていて攫われる子供が後を絶たなかった。

 どれだけ治安が悪くとも生きる為にゴミ山等で必要な物を調達しなければならず目に見えて子供が消えていった。

 

 そんな中で私は父から貰ったカードがあって、強かった。

 

 けど、それでも幼すぎた。

 

 ギリギリのデュエルの末になんとか勝利し生き延びた。

 

『(お父様……お母様……セイラには、もう…………)』

 

 そのデュエルでのプレッシャーにより限界を迎えた私は、ジャック達を置き去りに夜逃げした。

 

 逃げて、疲れて膝を抱えて座り込み

 

『なんのために生まれて なにをして生きるのか 答えられないなんて そんなのは………』

 

 歌を歌った。

 

 私が好きだった歌で、お母様も私に歌って聞かせてくれた思い出の歌。

 だというのに、その頃より少し大きくなった事で明るい曲調の中にある歌詞の意味が理解できてしまい涙が溢れてくる。

 

 ふと夜空を見上げ流れ星を目にした。

 

 その流れ星へ強く願った。

 

 力が欲しいと。

 

 一度は限界と逃げ出したけれど、諦められないと、守れるだけの力が欲しいと願いながらも疲労の限界で眠りに落ちていった…………

 

 夢の中で光り輝く2つの流れ星が舞い降り、私に何かを伝えようとしていた。

 

 気付けば私の側に2枚のカードがあった。

 

『神様……ありがとうございます…………』

 

 


 

 

「スウゥー……………ハァー……………………」

 

 あの日セイラの願いは聞き届き、神はいるのだと確信し感謝した。

 

 強く、強く誓いを立て守り続け、あの日自分は誓いを破った。

 それが罰だとするのなら、それは余りにも重すぎると叫ばずにはいられない。

 

 だからこそ逆恨みと理解しながらも闘うことを選択した。

 

「私のターン、ドロー!」

 

 遊星LP400、手札0、モンスター0、伏せ4

 セイラLP800、手札2、モンスター3、伏せ4、表魔法罠1

 

「全てのモンスターを攻撃表示に変更する」

 

 表示形式を変更したところで再びセイラが動きを止め、デュエルディスクを下げ完全にデュエルの姿勢を解く。

 

「遊星。アナタのお父さん、不動博士がした事には確かに思うことがあった。けれどそんな事はもうどうでもいい。

 だって私が不動博士に文句言いたかったところって、遊星の良いところだもん」

 

「………俺の良いところ?」

 

「遊星は覚えている?ラリーが遊星の為にってDーホイールのパーツを盗んできた時のこと………って、忘れるわけないわよね。

 ラリーは盗んでないって言ってたけど、私を含めてそこにいた全員がラリーの事を疑っていたでしょ?

 けれど遊星だけはラリーを信じてさ。案の定盗品でセキュリティに、牛尾さんに追われることになったじゃん」

 

「本当に遊星はお父さん似だよね。

 規模は全く違うけど、お父さんの立場が遊星だったとしても、信じるからこそゼロ・リバース事件は避けられなかった」

 

「だからもういいの。その事に気が付いたらもう文句を言う気が失せちゃった。

 だって大好きな遊星と同じでとっても良いところなんだから」

 

「あの過去があるから今という未来があって、あの出来事が無かったら私は遊星とクロウのお姉ちゃんになる事なんて無かった。

 私は、お姉ちゃんになれて幸せで、確かにしんどかったけど、守ると選んだ事に後悔なんて無いよ」

 

「不動遊星だから。不動博士の息子だから戦わないといけないなんていうのは遊星が少しでも本気で戦ってくれるようにっていう理由付け。

 偶然遊星が一番その理由が多かっただけ」

 

「けどね」

 

「私は、遊星を、ジャックを、クロウを!

 貴方達をこんな過酷な戦いに放り込む為に戦い守り続けたんじゃない!!!

 あの日私の前に現われ!共に守るとでも言うかのように戦い続けた理由が私の弟達をこの戦いの最前線へ送り出すことだったとでも言うの!?!?!?

 バトル!《悪シノビ》でダイレクトアタック!

