八葉を継ぐ者──AAA──   作:クラウンドッグ

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これたぶんRTA

 

 

 

 

「おーう。悪いなリィン、迎えに来てもらって」

 

 

 

駅から出たナギトを迎えたのはリィンだった。

帝都近郊、リーヴスにナギトは来ていた。

 

ユーゲントと共犯者になった翌日、夜に差し掛かった時刻の事である。

 

 

2人は宿酒場に入ると夕食を共にする。ここ3食はバルフレイム宮での食事だったため妙に舌が肥えたのではないか、というナギトの心配は粉砕された。繊細な味付けも良いが、大味なのも大好きだ。

 

 

 

「それで………説明してもらえるんだろうな」

 

 

食後、あいも変わらず疑問符をつけない問いかけにナギトはにやつく。リィンからすればわからない事だらけだろう。並行世界の記憶がある事も含めて。その最たるはナギトが《皇の手》とやらに任命された事だった。

 

これはギリアス・オズボーンが宰相に抜擢されたのより異例だった。

あちらは元軍人という背景に宰相という元からある役職に任命された。平民が抜擢されたのも異例中の異例だったが、皇帝は彼の前世がドライケルスであると知っての任命だった。

 

対するナギトは、特なるバックボーンもない平民で、しかも前例のない役職を創り任命された。歴史的にも非常に稀な出来事だ。ナギトは知る人ぞ知る英雄だが、そのためにこそ存在が疑問視される。

それを和らげるため、という副作用も含めて《皇の手》の第二指はオリヴァルトが任命されていた。

 

 

 

「おうともよ。計画も7割くらいは決まってるしな。お前にも働いてもらうぞ、リィン」

 

 

 

ナギトは計画を語った。ギリアス・オズボーンに対抗するための策、黄昏に向かう帝国を止める策を。

聞いたリィンは幾許か思考してから、

 

 

 

「上手くいくのか、それ…………?」

 

 

尤もな疑問を吐き出した。今度こそちゃんと疑問符がついている。悲観的ではあるが否定的でないのはナギトにとっての安心ポイントだ。

 

 

「上手くいかせるんだよ。難しかろうがいっこいっこ積み上げていけば結果に出る」

 

 

ナギトはリィンの疑問を常識的な克己心にて封殺した。

 

 

「さって、と………うーむ、もう夜も更けたな。用は明日にするかね」

 

 

立ち上がってナギトは腕時計を確認した。要件はあったが、夜も遅くば通る交渉も通らないだろう。

「んじゃまた明日」と宿酒場の宿部分へ引っ込もうとするナギトに、リィンは迷いながらも声をかけた。

 

 

 

「ナギト、用と言うのは………ミュゼの事だな?」

 

 

 

ミュゼ────ミルディーヌ・ユーゼリス・ド・カイエン。次期カイエン公となる少女だ。

アーサー世界では明晰な頭脳と《千の陽炎》を実行しただけの力があったが、その能力に見合う精神力を持たない普通の感性の女の子だった。彼女はⅦ組の仲間と共にミュゼ・イーグレットとして前に進んだ。

 

 

 

「ああそうだ。俺にはミュゼが必要だ。計画の大枠は決まってるがまだブラッシュアップの余地はある。あいつの頭脳が役に立つ」

 

 

 

シンプルな頭の良さなら、ミュゼはゼムリアでも指折りだとナギトは思っている。剣聖クラスの理の視点、オズボーンの大局観など、比するものはあれど地頭の良さならピカイチだと。だからこそその頭脳が欲しい。

 

 

「……今じゃなきゃダメなのか?彼女の事はナギトだってわかってるはずだ。……今はまだ、ただトールズ第Ⅱの生徒として青春を……」

 

 

「今じゃなきゃダメだ。わかるだろ……?こういうのは早い方がいい」

 

 

「だが…………」

 

 

言い淀むリィンの腹をナギトはわかっていた。ミュゼを想う心も本物だろうが、それを名目にしてリィンは己の剣を試したいのだ。

 

