アトラスお姉ちゃんの日々   作:メリルメリルメリル

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サテライトで育った超人

 

 今日も今日とて夜間パトロール。

 

「くぅ……ふわぁぁぁ…………」

 

 パトロールしてるけど、暇だね〜。

 今は夜間だけど日中もして日に2回パトロールをしているよ。

 昼はご近所付き合いでよくお喋りして遊星達の印象を少しでも良くしようとしたりとかしてるから楽しいんだけど夜は暇だよ〜。

 

 パトロールが必要なのも確かだけど何かバイト探して働いた方が建設的だよね〜………

 って事はよ〜くわかってるけどコレにはちゃんと理由があってね。

 

 実は私、お金に困ってないお金持ちなのだ。

 

 関係無いって思っただろうけど関係大有りなのじゃよ〜。

 

 そうなった経緯を話すための前提知識というか、そうなった原因のすべてというか……まあそんな感じの事なんだけど。

 ダークシグナーとの戦いの後に被害の全てが元に戻った訳じゃないんだよ。

 

 一部では混乱が起きた。

 無くなった記憶の中では失った物品があると覚えていても、記憶を無くした事でその物品が無くなった事を忘れて気付かない。

 

 これはダークシグナーが間接的に関係しているがダークシグナーとは直接的な関係は無い事情で消失したりとかしたから起きたこと。

 例えばわりと近くに地縛神が現れ、偶然生贄にされる範囲外だったが逃げるにしても書類を処分しないと逃げても殺されかねないから自分で処分したとか。

 そういった重要な物が一斉に、それも大量に無くなると連鎖的に関連ルート全てに致命傷を与えかねない。

 無くなってる事に気付いた瞬間それはもうシティの悪い大人達は大混乱だったみたい。

 

 その大混乱っぷりはお仕事で押し潰されそうになっているイェーガー元チーフの耳にも届くくらいだったらしくて、簡単な事実確認をさせてほぼ事実だと判明した瞬間に私に声をかけてきた。

 

『……というわけでして、混乱に乗じてサテライトへの橋を完成させることで不利益を被る過激派組織の発言力を一気に落としてしまいたいのですがお力をお貸ししていただけませんか?』

「お任せ下さい!このセイラ・アトラス!全身全霊をもって白だろうが黒く染め上げてみせますよ!イェーガー様!」

 

 遊星達の夢を壊しかねない敵を正義の拳でブチのめせるとなってテンション爆アゲでダークシグナー事件と比べてとっても小さなの一幕が始まった。

 

 軽く計画を詰めた結果、今回はあくまでも治安維持局は関与してないという体にして正義感溢れるセキュリティの行動というシナリオで進む事が決定した。

 その方がより多く締め上げられるからとイェーガー様がわっるい笑顔でヒーッヒッヒッヒッヒッヒッヒ!と答えてくれた。

 

 牛尾さんを現場での最終決定役として私は作戦の立案と実行役でサテライト仕込のあらゆる手段で黒をほじくり出したり、グレーなのを別の場所から墨汁持ってきて真っ黒に染めたりした。

 

 真っ黒にする手段の一例が……私が車に轢かれて牛鬼パイセンが目撃し現行犯、運転手にアルコールが検知されたり車内に法的にアウトなブツが見つかった!あっれ~おかしいぞ~?うわ~大変だぁ~!ってね☆

 本当に色々したよ〜。

 

「お前……スタントマンもできたのかよ」

「楽勝っスよ牛尾パイセン!コレが一番手っ取り早く身柄を拘束できますからジャンジャンやってきましょう!」

「なんだその口調雑すぎんだろ。

 ……だが本気でした時の演技力はマジで凄いもんだしよ、平和になったらいっその事アクション映画の役者でも目指すなんてどうだ?お前ならなれるって」

「ふふーん!それほどでもありますけどねぇ〜!!!」

 

 轢き逃げ?の現行犯でセキュリティ送りにした牛尾さんからお褒め言葉を貰ったりしてさ。

 

「さて……これでしばらくは頭を失った事に気付かず動き続ける鶏同然です。今のうちに血抜き済ませて毟りに毟って下ごしらえしてオーブンでじっくり焼いてしまいましょう」

「ヒュ〜♪おっかねーぜ。……夕飯はKFCでも食べるか?」

「ありがとう御座います牛尾様!」

「俺は功労者に当然な対応をしてるだけだ。……全然足りてねーけどな」

「あれ?牛尾パイセンは知らない感じっスか?