 

 《悪シノビ》の攻撃が一筋の閃光によって弾かれ

 

 星のような輝きをした龍が降臨する

 

答えなさい!《スターダスト・ドラゴン》!!!

 

 セイラの叫びに龍は何も答えない。

 

 ただ、倒すべくダークシグナーを見据えるばかり。

 

「………《エンシェント・フェアリー・ドラゴン》とかいう一番許せないのが流暢に話すもんだから期待したけどアンタは言葉も話せないんだ」

 

「え?」

 

「あぁ、ごめんね龍可ちゃん。

 でもね、お姉ちゃんからしたらどんな理由があれ龍可ちゃんみたいな子供を利用してこんな戦いに送り込む事を決定付けた事が許せないのよ。

 ……それで、遊星は今何のカードを発動したの?」

「《スターダスト・リ・スパーク》。

 このカードは特殊召喚された相手モンスターの直接攻撃宣言時、そのモンスターの攻撃力が自分のLP以上の場合に発動できる」

「特殊召喚されたモンスター?つまりクリッターなら発動できなかった……」

「その攻撃を無効にし、自分はデッキから1枚ドローする。

 その後……《スターダスト・ドラゴン》が、フィールドに……出てくる…………」

 

 遊星の声が若干弱ってきているがそれも仕方ないとジャックとクロウは思いつつも戦慄していた。

 

 セイラが大きく息を吐く。

 

 その姿が激しすぎる怒りを通り過ぎて息を吐くという表現しかできないようにしか見えず、本人達は認めないだろうが間違いなく過去一番の姉のブチギレ具合に恐怖していた。

 

「《スターライト・ロード》《シューティング・スター》《スターダストフラッシュ》

 そして《スターダスト・リ・スパーク》ねぇ~?

 ねえ《スターダスト・ドラゴン》? どれもこれも私の時には無かったカードよね?

 ふ、ふふ、うふふふふふふふふふアッハハハハハハハハハハハハ!!!

 

「ヤバイぜ……あんなバチクソキレたセイラ見た事ねえ………」

「むぅ……そうだな」

「……こりゃあ俺でもキレるし誰でもキレるぞ」

 

「ハァ~…………本当……本当に何処までも人を馬鹿にしてくれる!!!

 速攻魔法《終焉の地》を発動!これは遊星が特殊召喚をしたから発動できるカード!

 この効果によってデッキから《地縛地上絵》をフィールドに展開する!」

 

「フィールド魔法って事は!?」

「地縛神が来る!」

「よせ!これ以上は見過ごせない!」

 

「心配無用!地縛神の生贄はとっくに足りている!残りはアドバンス召喚のみよ!」

「アドバンス召喚だけ?……まさかッ!?」

「大丈夫!サテライトの極悪人だけだから!

 どうせ終わったら返してあげるんだから法で裁けない極悪人共は私のために今だけ苦しんでなさい!!!」

 

「ヤベーぞ!滅茶苦茶言ってやがる!?」

「なあ、法で裁けない極悪人なんているのか?」

「わりとゴロゴロいるぞ」

「ロケットランチャー持ち込んだヤベーのが半日しないで釈放されたしな」

「違うRPGだ。ヤツはマーカーも付けられなかったしな」

「えぇ……?」

「ついでに言うとセイラもその中の1人だぞ?」

「嘘!?セイラさんが!?」

 

「私のは正当防衛で正義側の暴力よ!まったく好き勝手言ってくれて……

 さあ、役者を揃えてフィナーレとしよう!《死者転生》を発動!

 手札から《終末の騎士》を墓地へ送り《地縛神CcapacApu》を手札へ加える!」

 

「なに!?」

「なんで墓地に《地縛神CcapacApu》が?」

「いったい何時?手札抹殺で自分で捨てたのかしら?」

 

「本当、嫌って程私がシグナーに選ばれなかった理由が出ているわよね。

 まさか《調律》の効果で落ちるなんて思わないじゃない!?

 ここまでお膳立てしたんだから力を貸しなさい!