 

「平行線だろ、これ。……こういう時は相場は決まってるな?」

 

 

 

☆★

 

 

 

街道に出た2人は開けた場所で太刀を構える。

 

 

 

「俺が勝ったら口出しするな。お前が勝ったら俺はミュゼから手を引く。………で、いいんだよな?」

 

 

洒脱な雰囲気のままナギトは言った。太刀は構えつつも飄々とした態度を崩さない。リィンは己とナギトの距離を測りかねている。

 

 

「ああ、それでいい」

 

 

言葉少なにリィンは太刀を握り直す。覚悟はできた。

 

 

「八葉一刀流中伝、リィン・シュバルツァー」

 

 

奥伝──剣聖を名乗らないあたり、弁えていると言うべきか。アーサー世界のリィンは剣聖へと至ったが、その記憶まで今のリィンにはあるはずなのに。

 

 

「八葉一刀流二代目継承者、ナギト・ウィル・カーファイ」

 

 

2人の間に一陣の風が吹いた。

 

 

「「いざ参る!」」

 

 

 

リィンの脚力が爆発する。距離を斬り潰す“疾風”。それはナギトを斬り裂く───

 

 

「緋空燎原──」

 

 

否。斬ったのは残像だ。跳び上がったナギトは空中から“緋空斬”を連続して放つ。リィンを、その周囲を閉じ込めるようにして放たれたそれは足止めの役もあった。

 

リィンが弾き、防ぎ、砕けた“緋空斬”は欠片となりながらもナギトの太刀に集束する。

 

 

「──雷神轟破」

 

 

響く雷鳴は衝撃を伴ってリィンを直撃した。

 

 

 

着地したナギトは太刀を肩に担いで土煙の中で膨れ上がる闘気を感じた。

 

 

「それでいい。全力も出せずに負けるのは業腹だよなぁ?」

 

 

土煙を裂いて迫る銀光。鬼の力を解放する“神気合一”状態のリィンだ。

 

太刀を受ける。一合、二合、三合。切り結ぶ。

 

 

「荒い」

 

 

斬撃の隙間に蹴りを放ったナギトは、リィンの力押しを咎めた。言うが早いか再び雷光が瞬いた。“迅雷”。

 

 

「ぐっ………」

 

 

膝を突くリィンは、文字通りに打ちのめされている。こんなに実力に開きがあるものなのか。

そんなはずはないと己を叱咤して立ち上がる。ナギトはそれを待っていた。リィンが全霊を尽くしてなお勝てぬと理解させるための舐めプだ。

 

 

「まだまだ……!」

 

 

「その意気だ」

 

 

緋空斬。孤月一閃。疾風。螺旋撃。そして七ノ太刀・落葉。

ナギトはそれらの剣技を捌き切った。肩で息をするリィンはナギトから冷ややかな視線を送られ、逸る心のままに力を解き放つ。

 

 

「刻焔纏刃───!」

 

 

《時の至宝》と《焔の至宝》の次代たるリィンの特異性が発揮される。その真価は焔に触れたものを一瞬で焼き尽くすという破格のものだ。

 

しかし、刃に纏われた焔は一瞬で消え去った。

 

 

「なっ……!?」

 

 

驚いたリィンに「道理だろ」とナギトは言った。

 

 

「今のこの世界はアーサーの世界の影響を強く受けている。因果の強度と言うべきかな、元の世界のそれは弱体化してるんだよ。そもそもが次代の──言わば力の欠片を扱っていたお前が、そんな消耗した状態で使えるわけがない」

 

 

リィンはナギトの言っている事の半分も理解できない。ただ、己の至宝の力が弱まっていて、今後も元に戻る事がなさそうだと理解は出来た。代わりに“鬼の力”には暴走のデメリットが強くなった事も。

 

 

「そろそろ終わらせていいな?」

 

 

