永奈「わん!」ミギテサシダシ
輝夜「おかわり!」
永奈「わん!」ヒダリテサシダシ
輝夜「バーン!」テデテッポウ
永奈「くぅ~ん」アオムケ
輝夜「…はしたない」
永奈「なっ!!」
あれから数年の時が流れました。
私は相も変わらず、てゐのお屋敷に居候をしています。
輝夜ちゃんは最初こそ急激な成長を見せたものの今は成長速度も他と変わらないくらいになりました。
輝夜ちゃんの成長について聞こうとすると毎回はぐらかされてしまいます…
なんでも、「あなたには理解の出来ないお話よ」みたいなことを毎回言われます…
…これって暗喩にバカにされてるのかな?まぁ、バカになんてしてないって言うんだから、されてないとは思うんだけど…
まぁ、そんなことよりなんでも輝夜ちゃん達は近々、都の方へ引っ越すそうです。
お別れになっちゃうのは、やっぱり、寂しいな…
「というわけで来ました!」
「いや、なにがというわけよ…」
あぁ、輝夜ちゃん、今では14,5歳くらいの見た目になっちゃって…
綺麗なんだけど、身長追い抜かれちゃうとなんかへこむなぁ…
「いきなり来たと思ったらなにへこんでるのよ…
まあいいわ、それよりなにをして遊ぼうかしら?」
「あぁ、私の心は無視するんですね……」
「どうせ、私に身長こされたとかそんな理由でしょう?」
「うぇ!?…なんで、それを…」
「あなたはわかりやすすぎよ、色々とね?」
「色々…ま、まさか心を読む能力が…」
「ないない、そんなのなくても尻尾や耳を見たらわかるわよ」
「そんなの…しょうがないじゃない…」
「はいはい、へこまないへこまない。
ささ、道具を出してちょうだい?」
「…それもそうか。
“将棋盤が畳の上にある”」
「あら?将棋でもするのかしら?」
「…“将棋の駒が1組、将棋盤の上にある”」
「私、こう見えても結構強いのよ?」
「…ふふん、私を甘くみない方がいいわよ。
罰ゲームもありにしましょう?」
「罰、ゲーム?…いいわよ、受けてあげるわよ」
かかった!これで、勝てば輝夜に行かないでって言える!
ここ数年暇な間はてゐを相手に打ってたから私も上達してるはず、チャンスはある!
…上達はしてるはず
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「…王手」
「ま、待った!」
「永奈?いい加減にしなさいよ?これで何度目よ…」
「に、二度目?」
「四度目よ…また後でもう一回やり直してあげるわよ」
「やり直し?やった!」
「その前に罰ゲームね」
「うぅ、忘れてた…」
「……罰ゲームは、一つだけ質問させてもらうわ」
「質問?いいよ」
「……あなたはゲームって言葉をどこで知ったの?
少なくとも今の地上ではこんな言葉は無いはずよ?」
「ん?そんなこと?」
「いいから質問に答えて?」
「……まぁ、凄く昔の話なんだけどね。
私は大昔に人の街で暮らしてたのよ、その街は今とは比べものにならないくらい技術が進歩していたおかげで今とは違う多くの言葉があった。
その中の一つってだけよ?」
「大昔…あなたは月に人が住んでいるって言ったら信じる?」
「信じるもなにもその街の人達の多くは月に行っちゃったからね…」
「…なんで、なんでもっと早くに言ってくれなかったのよ」
「え?だって、聞かれなかったし…」
「あなたが…あなたがそのことを知ってるなら…私…わたし…は…」
「え?か、輝夜?どうしたの?」
「あなたが、そこまで知ってるなら…隠してる意味無かったじゃない!」
「え?隠す?どうして?」
「どうしてもこうしてもないわよ!あー、そんなのならもう、あなたには普段通りで接することが出来るわね」
「普段通り?いつもと変わらない気がするんだけど…」
「そこは…あれよ…隠し事をしてると少しは気が張っちゃうじゃない?」
「へ?あぁ、まぁそうかもね」
「あー、肩の荷が降りた感じがするわ!これからは本当の意味で友達ね!」
「え?あぁ、うん。」
「あー、でも、もう少ししたら引っ越しちゃうのよね…」
「あ!そのことで言いたいことがあるの!」
「ん?なにかしら?」
「…輝夜はどうしても引っ越しちゃうの?」
「しょうがないわよ、お爺さん達が私がもっといい環境で育てるように都に行くって言ってくれてるんだから。
無碍には出来ないわ」
「うぅ、それは、わかるけど…離れ離れになっちゃうのは、嫌だな…」
「……あーもう、可愛いわね!それならお爺さん達に頼んであなたも連れて行ってあげるわ!」
「うーん、ついて行きたいのは山々なんだけど、今の私の居場所は竹林にあるからね…まだ、あそこを離れたくないんだ…」
「え…一緒に来て…くれないの?私のこと…嫌いになっちゃった?」
「いや、そういうわけじゃ…って、そんな泣きそうな顔しないでよぉ…。」
「あ、それなら私が竹林に住む!」
「でも、お爺ちゃん達が…」
「あ…うー、どうしよう…」
輝夜ちゃんは月の民の住人だったんだね…
それをずっと隠してきた、私が隠す必要のない相手ってわかったから心を開いてくれたのは嬉しい。
でも、もうすぐお別れしかないのかな…うぅ、どうすれば…
ん?私は竹林に住んでるだけでここから離れられないわけじゃない、てゐのように四六時中うさぎちゃん達の世話をしてるわけでもないからね。
足の速さには自信がある、それなら都までいつものように通えばいいじゃん!
こんな簡単のこと思いつかなかったなんて…
「輝夜…私、思いついちゃいました」
「な、なにか方法があるの?」
「今と変わらない」
「え?変わらない?私は引っ越すのよ…?」
「生憎、私は妖怪なんです。しかも、狼の妖怪。
地べたを駆け回ることは私の専売特許です!」
「そ、それなら!」
「いつも、来るときは歩いてきてる、都までは走ればいい。
ただそれだけだったのです」
「それなら、これからも会えるのね?やったー!」
「わ、わ!そんな、飛びかかったら!ギャウッ!」
まぁ、なにはともあれ輝夜ちゃんの顔が明るくなってよかった。
これからも、いつも通り会えるんだし私もよかった。
……明日から都までの道、覚えよう。
竹の子物語編も終盤です。
今回はそんなシリアス展開はこないです。
多分…多分。