 我が魂の分身とも呼べる戦友!《悪シノビ》を2体リリースし、降臨せよ!《地縛神CcapacApu》!!!」

 

 力強くデュエルディスクにカードが置かれる。

 その瞬間セイラの影が日の向きを無視しまるで不定形の触手のように蠢き、太陽へ向け伸びていき膨張する。

 

 膨張した影は正に地獄へ通じる底無しの穴のように見える。

 

 その不気味な穴から這い出るように巨大な腕が出現し……

 

「き、来やがった!」

 

 巨人の神が降臨した。

 

 《地縛神CcapacApu》☆10

 ATK3000/DEF2500

 

「《地縛地上絵》は《地縛神CcapacApu》が存在する限り効果では破壊されず効果の対象にできない。

 フィールド魔法を破壊して《地縛神CcapacApu》を退けようなんて魂胆は捨てる事ね。

 ターンエンド」

「俺のターン!」

 

 遊星LP400、手札2、モンスター1、伏せ3

 セイラLP800、手札0、モンスター2、伏せ3、フィールド《地縛地上絵》

 

「バトル!《スターダスト・ドラゴン》で《クリッター》に攻撃!」

「速攻魔法《禁じられた聖槍》を発動。この効果で《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力は800ポイントダウンする」

 

 《スターダスト・ドラゴン》

 ATK2500→1700

 

「シューティングソニック!!!」

「くっ……破壊された《クリッター》の効果により《エフェクト・ウェーラー》を手札に加える」

 

 セイラLP800→100

 

「カードを1枚セットしターンエンド」

「私のターン!ドロー!」

 

 遊星LP400、手札1、モンスター1、伏せ4

 セイラLP100、手札2、モンスター1、伏せ2

 

「バトル!《地縛神CcapacApu》で《スターダスト・ドラゴン》に攻撃!」

 

「えぇ!?ダイレクトアタックじゃないの!?」

「いや、それじゃ意味ねーだろ」

「あぁ、これは己の魂のぶつけ合いだ」

 

 巨人が動き出し、その巨大な手はスターダストを握りつぶそうと迫る。

 

「罠カード《スターダスト・スパイラル・フォース》!

 フィールド上の《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力を倍にし、このターン俺は《スターダスト・ドラゴン》以外のモンスターでの攻撃ができなくなる!」

 

 《スターダスト・ドラゴン》

 ATK2500→5000

 

「スターダスト!アナタとレッドデーモンズには何度も助けられた!

 だから感謝している!それは確かなのよ!」

 

 龍が放つ攻撃と巨人の腕がぶつかり合い、その腕をえぐるように光線が突き進む。

 

「速攻魔法《死角からの一撃》!《スターダスト・ドラゴン》の守備力分《地縛神CcapacApu》の攻撃力がアップする!」

 

 《地縛神CcapacApu》

 ATK3000→5000

 

「貴方達がいなければ弟達を守り切るなんて到底できなかった!

 助けて貰っておいて文句言う資格なんて無い!

 だからこれは私の逆恨みでしかない!!!」

 

 巨人の片腕が吹き飛び消滅していく。

 

 消滅していく最中、もう片方の腕による振り下ろしによって龍はたたき落とされ龍もまた砕け散る。

 

「速攻魔法《鎮魂の決闘》を発動!

 蘇れ《地縛神CcapacApu》!そして《スターダスト・ドラゴン》!!!」

 

 再び巨人と龍が姿を現し対峙する。

 

「私はアンタを否定する!けど!遊星が許しデッキに入れ続けるのを阻止する権利なんて私の何処にも無い!

 ならばせめて!認められるだけの力を証明しなさい!

 私はその全てを叩き潰す!!!」

「罠発動《ガード・ブロック》!ダメージを無効にし1枚ドロー!」

 

 セイラの叫びに応じるかのように《地縛神CcapacApu》は動き出し、既の所で《ガード・ブロック》を発動するも《スターダスト・ドラゴン》は無慈悲に叩き潰される。

 

「ぐうぅ!スターダスト!」

「《地縛神CcapacApu》の効果発動!破壊した《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力分のダメージを与える!フィロソフィーエゴ!!!」

 

 粉砕し散り散りになった《スターダスト・ドラゴン》の欠片である光が《地縛神CcapacApu》の右手へと収縮していきエネルギー波として放たれる。

 

「墓地の《ダメージ・イーター》を除外し効果発動!ダメージを与える効果をライフを回復させる効果に変更する!」

 

 遊星LP400→2900

 

「罠発動《奇跡の残照》!舞い戻れ《スターダスト・ドラゴン》!」

 

 遊星を飲み込んだエネルギー波は遊星を癒やし、そのまま龍の形へと変化し飛翔する。

 

 高く登った光の塊は弾け、完全な《スターダスト・ドラゴン》へとなる。

 

「スターダスト!何度だって叩き潰す!!! 