一歩一歩近づいてくるナギトにリィンは太刀を構える。返事は期待していなかったのだろう。精彩の欠片もない斬撃を軽くいなしてリィンの手から太刀を弾き飛ばす。頽れたリィンの眼前に切先を添えて、それで終わりだ。

 

 

 

「もう少し俺とやり合えるつもりだったか?瞳に慢心があったぞ。いくら《剣聖》に至った記憶があれど、それは今のお前とリンクしない。通ずるところはあろうが、あっちのお前のメンタルにはまだ届かなかったようだな」

 

 

ぐうの音も出ない論にリィンは俯いて。ナギトは納刀するとリィンに手を差し伸べて立ち上がらせた。

 

 

「じゃ、ミュゼの紹介よろしくね」

 

 

そして、笑顔で肥大化した要求を叩きつけるのであった。

 

 

 

 

 

翌朝。

一晩経って、やはり己の良識と照らし合わせてミュゼの紹介を渋るリィンにナギトは「考えてもみろ」と言葉を尽くす事にした。

 

 

「歴史がこのまま進めばミュゼはヴァイスラント決起軍の長として過大な責任を背負う事になる。それこそあっちの世界と同じようにな」

 

 

「うーん」と思考するリィンの考えは手に取るように読める。

 

 

「あっちと同じ道筋を辿ればハッピーエンドだがな、そうは上手くいかんだろうし……なによりそれは俺が望む未来じゃない」

 

 

なにせ敵対するオズボーンも“記憶持ち”なのだ。ミュゼの画策する《千の陽炎》についても実現できるかすら怪しい。

 

「ともかく」とナギトは続けた。

 

 

「ミュゼの責任を軽減しようって話だ。今のタイミングで《皇の手》に加われば、少なくとも俺とオリヴァルト殿下とで責任を分割できる」

 

 

オズボーンの抗するための《皇の手》。その第一指はナギトで、第二指はオリヴァルトだ。ナギトはそこにミュゼを加えるつもりであった。

 

 

「ちょっと待て。ミュゼを《皇の手》にするつもりか…?彼女はまだ──」

 

 

「それでも《千の陽炎》の責任者よりマシだろ。ミュゼの責任感についてはアレだけど、俺もオリヴァルト殿下も責任おっかぶせるつもりなんてないし」

 

 

「…………………」

 

 

リィンは考え込むのと同時にナギトを睨みつける事にした。確かに一理ある言だ。しかし。

 

 

 

「ひとつ聞かせてくれ。……君の望む未来とは、なんだ?」

 

 

それはナギトが閑話とした話題だ。あちらの世界と同じ結末を拒む理由をリィンは聞きたかった。

 

 

「完全無欠のハッピーエンド。あちら以上のな」

 

 

そうしてナギトはその内訳を語った。昨日話した計画と重複する部分もあったが、ナギトがそれを目指す理由についても。

 

 

 

 

「………………わかった」

 

 

 

聞いたリィンは嘆息しつつもナギトの要求を飲む事にした。放課後にミュゼを紹介すると約束して、学院に向かう。

 

 

 

☆★

 

 

お仕事に向かうリィンを見送る。トールズ第Ⅱで教鞭を振るっていた記憶が甦った。

アーサー世界での記憶──、と言うよりはアーサー世界の記憶が流入している。

 

あちらの“ナギト”はナギトではない。世界を遮る壁のパスキーとなった騎神と同じく、それをやったのが“ナギト”だから今の自分にもあちらの記憶があるのだろう。

 

あちらの記憶がなければかなりの後手になっていた可能性が高い。今だってそうなのかもしれないのだ。相手はあのオズボーン。どちらの手札も割れている中で、どれだけのパフォーマンスができるか、どれだけ新たな切り札を揃えられるかが、この勝負のキモとなる。

 

 

コーヒーブレイクに洒落込みたいナギトだったが、暇を持て余すには時間が不足していた。

 

 

