少女「━━?━━━♪」
おばちゃん「随分と楽しそうだね?」
永奈「あ、おばちゃん!」
おばちゃん「仲良くなったのかい?」
少女「え、あ…はい」
おばちゃん「そうかいそうかい。それなら」 コト
少女「え?」
おばちゃん「友達記念日だからね、たんとお食べ!」
少女「おばちゃん…!」ウルッ
おばちゃん「あんたもよくやってくれたよ、今日は私のおごりさね」
永奈「おばちゃん…!」ジュルッ
私は、この子に今までのことを当たり障りがないくらいに話した。
この子は、好奇心旺盛なようで私の話を聞き色々な反応を返してくれる。
今も、目をキラキラさせながらまだかまだかと話しを聞きたそうにしている。
正直に言おう、この子、とっっっっても可愛い!
その、母性本能をくすぐられるというか、姉性本能をくすぐられるというか…とにかく、もっと教えてあげたい!
永琳も私に色々と教えてくれてた時はこんな気持ちだったんだろうなぁ。
可愛いな~この子可愛いな~。
……家につれて帰ったらまずいかな…。
「ね、ねぇ、何でそんな悪そうな顔してるの?」
「え?悪そうな顔?してないよ~。
ただねぇ、ふふ、ふふふふ」
「危ないよ!今すごく危ない気がでてるよ!」
「気のせいだよ~♪」
「……大声で叫ぶよ?」
「ごめんなさい変な気は起こさないので勘弁してください」
「ふふん♪次のお話しをしてくれたら許してあげる」
「え?次のお話し?」
「ほら、最近できた友達の話し」
「あ、あぁ、輝夜ちゃんの話しね」
「そうそう♪」
前言撤回。
この子恐ろしい資質がある…要注意だね…冗談だけど。
でも、私の話しなんて聞いてて楽しいのかな?私的には楽しそうに聞いてて嬉しいけど…。
ま、楽しそうに聞いてくれてるからいっか!嫌なら今ごろ帰っちゃうだろうしね!
お団子は美味しいし、お喋りも楽しいし、言うこと無しだね!
「あ、そう言えば、名前聞いてなかったよね?
私は永奈って言うんだ!あなたも名前を教えて?」
「え?…名前?…別に、言わなくてもいいよ」
「え?でも、名前がわからないと呼ぶ時が不便だよ…?」
「別にいいじゃないそんなことっ!せっかく楽しかったのに…」
「っ!ご、ごめんね…聞いちゃダメだったよね…」
「あっ……私も、怒ったりして、ごめん。……帰るね」
「え、ちょ、ちょっと待って!」
「……さよなら」
別れを告げると少女は駆け出した。
私は忘れていた、彼女は人で私は妖怪だ。
人と妖怪は本来相容れない存在、築いた絆なんて些細な事で壊れてしまう。
ましてや、彼女とはほんの少し前に会ったばかりだ、絆なんてあってないようなもの、会話をするだけでも細心の注意をするべきだった…。
私の招いた結果だ、彼女はなにも悪くない。
「あら?お嬢ちゃんあの子はどうしたんだい?」
「あ、おばちゃん…。私が怒らせちゃったんだ…」
「…なにか、あったのかい?」
「あの子が嫌がることを聞こうとした…」
「それは、知ってて聞いたのかい?」
「……知らなかった、あの子のことを知った気になってた…」
「ふむ、あんたはどうしたいんだい?」
「……もっと、話しをしたい。」
「なら、正直に伝えてきなさい。商人さんには私から言っとくから」
「…うん!」
急ごう、あの子がどこに行ったのかは匂いでわかる。
こんな別れ方はしたくない。
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とは、言ったもののどうしようか…。
私の目の前にはてゐの所の屋敷よりも大きな屋敷の裏門がある。
匂いはこの中に続いてる…。
「勝手に入ったら不味いよね…」
どうするべきか…いっそのこと大声で呼ぶとか?いや、名前はわかんないし…。
う~ん…。
「そこでなにをしている!」
「」ビクッ
後ろから男性の怒声が聞こえる、体が言うことを聞かず後ろを振り返れない。
「なにをしているのかと聞いておるのだ!」
「あ…え…わ…わた…」
「おい!聞こえんのか貴様!」
不意に肩を強く引かれる。
いきなりのことに驚き妖力を抑えるように集中していた気が少し緩んでしまう。
ポンッ!