 罠発動《デスパレート・バトル》!《地縛神CcapacApu》の攻撃力を1000ポイント下げてもう1度攻撃する事ができる!」

 

 《地縛神CcapacApu》

 ATK3000→2000

 

「《スターダスト・ドラゴン》に攻撃!」

 

「最初にダイレクトアタックをすれば勝てていたのに何度も必要に……」

「セイラねーちゃん……」

 

「墓地の《スキル・サクセサー》を除外して効果発動!《地縛神CcapacApu》の攻撃力を800ポイントアップさせる!」

 

 《地縛神CcapacApu》

 ATK2000→2800

 

「凄く荒々しくて力強いのに。セイラさん、まるで泣いているみたい……」

「スターダストを破壊してもライフが100残るっつうのに……凄まじい執念だな」

「勝って!遊星!!!」

 

 

 

「迎え撃て!《スターダスト・ドラゴン》!」

 

 

 

ぶっ潰れろ!スターダストオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!

 

 

 

 

「罠発動《スキル・サクセサー》!《スターダスト・ドラゴン》の攻撃力を400ポイントアップする!」

「ッ!?」

 

 

 《スターダスト・ドラゴン》

 ATK2500→2900

 

 

 

「なんで………」

 

 

「…………………………あぁ、そっか。そういう事か」

 

 

 《地縛神CcapacApu》を貫き、閃光がセイラへと迫る。

 

 

「(最初の激突の時点で発動すれば勝てていた。けどそれをしなかった。

 遊星。貴方は私がスターダストに固執しぶつかり合う事を望んでいるその意味を理解して汲み取ってくれたのね。

 汲み取って、その上で読み切り魂で答えてくれた)」

 

 月を見上げた時と同じように目を瞑り、攻撃を受け入れる覚悟を持ち再び開く。

 

「ッ!?」

 

 光に呑まる

 

 その光の中

 

 セイラの目に遊星の姿が映る

 

セイラーッ!!!(お姉ちゃんーッ!!!)

 

 半透明で、今と昔の遊星の姿が重なって必死にこちらへ手を伸ばし、セイラも遊星へ手を伸ばし返す。

 伸ばしたセイラの手を今と昔、遊星の大きな手と小さな手が包み隠すように強く掴んだ。

 

 

 


 

 

 

『……遊星?』

 

 説教を終え、話しは終わりだといつも通りぶうたれる遊星を軽く慰めてから去ろうとした私の手を強く握り離そうとしなくて、何がしたいのかわからなくて名前を呼んだ。

 

『嫌だ……もう守られてばかりは嫌なんだ!俺達も強くなっておねえ…いや!

 セイラを守りたい!』

 

 この時、遊星は珍しく私の言葉に反発して私を守りたい。

 危険だから止めろという私の言葉をどうして拒絶していたのかと、この言葉でようやく理由がわかった。

 

 それを聞かずに説教をして、いつもならそれだけで終わっていて、反発されるなんて夢にも思わなかった私は身動きが取れずにいた。

 

『(泣いてる……なのに目を離そうとしない………)』

 

 反発された事には少なからずショックを受けたけど、それ以上に嬉しかった。

 

 その強い意志に感化されて、守るのを止めることにした。

 

 正確には止めていない。

 

 けれどあの日立てた守り続けるという誓いを破った。

 

 ただ守るだけの存在から、私が守り、私を守ってくれる存在。

 