先日からガン無視を決め込んでいた仲間たちからの通信。今度は自分からそれをかけた。“Ⅶの輪”による特別な通信だ。

 

数回のコール音の後に画面に映ったのはアリサの顔だった。やや遅れてエリオット、エマが続く。

 

 

「ちょっとナギト!あんた、《皇の手》とかってどういうこと!?」

 

 

耳にキーンと響く。ARCUSを遠ざけてからナギトは言った。

 

 

「リィンから事情は聞いてるだろ?対オズボーンのための権力だよ」

 

 

「あはは……驚いちゃったよね。いきなり陛下から新しい役職の宣言があって、それにナギトが指名されてたんだもの」

 

 

「それもオリヴァルト殿下を差し置いての第一指……、今回ばかりはさすがに魂消ました」

 

 

エリオットとエマの驚愕も受け取り、アリサの興奮も落ち着いたようで、ナギトは離していたARCUSを近づけた。

 

 

「すまんすまん。そらもう事態は急を要しましたからね、陛下に直談判ですわ。それに《皇の手》に上下はないよ。加入順に第一指、第二指…となるだけで」

 

 

そこにミュゼを第三指として加えようというわけだ。実は第四指の目星もつけているが、その人物とは連絡が取れない。

 

 

「それで……当然説明してくれるんでしょうね…?」

 

 

画面越しに凄むアリサだったが、実際に対面していない以上、その凄みに押されるわけにはいかない。

 

 

「悪いが拒否。いくら“Ⅶの輪”と言っても万が一傍受されたらって考えると計画を話すわけにはいかない」

 

 

杞憂かもしれないが、相手はオズボーンのため気は抜けない。

ナギトの論理を叩きつけられた面々は、それなら仕方ない、と承諾。ナギトは本命に話をした。

 

 

「エマが出てくれたのは僥倖だったよ。悪いんだけどちょっと来てくれないか、リーヴスまで」

 

 

「リーヴスですか………行けない範囲ではありませんが…………、通話では話せない内容なんですね?」

 

 

「うん。頼めるかな?」

 

 

「はい。少し待っていてください」

 

 

 

事は調子よく進んだ。エマが画面から消える。

 

 

「まあ……そういうわけだから俺も落ちるわ。そのうち顔突き合わせるだろ。そん時に諸々説明するから」

 

 

アリサにブチ切れられる前に通話を終えようと思っていたナギトだが、もうひとつの用件を思い出した。

 

 

「あー、そうそう。クロウのボケナスに連絡繋がらないんだって?あのバカともし連絡取れたらメールで教えてほしい!」

 

 

 

早口で捲し立てる。通話終了のボタンを押す間際にまたもやアリサの怒号が聞こえた気がしたが、会った時に謝ればよかろうとARCUSを懐にしまった。

 

 

ほどなくしてエマと合流して用件を告げる。

 

 

「俺をエリンの里に連れて行ってほしい。ローゼリアさんと……エマ、お前に頼みがある」

 

 

 

☆★

 

 

魔女の里、エリンにて。

 

ローゼリア宅にてナギトは己の計画の全貌と、それに付随する頼みを2人の魔女にした。

 

 

「本気か………?」

 

 

じとり、とローゼリアは幾星霜生きた目でナギトを見た。

 

 

「本気です。お願いできますか」

 

 

低頭。その行動にも言葉にも、一切の邪はないように見受けられる。

 

 

「いくらなんでも計画に夢と希望を詰め込み過ぎじゃな。おぬしの話が真実だとして、それでも仮定と願望が入り混じっておるぞ…?」

 

 

「承知の上です。でももうこれしかない、と今のところは思うんですよ」

 

 

ナギトの語った計画とやらは、不確定要素が多く、相応の奇跡を要するものだった。

「どうか」と再び頭を下げたナギトにややあってローゼリアは嘆息した。

 

 

「まあよかろう。協力してやる。おぬしのおかげでドライケルスとリアンヌの今を知れた事だしの。しかしな……、おぬしの言う浄化の魔法を創作するのには時間が足らぬかもしれぬ」