一瞬にして永奈の耳と尻尾が現れる。
「な!貴様やはり妖怪か!」
「え…あ…ご、ごめんなさい!」
「今ごろになっても遅い!我が家に何の用があったが知らんが、悪事を働く前にこの藤原不比等が成敗してくれる」
「ごめんなさいごめんなさい」ガクガク
永奈は自分の耳を両手で押さえ縮こまって震えている。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」ガクガク
「……なんのようで我が家に来たんだ?」
「え?あ…あの…あの子と、もっとお話しが…」
「……悪い事をしようとした訳ではないのだな?」
「は、はい」
藤原不比等と名乗る男はしばし考える素振りを見せると裏門を開ける
「まぁ、入れ」
「え…で、でも」
「いや、私もやりすぎた。今の姿が誠の姿なのであろう?」
「はい…今はそうですけど…」
「よし!さぁ、あがっていけ」
「で、でも!私は、妖怪…ですよ?」
「構わん!気に入った!」
「で、でも…」
「意気地のない奴じゃの~。だがそこがいい!」
「え?え?」
藤原不比等は永奈を抱きかかえると器用に頭を撫でながら屋敷の中に入っていく。
……どこか、危険な香りがする。
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私は屋敷に入ることに成功した。
…問題は多々あるがまぁいい、一番の問題は藤原不比等と名乗る男に今もなお、お姫様抱っこをされ頭を撫でられていること…。
どうやって、抜け出そう…
「お~い!父上~!お話しが~…て、なにを持っているんですか!?」
「おお!武智麻呂に房前、良いところに来たな!どうだ?可愛いだろ?」
「…父上、それ妖怪?」
「お!房前は気づいたか!武智麻呂と違って勘がいいな!」
「な!妖怪ですって!父上!早く元の場所に返してきてください!」
「…これを捨てるなんて勿体ない…。」
「房前はわかってくれるか!武智麻呂と違ってわかる男だなお前は!」
「な、なんですと!」
「…兄さん…僕の…勝ち」
「ハッハッハ!まぁ、そう言うことだ!それじゃあ、他の者にも見せてくるからな!じゃあな!」
「あ!父上!…行ってしまわれたか…」
「…兄さん、最初の目的…忘れてない?」
「うん?…あ」
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遠くに4人の女性?が見える、なにか相談してるように見える。
私はお姫様抱っこからシフトチェンジして脇を抱えられてる。
正直、この持ち方されると苦しい…言えないけど…。
「おお!宮子に長娥子、それから光明子に多比能!4人もそろってなにしてるんだ?」
「お?父上ではありませんか!いやぁ、いいところに」
「相変わらず男っぽい口調だな、長娥子」
「お父上様、そのようなことを言っては長娥子が可哀想ではありませんか、長娥子も乙女、なのですよ?」
「そうですよ!お父上様!宮姉の言うとおりですよ!」
「お、おう、それもそうだな。宮子と光明子の言うとおりだな。
長娥子は乙女だ、うんうん」
「そうですよ!父上!私は乙女なのですよ!あっはっはっは!」
「宮子姉様も光明子姉様も長娥子姉様を庇いすぎです…。
それよりもお父上様、その抱えている子供はなんですか?」
「お、おお!やっと気づいてくれたか!どうだ、可愛い奴だろ?
家で飼おうと思ってな、今見せて回ってるところなんだ!
ということで、次が控えておるからな!じゃあな!」
「「「「(お父上様、子供を飼うってなんなんですか…?)」」」」
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「おーい!麻呂ー!宇合ー!ちょっとこっちにこーい!」
正直言って私の体力は限界です…解放されるのは、いつなんだろう…。
「どうしました?父上」
「御用ですか?父上」
「いや、特に用って訳ではないがな!これを見てみろ!」グテー
「…この子、随分とやつれてますね」
「…この子、疲れ果てているのではないですか?父上」
「む、おぉ、すまんすまん、この持ち方じゃキツかったか!」
そう言うと、藤原不比等は私をお姫様抱っこし直す。
ありがとうございます、兄弟さん。
「いいって事です!」
「そうですよ、お嬢さん」
「ん?お前等はなにを会話しているんだ?」
「父上、扱いにはお気をつけください」
「父上、この子も生きているのです。そういうことです!」
「お、おう。そ、そうだな!それじゃ!」
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「どうだ?お前の探してる子はいたか?」
「…いない」
「やはりか……ここからは、他言無用だからな?」
「え?わ、わかりました」
藤原不比等は私に確認をとるととある部屋の前で佇む。
「妹紅、いるか?」
「え、ち、父上様!?今開けます!」
目の前の襖が開く。
そこには、先ほどまで楽しく話していた少女がいた。
少し目元が腫れている…
「え!?どうしてあなたがここに…」
「あ、あの!…は、話しがしたくて…来ちゃった…。」
「話しがしたくてって…また、明日にでもあそこにくれば私は居たのに」
「でも、今話さなきゃいけない気がして…」
「そうだったんだ…ありがとう、永奈。
素直に嬉しいよ」
「ほ、本当に!良かった~。ここでいやがられたらどうしようかと思ったよ」
「うん、それは良いんだけどね…どうして、永奈は、そのぉ…父上様に抱っこされてるの?」
「あ…忘れてた…」
「小さい子ハァハァ」
藤原⑨兄姉を出したはいいんですが扱える気がしない…
どうしよう