 親しい人から厚意で奢ってもらえる。たったそれだけのことで何事にも代えがたい価値があるものなのですわよ?」

「急にお上品になんなよ怖えよ」

 

 とても忙しくも充実した1週間と4日間だったんだよ。

 

 こんな感じのことを……最初数えてたけど10から数えるのを止めちゃって何件漁ったかわかんないや。

 体感だけどたぶん20以上かな?

 

 そして

 

「………」

 

 通帳の残高を確認する私。

 

「………………」

 

 帰宅し通帳の桁数に間違いが無いか一つ一つ丁寧に確認し直す私。

 

「ねえねえジャック〜。どうせ暇だよね〜?ちょ〜っとコレ見てよ〜」

「どうせとはどういう意味だ。………………セイラ」

「ん~?」

「自首しろ」

 

 ペチン! いい音だ!

 

「もしもし、イェーガーチーフお忙しい所申し訳ございません、セイラ・アトラスです。

 あの、振込金額の桁数を間違えておりませんか?」

『………貴方さてはご自身が成した偉業の数々がどれ程のものかご理解できていませんね?』

「偉業ですか……?いえ、サテライトではわりとよくやる事しかしてませんでしたので……なるほど?」

 

 潜入までなら同じ事がイェーガー様もできるけれど制圧となると無理らしく、車に轢かれて無傷はイェーガー様でも難しくて10回やって10回成功は不可能とのこと。

 変わり身の術ができるのだからできるものだと思ってたよ。

 

『ところでセイラさん。改めてお聞きしますが私の部下になる気はありませんか?』

「…………大変魅力的なお誘いですが、お断りさせていただきます。

 ご存知の通り私の弟達は大きく成長しましたが、それでも弟達がしっかりと自立していく姿を傍で見守りたいのです」

『なるほど………姉と言ってますが母親のようですね』

「イェーガー様もそう思われます?

 私の身内にもそう言ってくる人がいるのですが、流石に5歳差で母親を名乗るのは……それにあの子達のお姉ちゃんになった時点では私の年齢もまだ一桁でしたよ?」

『そ、そうですか……知れば知るほど過酷な環境だったのですね。その実力も納得できますほどに。ヒッヒッヒ………』

「お誘いはお断りしますが、必要であれば微力ながらイェーガー様のお力にならせていただきます。

 もちろん内容にもよりますけど」

『ヒッヒッヒ!実に頼もしいお言葉ですねぇ!』

「では、これで失礼します」

『ええ、次回も期待しておりますよ。

 サテライトで育った超人さん』

「………え?それ私の事ですか?」

『いったい他に誰がいるんですかねぇ……』

 

 と言った理由で今の私はそこそこお金持ちなのだ。

 税金の手続き等も済んだしイェーガー様直々にどれだけお金を残しとけば次の徴収で平気かどうかを判断してもらったから無敵だよ☆

 文句あるならシティの最高権力者から偉い順に数えていった方が早く名前の上がるイェーガー様に言って。

 

 今までの年収を倍にしても小銭に見えるくらいの月収になる。

 コレこそが権力の力だよ〜☆

 

 そんな訳で私はお金に困って無くてパトロールをしている。

 

 今のシティは表面上はとても平和。

 けれどそんなゴタゴタが裏側でほんの一月と少し前にあったばかりなのに平和でいられるわけがない。

 ドス黒い瘴気なんて呼ばれるモノは実際には無色透明で、今も気付かないうちに平穏を壊そうとしているのかもしれない。

 

 私は見た目通りちっちゃいから守れる範囲が小さいけれど、この小さな手でも守れるモノが確かにあるのだからこそパトロールは大事。

 

 今のところ悪い大人あんまり見てないけど、深夜にこの辺出没する不良は軽く投げたりお尻ぺんぺんしたりしてたらめっきり見なくなって治安良くなった事でご近所さんに感謝されたりもしたよ〜。

 

 

 一度お尻ペンペンした不良がお母さんとセキュリティ連れて乗り込んできたけど、事情聴取で不良がオヤジ狩りをしていた事と、お仕置きとしてお尻ペンペンをした事を話す。

 具体的にどうお尻ぺんぺんしたか話し、証言の中にお尻ペンペンという単語をよく通る大きめな声で強調しながら10回くらい出してあげたら不良の子が顔真っ赤にして泣きながら逃げ出しちゃってさ。バカだね~♪

 ママのおっ〇い吸ってオネンネしてな!!!

 それができるってどれだけ幸せな事かよ~く胸に刻みながらね!!!

 

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