 

 

「そうですね…………。いくら私たち魔女が“焔の眷属”の末裔とは言え…………対象は私たちの管轄外……」

 

 

「いや、おそらくは……はーどうぇあ、とそふとうぇあ…の中間と言ったところであろう。糸口もないではないが…………少なくともあの放蕩娘の力は必要じゃろうな」

 

 

早速具体的な点を話し合う2人にナギトは礼を言う隙間もなかった。

 

 

「クロチルダさんなら、俺が上手くやれば合流できると思いますけど」

 

 

ローゼリアの言う放蕩娘はヴィータ・クロチルダの事だ。彼女もまた魔女の一員である。一昔前、巡回魔女として里を出たクロチルダだったが、ほどなくして《身喰らう蛇》からスカウトを受けて《蛇の使徒》第二柱《蒼の深淵》となった。

ろくに里に帰らないクロチルダはまさしく放蕩娘だが、ナギトは彼女と接触する手立てがあった。

 

「本当ですか」と食いついたエマに首肯して見せる。

 

 

「このあと、彼女と連絡が取れる人と会う予定でな。上手くいけば──たぶん上手くいくが──クロチルダさんとも繋がれる。俺の目的はあの人とも一致する部分があるし、協力してもらえると思う」

 

 

これもまた仮定に仮定を重ねた希望的観測であったが、そうなる公算は高いと見積もれる。

 

 

「……うむ、ではそちらは任せるとしよう。カーファイ…と言うとあのジジイが浮かぶからナギトと呼ぶが………ナギトよ、頼むぞ」

 

 

それはアーサー世界でもあったやり取りだ。「はいな」と承諾したナギトを尻目にローゼリアは再び考え込む。

 

 

「ふむ……となると欲しいのは騎神の情報か。焔の眷属としての知恵はあれも、地精の者どものは専門外じゃしのう…………」

 

 

「それなら……これを。一助となればいいですが」

 

 

ナギトが懐から取り出してローゼリアに手渡したのは黒い装丁の本だった。

 

 

「これは………っ!?おぬし、これをどこで手にした!?」

 

 

ローゼリアの驚愕の具合にエマもその本の正体を察した。“黒の史書”の原本だ。

 

 

「皇帝陛下よりお借りしましてね。あの人にはもう無用の長物でしょうし……何かの力になれば幸いなんですが………」

 

 

ナギトが“黒の史書”の原本を持っていた理由にエマですら目を白黒させる。ローゼリアも同じだ。

 

 

「そんな……、お借りしたって…………!」

 

 

「《皇の手》の件でお願いしに行ったらそこそこ気が合ってね。頼んだらくれた」

 

 

「ははは」と笑うナギトに、エマはもう言葉も出ない。突拍子もない男だとは思っていたし、《皇の手》の件でそれは深まったが、ここまで非常識だったとは。

 

 

「おぬしは……まったく………。どことなくあやつに似ておるのかもしれんな」

 

 

「それは、んん……おお、ロゼ…いつの間に縮んだんだ?……の人です?もしかして」

 

 

「っ……お、おぬし……………!」

 

 

「どこで聞いたってんなら、並行世界のあなたからですよ、ローゼリアさん。……光栄と言うべきなんでしょうかね………?」

 

 

甚だ疑問げにナギトはローゼリアの評価を受け入れた。悪い気はしない。今は彼も友だと思っているのだから。

 

 

 

 

 

こうして、この世界でもナギトと魔女の友誼は結ばれた。

それから少し打ち合わせをしてからエマに転移でリーヴスに送り届けてもらう。時刻はすでに夕刻に差し掛かっている。約束の放課後まですぐだ。

 

 

ナギトは西日を見て、それから目元を揉んだ。

 

 

 

「なんか……RTAみてーな事してんな」

 

 

 

つぶやきは誰にも届く事はなく、リーヴスの平穏に溶け込んでいった。

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