『クロウはそれだけで良いの?』

『俺は既に託されてたからな。むしろ《トラップスタン》とか強すぎる補助カードを俺が貰っても良かったのかよ?』

『仲間外れは良くない』

『俺と遊星はこれほど強大な力を得たんだ。

 むしろそんな小細工で勝てると思っているのか?』

『う~ん……優しくしようとしたけど、ジャックの今の………うん、決めた。

 痛い目見る前にとりあえずその伸びきった鼻を粉砕するところから始めよっかな。3人共ね』

『『『えっ?』』』

 

 並び立てる存在へとなれるように鍛えるようになった。

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「(いつの間にか、だいぶ遠くに置いてかれてたんだなぁ……)」

 

 

 セイラLP100→0

 

 

「あぁ……日差しが眩しい…………」

 

 

 夜明けを越え、日は完全に昇り満月はもう見えない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

 

『コンニチステラ~。サテライトの小さな地獄、100人切りのリトルゲヘナ事ステラでござるよ~。ニンニン。

 本日もサテライトの危険地帯がどれだけ危険だったか開拓されちゃう前に散歩しつつどんな場所だったか解説していくでござるよ~。

 良い子は絶対に真似しないでね~。でないと誘拐されて違法地下デュエルの見世物にされちゃうかもよ~?』

あああーッ!!!何で私はダークシグナーだった時の事覚えて無いのにセイラ姉さんは覚えているんですかー!?!?

「あはは~何でだろうね~」

私のスクープネタがああああ!!!

「や~め~て~。お姉ちゃん小さいからこのままじゃ持ち上がっちゃう~」

 

 カーリーちゃんが涙を流して謎のキレ方して私をガクガクと揺らしてくるもので身長差もあって本当に持ち上げられちゃいそうだよ~。

 

 そんな様子を無視して龍可ちゃんと龍亜君がアキちゃんに私のデュエチューブのチャンネルを紹介してくれていて、その動画内容を後ろから覗いていた牛尾元先輩と深影ちゃんが職業柄苦い顔しながら見ていて暴走カーリーちゃんを完全にスルーしている。

 最初はカーリーちゃんの嘆きに返答してくれてたのにターゲットが私に向いたからって丸投げは酷くないっすか牛尾元先輩?セキュリティのバイト止めちゃった当て付けっすか~???

 

『この壁は狂乱の宴事件の時に私がデュエルディスクで殴り壊した時の記念に3年……もう4年になるでござるか?

 とにかくその時からそのまま保管、もとい放置されているでござるよ』

「いくらセイラさんでも話し盛り過ぎじゃない?」

「いや、リトルゲヘナならできる。絶対にできるし似たようなことセキュリティのバイト中しやがったぞ」

「えぇ……?」

「お姉ちゃんなんて大したことないよ~?アキちゃんはもっと凄いことできるじゃん」

「私はサイコデュエリストですけど、その、セイラさんは……」

「元ダークシグナー系お姉ちゃんだよ~」

「これをした時は普通の人?だったのよね?」

「そだね~」

 

 ついに崩れ落ちたカーリーちゃんの頭をお腹に抱えるようにしてナデナデしつつ手を振って答えたけど笑顔が引きつってるアキちゃんも可愛いね!

 

「ねえねえセイラねーちゃん。遊星達は遅れてくるって言ってたけど何処行ったの?」

「ん~?あの子達は橋を見に行ったよ〜。ずっと夢だったから、あの子達だけで見たかったんだってさ」

「セイラさんは良かったの?」

「私はいいかな~。負担が物凄く減ったからしたいことを優先してるわけだしね〜」

「動画配信のこと?」

「それはオマケで結果的に小遣い稼ぎになってるだけだよ~。

 私もあの子達も行動原理は同じ。未来を見ているんだよ」

「未来?」

「うん。……龍可ちゃん、初めてあった時より少し大きくなったわよね」

「え?うん。前の身体検査の時より1㎝大きくなってたんだけど、凄い。よくわかったね」

「だって私はお姉ちゃんだもん」

「?」

 

 遊星達は多くの未来の可能性を見ているんだと思う。

 

 けど私は身近にある大切な可能性を見ていたい。

 もう守るだけの弟達はどこにも居ない事に寂しさを覚えるけれど、それが嬉しくてたまらない。

 

 

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